3DSゲームレビュー

Castlevania - Lords of Shadow - 宿命の魔鏡

横視点アクションへと原点回帰したシリーズ正統続編!

発売元:
KONAMI
ジャンル:
アクション
価格:
4,980円(パッケージ版/ダウンロード版)
プレイ人数:
1人
CEROレーティング:
D(17歳以上対象)

 2013年3月20日、KONAMIからニンテンドー3DS用探索型スクロールアクション「Castlevania - Lords of Shadow - 宿命の魔鏡」が発売された。価格はパッケージ版、ダウンロード版共に4,980円。プレイ人数は1人。

 本作は1986年から始まる「悪魔城ドラキュラ(Castlevania)」シリーズの最新作。ベルモンド一族の悲劇的な宿命が描かれている。また、多くのファンから要望に応え、シリーズの原点とも言える横視点のアクションとなっている。

ベルモンド一族三代の悲劇的な宿命が描かれるシリーズ最新作

【ストーリー】

ガブリエル・ベルモンドと妻のマリーとの間に誕生した息子、トレバー・ベルモンドは生後間もなく母の元から離され、燈光教団によって密かに育てられていた。

マリーはその事実を誰にも明かすことなく亡くなり、ガブリエルは自分の息子の存在を知ることはなかった。

その後、ガブリエルの手によって忌まわしきロード オブ シャドウ等は葬られたが、かつての予言通り、彼は闇へと誘われ、ドラキュラとなった。

そして彼は、山にそびえ立つ巨大な城塞を巣窟にして教団と人類を相手に戦いを繰り広げている。

持って生まれた一族の血筋を知る由もなくトレバーは成人となり、自分の息子をこの世に迎えた。

その息子の名は……シモン・ベルモンド。

そして月日は流れ……

ここから始まる物語はトレバーの息子によって解き明かされる父の雄姿、そしてベルモンド一族の悲劇的な宿命……

 上記ストーリーからも読み取れることではあるが、ここで物語の中心となる「シモン」、「トレバー」、「ガブリエル」について簡単に説明しておきたい。

 「シモン」は言わずと知れたシリーズ第1作目「悪魔城ドラキュラ」の主人公。「トレバー」はシモンの父で、ガブリエルとマリーの息子。「ガブリエル」は「Castlevania - Lords of Shadow -」の主人公で、シモンの祖父、トレバーの父である。

 本作の時代設定は、2012年発売のプレイステーション 3/Xbox 360用「Castlevania - Lords of Shadow -」の25年後。ベルモンド一族三代の悲劇的な宿命が描かれている。どんなストーリーかはプレイして確認してもらいたいが、シリーズファンなら絶対にチェックしてもらいたい内容になっている。

海外(MercurySteam Entertainment)開発だけあって、イベントシーンは海外らしいテイストに

機動力が高く、簡単なボタンの組み合わせで多彩な攻撃が可能な爽快アクション

 アクションゲームでは、どれだけ気持ち良く、思った通りにキャラクターが動かせるかが特に重要になってくる。この点に関して、本作はかなり優れていると言えるだろう。移動速度は速めで、ジャンプではキャラクターの身長の3倍程度の高さまで跳躍する。キャラクターによっては2段ジャンプなども使えるようになる。さらに避け行動やブロックが地上、空中を問わず、攻撃をキャンセルして繰り出せることもあり、回避・防御性能はかなり高い。多くの攻撃アクションも地上、空中問わず繰り出せることから、空を飛んだり、高速で動き回るタイプの敵に対してもストレスなく攻撃できる。

 基本となる攻撃はシリーズでお馴染みの鞭。キャラクターはゲームの進行状況に応じて切り替わるが、どのキャラクターでも基本攻撃には鞭を用いる。この鞭の攻撃アクション(スキル)はレベル上昇に伴い新たなものを習得していく。レベルは敵を倒したり、特定のオブジェクトを調べることで獲得できるXPを蓄積することで上昇する。

進行状況に応じて、「序章:ガブリエル・ベルモンド」、「第1幕:シモン・ベルモンド」のように操作キャラクターが切り替わっていく。レベルにより習得するアクションは全キャラクターで共通となっている(写真左:アルカード、右:トレバー)
XPがゲージいっぱいまでたまるとレベルアップし、新たな攻撃アクションを習得する

 鞭の攻撃アクションは、Yボタン(ダイレクト・アタック)、Xボタン(エリア・アタック)の組み合わせで行なう。Yボタンなら正面方向に、Xボタンなら自分の周囲に攻撃する。Xボタンでの攻撃は範囲が広い分、Yボタンでの攻撃と比べ、多少威力が劣る。また、Xボタンでの攻撃では敵が投げたものをそらすことができる。

 X/Yボタンの組み合わせによる攻撃操作は、Y・Y・Y・Y・YボタンやXボタン長押しなど、誰でも簡単に繰り出せる。

XとYボタンの組み合わせによるシンプルな操作で多彩な攻撃アクションが繰り出せる

 プレス体験会レポートでもお伝えしたが、攻撃、移動、防御アクションがスムーズに繋がり、快適にキャラクターが動かせるのは、本作の大きな魅力の1つ。

 例えば、Y→B→L(押しっぱなし)→スライドパッド左方向と入力すると、前方へ攻撃→敵を打ち上げつつ、自分もジャンプ→ブロック→左方向へ避けとなる。

 ブロックや避け行動は攻撃モーションをキャンセルして出すこともできるので、硬直して動けない時間はほとんどなく、快適にキャラクターを動かせる。

ブロックや避けは地上、空中を問わない上に、攻撃モーションをキャンセルして出すことができる。空中から急降下し、攻撃する踏みつけなどもあり、回避・防御性能はかなり高めになっている

 鞭以外にシリーズでお馴染みのサブウェポンももちろんある。サブウェポンは1キャラクター2つまで獲得でき、各キャラクターで扱う武器は異なる。「投げ斧」や「オイルフラスコ」など、性能は武器によって大きく違い、所持している個数分使用できる。

 戦闘だけでなく、探索面でも重要な特殊能力もキャラクター毎に異なる。サブウェポンと同様に1キャラクター2つまで習得できる。発動中、敵からの攻撃を自動防御してくれる「ヴェルナンデスの精霊」、使用中に避け行動を取ると特定の扉をすり抜けることのできる「ミスト・フォーム」など、その性能は様々。特殊能力の使用には魔力ゲージを消費する。

 他にもフックポイントにチェインを伸ばしてぶら下がったり、2段ジャンプといった魔力ゲージを消費しないパッシブタイプのアクションも用意されている。これらを習得すると探索できる場所が増えることに加え、アクションの幅が広がり、より気持ち良くキャラクターを動かせるようになる。

サブウェポンは十字ボタンの上下で選択し、Aボタンで使用。特定の敵に対して高い効果を発揮する。Aボタンを長押ししてチャージすれば効果が高まる
特殊能力は探索面でも重要になっており、特定の場所を進むのに必須となる

 オブジェクトを調べたり、物を掴んだりする場合にはRボタンを使用するのだが、戦闘でもRボタンでのアクションが活躍する。連続して攻撃を与えるなどで敵が気絶することがあり、この際にRボタンを押せば掴み攻撃が発動する。雑魚敵なら一撃で倒せるほど強力な攻撃だ。Rボタンのアクションは、ボス戦では特に重要になる。ダメージを与え、白く光った状態にし、Rボタンのアクションをしないと倒せないボスが存在するからだ。

敵を気絶させると、Rボタンで必殺の掴み攻撃が繰り出せる。白く光ったらRボタンを押すように癖をつけておきたい
ボス戦は通常の横視点でのアクションだけでなく、画面の指示に従いボタンを入力することや、白く光った状態にしてからRボタンでアクションすることが求められる

 ブロックを動かして足場を作って高い所へと飛び移る、レバーを操作して扉を開ける、特殊能力でダメージゾーンを通過するなど、ギミックは多彩。ただ、大半は習得済みの能力を使っていけば進めたりと、それほど難しくないので、仕掛けが解けなくて進めないなんてことはないだろう。

ステージには様々なギミックが用意されている。ステージに用意された物を利用して探索していく
中にはパズルゲームのような凝った仕掛けも。このタイプの仕掛けでは、視点がエリア全体へと切り替わる(通常視点に戻すことも可能)。また、仕掛けを解いた際の獲得XPは減ってしまうものの、ヒントをもらうこともできるが、ハッキリ言ってそれほど難しいものではない
Amazonで購入

(木原卓)