「ガールズ&パンツァー」好きなら「World of Tanks」に来い!

第3回:扱いやすい主役戦車! あんこうチーム「IV号戦車D型」を「WoT」で動かす

今回扱う車両:Tier4中戦車「Pz.Kpfw.IV Ausf.D」

あんこうチーム「IV号戦車D型」

 アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)とオンライン戦車アクションゲーム「World of Tanks」(以下、WoT)のコラボ連載の第3回は、いよいよ「ガルパン」に登場する戦車を「WoT」で動かしていく。今回は、県立大洗女子学園より、あんこうチームが搭乗する「IV号戦車D型」を紹介する。西住みほ、武部沙織、五十鈴華、秋山優花里、冷泉麻子の5人で操縦する、「ガルパン」における主役戦車である。

 「ガルパン」では、大洗女子学園のガレージに唯一残されていた戦車で、その他の戦車は戦車道履修者らが学園艦を捜索して発見された。誰がどの戦車に乗るかを決める時、生徒会長の角谷杏が「見つけたもんが見つけた戦車に乗ればいいんじゃない」と発言したものの、あんこうチームが発見した「38(t)戦車B/C型」は生徒会チーム(カメさんチーム)が使用。残った「IV号戦車D型」をあんこうチームが使うことになった。

 大洗女子学園では戦車道がいったん廃止されており、学園艦に残っていた戦車は大半が売却された。残った戦車は売れ残りというわけだ。しかし「IV号戦車」は改良を繰り返しながら第二次世界大戦の末期まで使われ、ドイツで最も多く生産された優秀な戦車である。作中でも「F2型仕様」、「H型仕様」と段階的に改修されることとなる。

 テレビアニメの終盤から劇場版にかけては「IV号戦車D型(H型仕様)」が登場することもあり、多くの「ガルパン」ファンはこちらの印象が強いだろう。しかしテレビアニメの中盤までは「D型」であり、数々の活躍を見せたこの戦車の存在も忘れて欲しくない。また「WoT」においても「IV号戦車D型」と「IV号戦車H型」は別々に存在する。そこで今回は「IV号戦車D型」および第1次改修となる「IV号戦車D型(F2型仕様)」にスポットを当てたい。

【あんこうチーム】
西住みほ(車長)
武部沙織(通信手)
五十鈴華(砲手)
秋山優花里(装填手)
冷泉麻子(操縦手)

 本連載の趣旨として、「ガルパン」ファンが「WoT」に興味を持ってプレイする時のガイドを用意したいと考えている。「WoT」は全てのプレーヤーがイコールコンディションで戦う真面目な対戦ゲームだ。それだけに初心者は勝てない、すぐ即死するという状況が起こりやすい。お気に入りの戦車を動かしたい、手に入れたいが、途中で心が折れる……ということをできるだけ減らすべく、各車輌の扱い方をお伝えしていきたい。

 「WoT」はPC、プレイステーション 4、Xbox 360、Xbox One、およびスマートフォンで提供されている。本連載では基本的にPS4版を使用して紹介するが、戦車の性能についてはプラットフォームごとにそれほど大きな差はないので、プレイの際は好みのプラットフォームでお試しいただきたい。

「IV号戦車D型」こと「Pz.IV D」を入手

 「IV号戦車D型」は、「WoT」では「Pz.Kpfw.IV Ausf.D」(以下、Pz.IV D)という名前で登場するドイツ戦車。戦車のランクを示すTierは4とそれほど高くないため、入手は比較的容易だ。Tier1からの入手ルートは下記のとおり。

「Pz.IV D」はドイツのTier4中戦車として入手できる

【入手ルート】
[Tier1軽戦車]LTraktor → [Tier2軽戦車]Pz.II → [Tier3軽戦車]Pz.III A → [Tier3中戦車]Pz.IV A → [Tier4中戦車]Pz.IV D

 入手までに使用することになる戦車は軽戦車と中戦車で、いずれもオーソドックスで癖がない。「WoT」の初心者にも扱いやすい戦車が揃っており、ゲームの練習にももってこいだ。「ガルパン」ファンが最初に目指す戦車として考えても「Pz.IV D」はおすすめできる。

 中でもTier3には「Pz.IV A」、日本語名「IV号戦車A型」が登場する。これは「ガルパン」には登場しないものの、ベースが同じ「IV号戦車」はより早いうちに入手できることになる。それだけに「ガルパン」ファンには「Pz.IV D」入手までの過程も楽しめるはずだ。

 「ガルパン」に登場する「IV号戦車D型」を、「WoT」の「Pz.IV D」の装備で再現したいところだが、PS4版においては全く同じになるパッケージ(装備セット)が存在しない。「ガルパン」の「IV号戦車D型」と同じ主砲「7.5 cm KwK 37 L/24」を搭載するパッケージは「PzKpfw IVE」となるが、エンジンは「ガルパン」の「IV号戦車D型」が「マイバッハHL120TRM」を搭載するのに対し、「PzKpfw IVE」は「Mybach HL 120 TR」となる。

 さらにパッケージを「PzKpfw IVE2」にすると、主砲が「7.5 cm KwK 40 L/43」となる。この場合、プラウダ高校戦を控えて改修された「IV号戦車D型改(F2型仕様)」と主砲およびエンジンが同じ構成になる。「PzKpfw IVE2」は「Pz.IV D」にとって最終段階のパッケージとなるため、入手には少し時間がかかることになる。

「IV号戦車D型」に近い構成となるパッケージ「PzKpfw IVE」
「IV号戦車D型改(F2型仕様)」は「PzKpfw IVE2」が近い

速さと攻撃力はあるが、薄い装甲がネックの「Pz.IV D」

「Pz.IV D」(PzKpfw IVE2)の性能表。100mm超の貫通力を持つ砲を装備しながら、自らの装甲は20~30mm程度しかない

 「Pz.IV D」の性能をざっくり言うと、スピードはあるが装甲は薄い。中戦車というカテゴリなので装甲はそれなりにあるのかと思ってしまうが、期待しない方がいい。軽戦車相手に撃ち負けることは少ないにしても、こちらの装甲も簡単に貫かれてしまうため、相当なダメージを負ってしまう。

 特に注意が必要なのが、Tier5の戦車を中心によく使われる、10.5cm砲の榴弾だ。榴弾は着弾して炸裂する砲弾で、貫通力を重視した徹甲弾よりも装甲を撃ち抜く能力は低いものの、攻撃力は高く、貫通しなくともある程度のダメージが入るという特性がある。10.5cm榴弾は貫通力こそ控えめだが、同Tier帯の砲弾の中では攻撃力が極めて高いことから、多くのプレーヤーが積極的に使っている。

 装甲が薄い「Pz.IV D」は、10.5cm榴弾であっさり撃ち抜かれる。当たり所によらず1発で爆散する可能性が高いので、10.5cm砲を持つ戦車がいる戦場では、見つかったらすぐに姿を隠す方がいい。そうでなくとも、上位のTierの敵戦車と至近距離で撃ち合うのは自殺行為に近いため、姿を晒しながらの撃ち合いは極力避けたい。

【「Pz.Kpfw.IV Ausf.D」のプレイ映像】

中戦車の割には装甲が薄く、真正面から撃ち合うのは得策ではない
至近距離での戦いには不向き。ある程度の距離や障害物が欲しい

 しかし注意すべき点はそこだけだ。「Pz.IV D」は攻撃面では十分に優秀な能力を持っている。「IV号戦車D型」が搭載する「7.5 cm KwK 37 L/24」は、「WoT」では徹甲弾の貫通力が低いものの、榴弾はなかなかの高威力なので、基本的に榴弾で戦うのがいい。「7.5 cm KwK 37 L/24」は「Pz.IV A」でも使えるので、このことを覚えておくと楽になる。ただし弾速が遅く、弾道がやや山なりになるので、動いている相手に当てるのは少々難しい。

 「ガルパン」における「IV号戦車D型」の主砲の見せ場といえば、五十鈴華の「いいえ、1発でいいはずです」の台詞が記憶に残るサンダース大学付属高校での戦い。作中では「M4A1シャーマン 76mm砲搭載型」を1発で撃破してみせたが、「WoT」で「7.5 cm KwK 37 L/24」を使ってTier5の「M4」を1発で倒すには、弾薬庫を狙って誘爆させる以外にない。同じことをしようとしても1発撃って倒せず、「M4」からの反撃で1撃爆散する可能性の方が高い(「M4」は10.5cm榴弾が使える)ので、無理は禁物だ。

「WoT」においては、「7.5 cm KwK 37 L/24」は榴弾で戦う砲だと思って構わない
榴弾は弾速が遅く当てにくいが、比較的安定したダメージを望める

 「IV号戦車D型改(F2型仕様)」が搭載する「7.5 cm KwK 40 L/43」は、「7.5 cm KwK 37 L/24」と同じ口径ながら、徹甲弾の貫通力が大幅に上がっている。同じTier4の戦車ならほとんど何でも貫通してしまうほどで、なおかつ攻撃力も十分。射撃精度も悪くないので、少々距離があっても当てていける。こちらは榴弾を使うと高貫通力のメリットがなくなるので、徹甲弾中心の運用で構わない。

 「ガルパン」で「IV号戦車D型改(F2型仕様)」が登場するのはプラウダ高校戦だけだが、カバさんチームの「III号突撃砲F型」とともに「カーベーたん」こと「KV-2」と正面から戦って撃破するシーンがある。「WoT」での「KV-2」はTier6の重戦車なので、「PZ.IV D」とマッチングする可能性がある。アニメと同じように真正面に躍り出て撃っても「KV-2」の装甲に弾かれる可能性が高く、反撃でほぼ確実に爆散するので、攻撃する際にはすぐに反撃されない位置取りが必要だ。

プラウダ高校戦に向けて改修された「IV号戦車D型改(F2型仕様)」。砲がぐっと長くなる
「7.5 cm KwK 40 L/43」を装備したパッケージ「PzKpfw IVE2」
「7.5 cm KwK 40 L/43」は貫通力の高い徹甲弾が魅力。弾速も速く当てやすい
少々距離があっても、精度が高く、安定して敵を貫通してくれる

 他にも2種類の5cm砲があるが、攻撃力に優れた7.5cm砲が扱いやすい。正面から姿を晒して撃つのが苦手な「Pz.IV D」は、障害物の陰から一瞬車体を出して撃つというスタイルになりやすいため、車体を見せる回数を減らせる単発高威力の砲の方が相性がいい。

 装備以外の面では、まずパーツで静止時に発見されにくくなる「迷彩ネット」を持っておきたい。序盤はあまり広範囲をうろうろすると、発見された途端に撃ち抜かれてしまうので、適当なところで隠れて様子を見る方がいい。その際には「迷彩ネット」の効果が役立つし、何よりパーツの中では安価に使えるのがいい。他のパーツは予算と好みで選んで構わないが、姿を晒して連射するのが危険な車輌なので、攻撃面より足回りの強化の方が使い勝手はよくなる。

 アイテムは「修理キット(小)」が便利だ。履帯がやられて動けなくなると、装甲が薄いため追撃であっという間にやられてしまう。足回りのトラブルは最優先で対応していきたい。他には消火系のアイテムもあると安心だが、火災が発生するような状況に陥る前にやられていることの方が多いような気もする……。

 搭乗員スキルは、敵からの発見を知らせてくれる「第六感」が最優先。見つからないように動くのも限界があるので、見つかってから対応するまでの時間が少し早いだけでも、生存率はぐっと高まる。特に装甲が薄く、1発の被弾が命取りになる車輌にとっては非常にありがたい。他には敵から見つかりにくくなる「迷彩」もあると安定度が増す。

「迷彩ネット」は安価で効果が高い。相性がいいパーツなので持っておいて損はない
履帯がやられて動けなくなると非常に危険。「修理キット(小)」は携行しておきたい

味方との協力が重要! メリハリを付けた動きで戦おう

 「Pz.IV D」の運用としては、自分1人で正面から撃ち合いをすべきでない以上、味方との連携力が重要になる。味方と一緒に動いて同じ敵を狙うようにするか、あるいは味方とは少し距離を離した状態で、味方と撃ち合う敵を側面から狙うような感じになる。序盤はなるべく姿を隠して安全第一で味方への援護を意識し、敵の数が減ってきたら快速を活かして積極的に敵の裏に回る。静と動のメリハリが重要だ。

 動きが遅かったり、砲の精度が悪かったりということはなく、思った通りに動いてくれる扱いやすい戦車であることは確かだ。装甲の薄さをカバーするため、車体を障害物に隠して敵の攻撃をやり過ごしたり、木々などでカモフラージュして見つからないようにしたりといったテクニックは求められる。これらは多かれ少なかれ他の車輌でも必要になるので、「よくわからないがすぐやられる」という人は、敵の視界から隠れることを意識してみるといいだろう。

 「ガルパン」では、敵に追いかけられながら砲弾を避け続けるというシーンが何度も見られる「Pz.IV D」だが、「WoT」では「Pz.IV D」に限らず、細い道を走って追い回されながら敵弾を避け続けられるようなことはまずない。ことに装甲が薄い「Pz.IV D」で囮になろうとした日には、数秒後には鉄くずになる可能性が極めて高い。幸いなことに「WoT」では敵味方の戦力がほぼイーブンで、大洗女子学園のように不利な状況から始まることはないので、まずは味方と息を合わせて戦うことを意識しよう。

 次回は、車体側面のシュルツェンが目を引くあんこうチームの最終形態、「IV号戦車D型改(H型仕様)」を紹介する予定だ。「WoT」では「Pz.IV D」に続くTier5中戦車「Pz.Kpfw.IV Ausf.H」として登場し、魅力的な大火力を有する戦車となっている。

序盤は味方と角度をずらして撃てる場所を探すのがいい。逃げ道や隠れる場所も意識しておく
木々などに隠れておけば、敵に姿を悟られる前に攻撃できる

(石田賀津男)