【第17幕】 Report / manga:ジョン・カミナリ logo design:フランチェスコ・アッカッターティス |
電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆる、テレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが、侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも、自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。 |
この連載記事では、毎月1回、僕のゲーマーとしての物語、そしてゲーマーとしての哲学や信念を独特なスタイルで紹介していきたいと思う。日本のゲームに大きく影響を受けた僕のゲーマー人生を、イタリア人としての個性を生かして面白く語りたいと思う。あるときは、話題沸騰中のニュースについて掲載ギリギリのところまで正直な感想を書いたり、またあるときは、今でも心に大切にしまっている過去の作品を振り返ってみたいと思う。
1番注目して欲しいのは、「イタヲタのレトロなゲームライフ」というコーナー。僕のオタクとしての青春を文章と漫画を交えて懐かしく振り返りたいと思う。連載の途中で新しいコーナーも生まれるのかもしれない。回を追う毎に中身が変わったり増えたりするのかもしれない。とにかく、サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!
国籍:イタリア 年齢:36歳 職業:俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家 趣味:テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ 主な出演作品:銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役)、ピラメキーノ(テレビ東京、月曜~金曜 18時30分~19時放送中) ブログ:ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記 Twitter:http://twitter.com/John_Kaminari | ||
イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること |
【もくじ】 |
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一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~ 傑作の如く~期待している新作TOP5~ 過去の宝物~こよなく愛した過去の思い出の作品をピックアップ!~ イタヲタのレトロなゲームライフ~ハプニング満載のオタク人生~ |
■ 一刀両断 ~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~
話題のニュースや注目のテーマをピックアップして僕の率直なコメントを載せたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイデアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来の為に! |
其ノ一:Wii Uの最終形がE3で公開。欧米のプレーヤーが期待しているところは?
1月27日に行なわれた任天堂の経営方針説明会で、岩田聡社長が任天堂の現在とこれからについて語った。任天堂のホームページにも掲載された講演の全文を読み、Wii Uやこれからの方針について感じたこと、そして、欧米のゲームサイトで拾ったプレーヤーの声と比較しながら、簡潔に考えていきたいと思う。
まず、Wii Uの年内の発売について。今年の6月に開催されるアメリカのゲームショー「E3」にて、その最終形が公開される予定。今年の「E3」は、Wii Uに関連したユーザーのすべての疑問が晴らされる、重要なイベントになるだろう。
岩田社長は、現在任天堂が、ゲームビジネスを始めて以来、最も厳しい業績になる見込みとしている。Wii Uやこれからの方針次第ではあるが、元の有益な状態に戻せるかというのが、現在の主な課題といえる。
やっぱり、あらゆるユーザーを獲得できるゲームソフトを定期的に提供することが、3DSやWii Uの普及に大きく繋がるといえる。欧米のゲームサイトに投稿されたユーザーのコメントを見ると、Wii Uの発売日に最も期待されているのは、「ゼルダ」や「マリオ」といった有名なフランチャイズの新作だ。
3DSの時、任天堂はサードパーティーのタイトルを優先させたが、ソフトの本数が、売り上げに貢献するとは限らないだろう。そして、コアと自称する欧米のゲーマーが、Wiiから離れたもう1つの理由は、やりがいのあるゲームが少なかったことにあるという。Wii Uでは、やりがいのあるゲームが定期的に提供されることを願うユーザーが多いようだ。
Wii Uは、Wiiよりも遥かに性能の高いゲーム機だ。しかし、発売される時期には、他の会社の発表もあるだろうし、Wii Uよりもずっと高性能なゲーム機が、その1年以内にマーケットに投入される可能性もあるだろう。僕も同意見だが、ユーザーによると高性能、イコール高品質なゲームが生まれるとは限らないという。
任天堂は、もちろん、グラフィックスが理由でゲームを購入するユーザーも満足させるべきだと思うが(「ゼルダ」のHDデモはずっと話題になっている)、それと同時に、任天堂というアイデンティティに合う、新しい遊びも提供し続けるべきだろう。
新感覚の遊びに関しては、Wii Uのスクリーン付きコントローラーに搭載されたNFC機能についても触れられた。NFCとは、Near Field Communicationの略で、FeliCa規格や、MIFARE規格と互換性を持つ近距離無線通信のことを指している。
具体的な例は挙げられなかったが、特殊なカードやフィギュアとのデータの読み書きができるようになり、それによって新しい形の遊びが実現すると岩田社長が明言した。おそらく、E3ではその仕組みが明らかにされると思うので、非常に楽しみにしている。
少しずつ革新的な機能が明らかになりつつある、Wii Uのスクリーン付きコントローラー。これだけの技術を持ったゲーム機の価格も非常に気になる。ちなみに欧米ユーザーは300ドルを超えない価格を願っている |
「ニンテンドーネットワーク」による追加コンテンツの配信も、今回の説明会の大きな課題となった。岩田社長は「任天堂は、パッケージソフトは、追加コンテンツなしで完結してご満足いただけるような形で販売されるのが前提であるべきだと考えております」と語っている。「とびだすプリクラ☆キラデコレボリューション」のような幾つかの例外はあるが、基本的には完成したパッケージソフトの提供が、もっとも任天堂の哲学を反映させていると思う。
正直なところ、ソーシャルゲームを遊ばない僕のようなゲーマーは、任天堂のポリシーを完全に納得しているだろう。極端な例かもしれないが、未来の「ゼルダ」の世界を歩き回っているときに、山々に隠された神殿を発見したとしよう。その中には新しいダンジョンがある。急いで入口に行ってみると、看板に「このダンジョンを遊ぶには、有料追加コンテンツのダウンロードが必要になる」というメッセージが……。これでは「ゼルダ」の魅力が台なし、素敵な夢から覚めてしまう。この未来が来ないことを強く願っている。
もう1つのテーマは、ダウンロード販売だ。欧米では、ダウンロード販売は海賊版問題を増やしたきっかけにもなったが、それでも、未来のマーケットモデルであることは否定できないだろう。よく考えれば、プラスチックでできたパッケージが環境の大敵だから、すべてのゲームの販売がデジタルになれば、自然への負担が少なくなるだろう。そして、流通にかかる費用も軽減されることで、ゲームの価格も少しずつ安くなっていくのではないだろうか。欧米ユーザーも、任天堂タイトルのデジタル販売の充実化に期待しているようだ。
Wii U。グラフィックスが現在のスタンダードとマッチした任天堂の新据え置きゲーム機。しかし、ソニーやマイクロソフトから、何倍もの性能を誇ると思われるPS3やXbox 360の後継機が発売されたら、Wii Uはまた“古いハード”として扱われることになるのだろうか?
それに関して僕は、前向きに考えたい。逆に、今よりもリアルなグラフィックスのゲームを作れるのかという疑問のほうが大きい。もっとゆっくり、ゲーム機の性能を上げていくべきではないだろうか。今のユーザーは、ゲームにグラフィックス以外の価値を求めているのかもしれない。その点において任天堂は、確実に群を抜いているだろう。
(C) Nintendo
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【2012年1月27日】任天堂、Wii Uを日米欧豪で2012年末商戦に投入!
コントローラーにNFC機能搭載でカードやフィギュアと連動も可能に
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120127_507920.html
【2011年6月8日】任天堂、新型ゲーム機「Wii U」を2012年発売
6.2インチタッチパネル付きコントローラー。「スマブラ」新作も投入
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110608_451476.html
其ノ二:賛否両論の「バイオハザード6」。欧米人の反応は?
ロゴも重要なヒントになっていると思う。「6」の形は、ゲーム中の恐ろしい何かを指しているのではないだろうか? |
イタリアのゲームショップでは、3DSの「バイオハザード リベレーションズ」が発売されたばかりだが、シリーズのファンは先日公開された「バイオハザード6」を既に楽しみにしている。なぜなら、その発売日が11月22日に決定しているからだ。
残念ながら、僕は日本の発表会に参加することができなかったが、インターネットでほぼリアルタイムに、カンファレンスで公開された情報を知ることができた。もちろん、ハリウッド映画と遜色がない「バイオハザード6」の派手な予告動画も観た。
10年後の米国が物語の舞台。レオンはもちろん年をとって、老けた風貌で登場している。さらに大人になった感じで、その魅力が増した印象を受けた。欧米のサイトではレオンの新バージョンも評価されているが、「バイオハザード」シリーズにとって欠かせない存在であるゾンビたちのカムバックも歓迎されている。
1作目を連想させる穏やかなペースで始まる予告動画だが、後半になるにつれて、アクション性の高いものへと変わっていく。過去の「バイオハザード」の“レシピ”を考えると、伝統を裏切るようなシーンが沢山見られたが、逆にそれこそが、今の若いユーザーを魅了する新たな形の「バイオハザード」と言えるのではないだろうか。
僕の第一印象は、欧米のユーザーがゲームサイトに残したコメントの内容に似ている。複数の主人公のストーリーが交互に展開していくようにも見えるが、レオンの場合は、ザ・ファースト「バイオハザード」のようなスリルが体感できるのではないかと沢山のユーザーが感じている。制限された拳銃の弾薬を温存しつつ、自分がゾンビと対等に立ち向かえないという確信による不安感や恐怖感が、「バイオハザード」のゲーム性の重要な材料で、レオンのパートでは特にその要素が重要視されていると思われる。
一方、クリスのパートでは、ジャンルが変わったかと思えるほど、アクション性の高い(高すぎる?)ものになっているようだ。「バイオハザード」というロゴを見ていなければ、バイオ戦争をテーマにしたシューティングゲームに見えるかもしれない。
いや、たぶんそれがカプコンの目標だと思う。2つのまったく違うスタイルのゲームパートを交互に展開させることで、ゲームにメリハリがつき、「バイオハザード」というフランチャイズに付加価値をもたらすと判断したかもしれない。そして、2つのジャンルの特徴を1つのゲームに凝縮させることで、2つのタイプのユーザーを狙えるのではないだろうか。
グローバル化していくゲームマーケットが、スタンダードともいうべき特徴を持ったゲームを求めている。本作でアクション・シューティング要素が濃くなったのは、必然的な選択なのかもしれない |
だが、本当の恐怖を味わうには、やはりゾンビやバイオテロといった目の前の未知の脅威に対し、自分の無力さを痛感するほど意識しなければならないと思う。だからこそ、予告動画の後半で見られる「Devil May Cry」のような、後ろへ飛びながら両手を使った派手な拳銃アクションが、「バイオハザード」の世界には合わないと思えて仕方がない。一瞬、主人公が超人的なヒーローに、そして、ゾンビはヒーローに倒される為だけに存在するマリオネットにしか見えなかった。
また、格闘家のキャラクターも操作できるようだが、それも場違いなキャラクターだと正直に思った。僕の理想の「バイオハザード」は、やはり、動画の最初の部分で見られるレオンが主人公のパートだと確実に言える。ただ、誤解はしないで欲しい。公開された予告動画を見る限り、「バイオハザード6」というゲームは、バラエティに富んだ本当に素晴らしい体験になると思っている。
従来の作品は、廊下をおそるおそる進みながら、次の角で一体何が待ち受けているのかという、あの絶妙な雰囲気による恐怖感が大きな魅力だったが、シリーズを重ねるごとにその恐怖感が少しずつ減ってきていた。
しかし、1月21日に開催されたカンファレンスにてエグゼクティブプロデューサーの小林氏は、「1作目などであった廊下の曲がり角を回ると敵がいるのでは無いかというドキドキ感、扉を開けるときの恐怖感などを大切にしていきたい」とコメント、そして、「詳しくは言えないが『想像の先の恐怖』を表現している」と語った。
具体的にどういう恐怖感へと進化するのか想像できないが、昔からのファンの期待を膨らませるような心強い言葉だと思う。その言葉に秘められた真相を確認する為にも、発売がさらに待ち遠しくなったのは間違いない。
(C)CAPCOM CO., LTD.2012 ALL RIGHTS RESERVED.
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「バイオハザード6」のページ
http://www.capcom.co.jp/bio6/
□関連情報
【2012年1月21日】カプコン、「バイオハザード6」の詳細を発表
「-バイオハザード生誕15周年記念-『バイオハザードプレミアムパーティ』」レポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120121_506554.html
其ノ三:上田文人氏がSCEを退社。「人喰いの大鷲トリコ」はどうなる!?
「人喰いの大鷲トリコ」のロゴが、3つの違うフォントを使用したことで話題になった。ロゴも、本作の芸術性の高さを象徴していると思う |
日本のゲームの詩人が、大鷲のように空高く飛んでいった……。世界でカルトゲームとして絶賛されている「ICO」と「ワンダと巨像」の生みの親である上田文人氏が、2011年の12月12日にSCEを正式に退社した。今後は、外部から開発中の「人喰いの大鷲トリコ」を完成させることになっているようだ。僕もその事実を知らなかった。先日、「人喰いの大鷲トリコ」の新情報がないかとネットで調べたら、特に欧米サイトで、SCE退社についての記事を発見した。
上田文人氏は、ゲームデザイナーである前に、芸術家だということを忘れてはならないだろう。芸術家というものは音楽にせよ、絵画にせよ、ポリゴンでできたアートにせよ、芸術を生み出すには時間を気にしてはならない。
あらゆる体験を通じ、周囲からインスピレーションを受けながら、己の感性を芸術へと変換させていく。そのプロセスには制限時間といったものが存在しないと思う。だからこそ、本当の芸術を生み出すには、逆に、時間が流れていくのを無視するべきだと思う。
上田文人氏が、現在のゲーム会社が求める即戦力という言葉に適していなかったのかもしれない。僕の推測にすぎないが、何回も延期され、もう発売されるのではないかと思った矢先に、また発売日未定になる。大手会社としてのニーズもわからないでもない。ただ、普遍のゲーム性、芸術とも呼べるゲームを生み出すには、時間という概念が無意味にも思えてならないのだ。
上田文人氏は、「人喰いの大鷲トリコ」にこれからも携わっていくことになっているようだ。これまでのように、自身の素晴らしい才能を注ぎ続けることを願っている。そして、「人喰いの大鷲トリコ」が完成したら、「こんなに待って辛かったが、こんなに素晴らしいゲームで遊べて本当によかった!」と思わせるような傑作になることを願っている。
東京ゲームショーに出展されることをずっと願っていた「人喰いの大鷲トリコ」。発売日が未定になっている今でも、どんなゲームよりも遊ぶのを楽しみにしている |
(C) Sony Computer Entertainment Inc.
□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□「人喰いの大鷲トリコ」のページ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/trico/
□関連情報
【2011年4月20日】SCEJ、PS3「人喰いの大鷲トリコ」
2011年内発売予定から発売未定に延期
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110420_440966.html
■ 傑作の如く ~期待している新作TOP5~
僕が期待している発売前後の新作TOP5。さまざまな情報をもとに、各ゲームのシステムやグラフィックスといった要素の中で僕が魅力的に感じたところを紹介していく。必ずしもメジャーなタイトルではなくて、逆に注目して欲しいマイナーな作品をピックアップすることもある。 |
(C)CAPCOM CO., LTD. 2012 ALL RIGHTS RESERVED. |
1位:アスラズ ラース
プラットフォーム:PS3/Xbox 360
ジャンル:体験型連続活劇アクション
発売元:カプコン
発売日:2月23日
価格:6,990円
CEROレーティング:C
プレイ人数:1人
カプコンとサイバーコネクトツーというタッグが生んだ「アスラズ ラ―ス」の発売日が迫ってきた。個性溢れる主人公、想像を絶する世界観、ダイナミックな演出、バラエティに富んだアクション。すべての面において、究極のクオリティといえる。アクションとQTEによる演出のバランスがちょうど良いと思う。欧米のユーザーの反応が楽しみだ。
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□関連情報
【2012年1月20日】カプコン、PS3/Xbox 360「アスラズ ラース」
第壱部「怒門編」のあらすじ紹介第4弾!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120120_506260.html
(C)2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by indieszero Co.,Ltd. |
2位:シアトリズム ファイナルファンタジー
プラットフォーム:3DS
ジャンル:シアターリズムアクション
発売元:スクウェア・エニックス
発売日:2月16日
価格:6,090円
CEROレーティング:A
いよいよ、あの国民的RPGをベースにした究極の音楽ゲームが発売される。2月1日に配信された体験版2も遊んでみた。今回、フィールドステージも体験できる。上画面の線をうまくなぞると、スコアが上がっていく仕組みになっている。最初から多くの曲やゲームモードが入っているようだが、本編の寿命を延ばす追加コンテンツにも注目したい。
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□関連情報
【2012年2月9日】スクエニ、3DS「シアトリズム ファイナルファンタジー」
ニンテンドー3DSステーション設置店にて体験版を配信開始
「FFX」のイベント曲「素敵だね」を追加収録
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120209_510830.html
(C)Sony Computer Entertainment Inc. |
3位:GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動
プラットフォーム:PS Vita
ジャンル:重力アクション・アドベンチャー
発売元:SCEJ
発売日:2月9日
価格:5,980円(パッケージ版)
4,900円(ダウンロード版)
CEROレーティング:C
プレイ人数:1人
公式ホームページに掲載された、リンゴのプロモーションビデオを見て、さらにプレイしたくなった!重力を操作しながら、主人公のキトゥンを建物の壁などのあらゆる表面に落下させることができる。重力嵐に飲み込まれてしまった街の区画を解放し、新たな施設を利用できるようになるのがRPG的で面白いと思う。
□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□関連情報
【2012年1月27日】SCEJ、PS Vita「GRAVITY DAZE」
特撮を駆使し重力を操る映像を作り上げたプロモーションビデオを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120127_507929.html
(C)2012 Konami Digital Entertainment |
4位:幻想水滸伝 紡がれし百年の時
プラットフォーム:PSP
ジャンル:RPG
発売元:KONAMI
発売日:2月9日
価格:5,980円(パッケージ版)
5,480円(ダウンロード版)
CEROレーティング:B
プレイ人数:1人
日本だけでなく、海外でも絶大な人気を誇る「幻想水滸伝」が、念願の新作で帰ってきた。怪物に占拠された現在の危機的な状況を変える為に、主人公たちは百年前の世界を冒険する。多種多様な技や特徴を持ったキャラクターを集める楽しさは健在。6人編成パーティーの組み合わせによって連係技が使用できるようになるのもRPGファンに嬉しい要素だ。
□KONAMIのホームページ
http://www.konami.jp/
□関連情報
【2012年2月2日】KONAMI、PSP「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」
お馴染みの「本拠地」に新たな施設が登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120202_509381.html
(C) 2012 ACQUIRE Corp. XSEED JKS, INC. Published by ACQUIRE Corp. |
5位:墨鬼 SUMIONI
プラットフォーム:PS Vita
ジャンル:墨筆アクション
発売元:アクワイア
発売日:2月9日
価格:5,229円(パッケージ版)
3,980円(ダウンロード版)
CEROレーティング:B
プレイ人数:1人
PS Vitaのタッチスクリーンや背面タッチパッドをフルに活用する新感覚のアクションゲーム。水彩画のような横スクロールステージの中で、プレーヤーは、主人公の墨鬼の為に指で道を作ったり、炎で敵を攻撃できる。スタイル抜群のグラフィックスも魅力的だし、獲得したスコアによってステージや結末が変わるのも見どころの1つだ。
□アクワイアのホームページ
http://www.acquire.co.jp/
□関連情報
【2012年2月7日】アクワイア、PS Vita「墨鬼 SUMIONI」
4種類の「特別アクション」を紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120207_510203.html
■ 過去の宝物 ~こよなく愛した過去の思い出の作品をピックアップ!~
ゲームは技術的に進化する。グラフィックスが綺麗になる。ポリゴンの数が増える。ゲーム内の景色が実写と見間違えるほどリアルなものになってきている。しかし、時代が変わっても必ずしも進化しないものもある。それはゲームの面白さだ。昔のゲームはグラフィックスはシンプルだが、面白さでは今のゲームに負けていない。いや、それに勝る特別な何かを持っている作品もあると思う。秋葉原のゲームショップや家庭用ゲーム機のオンラインストアで安く購入できる過去の傑作は山ほどある。このコーナーでは、僕が愛した昔のゲームをピックアップしていきたいと思う。具体的なゲーム内容よりも、僕のその作品に対しての気持ちを伝えることができればと願っている。 |
【マーベルランド】 | |
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プラットフォーム:アーケード |
子供の頃の記憶。砂浜に面した、真夏のゲームセンター。砂まみれの裸足で店内に入る。子供達はあるゲームの前に集まっている。おそらく届いたばかりのその筐体から、とても陽気な音楽が流れてくる。そのゲームは、ナムコの新作アクションゲーム「マーベルランド」だった。
静かに、前の人のプレイを見守る。ナムコの名作「パックランド」のようなゲームシステムで、舞台はカラフルな遊園地だ。主人公の少年、パコが、敵をやっつけながら、4つのワールドで構成された遊園地のステージを攻略していくという、とてもシンプルで、癒されるようなゲームだった。
子供の頃に愛した「マーベルランド」のアーケード版が、メガドライブ版に続き、Wiiのバーチャルコンソールアーケード(VCA)でも2009年6月に配信が開始された。当時の懐かしい気持ちに浸るために、そして、今でも満足できるゲームかどうか確かめるために、ダウンロードしてみた。
ゲームの舞台は、光と平和の国「コニーランド」の中に存在する巨大な遊園地「マーベルランド」。主人公はドラゴン族の王子「パコ」で、彼の目標は地底族の王「モウル」にさらわれた4人の守護精を救出することだ。
このゲームには、敵を倒す為にいくつものアクションが用意されている。基本的には、「マリオ」のように敵を踏めば倒せるが、ステージの随所に配置されたタルを転がしたり、スプリングを使ってボールを転がしても敵を倒せるようになっている。続けて倒せば、ボーナスが生じ、より多くのスコアが稼げるようになる。
そして、もう1つ魅力的な攻撃方法が存在する。専用アイテムを拾うことで、パコの後ろに何人もの分身が現われ、十字ボタンの上か下を押すとその分身たちを回転させ、敵に当てると倒すことができる。当時は個性的なアクションだと思っていたが、今でもとても使うのが楽しくて、まったく色あせていない。
遊園地は4つのワールドにわかれており、各ワールドは平均して4つのエリアを持っている。各ワールドには、ジェットコースターというステージが用意されており、本作の見どころの1つだ。ジェットコースターの車両に乗ったパコが、周囲に飛行する敵をかわしながら、アイテムを拾いつつ、コースの終点を目指す。
当時のプレーヤーを驚かせたのは、ジェットコースターが360度回る時の回転エフェクトだ。拡大縮小という機能が、1990年になってからスーパーファミコンの投入で家庭でも楽しめるようになったが、当時、あのエフェクトを体感できたのは、ゲームセンターだけだった。
そのエフェクトを見る為だけにコインを入れていたといっても過言ではない。ちなみに、本作はメガドライブ用に移植されたが、アーケード版の魅力だった回転エフェクトが省略されていた。だからこそ、この貴重な機会は見逃してはならないと思う。
各ワールドの最終ステージは、ダンジョンのような形になっており、最後にボスが待ち構えている。このパートも本作のユニークな特徴だが、ボスとの対決は綱引きやジャンケンなどのミニゲームで展開される。ボスに勝てば、可愛らしい守護精がパコに近づいて、綺麗な音声で「ありがとう、パコ」と言って、チューしてくれる。これこそが、最高の褒美といえるだろう。
そして、さらに、素敵なボーナスステージが用意されている。ボーナスステージでは、電飾になっている「パックマン」、「ドラゴンスピリット」、「ディグダグ」などのナムコの歴代スターを背景に、パコが「トライデントスター」という宝物を拾っていく。スコアが伸びる絶好のチャンスだが、ジャンプするタイミングによって結果が大きく変動するので、練習が必要だ。
拡大縮小エフェクトやアスレチックなアクションを必要とするステージ構成で有名になった本作だが、キュートなキャラクターや陽気な音楽も群を抜いていると思う。キュートさと裏腹に、難易度を高く感じるプレーヤーもいるかもしれないが、それでも万人におススメしたい作品だ。
ジェットコースターの途中に分岐点がある。ここで他の車両に移ると、違うコースを走ることができる | ボーナスステージで、なるべく多くの「トライデントスター」を集めるにはコツがある。それは分身たちをうまく回転させることだ |
【グッジョブ!】 | 【異議あり!】 |
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回転エフェクトが見どころ | 難易度が高め |
アトラクションが楽しい | プレイ時間がやや短い |
分身攻撃が面白い | |
音楽が可愛らしい |
(C) 1989 2009 NBGI
□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□VCA「マーベルランド」のページ(バンダイナムコ)
http://www.bandainamcogames.co.jp/cs/download/virtual_consolearcade/detail/detail45/45.html
■ イタヲタのレトロなゲームライフ ~ハプニング満載のオタク人生~
僕のゲーマーとしての人生を懐かしさたっぷりで語っていきたい。毎回、特定の時代をセレクトして、自分の記憶への冒険をしたいと思う。最終的には1つのストーリーになる。僕というオタクのストーリー。僕という和ゲー好きゲーマーのストーリー。文章だけでなく、クライマックスのシーンをもっとダイレクトに伝える為に漫画も使うことにした。ちなみに漫画は、今イタリアで注目の若手漫画家に描いてもらった。とにかく、日本ではありえないシチュエーションについてたっぷり語っていくので、本当に面白いコーナーになると思うぞ! |
今回の時代設定:1998年
イベント:ローマのゲームショップでバイトを開始
ハプニング:3D美少女がイタリアゲームショップに来店!
1998年。ゲーマーとして充実した年だった。ギャルゲーでバーチャルな恋をして、これでも人生は悪くないと、ある意味、異性交遊がなくても生きていけると思っていた自分もいた。しかし、確信に近いその気持ちは、一瞬にして払拭されようとしていた。
ある日の夜の10時。ギャルゲーで、難易度の高い女性を攻略しようとしていた。ちょうどその時、自宅の電話が鳴りだした。こんな時間に電話がかかってくるのは、ゲー友のエマちゃんだけだろうと思いながら、受話器を取った。
「もしもし……あの……」。
受話器の向こうに聞こえたのは、日本語の言葉だった。しかも、その声の主は日本人の女性ではないか。
「は、は、は、はい?!」。
その時、どもりまくった自分を呪った。
「あの、この間、文化会館でお会いした静江ですが……」。
頭の中のハードディスクを検索し始める。「静江」。えっと……。
「あっ!」。
思い出した! 日本文化会館の図書館でちょっとした会話を交わした日本人の女性だった。しかし、女性の顔をまっすぐ見られないこの僕が、自宅の電話番号を教えたはずがない。一体……!
「ご自宅の電話番号はジョンさんの友達から聞きました」。
マンマミーア! 「ときめきメモリアル」のシチュエーションが、現実でも起こるなんて、その時、自分の耳を疑った。心の音は大砲よりもうるさかった。
「どういったご用件でしょうか?」。
ギャルゲームで覚えた、余計にかしこまった表現で、相手に電話の理由を聞いてみた。
「実は……」。
実は? 実は何!? 鏡が僕の前にあったら、その時きっと、変態のような顔だったと思う。
「実は、イタリア語を教えてくれる人を探していて、ジョンさんはすごく流暢なので、頼んでみようと思っていました」。
なんだ! イタリア語の授業か? 期待と違う内容に少し拍子抜けしたが、これでも3D女性と干渉する絶好のチャンスだと思った。
「是非、お引き受けいたします」。
また場違いな日本語が出ちゃった。どこかのRPGでサブクエストを引き受けた際に耳にしたセリフだった。
「よかった! 嬉しいわ!」。
それは3D美少女と出会うきっかけになった。
実は、その電話がかかってくる2カ月前に、僕はアルバイトを始めた。高い輸入版のギャルゲーを買うのに多額のお金が必要だったから、自分で稼ぐしかないと思い、ローマのゲームショップで店員をやり始めた。ゲームに囲まれながら仕事ができるなんて、ゲーマーにとっては理想の仕事場といえるだろう。
店の名前は「バーチャルドリーム」だった。ゲームという遊びにぴったりの店名だと思った。その看板に感動を覚え、店長にバイトさせてもらえるように懇願した。僕の素直な気持ちが伝わったのか、店長に「明日から来てもいいよ」と頼まれた。
店長のモットーは「ゲームを売る為には、手段を選ばないこと」。どこかの漫画で聞いたような言葉だったが、つまり、ゲームを売ることが1番大切だということだろう。あの日から、未熟な僕は少しずつゲームの売上が上がるように一生懸命に頑張っていった。
同じ時期に、3D美少女とのイタリア語の授業が進んでいた。最初の授業はローマのお洒落な喫茶店だった。ゲームショップで稼いだお金で、3D美少女に高級カップチーノをおごったのだ。僕の中で、「ときめきメモリアル」で女性にプレゼントを渡すのと、同じような場面だった。
「ジョンさんはこんな流暢な日本語をどこで覚えたの?」。
さすがにギャルゲーで覚えたと言えないだろう。ありふれたパターンで行こう。
「もちろん、日本文化会館の授業のおかげです」。
その時、ピノキオのように鼻が長くなったような気もした。
「ジョンさんは仕事とかもしているの?」。
これは、正直に答えたほうがいいだろう。
「2カ月前にちょっとしたバイトを始めたばかりです。ゲームショップで」。
「え! ジョンさんはゲームが好きなんですか? あたしも大好き!」。
人生のビデオデッキが存在したら、今のセリフを巻き戻して、永遠に再生して聞きたいと、その時願った。目の前の3D美少女はゲームが大好きだって。マンマミーア!
……あの日から1週間が過ぎた。今日もバーチャルドリームでバイトをしている。今日はとても大事な日だ。例の3D美少女が、店を訪ねる日なのだ。イタリアのゲームショップはどうなっているのか、是非見てみたいということで。
今日の僕の洋服を見た店長は皮肉めいたコメントをもらした。
「今日、結婚式でもあるのか?」。
ちょうどその時、3D美少女が店に入った。僕の表情を見た店長が、その瞬間、すべてを理解した。僕の口の開き加減がすべてを物語っていた……。
(つづく)
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(2012年2月10日)