「ガールズ&パンツァー」好きなら「World of Tanks」に来い!
【ガルパン×WoT連載】第13回:戦車道は甘くない! 「WoT」初心者が覚えておきたい戦闘心得
初心者でもすぐ実践できる10のトピックを伝授!
2016年12月28日 12:00
アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)とオンライン戦車アクションゲーム「World of Tanks」(以下、WoT)のコラボ連載。今回は「WoT」のゲームプレイにターゲットを絞り、主に初心者やこれからプレイしたい方へ、プレイのコツとなる要素をご説明していきたい。
「WoT」は最大15対15の対戦が基本となっている。マッチングは戦車のTier(戦車の能力を10段階にレベル分けしたもの)によって決定されるため、低いTierの戦車をベテランのプレーヤーが操っていることもある。初心者だけ戦車の能力が上がるようなハンデはないので、ゲームを始めた頃はコツがわからず、あっという間にやられてしまうのも仕方ない。
「ガルパン」で好きになったお目当ての戦車で遊びたいのに、その途中で挫折してしまうのは、「WoT」ファンとしても「ガルパン」ファンとしても残念なことだ。「うまくいかない、どうしたらいいんだろう?」と思った時、ある程度のフォローになる情報を、わかりやすくお伝えできればと思う。
なお本連載はプレイステーション 4版をベースとして解説している。PC版「World of Tanks」、スマートフォン版「World of Tanks Blitz」においては、システムが異なる部分もあるので、その点は踏まえてご覧いただきたい。
コツその1:撃ち合いよりも「見る」ことが大事
「WoT」を初めてプレイした人の多くが最初に感じるのは、「すぐやられる」ということだと思う。しかも、自分からは敵がどこにいるのかもわからないで、一方的にやられてしまう。こういう場合は、本当に理不尽で意味がわからない。
もちろんこれには理由がある。一方的にやられるのは、自分からは相手を見つけられていないが、相手からは自分が見えているからだ。「WoT」には視線の概念があり、視線が届かない敵車輌は画面に表示されない。
視線の判定に絡む要素は大きく分けて3つある。まずは距離。当たり前だが遠くの敵は見えない。
次に、自車輌の視認距離。車輌によって見通せる距離が異なり、遠くまで見えるもの、近くないと見えないものがある。
最後は隠蔽率。車輌によって、遠くからでも見つかりやすいものと見つかりにくいものがある。イメージ的には、大型で背の高い車輌は見つかりやすいが、小さくて背の低い戦車は見つかりにくい。実際の隠蔽率は、戦車や装備ごとに変化する。隠蔽率が低い車輌は、遠くにいる敵からも見つかりやすいという具合だ。
さらに隠蔽率を変化させる要素がいくつかある。敵車輌との間に建物などの障害物があれば、視線が通らないので発見できない。例外的に、半径50m以内にいる敵車輌は、視線と無関係に発見できる(同時に敵からも発見される)。
また草むらや木々など、視界を遮るが衝突判定を持たない茂みがある。この場合、敵方向から見て自車輌が木々で隠れていれば、隠蔽率が高い状態になり、敵から見つかりにくくなる。
車輌の挙動によっても隠蔽率が変化する。静止時に比べて、移動時は隠蔽率が低下する(ただし軽戦車は移動中でも隠蔽率が変わらない)。また砲撃を行なうと、隠蔽率が低下する。特に木々で隠れている状態で砲撃すると、隠れている場所の隠蔽効果も減少し、大幅に見つかりやすくなる(見通しのいい場所よりはマシだが)。
以上の要素を加味すると、「敵が木々などに動かず潜んでいて」、「自分が開けた場所を走っている」と、敵から一方的に見つかる状況に陥りやすい。いくら見た目上で敵がいないからといって堂々と走っていると、見つかって一方的に撃たれてしまうわけだ。
逆に言うと、敵から自車輌の位置を悟られない限り、まず狙われることはない。敵を撃つときも、なるべく茂みに隠れた場所から撃てば、敵から見つからずに攻撃を仕掛けられる可能性がある。まずは敵を見つけることと、自分が見つからないことを意識して動くようにしたい。
なお自分が見つけた敵車輌は、無線を通じて味方車輌にも自動的に直ちに伝達される。つまり味方からも、自分が見つけた敵が見えるようになる。そうなれば味方の援護射撃も受けられるので、数の有利を活かして戦える。すぐにやられてしまうのは、この逆をやられていることが多い。ちなみに無線にも範囲があるため、あまり味方と離れていると、互いの情報をやり取りできなくなる。無線の範囲も視線と同様、戦車や装備によって異なる。
コツその2:1人にならない
敵車輌を見つけて味方と情報共有するということからもわかるように、「WoT」では味方との連携が極めて重要だ。敵車輌は必ずしも自分で見つける必要はなく、味方が発見した敵車輌を自分も攻撃するという戦い方もある。
その際に大事なことは、1人にならないこと。味方が誰もいない方向に1人で進軍して、そこに敵を見つけたとしても、一緒に敵を狙ってくれる味方はいない。もし敵が1人ではなく何人もいれば、自分が集中攻撃を受けて、あっという間にやられてしまう。
同様の状況は、軽戦車など足の速い戦車を使っている時にも発生しやすい。味方がついて来られないスピードで自分だけが敵陣へと走っていき、真っ先に敵に発見され、集中砲火を浴びるというパターン。うまくやれば敵を発見できて味方の役に立てるかもしれないが、あっという間にやられてしまえば、ただ戦力が1人減っただけになってしまう。
先述のように視界を取ることが勝利への第1歩なので、味方のために敵の位置を探ろうという気持ちは大事だが、敵とぶつかる位置というのは、マップによってある程度決まってくる。どんなに足の速い戦車であっても、自陣と敵陣を結んだ距離よりも進んでしまえば、たいていは敵に発見される。そこに十分な数の味方が一緒にいるならいいが、そうでないなら一歩手前で、障害物などを探して味方を待つのも重要だ。
そうは言っても初心者は、マップの構造や戦い方もわからない。そんな時は、自らが先頭に立つ動きは控えて、味方についていく動きを選ぶ方がいい。そうすれば、少なくとも味方が発見した敵車輌を一緒に撃つチャンスくらいは出てくる。そのうちに、マップの形や戦い方がだんだん見えてくる。先頭を走るのはそれからにした方がいい。
コツその3:「貫通」の概念を覚える
「WoT」の車輌にはHPがある。敵に攻撃されてダメージを受けて、HPが0になったら撃破されたことになる。だから敵の攻撃をできるだけ受けないようにしたいのだが、「WoT」には敵の攻撃に当たらないだけでなく、受けつつダメージを0に抑えるという手もある。
車輌には基本的に装甲がある。敵の弾に自車輌の装甲を貫くほどの威力がなければ、受け止めたり弾いたりしてダメージは0になる。しかし敵弾の貫通力が自車輌の装甲を上回れば、敵弾が車輌内に飛び込んでくる。つまりダメージを受ける。要するに、敵弾を装甲で阻めばいいのだ。
車輌の装甲の厚さは、車輌ごとに異なる。傾向としては、足が速い軽戦車は装甲が薄く、足が遅い重戦車は装甲が厚い。薄い装甲の車輌は敵弾を容易に貫通してしまうが、厚い装甲があれば、雨あられと降ってくる敵弾を全てノーダメージでやり過ごせることもある。
装甲の厚さは、車輌の部位によっても異なる。大抵は正面の装甲が最も厚く、側面や背面は薄い。正面を撃っても貫通できない相手も、横や後ろを狙い撃つと貫通できることがある。
貫通するかどうかには、砲撃する側の要素も関係する。砲弾にはそれぞれ貫通力が設定されており、その値に応じて敵の装甲を貫けるかどうかが決まる。貫通力は高い方が有利だが、貫通力と貫通した時のダメージはイコールではない。貫通はしやすいがダメージが小さいもの、貫通力は低いが連射力があるものなど様々な特性がある。
また貫通力は砲弾の種類にもよる。たとえば「徹甲弾」(ゲーム内では「AP」と表示)は、敵との距離が離れるほどに貫通力を失っていく。目の前にいれば貫通できる車輌も、遠くにいると貫通できなくなる可能性がある。「榴弾」(HE)は命中した場所で爆発するという特性から、距離による貫通力の減衰がない。こういった特性を頭に入れておけば、貫通できない相手を撃つ無駄を減らせる。
欲を言えば、自分の車輌の砲弾の貫通力と、敵車輌の装甲厚および装甲分布を理解していると、狙いどころがわかってくる。様々な車輌の性能を覚えるには相当な時間がかかるが、簡単な要素としては、敵を照準した時の色で判断できる。PS4版(コンソール版)の場合、赤い色になれば貫通できる可能性が高く、オレンジ、黄色と変わるほど貫通できなくなる可能性が高い。
コツその4:装甲を斜めに使う“避弾経始”を意識する
避弾経始というのは、装甲を傾斜させることで敵弾を弾こうという考え方。物理と数学の話になるが、100mmの装甲に対して垂直に当たった弾は、100mmを貫通すれば内部に到達できる。しかし100mmの装甲に対して斜め45度から命中した場合、弾の進行方向に対しての装甲厚はルート2倍、およそ140mmになる。装甲に対する命中角度が水平に近づくほど、実質的な装甲厚は増していく。
これを実戦で応用すると、敵に対して車体を斜めに構えることで、実際の装甲厚以上の装甲性能を得ることができる。車輌の多くは正面装甲が厚く、側面が薄いため、理想的な角度は45度よりも浅い角度になる。正面装甲と側面装甲の差が大きいほど、正面向き気味の斜めの姿勢をとるのがいい。
障害物などで敵弾を避ける場所がなく、敵と撃ち合いになる状況においては、車輌を斜めに構えることを覚えておくだけでずいぶん違う。それなりに離れた距離から多くの敵味方が撃ち合うような状況では、自分が狙われていなくとも、とりあえず斜めに構えておくと、撃たれた時に敵弾を弾ける可能性が高くなる。車体を少し斜めにして避弾経始を狙う姿勢を、「昼飯の角度(あるいは単に昼飯)」と呼ぶ。
同様に、障害物に車体前方を隠した姿勢から、斜め後ろに下がりながら障害物から顔を出し、正面の敵を撃つという動きもある。敵からは主に角度が厳しい側面が見えるため、装甲が薄くとも弾を弾きやすい。「WoT」のプレーヤーは、この動き・姿勢を「豚飯」と呼んでいる。
コツその5:自動照準は便利だが頼り過ぎはNG。精密射撃も併用すべし
「WoT」では砲の向きも手動で操作できるが、発見した敵に自動で照準を合わせる機能も用意されている。小さく遠い敵を狙う照準操作は慣れないと難しいが、自動照準であれば敵車輌の中心部分を自動的に狙ってくれるので、素早く敵を狙って砲撃することが可能になる。初心者が活用すると命中率が飛躍的に高まるので、操作方法は必ず確認しておいて欲しい。
ただ自動照準にもデメリットがある。まず敵車輌の中心部分しか狙わないため、正面の装甲が分厚い部分を狙ってしまう可能性がある。また障害物などで敵車輌の中心部が隠れていると、いくら撃っても絶対に当たらないという状況にもなる。
PS4版ではゲームパッドを使って操作するので、常に手動で照準するのは大変だ。新たに発見した敵車輌は自動照準でおおまかに狙った後、手動で微調整を加えて撃つ、というのが楽でいい。装甲の薄い部分をきっちり狙って撃てれば、敵にダメージを与えられる可能性は格段に上がる。
自動照準が便利なのは、至近距離での撃ち合いだ。動きの速い戦車と至近距離で撃ち合うのに、戦車の移動と照準の操作を同時にやるのは難しい。自動照準にしておけば、戦車を移動しながら撃つのも難しくない。至近距離であれば貫通もしやすいが、それでも貫通が難しい相手なら、やはり手動照準が必要になる。
遠くにいる敵には、カメラをズームさせる精密射撃も活用したい。照準は車輌を止めて砲も動かさなければ、照準が絞られて射撃の精度が上がる。敵の弱点を的確に狙い撃ちするには、動かずじっくり敵を見るのが大事だ。もちろん止まっている自車輌は敵からも格好の的になるので、安全な位置や状況を確保する必要もある。
コツその6:足の速い車輌で敵の後ろに回る
軽戦車などの足の速い車輌は、装甲が薄く、砲も貧弱なものが多い。真正面から撃ち合っても勝ち目は薄いが、足の速さを活かした戦い方もある。敵の車輌の足が遅く、うまく接近できれば、敵の後ろに回って一方的に撃つ状況を作れる。
足が遅い車輌は、背後に回り込んだ敵を追いかけるため旋回したいが、車体の旋回速度と砲塔の旋回速度が遅いと、周囲をぐるぐる走り回る車輌を捉えきれない。そうなれば、足の速い車輌は敵の砲を避けて周囲を回っているだけで、一方的に砲撃を仕掛けられる。装甲の弱い側面や背面も容易に狙われるため、貧弱な砲でも貫通されやすい。重戦車など足の遅い車輌では、不意に出現した軽戦車に対して注意が必要だ。できれば接近される前に撃って倒してしまうか、そうでなければひたすら逃げて味方の援護を待つしかない
また駆逐戦車は、砲塔がなく車体の正面にしか撃てないものが多い。この場合は足が遅い車輌よりも条件が悪い。敵は、正面にさえ回らなければ撃ち放題になってしまう。攻撃側はただ横付けするだけで、駆逐戦車を完封できる。なお駆逐戦車の中にも旋回砲塔を持つものがいるので、そこだけは注意が必要だ。
自分が足の速い車輌を使っている時は、この戦い方を覚えておくと局所戦で優位に戦える。ただし他の敵がいる状況だと援護されて危険なので、足が遅く、他の敵が周囲に見当たらないような状況で狙うのがいい。
コツその7:修理が生存率を高める
「WoT」の車輌はHPへのダメージ以外に、各種モジュールへのダメージも計算されている。最もわかりやすいのが履帯で、敵に撃たれると履帯が切れてしまうことがあり、移動できなくなる。切れた履帯は時間の経過によって修理されるが、その間は逃げることもできず、敵に狙い撃ちされやすい。
そこで壊れたモジュールを素早く修理する方法がある。「修理キット」というアイテムを使用することで、破損したモジュールを一瞬で修理できる。「修理キット(小)」は任意のモジュール1つ、「修理キット(大)」はその時破損したモジュールを全て修復する。これらは出撃前に、シルバー等で購入して装備することで戦場へ持ち込める。
モジュールは履帯のほかに、弾薬庫や主砲、エンジンなど数種類がある。弾薬庫は破損すると主砲の装填時間が2倍になり、攻撃力が低下。さらに弾薬庫が大破すると誘爆し、HP残量を問わず即爆散となる。他にも主砲の大破で射撃不能、燃料タンク大破で火災発生など、部位によってペナルティがある。状況に応じて素早く修理ができないと、後々の戦いにも影響を及ぼす。
大破した後に時間経過で修理されると、破損状態にまでしか戻らない。修理キットを使うと健全な状態まで回復するので、破損状態でもペナルティを受ける部位は優先的に修理しておきたい。
修理キット以外にも、時間経過による修理を早める搭乗員スキルやパーツもあるので、装備しておくといざという時の安全性が増す。なお火災に対しては「消火器」、搭乗員の負傷に対しては「救急キット」と、インスタントに回復できるアイテムがあるので、これらの活用も考えておきたい。
コツその8:自走砲には常に注意
「ガルパン」の世界にはほとんど登場しないが、「WoT」には自走砲というカテゴリーがある。超遠距離から角度をつけた砲撃を行なう車輌で、マップを俯瞰しながら敵を狙うという、他の車輌とは全く違う操作系を採用している。
自走砲は基本的に装甲が薄いため、最前線で撃ち合うのではなく、後方から味方の視界の情報をもらって敵を狙うことが多い。弾は超遠距離から山なりに飛んでくるので、撃たれた側が自走砲に反撃できる状況はほとんどない。感覚的には一方的に撃たれてしまうため、「自走砲は卑怯だ!」というプレーヤーもいる。初心者にとって自走砲は非常に辛い相手になるが、対策を練らなければ延々とやられてしまう。
自走砲対策において最も重要なのは、敵に見つかったかどうかを知ることである。自走砲は味方の視界を借りて戦うのが基本なので、味方が敵を見つけてくれないことには始まらない。よって、自分が敵に見つかっていない限りは、自走砲の脅威はほとんどない。
しかし敵に見つかった瞬間から、自走砲の的になり得る。敵に自走砲がいる時に敵に見つかって、なおかつ足を止めて敵と撃ち合いをしようものなら、敵の自走砲は止まった獲物を大喜びで撃ちに来る。敵に見つかるなというのは無理な話なので、見つかった後のフォローが大事になる。
もし敵との撃ち合いが無理に必要ない状況なら、いったん障害物などに隠れて敵の視界を遮り、敵の発見から逃れるまでしばらく待つという手がある。1度発見されると隠れてもしばらくは敵から見えている状態が続くので、慌ててまた姿をさらさないのが大切。また背の高い障害物の近くにいれば、自走砲の山なりの砲撃も防ぐことができる。敵の自走砲の位置をおおよそ読んで、その方向に障害物が来るような位置取りができれば理想だ。
味方が撃ち合っているなど、敵と撃ち合いたい状況で発見されたら、なるべく戦車の動きを止めないことが重要だ。自走砲は超遠距離からの砲撃が可能だが、発射から命中までに2~3秒かかることもある。そのため移動している敵を正確に撃つのは難しく、不規則に動く的を狙うのは至難の業だ。自車輌が砲撃したら、最低でも装填中は少し移動し、射撃直前だけ足を止めるなどすれば、自走砲側としてはなかなか狙いにくい。
それでも動きが遅く、車体が大きな重戦車は狙われやすい。敵に自走砲が多い戦場で重戦車を扱う時は、障害物に隠れられる場所の目星をつけておくと安全だ。また隠れて撃つことが多い駆逐戦車や自走砲も、動きが止まっていることが多く狙われやすい。敵に発見されたら、その場から少しでも移動しておくのが重要。もし敵の発見から逃れられたとしても、敵の自走砲が「また同じ場所にいるのではないか」と予想して撃ってくることもあり得る。
コツその9:ハルダウンを覚える
「ハルダウン」とは、障害物や地形の凹凸を使い、車体を隠しながらも砲塔だけを見せる姿勢のこと。砲塔が出ていれば敵を攻撃できるが、車体の大部分は隠れているので、敵からは狙う場所が小さく当てづらい。また車輌の多くは砲塔部分の装甲が厚いため、狙われても安全性が高い。
先述の自動照準の場合、ハルダウンしている相手の車体の中心は障害物で見えないため、いくら撃っても当たらない(偶然、弾が上方向にブレれば砲塔に当たるが)という利点もあり、「WoT」においては強力な戦法と言える。
「砲塔だけをうまく隠せる障害物なんて滅多にないよ」と思うかもしれないが、実は結構ある。地形のちょっとした起伏を使うことで、敵からはこちらの砲塔だけしか見えないという状況は割と作れる。
わかりやすいやり方としては、小山を挟んだ位置に敵がいる状態で、横向きか斜め横くらいの角度で山を登っていく。そして精密照準で敵を見ながら、小山の向こうからぎりぎり敵が見える状態を作る。すると、こちらからは自由に撃てるが、敵からは砲塔部分しか見えていないという状況を作れる。
山に対して真っすぐ上がっていくと、砲塔より先に戦車の前部が見えてしまうことがある。起伏をよく見て、車体はなるべく水平にしながら、山越しにぎりぎり敵が見える場所を見つけるのがポイントだ。
ただし、側面など別の方向からの砲撃には注意が必要。ハルダウンできていると言ってもそれは正面に対してだけで、横や後ろに回られれば丸裸という状況も多い。逆に言えば、正面からハルダウンして強気に撃ってくる敵がいるなら、真正面からやりあわずに横に回る動きも考慮しておくといい。十字砲火を浴びながらハルダウンを維持できる状況はそう多くない。
コツその10:特定の要注意車輌はチェックしておきたい
「WoT」の車輌はTierで分けられ、多彩な車輌が登場する中でも公平な対戦が行なえるよう考えられている。しかしながら、車輌ごとに性能の違いがある以上、見かけたら要注意すべき戦車というのは存在する。戦場に入ったら、まず敵味方がどんな構成になっているのかリストをチェックして、必要な対策をイメージしておきたい。
初心者が最初に頭に入れておきたいのは、先述の自走砲。次は低いTierに多い、機関砲を装備した戦車だ。機関砲は単発の威力が低く、貫通力も低いが、多数の弾をまとめて連射してくる。全ての弾を至近距離で受けてしまい、全弾命中、全弾貫通という状況になってしまうと、それだけで撃破されてしまうこともある。
どの戦車が機関砲を持っているのかを覚えるのが最善だが、そうでなければ軽戦車に対して不用意に接近戦を仕掛けないのが次善の策。軽戦車は砲も装甲も弱いと思っていると、手痛い反撃を受ける可能性がある。ただ機関砲は精度が悪いという欠点もあるため、遠距離ではさほど脅威にはならない。
その次はTier4付近から猛威を振るう、10.5cm榴弾、通称「十榴」だ。榴弾は徹甲弾に比べて貫通力が低いものの、1発のダメージが大きいという傾向がある。ただ10.5cm榴弾は、Tier4~5で装甲が薄めの車輌はほぼ貫通してくる。しかもダメージはTier4だと1発で撃破されてしまうほど大きい。装備している車輌は、Tier4以上の駆逐戦車と、Tier5の中戦車に多い。
具体的には、「ガルパン」にも登場する「Pz.IV H(IV号戦車H型)」や「StuG III B(III号突撃砲)」、「Hetzer(ヘッツァー)」、「M4 Sherman(M4シャーマン)」などが該当する。これらの戦車が必ず10.5cm榴弾を装備していると決まっているわけではないが、確率はかなり高い。
榴弾は徹甲弾に比べて弾速が遅く、遠距離では着弾にやや時間がかかる。そのため移動している敵を狙い撃つのはやや難しい。しかし撃ち合いで足が止まっているなら、遠距離であろうとも命中させることは容易だ。榴弾は距離による貫通力の減衰がないので、当たれば問答無用で大ダメージになりやすい。自走砲対策と同様、敵に見つかった時には不用意に足を止めないことが重要だ。
この先にも要注意車輌はいくつもある。10.5cm榴弾をさらに上回る152mm榴弾を扱う「KV-2」、重厚な正面装甲が強みの「Jagdtiger(ヤークトティーガー)」など、「WoT」の世界でも注目を集める(必ずしも強いというわけではないが)車輌が登場する。対戦していて「この戦車はうまく相手ができない」と感じたら、どんなスペックを持っているのか調べていくといい。「WoT」に万能な戦車は存在せず、必ず何かしらの弱点を抱えている。
対戦におけるコツやテクニックはまだまだあるが、既にかなりの量になっているので、今回は初歩的な内容に止めさせていただく。プレイする前からここに書いてあることを全て覚えよとは言わないが、プレイしてうまくいかないなと思った時、改めて読み返していただいて、レベルアップにつなげていただければ幸いだ。
次回は再び戦車紹介に戻り、大洗女子学園より、「ポルシェティーガー」をご紹介する。前回紹介した「ティーガーI」と同じ「ティーガー」という名を冠し、さらに日本でもよく知られるポルシェの名前まで付いていて、それだけで心躍る戦車である。また「ガルパン」では自動車部が預かっており、走りに絡むネタも多いのが特徴。その辺りも含めて話を展開していきたい。次回をお楽しみに。