最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

E3 2011レポート

任天堂、新型ゲーム機「Wii U」を2012年発売

6.2インチタッチパネル付きコントローラー。「スマブラ」新作も投入


6月7日〜9日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



事前の告知どおり、新型ゲーム機「Wii U」を発表した岩田氏

 任天堂株式会社は6月7日(現地時間)、E3 2011に合わせて開催したプレスカンファレンス「Nintendo E3 Presentation」において、新型ゲーム機「Wii U」を2012年に発売すると発表した。

 「Wii U」は、同社が発売中のゲーム機「Wii」の後継機に位置づけられるもの。HDMI接続による1080p出力に対応した、HDグラフィックスのゲーム機となる。サイズは約46×172×268.5mm(高さ×幅×奥行き、突起物含まず)で、Wiiを横向きに置いたようなフォルムをしている。メディアは12センチの光ディスクで、Wiiと同じセルフローディング式を採用。Wiiの後方互換性もある。

 本機の特徴はコントローラーにある。中央に6.2インチのタッチスクリーンを搭載しているのが最大の特徴で、その周辺に2個のスライドパッドと十字ボタン、A/B/X/Yボタン、L/Rボタン、ZL/ZRボタンを搭載する。さらに加速度計、ジャイロセンサー、振動機能、カメラ、マイク、スピーカーを内蔵し、タッチペンも搭載している。電源は充電式。

 コントローラーに搭載されているタッチスクリーンには、ゲーム画面をそのまま映し出せる。例えばテレビでゲームをプレイしている最中に、家族が何かの番組を見たいと言ってチャンネルを変えた場合でも、コントローラーのタッチスクリーンにゲーム画面をそのまま切り替えてプレイを継続できる。

 さらに、ゲーム画面はテレビに映したまま、タッチスクリーンに独自の映像を表示させる機能も有する。これはゲーム側の設計によるが、例えばプレイ中のゲームの情報表示や、タッチパネル操作でのインターフェイスなどを出せる。イメージ的には、DSの上画面がテレビ、下画面がコントローラーのタッチスクリーン、といった感じの使い分けだ。ただ画面が完全にセパレートなので、コントローラーのスクリーンは特定のプレーヤーだけに見せる、といった使い方で遊びの幅が広げられる。

 コントローラーはこれ以外に、Wiiリモコンを最大4セットまで接続可能。バランスWiiボードやクラシックコントローラーなど、Wii用のコントローラーをそのまま使える。


「Wii U」本体。奥行きが長く、横置きを想定したデザインになっている コントローラー。6.2インチのタッチスクリーンはインパクトがある。スクリーンの解像度は未発表 DSのように使えるタッチペンも付属
コントローラーでの操作のほか、指やペンでのタッチ操作も可能。もちろん複合的な利用も可能だ
縦持ちにしたところ。ジャイロセンサーにより、コンテンツによっては画面も縦向きに変わる 裏面には大きくせり出した部分があり、手にグリップするよう設計されている タッチスクリーンをテレビ代わりに、コントローラー単体でゲームを遊ぶイメージ
コントローラーとテレビに異なる映像を表示させることも可能 ジャイロセンサーに対応したゲームもある タブレットのようにペンで絵を描ける
1台の新型コントローラーと、2台のWiiリモコン、ヌンチャクを使ったゲームプレイ こちらはWiiリモコンを最大の4台に増やしたスタイル。プレイ人数はコンテンツごとに異なる WEBブラウザのビューアとしても使える



■ 岩田氏、「Wii U」を「娯楽の新しい構造」と語る。「スマブラ」新作も登場

 任天堂代表取締役社長の岩田聡氏はカンファレンスにおいて、「Wii U」を発表する前置きとして、「あらゆるユーザーに受け入れられるゲーム機は、まだ業界で作られていない。新しいゲーム機のキーワードは、深く幅広く。全てのプレーヤーに届けるものになる」と述べ、従来のゲームユーザー層拡大の戦略に加えて、コアゲーマーも取り込んでいこうという姿勢を示した。発売時期については、「今年はニンテンドー3DSのマーケットに専念する」とし、2012年に発売すると語った。

 「Wii U」の発表に続き、想定される利用シーンをイメージしたムービーが上映された。先述の画面切り替えのほか、タッチペンでペンタブレットのように絵を描いたり、コントローラーのタッチスクリーンだけでオセロを2人でプレイしたり、バランスWiiボードと連動してテレビを使わずにコンテンツを利用したり、さらにはザッパーに取り付けてスコープ代わりにしたりと、多彩な使い方を示した。岩田氏は特にテレビとタッチスクリーンの2画面を同時に使ったゲームをアピールし、このコントローラーのさまざまな活用法を「娯楽の新しい構造になる」と語った。

 なおタッチパネルに映し出される映像は、「本体で生成したものを、無線で遅延なく送信している」のだそうで、コントローラー単体でゲームができるわけではない。仕様上、本体から遠く離れすぎると通信範囲外となるため、コントローラーだけを外に持ち運んで遊べるゲーム機ではない。岩田氏は「携帯ゲーム機と共通の特徴はあっても、このゲーム機は携帯ゲーム機として設計したものではない」と明言した。


「Wii U」の利用シーンを紹介するムービーが上映された。ザッパーに取り付けてスコープにしたり、グローブに見立てて飛んでくるボールをキャッチしたりと、「なるほどこう使うのか!」と驚かされるものも多い。もちろんHD画質の映像も格段に進化している

 また岩田氏は、現在は3DS用「新・光神話 パルテナの鏡」を開発している株式会社プロジェクトソラの桜井政博氏に「Wii U」のコンセプトを説明したというエピソードを語った。そこで岩田氏は「次回作を3DSとWii Uのどちらに出すか」という話をしたところ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズをその両方に出し、連携させることになったという。岩田氏はその新作について、「今はまだ『パルテナの鏡』を作っているので詳しくは言えないが、両方に『大乱闘スマッシュブラザーズ』が出ることと、それが連携することは約束する」と述べた。

 もう1つ発表された「Wii U」向けタイトルとしては、ワーナーブラザーズエンターテイメントの子会社TT Gamesが開発している「LEGO City Stories」がある。北米と欧州で6,000万本以上を発売した「LEGO」シリーズの最新作で、そのうちの半数以上が任天堂プラットフォームで発売されたという実績もあり、今回は「Wii U」と3DSの両プラットフォームでの独占発売が決定した。ゲーム内容は、レゴブロックで作られた街を自由に行動するオープンワールドゲームになるという。

 さらにカンファレンスではゲストとして、Electronic ArtsでCEOを務めるJohn Riccitiello氏が登壇した。「任天堂のステージに立ったのは初めて。これは両社の関係の大躍進であり、ゲーム技術の大躍進によるもの」というRiccitiello氏は、「『Wii U』で実現するのは、EA GamesとEA Sportsのプレーヤーに直接語りかけるシステム。美しいハイビジョン映像と新しいゲームプレイの可能性を生み出す。新たなEAのコンテンツが登場するのが楽しみだ」と述べた。具体的なタイトルこそ明かされなかったが、「Frostbiteエンジンを採用したミリタリーシューティングが、この躍進的なゲームコントローラーで実現したら、と想像してほしい」などと述べ、コアユーザー向けのタイトルの投入も示唆した。


レゴブロックの街を舞台にしたオープンワールドゲーム「LEGO City Stories」の発売が決定 Electronic Arts CEOのJohn Riccitiello氏が任天堂のカンファレンスに初登壇

 このほか、多くの開発者が「Wii U」へのメッセージを寄せた。その中で「Wii U」向けに開発が進められているタイトルとして、「Batman: Arkham City」、「Assassin's Creed」、「Darksiders II」、「Dirt」、「Aliens: Colonial Marines」、「Tom Clancy's Ghost Recon Online」、「Metro Last Light」、「鉄拳 Wii SUCCESSOR」、「Ninja Gaiden 3: Razor's Edge(仮)」の名前が挙げられている。この中には既に他のプラットフォームで発売が発表されているものもあり、特にハイエンドなゲームのマルチプラットフォーム対応の中に「Wii U」が入ってきたというのが注目点だ。


多くの開発者のコメントとともに、「Wii U」向けに開発されているタイトルが発表された。コアゲーマー向けのタイトルが多く並んでいるのが印象的だ

Nintendo of America PresidentのReggie Fils-Aime氏

 Nintendo of AmericaのPresidentを務めるReggie Fils-Aime氏はカンファレンスの最後に、「DS、Wii、3DS、Wii Uの4つのハードには、イノベーションと言う共通の血が流れている。DSの2画面とタッチパネルはゲームプレイを変えた。Wiiのモーションコントロールはゲームプレイを変えた。去年のE3では、3DSの裸眼立体視がゲームプレイを変えられることを体感していただけた。そして今日は『Wii U』の新しいコントローラーを握り、ゲーム世界の第2の窓が開くときに何が起こるかを体験していただきたい」と語った。

 なおE3会場には、「Wii U」を使った8種類のデモが用意されている。いずれもインタラクティブデモで、現時点では発売の予定はないものだそうだが、HD映像の「ゼルダの伝説」や、Miiを使って遊べる「NewスーパーマリオMii」など、興味をそそるタイトルも並ぶ。もちろん「Wii U」で何ができるのか、何が変わったのかを実感できるラインナップになっている。こちらの体験レポートは別稿にてお伝えしたい。


(2011年 6月 8日)

[Reported by 石田賀津男]