「ガールズ&パンツァー」好きなら「World of Tanks」に来い!

【ガルパン×WoT連載】第12回:西住流に逃げるという道はない!「ティーガーI」を「WoT」で動かす

今回扱う車両:ドイツTier7重戦車「Pz.Kpfw. VI Tiger」

黒森峰女学園「ティーガーI」

 アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)とオンライン戦車アクションゲーム「World of Tanks」(以下、WoT)のコラボ連載。今回は黒森峰女学園が使用する戦車「ティーガーI」をご紹介する。

 黒森峰女学園は、劇中で大洗女子学園と決勝戦を争った学校で、ドイツをモチーフにしている。「ティーガーI」は西住みほの姉である西住まほが搭乗しており、「IV号戦車」とともにクライマックスを飾る戦車だ。「ガルパン」ファンにとっては、西住まほが操る「ティーガーI」はTVアニメ版のラスボスであり、作中で最も印象的な戦車の1つだろう。

 「ティーガーI」は史実においても極めて印象的な戦車である。正面装甲100mmによる高い防御力と、8.8cm砲による高い攻撃力を併せ持つこの重戦車は、敵となる「M4シャーマン」や「T-34」といった連合国の主力戦車を圧倒した。「T-34」で見られる傾斜装甲はまだ取り入れられていなかったが、当時としては十分な装甲厚があり、車体を斜めに構える避弾経始も使われ、多大な戦果を上げている。

 第二次世界大戦においては最強の戦車とも言われ、当時の戦車を語る上では決して外せない存在だ。「ガルパン」で名門・黒森峰女学園の隊長である西住まほが乗り込むのは当然である。西住みほも黒森峰女学園に在籍していた頃は、フラッグ車の「ティーガーI」に乗り込んでいたので、西住流戦車道を体現する戦車とも言えるかもしれない。

 ただ「ガルパン」においては、「ティーガーI」という戦車についてはあまり詳しく語られていない。「西住流に逃げるという道はない」と言う西住まほの言葉通りの戦いができる戦車なのかどうか、「WoT」で見ていくことにしよう。

【黒森峰女学園】
西住まほ

「ティーガーI」こと「Tiger」を「WoT」で入手

「ティーガーI」はドイツのTier7重戦車として登場する。高Tierになるのでルートも多彩にある
あんこうチームの「IV号戦車D型改(H型仕様)」(右)と比べるとかなり大きい

 「ティーガーI」は、「WoT」ではドイツのTier7重戦車「Pz.Kpfw. VI Tiger」(略称:Tiger)として登場する。開発ルートは大きく分けて2つあり、Tier5中戦車「Pz.IV H」を通る中戦車ルートか、Tier4重戦車から始まる「D.W.2」かになる。また同じTier7の重戦車「Tiger P」からも開発が可能だ。

 「ガルパン」的に言うと、「Pz.IV H」は「IV号戦車H型」、「Tiger P」は「ポルシェティーガー」なので、とにかく「ガルパン」絡みの戦車が欲しいという人には下記のルート1がおすすめ。なお「Tiger P」からさらに開発を進めると、最終のTier10で「超重戦車マウス」こと「Maus」も手に入れられる。

 「Pz.IV H」を開発するルートは他に軽戦車を経由するものもある。こちらも「ガルパン」に登場する「38(t)戦車B/C型」こと「Pz.38(t)」を入手できるのでプレイしておきたいが、初心者には扱いが難しい戦車を経由するので注意。詳しくは連載第4回をご覧いただきたい。なお軽戦車ルートだと「IV号戦車D型」こと「Pz.IV D」を通らなくなる点も「ガルパン」ファンは要注意。

 途中のTier6中戦車「VK 30.01 P」は、8.8cm砲パッケージによる優秀な火力と、高い機動性を活かした戦い方が求められる。装甲も格下相手ならそれなりに役に立つが、真正面の撃ち合いよりも位置取りを考えた戦いの方が向いている。

【ルート1】
[Tier1軽戦車]LTraktor → [Tier2軽戦車]Pz.II → [Tier3軽戦車]Pz.III A → [Tier3中戦車]Pz.IV A → [Tier4中戦車]Pz.IV D → [Tier5中戦車]Pz.IV H → [Tier6中戦車]VK 30.01 P → [Tier7重戦車]Tiger P → [Tier7重戦車]Tiger

 真っ先に「Tiger I」が欲しいという人は、重戦車ルートと呼ばれる下記のルート2を選ぶのが早い。Tier6重戦車「VK 36.01 H」は、「Pz.IV H」からも開発が可能なので、「ガルパン」ファン的にはそれもあり。余裕があれば、ルート1とルート2を並行して進めておけば、「Tiger」と「Tiger P」がスムーズに入手できる。

 重戦車ルートには、その先で分岐して「パンターG型」ことTier7中戦車「Panther」に至るルートがあるので、進めておいて損はない。黒森峰女学園は強力なドイツ戦車を多彩に保有しているため、「WoT」でも高いTierの戦車がいくつも登場する。筆者は「ガルパン」に登場する戦車を優先して入手しているため、ガレージがドイツ戦車だらけになっている。

 Tier4から始まる重戦車ルートだが、全体的に装甲が比較的薄めで重戦車らしさが薄い。「D.W.2」は火力が物足りず、「VK 30.01 H」は装甲がかなり貧弱。「VK 36.01 H」は機動性もよくバランスがいいが、やはり装甲は硬いとは言いがたい。重戦車と名前がついているが、あまり敵の攻撃を受けることを前提にしない方がいいだろう。

【ルート2】
[Tier1軽戦車]LTraktor → [Tier2軽戦車]Pz.II → [Tier3軽戦車]Pz.III A → [Tier4重戦車]D.W.2 → [Tier5重戦車]VK 30.01 H → [Tier6重戦車]VK 36.01 H → [Tier7重戦車]Tiger

最強の重戦車「ティーガー」が「WoT」では紙装甲?

「Tiger」の「PzKpfw VI H Ausf H2(8.8cm)」パッケージ
「Tiger」の装甲厚。史実通りの前面100mm、側面も80mm。ただし傾斜はなくほぼ垂直
背面から見ても分厚い装甲が続いているが、やはりほぼ垂直
「ガルパン」で見る「ティーガーI」(左から2番目)。並んでいる「ティーガーII」や「パンターG型」と比べると、四角い車体が目立つ

 「WoT」での「Tiger」は、史実の通り前面装甲100mm、側面でも80mmの重装甲を備えた重戦車である。「ガルパン」に登場する「ティーガーI」の武装は、主砲の「88mm KwK36 L/56」、エンジンの「マイバッハHL230P45液冷」となっており、「WoT」では「PzKpfw VI H Ausf H2(8.8cm)」パッケージが合致する。ただ外見的には最終パッケージとなる「Tiger I(8.8 Lang)」の砲塔形状が近い。

 「Tiger」について最初に言ってしまうと、重戦車としては装甲が足りず、比較的火力を重視した戦車という位置づけになっている。前面100mmという装甲は薄くはないのだが、傾斜装甲がまだ取り入れられておらずほぼ垂直で、数字どおりの装甲しか期待できない。貫通力100mm超の砲なら、マッチングしうるTier5の戦車でも割と持っている。

 同じTier7になると、100mmの装甲はどの戦車でも基本的に貫通できると思った方がいい。そもそも自身が持つ主砲も「PzKpfw VI H Ausf H2(8.8cm)」パッケージで貫通力132mm、最終パッケージの「Tiger I(8.8 Lang)」なら203mmに達する。ここまで来ると避弾経始を意識しても弾くのは難しい。

 こうなった理由は、「WoT」の開発ツリーの都合だ。「Tiger」が唯一最強の戦車だとゲームにならないので、他国の戦車とバランスを取る必要がある。例えばソ連ツリーのTier7重戦車は、「ガルパン」では「IS-2」として登場する「IS」だが、これは史実においては「Tiger」が登場後に開発された「対ティーガー戦車」と呼ぶべき存在である。「M4シャーマン」や「T-34」はTier5であり、「WoT」では格下なので、圧倒できて当然だ。

 結果として「WoT」における「Tiger」は、装甲では同格の重戦車に劣るものの、高い貫通力と連射力で勝るというバランスになっている。敵の砲撃をものともせずに反撃するという重戦車をイメージしていると、「WoT」ではどんどん貫通弾を受ける。幸いHPは高めなので、削られつつも反撃するという手もなくはないが、なるべくは避けたい。また相手は「対ティーガー戦車」だけでなく、さらにTier上位の戦車ともマッチングするので、全く油断できない。

「PzKpfw VI H Ausf H2(8.8cm)」パッケージ。貫通力が今一つ物足りない
最終の「Tiger I(8.8 Lang)」パッケージは、貫通力200mm超えでかなり強力
見た目は「Tiger I(8.8 Lang)」パッケージの方が「ガルパン」の「ティーガーI」に近い
同じTier7には「対ティーガー戦車」と呼ぶべきものも多いため、「WoT」では圧倒的に強いとは言えない

優秀な火力を味方との連携で活用しよう

重戦車だからといって常に最前線に立とうとしないでいい。味方に合わせた位置取りをしたい
「ガルパン劇場版」で姉妹が共闘したように、味方と連携してこそ力を発揮する

 「PzKpfw VI H Ausf H2(8.8cm)」パッケージの性能をもとに、「ガルパン」での戦いを考察していこう。大洗女子学園との試合においては、「ポルシェティーガー」だけは注意が必要。前面装甲が200mmに達する部分があるので、正面から撃つのは愚作だ。側面なら余裕を持って貫通できるが、なるべく垂直に近い角度で弱点に当たるよう狙っていきたい。その他の戦車はどう撃とうが概ね貫通できるだろう。

 西住みほらが操る「IV号戦車D型改(H型仕様)」に対しても、主砲が直撃すれば撃破可能。相手の砲撃は、至近距離なら正面でも貫通される可能性がある。側面や背面だとより厳しい。遠距離での撃ち合いなら、車体を傾けておけば弾ける可能性が高い。10.5cm榴弾も基本的には大ダメージにはならないが、上から撃ち下ろされる角度の時は装甲が薄い天面から損害が出る可能性があるので注意。また履帯も狙われやすいので油断しないこと。

 「M26パーシング」こと「M26 Pershing」、および「センチュリオン」こと「Centurion Mk. I」は、いずれもTier8で登場するためマッチングする。いずれも前面は厚めの傾斜装甲となっており、真正面からの砲撃では貫通しづらい。特に砲塔正面は硬いので狙うべきではない。側面なら余裕を持って貫通を狙える。相手の攻撃はあらゆる角度から貫通されると思っておいた方がいい。これらも「対ティーガー戦車」なのでやむなし。

 最終パッケージの「Tiger I(8.8 Lang)」になると、貫通力が203mmと一気に増す。200mm超の貫通力は同Tier帯ではかなり優秀で、一部の駆逐戦車の前面装甲など異常に装甲が厚いものを除けば、安定して貫通してくれる。Tier上位の相手に対しても、角度が悪くなければダメージを狙っていける。「M26 Pershing」や「Centurion Mk. I」も、これなら真正面からでも撃てる。

 撃たれた時に思いのほか脆いという点を除けば(重戦車が脆くてどうするという声もあるだろうが)、優秀な火力とそれなりの機動力を意識できれば、いい戦いができる。最終パッケージを前提に考えると、ちょっと引いた位置から味方の視界をもらいながら戦うのが理想的な位置取りと言える。ただし格下相手に自分だけ引きこもっていても仕方ないので、状況に応じて避弾経始を意識しながら前に出ることも大切だ。

 「逃げるという道はない」という西住流を「WoT」の「Tiger」で実行するには、自らの戦車の力に頼るのではなく、味方との連携を重視した動きが求められる。前に出すぎず周りをよく見て、時には遠くで射線が通る敵を狙撃するなど、自分が味方に合わせていくのが基本だ。また1対1になれば、相手次第で火力とHPの高さを生かして押し切ることも可能。状況に応じた動きを考えて逐次対応していくことが求められる、テクニカルな戦車だ。

 パーツ選びに関しては、火力を高める「大口径戦車砲用装填棒」は持っておきたい。他は履帯やエンジンをやられて動きが止まると薄い装甲が狙われやすいので、「工具箱」で対処するのもあり。引いた位置から狙撃もありえるなら、「迷彩ネット」や「双眼鏡」もありえる。

 アイテムは「修理キット」、「救急キット」、「手動消火器」のお手軽3点セットが基本。こちらもプレイスタイルに応じて修理を手厚くするなどの修正を加えたい。スキルも悩ましいが、「第六感」や「修理」、「戦友」など汎用性の高いものが無難だろうか。様々な状況に対応していくことが前提だと、どれを使っても活かしようはあるので、プレイスタイルに合わせて選びたい。

重装甲で押す戦車ではない、ということは頭に入れておきたい。敵味方の位置を把握して、できるだけ連携を取って動くことが重要だ
パーツやアイテム、スキルはどれも活かしようがあるので好みで選ぼう

 次回は少し趣向を変えて、「WoT」におけるテクニックを解説する。これまでの連載にも出てきている避弾経始やハルダウンなど、覚えておけば戦場で役に立ち、「ガルパン」のバトルシーンの意味もより深く理解できる内容にしていきたい。今から「WoT」をプレイしようという人には予習として、今一つ勝率が上がらないという人にはステップアップのため、ぜひご覧いただきたい。お楽しみに。

(石田賀津男)