iOSゲームレビュー
デーモントライヴ
スマホでここまでできる! 育成&6人対戦の本格プレイが楽しめる意欲作
- ジャンル:
- 協力対戦型バトルRPG
- 発売元:
- 開発元:
- セガネットワークス
- 価格:
- 無料
- 発売日:
- 2013年2月28日
- プレイ人数:
- 1人~バトルパート最大6人同時対戦
(2013/4/5 17:00)
セガネットワークスが「スマートフォンでも本格的なゲーム体験を提供していく」という方針のもとに、長い開発期間と大人数の制作スタッフを投入して作り上げたのが、この「デーモントライヴ」。
本作は、悪魔に変身して悪魔と戦うと言う特徴を持つバトル要素をベースに、育成要素、RPG要素、更に最大6人による3対3でのリアルタイム協力対戦要素など、豊富な機能を備えつつも、基本プレイ無料でプレイできると言う、かなり豪華な内容となっている。レビューでどんなゲームなのか、どういうプレイ感なのかを詳しくお伝えしていこう。
アジトで育成、デーモンでバトル! 育成とバトルという2つの遊びを融合させた「デーモントライヴ」
「デーモントライヴ」の物語は、秘密結社「オメガ・サベイランス」の総督となり、「夢幻界」より侵攻してくるデーモン達から「現有界」を守るという内容。そして、一時的に壊滅状態に陥った「アジト」の再建において、新たな総督として神託機械「オラクル」から選び出されたのがプレイヤー。組織の総督として、アジトを復興しつつエージェントの装備を強化し、更に強力なデーモンを召喚や合成することで、デーモン達と戦っていく。
本作のポイントは「アジト」、「エージェント」、「デーモン」の3つ。アジトの施設を建設し、その施設のレベルを高めることでエージェントの装備を錬成したり、新たなデーモンを召喚していく。そして、エージェントを操り、“デモナイズ”でデーモンに変身することで、バトルの勝利を目指して行くという流れだ。
本作は大きく2つのパートがあり、1つは「バトルパート」、もう1つは「育成パート」となっている。まずはバトルパートから紹介しよう。
本作のバトルには、シングルプレイとマルチプレイそれぞれの遊びがある。シングルプレイには、デーモンや他組織を戦う「討伐」やストーリーをじっくり楽しめる「物語」があり、マルチプレイには、他のプレーヤーと最大6人で3対3に分かれてリアルタイムで戦う事ができる「対戦」がある。
バトル操作は、見下ろし画面の中で、エージェントの行き先や攻撃対象をタップするだけと非常にシンプル。近くにいる敵は自動でガシガシと攻撃してくれる。リリース前の体験プレイレポートでも書いた事だが、画面構成やプレイ感は、Windows用タイトル「Diablo」などのハック&スラッシュを思わせる。タッチ操作との相性も良い。
バトルで重要なのは、エージェントがデーモンに変身する「デモナイズ」とそれを使うタイミングだ。デーモンはエージェント状態に比べてはるかに能力が高く、強力。ただし、デモナイズはいつでもできるわけではなく、まずは敵を倒して、オーブと呼ばれるエネルギーを溜めていかなければならない。そのためには、エージェントの装備もを強くしておくことも必要となる。
エージェント・デーモンともに特殊効果のある「スキル」が使えるのもポイント。右下のスキルアイコンをタッチ後は、スワイプや範囲指定など、それぞれのスキルごとの発動操作を行なう必要があり、ダメージを与える攻撃系、HP等を回復する回復系、能力を高めるフィールドを作るような援護系、相手を状態異常にして行動を封じる妨害系など、その種類も多種多様。また、スキルをレベルアップさせたり、別のデーモンに継承させたりすることもできる。
続いては「アジト」で行なう「育成パート」。アジトでは、施設のレベルアップや装備の錬成、デーモンを派遣して報酬獲得を狙う指令など、リアルタイムの時間経過で行なわれるシミュレーション的な遊びが楽しめる。
アジトで主に行なう事は、なんと言っても「デーモンの召喚」だ。デーモンは、宝石を媒介にして召喚装置からランダムで召喚することができ、宝石の種類にはランクの低い物から順に「メノウ」、「クリスタル」、「サファイア」が存在する。そして、ランクの高い宝石ほど、より強力なデーモンを召喚できる確率が高くなっている(サファイアはCP購入で入手可能)。またこれ以外に、特定の属性のデーモンのみを召喚できる「ルビー」や「アクアマリン」や「トパーズ」、更に、ログインキャンペーン等でもらえる、エリート以上のデーモンが確実に召喚できる「ダイヤモンド」といった特殊な宝石も順次追加されている。
メノウやクリスタルは、クエストやバトルの報酬などで入手することができ、プレイする事でどんどん手に入る。これを使ってバンバン召喚し、デーモン同士を合成してレベルアップさせたり、スキルを強化、継承させていく事で更に強力なデーモンを作り上げていく。
デーモンは、エージェントごとのデッキにそれぞれ最大5体ずつセットすることができ、バトル中は必要に応じて、デッキのデーモンにデモナイズできるという仕組みだ。
デッキ構成もいろいろ奥深い。まず、デーモンにはグレードという格付けのようなものがあり、グレードが高い程より強力になっているのだが、そのぶん、グレードの高いデーモンにデモナイズするためにはより多くのエネルギーが必要になる。そのため、闇雲に高グレードのデーモンばかりをデッキに入れず、低グレードのデーモンも入れておき、コンスタントに敵を倒し、ステップアップするように高グレードなデーモンへのデモナイズへと繋げていくのがひとつのセオリーだ。
また、デーモンごとに属性も存在し、属性同士の相性が勝敗を大きく左右する。つまり、相手側の弱点属性のデーモンで戦えば、より大きなダメージを与えられる。さらに、デッキ内をひとつの属性で固めるとチェインボーナスという能力の底上げ効果も得られるので、チェインボーナスを重視するか、様々な属性に対応できるようにいろんな属性のデーモンを入れるかは悩みどころだ。
アジトには、エージェントの使う武器やアクセサリーの作成や強化を行なう「錬金」の施設もある。ベースとなる武器やアクセサリーを元に、素材のアイテムを使ってより強力な装備を作り出すというもので、エージェントの状態での攻撃力や防御力はこの装備次第であり、いくらデーモンが強力でもエージェントの状態が弱いとデモナイズに繋げにくくなり、戦いは厳しくなる。こちらも重要だ。
また、アジトの地上部分にある「聖堂」の外観を変更できる「オーナメント」というものも錬金で作成できる。壁や床、建物、デーモンの彫像といった調度品を置き換え、自分なりのアジトを作りあげていけるのだ。ちなみに、オーナメントには特殊な効果のあるものも存在する。
そうした錬金のための素材や、資金を稼ぐのが「任務・探索」というものになる。これはデーモンをミッションに向かわせて、一定時間経過後に、その成功・失敗に合わせた報酬が得られるというもの。指令の内容に合わせて相応しいデーモンのレベルや能力が求められるので、それに適したデーモンを準備しておくのがポイントだ。探索はミッションを選ぶことで自動進行されるので、こまめにチェックしつつ、常に探索中の状態を保つようにしておきたい。
バトルパートと育成パートがある本作だが、実際にプレイしていくと、育成要素がかなり重要なバランスと感じた。というのも、エージェントの装備やデーモンのレベルといった育成で伸ばせる部分が戦力のベースであり、その差がハッキリと現われる。特にプレイ序盤はそれが顕著で、ある程度やりこんだ(育成した)先で、デッキ構成やバトル中の動き方といったあたりが効いてくるようになるといった印象だ。こまめにスマホをチェックして育成するという部分を楽しめる人ほど、ハマれるかと思える。
操作性や遊びやすさにおいては、配信開始後に細かくアップデートが行なわれ、配信開始より数週間でグッと遊びやすくなっている。とはいえ、まだ荒削りな印象を受けるところもあるにはあって、例えば錬金の強化で毎回アジトトップの画面に戻らずに連続して行なえるようにして欲しいなど、実プレイで生まれる欲求にもう1歩合わせた改善が欲しいところもある。その辺りに関しては今後のアップデート等による洗練を、さらに期待していきたいところだ。
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