「The Elder Scrolls Online」大満喫連載 アカヴィルたちの集い
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「ESO」連載第6回:謎めいたトリックスターから悪臭パンツまで! やっぱりクエストが最高!
2016年9月6日 00:00
「ESO」では、シロディールのキャンペーンに参加している間は、通常エリアにいても、「星霜の書」が奪われたり、大きな砦が奪還された場合など、大きく戦況が動いた際には、画面上に大きく報告のメッセージが表示される。自軍が好調な時はいいが、自軍が攻撃された情報が入った時は、例えクエストをやっていても、飛んで行きたくなるうまい作りだよな。でも今の俺では戦争の役には立てそうにもないので、こうしたメッセージが飛ぶたびに悔しい思いをしているんだ。
ギルドのメンバーも高レベルの人が多いし、ギルドリーダーとしては焦るぜ! そんなわけで今週の俺はレベル上げのためにひたすらクエストを進めてみたんだ。「ESO」はやっぱりクエストが面白い。世界を救うという大きな流れの中に、陰謀あり、夫婦間の諍いあり、種族間の戦争ありと、エピソードが盛りだくさん。道中で助けを求める声を聞きつけたり、物を拾うなどのサブクエストへの導入がある。
しかもこれらのサブクエストが意外とあちこちに飛び回る必要があったりして、あっさり終わらないため、結果として1つのメインクエストを進める間に、多くのサブクエストをすることになる。今回は改めて本作における最大の魅力「クエスト」を掘り下げるぜ。
俺達のギルド“VFA”では、まだまだメンバーを募集している。日本人のメンバーによる、日本語の情報交換、雑談が楽しめるギルドだ。俺達のギルドに所属するにはキャラクター作成時の所属を「アルドメリ・ドミニオン(Aldmeri Dominion)」にして欲しい。だいぶレベルも上がってきたが、俺達自身まだ駆け出しなので、この連載で始めてくれる人はメインキャラクターはもちろん、サブキャラクターでもオッケーだ。まずは@norihikoikeか、@Lian66にメッセージとフレンド登録をしてみてくれ!
改めて面白い、壮大な物語を描くメインクエスト
さて、「ESO」では2つの大きなクエストが並行して進む。どちらも最終的な目的は同じ、何度も名前が出てくる不死の存在、デイドラ公の1人「モラグ・バル」を倒すことだ。片方は過去の英雄たちを、オブリビオンの「コールドハーバー」から救出していくクエスト。現在の世界の混乱をもたらす原因となった事件の謎を追うクエストだ。「ESO」では3つの勢力が登場するが、この過去の英雄関連のクエストは、全勢力共通のようだ。
そしてもう1つのメインクエストが、アルドメリ・ドミニオンのクエスト。「ラズム・ダー」という軽い感じのカジートに気に入られるのだが、実は彼はハイエルフの女王の懐刀。俺も女王直属の隠密になって活躍するという、燃える展開となる。革命を起こそうとする敵の正体を探ったり、敵勢力の残党を追ったりと、クエストの規模がでかくなり、世界を股にかけての冒険となっていくんだ。
たとえば、アルドメリ・ドミニオンの首都エルデンルートでは、「天球儀を動かす」というクエストを受ける。一見シンプルな内容に見えるが、この天球儀を動かすためには、2つの神秘的なアイテム「アヌマリルの心臓」と「ラジーンのマント」を回収する必要がある。
それぞれのアイテムの回収のクエストは見所たっぷりだ。「アヌマリルの心臓」はある遺跡に眠っていると聞き、そこに向かうと、先行部隊が捕らえらてしまっていたり、遺跡で意識を乗っ取られて、こちらの敵になったりする。このアイテムはどんな力を持っているのか、邪魔しようとする勢力は何者なのかなど、どんどん謎が提示されて、一筋縄ではいかない。目的地に向かうための隠し扉などは、書棚に適切なサイズの本を収納することで開くような仕掛けが用意されていたりと、ギミックにも一工夫があってやりがいがある。
もう1つのアイテム「ラジーンのマント」も大変だった。現場に向かうと、現場の各所で「ラジーン」という古代のカジートの魔術師が1人のエルフ女性「ナイルメ」を強引な手段を使って地下室に閉じ込めたことが分かる。これを調べる際には幻影のビデオのような再現映像が表示されるので、2人のやり取りが実際にその場にいたかのように見られるのが面白い。
色々な謎を解き、長い間地下室に閉じ込められていた彼女を助けにいくと、先に入っていた仲間の将軍が既にマントに乗っ取られており、将軍を倒さないとマントが奪えないような状況になってしまう。
こうしてマントと心臓を入手し、エルデンルートに戻るといよいよ天球儀の稼働だ。実に神秘的な天球儀のビジュアルは感動できるし、そのまますんなり終わるかと思って眺めていると、とある重要なNPCがここでまさかの裏切りを見せるんだ。こうして悲しみの戦いを乗り越えて、一連の天球儀クエストは終わりを告げる。だが、悲しんでばかりもいられず、女王からはまた新たなクエストの依頼が入ることになる。息つく暇もないとはまさにこのことだ。
アルドメリ・ドミニオンのクエストは数々の苦難を乗り越える強い女王や、一見頼りなく、とぼけたところもあるのだが、おいしいところをかっさらっていくトリックスターのようなラズム・ダーなど、キャラクターが立っているのが楽しいな。声優による日本語音声で彼らのキャラクター性がより際立っているのもポイント高いぜ。
一方の全勢力共通のメインクエストが、過去の英雄たちを、オブリビオンの「コールドハーバー」から救出し、モラグ・バルを倒すために必要なアイテム「王者のアミュレット」を捜索するというものだ。盲目の謎の人物「預言者」を助けて戦っていくこととなる。
コールドハーバーは死んだものが閉じ込められるという地獄のような場所。プレーヤーはラスボスのモラグ・バルが不在の隙に敵地であるコールドハーバーに侵入して、英雄達を探していく。ここでかなり強烈な助っ人が登場する。それがリュートを持つ謎のオッサン「キャドウェル」だ。彼はいつもひょっこりと現れて、こちらの窮状を救ってくれる。すごい活躍をするのに彼の言動はとても変で、救いのない絶望の雰囲気しかないコールドハーバーでただ1人明るく振る舞い、雰囲気を和らげてくれる。
キャドウェルを演じてるのは立木文彦さん。渋く重いキャラクターを演じる事が多い声優だが、キャドウェルは甲高い素っ頓狂な声でしゃべる。しかも調子っぱずれの歌まで披露してくれる。初登場時にはただの道案内の変人だと思ったのだが、次の登場で、プレーヤー達を先導し、脱出のための道案内までしてくれるのだ。正直彼がそんな有能で重要なキャラクターだとは全く予想もつかなかった。これからの活躍も楽しみだ。
レベル30の現在、ストーリーは少しずつ核心に迫りつつある。こちらのメインクエストでは、コールドハーバーに潜入するものばかりだったが、1度だけコールドハーバーに行かず、通常のフィールド上にクエストが発生したこともあった。そして、こちらを裏切ってモラグ・バルにつく、死霊術師の「マニマルコ」を除く全ての英雄たちも集った。しかも物語の冒頭で救出し、最初のうちから行動をともにしていた「預言者」の正体は割と早い段階で明らかになる。この衝撃の事実についてはぜひ自分の目で確かめてみてほしい。
サブクエストも盛りだくさん、バリエーションも豊富
サブクエストも実に盛りだくさんだ。しかもメインクエストを進めようとしていると、その道中にうまいタイミングで依頼が舞い込んでくる作りなので、自然と色々な依頼を受けることになる。数多く受けたクエストの中で、メインとなるクエストを手動で設定することが可能だが、メイン以外の依頼に関連する場所が近付いた場合でも、画面上部のマーカーが教えてくれるので、メインのクエストを一時置いておき、サブクエストを開始する、といったことも可能だ。
例えば、移動中に見かけた「アズラの祠」に立ち寄ってみたら、デイドラの1人「アズラ」の声が聞こえてきて依頼されたクエスト「アズラの目」はなかなかやりごたえもあり面白かった。アズラの信者を救出するのが目的とのことで、祠の眼前に立つ建物に入るのだが、そこはもぬけの空。
そして指示通りに石板を開放すると「イラッイ」というアズラに従事する小悪魔ちゃんが出現し、協力すると言ってくる。言ってることは筋が通っているように見えるし、目的達成に必要なアイテム「印晶石」の場所や使い方まで教えてくれるのだが、口調がなんか胡散臭い。
イラッイの言う通りに目的の地「ラエロリア」に入ってみると、突然この小悪魔ちゃんは態度を豹変して襲いかかってくる。なんとモラグ・バルの手下だったんだ。ただ、同じ手口で、昔このラエロリアに封じ込めた魔法使いのヴァスタリーが生存しており、彼女と協力することで、あっさり倒すことができた挙句、その奥に捕らわれていたアズラの従順な信者のクランウェもあっさりと解放できた。終わってみると、このイラッイ、かなり頭が悪かったなと思わず苦笑いだ。
サブクエストを攻略中に立ち寄った「レッドファー交易所」で急きょ受けたサブクエストは、盗賊集団と行商団のリーダーとの交渉の材料として、交易所の地下に眠る莫大な財宝を回収してくるという依頼だ。行く前から「何重もの罠」という脅し文句が若干ビビったが、いざ潜入してみると、火柱が上がる仕掛けや、針が飛び出す仕掛け程度しか出てこないので楽勝だと思っていた。
ところが最深部につくと、不思議なビジュアルが広がっていた。床に4×4のタイルが並べられ、その上には「盗賊の像」と剣を構えた「守護の像」が2体置かれている。一部のタイルの前には宝箱が2個置かれている。マーカーの付いたタイルを押すことで、押したタイルに「盗賊の像」が移動する、という仕組みだ。
最初のうちは意味もわからずに適当にタイルを押してみたが、そのうち法則性がわかった。距離を詰めてくる盗賊像に追いつかれないように守護の像を誘導していくんだ。俺は何度か試行錯誤してうまいルートを見つけ出した。クエストにこんな本格的な要素のギミックが盛り込まれているんだから、「ESO」は油断ならないぜ。
他にもNPCの生死をこちらが決断するサブクエストも多い。例えば、ゴブリンたちが集うトゥース・モールの部族が暮らす洞窟のサブクエストでは、敵集団「ベールの継承者」のメンバーの1人「ネラニャ」がゴブリンたちと偽の契約書を交わして、洞窟内に潜伏していた。
ゴブリンの族長との話し合いを経て、「ネラニャ」と対面すると、意外な言葉が出てきたんだ。「戦いたくない」。どういうことなの?よくよく話を聞くと、まぁゴブリンを騙したのは悪意たっぷりだが、既に「ベールの継承者」の活動はできないので、ここを引き払っておとなしく暮らす、というのだ。
ここで彼女と戦うか戦わずに逃がすかの選択肢が出るわけだが、本作のプレイにおいては、活かせる命は生かしてやる、とモットーに決めていた。何しろNPCの多くをやむを得ず殺さなければならないような展開が多かったので、改心している人には生き残ってほしいと考えていたからだ。彼女を逃がして以降、彼女と再会することはないが、どこかの村でひっそり暮らしていることを願うのみだ。
また、遺体から回収したアミュレットが思わぬ展開を見せることもあった。アミュレットを所持していた人の墓に向かうと、そこに奥さんがおり、奥さんとの会話の中からアミュレットの製作者に会いに行くというシンプルなサブクエストだ。ところが、いざ製作者に会ってみて驚愕した。
このアミュレットで息子を殺した悪党への復讐を果たそうとしていたらしく、全く見ず知らずの「アルゴニアンは苦しんだか?」と聞いてきたのだ。よくよく話を聞いてみると、殺すべき敵の生死は不明だが、アミュレットが全く無関係の人の手に渡り、殺してしまったのだ。
彼は自身で作ったアミュレットで自殺を図ろうとしたが、これも生存の選択を取らせることにした。呪われたアミュレットはこの場で破壊し、彼は罪を償いながら、生きていく道を選んだのだが、その道を選ばせたのは俺だ。サブクエストとしてみると、そんなに長いエピソードではないし、やること自体は単純だ。だがそこに与えられたストーリーの深さにちょっと考えさせられてしまった。
多くのクエストやサブクエストをガンガンクリアしていると、急ぐあまりにこうした会話を飛ばしたりすることもあると思うが、このように、深いエピソードが含まれているサブクエストもある。たまにはこんな感じでエピソードをじっくり読みつつ進めてみるのも趣があっていいので、お勧めしたいぜ。
冗談みたいなクエストからまじめなクエストまでバリエーション豊富
「ESO」のサブクエストでは笑えるネタや、現実にあるような社会問題が盛り込まれていることもある。この“幅”も楽しさの1つだな。
「エルデンルート」の商人から、手元に届いていない積み荷を回収してくるサブクエスト「希少な輸入品」を受けた時は予想外の広がりと最後に待っていたオチで笑ってしまった。最初は「レッドファー交易所」に行って帰るだけの単純なおつかいかと思っていた。実際、以前にも積み荷を回収するだけのサブクエストを何度か受けたことがあったからだ。
ところが実際に交易所についてみると、積み荷は捨てられてしまっていた。「腐ったミノタウロスの頭」とか言われて、そりゃ捨てるわな、と苦笑い。さらに捨てられた場所に積み荷を取りに行くと、「クワマーチャンピオン」という難敵が現れる、どうにか片付けて依頼主の元に戻ると、本来の依頼主であるアリゼに届けるように再度依頼が入る。
これを片付けるとサブクエストはクリアになるわけだが、この依頼主のアリゼがとんだ食わせ物だ。見た目はおとぎ話の魔女のような見るからに胡散臭い外見。しかも最終的に貰う報酬が「アリゼの悪臭のするパンツ」なんだ。悪臭って漢字で書かれると匂いが漂ってきそうなので、早く解体して処分してしまおうと思った。
ところがこのパンツ、軽装備としてみると、思いのほか防御力が高く、特殊効果もいので、悪臭がしてるのが分かっても、装備から外せないのが悩ましい。早くより上質なパンツを手に入れて悪臭から解放されたいぜ!
次にグリーンシェイドで受けたサブクエストは、もうすぐ死んでしまう伴侶のために花を摘んできてほしいというシンプルな依頼だ。サブクエとしてはオーソドックスだが、依頼してきたエルフの老人は自分の伴侶のことを「夫」と呼ぶんだ。そしてよく見てみると、確かに横たわって死の淵にいるエルフもまた男だった……愛の形は色々で、最近はこうした同性愛者の結婚の話をニュースなどでよく見る。いわゆるジェンダーレスってやつだな。
最後は死んだ伴侶の周囲に花を飾り、依頼者の情緒ある詩が読まれてクエスト終了となる。エルフと言えども寿命のある定命の者。愛し合う2人の死別の演出をあえて男性同士にしたところが、なんとも味わい深いサブクエストだった。
今回のサブクエストに限らず「ESO」のNPCでは同性愛者を意外とよく目にする。ワールドワイドに展開しているだけあって、こうしたところにまで気を配って、キャラクター同士の愛を表現している……のだろうか? 他にも異種族への差別やそれを乗り越えるための努力をテーマにしたクエストも多い。多彩な民族が住むタムリエルならではの問題が見えてくるクエストだ。
以上、メインクエストとサブクエストの色んなバリエーションを軽く紹介してみたが、今回話したエピソードはほんの一部であり、氷山の一角だ。俺自身まだ全てのクエストを確認できていないし、何より驚かされるのは、今回紹介したエピソードを含むアルドメリ・ドミニオンのクエストだけで、膨大なクエストの数があるのに、他の2勢力にもそれぞれ同じくらいの量のクエストが用意されているということだ。1度クリアしたら、別勢力のキャラクターを作って始めれば、同じボリュームの別シナリオが楽しめるということになる。
正直、このボリュームの膨大さを考えると、「ESO」はめちゃくちゃお得なMMORPGだ。俺も全クエストをクリアしたら、別キャラクター、別勢力で1から始めてみたいと思うぜ。それに加えて、有料のDLCもいくつかあり、それらのボリュームも膨大と聞いているから、これは全部のクエストを制覇するのにいつまでかかるのか計算できないレベルだぜ。
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