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セガネットワークス、iOS「デーモントライヴ」プレイレポート
最大6人同時プレイの対戦が熱い!
がっつり作りこまれた本格ゲーム体験が楽しめる!!
(2013/2/15 19:30)
iOSアプリでも本格的なゲーム体験を楽しめるクオリティを目的に、セガネットワークスが長く制作してきた「デーモントライヴ」が、いよいよ2月下旬より配信予定だ。対応OSはiOS5.0以上。
本作は、アプリの開発としては異例とも言えるほどの開発期間が設けられ、さらに当初の予定よりもさらに延期して開発が続けられてきた。それだけに高いクオリティを目指して制作されてきたことの表われの1つといえるだろう。
今回はセガネットワークス社内にて約3時間ほど体験プレイさせて頂いたので、本作にどのような魅力があるのかをお伝えしていこう。
デーモンに変身して戦う! ハック&スラッシュのゲーム性をタッチ操作で実現
本作は「バトルパート+育成パート」で構成される「協力対戦型バトルRPG」。豊富な要素があるが、要はキャラクターや拠点の育成を楽しみ、クエストやストーリーを楽しみ、対戦モードでは、3vs3での最大6人同時対戦が楽しめるというゲームになっている。基本無料+アイテム課金のいわゆるFree to Play(F2P)スタイルを採用しており、iPhone/iPad両対応のユニバーサルアプリだ。
プレーヤーはデーモン達を掃討する秘密結社「オメガ・サベイランス」の総督になる。結社は「夢幻界(デーモンの住む世界)」と「現有界(現実世界)」の境目にある境界線をひそかに監視し、夢幻界よりデーモンとして実体化してくる者を討伐し秩序を守るために存在している。そのために結社とそのエージェント達が駆使する力もまた、デーモンなのだ。
プレイを始めてまず驚かされたのは、そのグラフィックスクオリティの高さだ。非常に緻密で、バトルパートでのキャラクターモーションも細かく滑らか。それでいてゲーム進行はスピーディー。順に紹介していくが、ゲーム内の要素も非常に豊富で、難易度も充分な歯ごたえがあり、がっちり作り込まれていることを感じさせてくれる。
バトルパートでの基本操作は、見下ろし画面の中で1人のエージェントをタップ操作で動かす。移動させたい場所をタップするとそこに走っていき、敵をタップすれば自動的にガシガシ戦ってくれる。いわゆるハック&スラッシュスタイルで、わかりやすくいうと「ディアブロ」タイプを思わせるプレイ感覚だ。このジャンルは元々PCではマウスで操作していたものなので、そこがタップ操作に置き換わっただけであり、iPhone/iPadでも無理なく遊べる。操作とジャンルの相性がしっかり考えられた作りだ。
バトルで重要なのは、エージェントがデーモンに変身する「デモナイズ」。デーモンは人間の状態よりも遥かに能力が高い。デモナイズするためには敵を倒して経験値を手に入れ、グレードアップすることが必要。いかにスピーディーにグレードアップしてデモナイズするかがポイントになる。
スキルを効果的に使うのも非常に重要だ。デーモンには3種類のスキルを装着できるようになっており、右下のパネルをタッチ後に、スキルに応じたスワイプ操作やタッチ操作で発動する。
スキルは種類が非常に豊富で、シンプルにダメージを与える攻撃系、HP等を回復する回復系、能力を高めるフィールドを作るような援護系、相手を状態異常にして行動を封じる妨害系などがある。どんなデーモンにどんなスキルを着けるのか、そして、それをどう活用するのか? 戦略面も重要になるだろう。
デーモンの召喚・合成、武器の作成など、様々な施設を建設できる「育成パート」
続いては、ゲームプレイの中心になる拠点「アジト」を見ていこう。アジト内に施設を作り、その施設のレベルを高め、デーモンを召喚したり合成したり、エージェント達の装備(武器とアクセサリー)を作ったりと、様々な育成や強化を行なっていく。
アジトは聖堂の地下に広がり、プレーヤーはまず地下の空洞にある岩などを壊してスペースを確保。そこに研究室や練金室といった自分が作りたい施設を建設していく。当然ながら建設にはコストがかかり、そのお金等はバトルパートで稼いでくる仕組みだ。
施設の中でも最もお世話になるのが「召喚ラボ」だろう。ここでデーモンを召喚し、エージェントにセットして、バトルでデモナイズする。召喚にはバトル等で手に入る宝石が必要で、宝石に応じてランクが分かれている。高いランクでの召喚ほど、レアリティの高い強力なデーモンが手に入りやすい。
デーモンの種類はなんとリリース時点でも100体以上! それらデーモンにはバトルパートでデモナイズした時の3Dモデリングがあるし、攻撃モーションやスキルのモーションなどもそれぞれにあるから、いわゆるカードゲームタイプのゲームにモンスターが100種類以上存在するというものとは、別格な手のかかりようだ。また、デーモンのスキルも現時点で150種類以上あるということで、とてつもない規模になっている。
召喚ラボではデーモンの合成も可能だ。ベースとなるデーモンに別のデーモンを合成させてレベルを上げる「デーモン育成」、スキルのレベルを上げる「スキル強化合成」、さらに他のデーモンのスキルを覚えさせる「スキル継承合成」がある。
デーモンのレベルを合成で高め、スキルを継承させ、スキルのレベルも高めていけるとなると、本格的にやりこんだ際の奥深さは底知れないものがある。さらに、そうして育てたデーモンやエージェントでプレーヤー最大6人同時の対戦へとプレイが進んでいくのだから、対戦の盛り上がりは想像できるだろう。
施設には他にも「練金施設」というものもある。エージェントは武器とアクセサリーを装備できるが、この練金施設で手に入れた素材から武器やアクセサリーの作成や今日が可能だ。なにしろバトルでは、エージェントの状態で敵を倒さないとデモナイズができない。エージェント状態を強くするのも重要になる。
他にも施設には探索施設などもあるそうだ。エージェントを派遣し、一定時間経過後に召喚のための宝石や、練金のための素材などを見つけてきてくれるというものだ。こうしたリアルタイム進行のシミュレーション要素も入っている。
また、アジトの地上部分にある聖堂にはオーナメントという飾りをつけられる。最初は荒れ果てた聖堂だが、オーナメントを入れ替えると洋風な屋敷風にできたりと、ガラリと外観を変更できる。また、銅像なども飾れて、オーナメントによってはステータスアップ効果などなにかしらの特殊効果を持つ物もあるようだ。立派な外観にすることが、能力の底上げにもなっていく。オーナメントもまた種類が豊富にあるそうだ。
重厚な世界観で展開する「物語」、シングルプレイでやりこめる「討伐」
アジトでの育成や準備が終わったら、クエストを受けてバトルへ。クエストにはシングルプレイの「討伐」と「物語」、そしてマルチプレイの「対戦」がある。
「討伐」は目的のデーモンを撃退するというもので、プレーヤーのレベルに合わせたミッションが選べるが、時には「狂暴体」という強力なデーモンが出現することも。プレイした感触としては、狂暴体はもちろんとしても、通常のクエストでも難易度高めのクエストも選べるようになっており、歯ごたえは充分。しっかりとした育成や強化を行なうのが大切で、本腰を入れて楽しめるものになっている。もちろん、難易度低めのクエストを選べば手軽にも楽しめる。
「討伐」でのフィールドはそれほど広くはなく、アリーナサイズ。スクリーンショットの6画面分ほどだろうか。ワラワラと雑魚敵が群がるなかそれを蹴散らし、目的のデーモン討伐を成功させればOK。
もう1つのシングルプレイ「物語」は、簡単に言えばストーリーモード。自らの肉体を媒体にしてデーモンの力を駆使し、夢幻界のデーモンに立ち向かうエージェント達の物語が展開されていく。重厚な世界観で描かれる物語中には多数のキャラクターが登場し、物語をプレイすることで使用できるエージェントも増えていくということだ。
最大6人のプレーヤーで3vs3「対戦」! スマホアプリ初の本格「DotA」系対戦を実現
そして、本作の醍醐味とも言えるのがマルチプレイの「対戦」だ。3vs3形式で、最大6人同時の協力対戦プレイとなる。3G/LTE回線でもプレイが可能で、実際に体験プレイでも3G通信で対戦したが、問題なく楽しめた。アクション性のあるゲームを3G/LTE回線でも6人同時プレイができるのはうれしい要素だ。
対戦は「DotA(Defense of the Ancients)」という「Warcraft 3」などに代表される2陣営対戦の形式で、こちらもスマホアプリでは初めてのジャンルとなる。3人チーム同士で互いの陣地の最も奥にある「ゲート」を破壊するというシンプルなルール。それでいて、デモナイズやスキルといった育成要素、そしてそれを駆使する戦略と、RPGやRTSの要素も含んでいる。
マップには互いの陣地にいくつかのゲートが置かれ、そこから雑魚敵が次々に湧くようになっている。それを壊しつつ、最奥にあるゲート(プライマリーゲート)の破壊を目指していく。マップのルートは3つに分かれ、どこを通っていくのかが重要だ。1つのルートに戦力を集中するか、それともバランスよく互いをフォローしながら進むか。1人だけ裏をかくようにプライマリーゲートを目指すというのももちろんありで、リアルタイムに互いのチームが相手の動きに対応していくことになる。
また、フィールド上にある緑の霧の中に入っている間は敵から見えなくなるといった要素もあり、敵チームをやり過ごしてプライマリーゲートへとこっそり近づいていく、なんていう戦法も可能だ。
敵味方が入り乱れる乱戦のなか、手薄なところや、相手チームに押し切られそうなところがないかをマップを確認してチェック。そうして戦況を考えつつもスキルを発動したり、デモナイズしたりと、アクションも行なっていく。操作はあくまでタッチ&スワイプながらも、そのゲーム性は非常に高度だ。
対戦においても鍵を握るのはやはりデモナイズだ。デーモンに変身して相手チームを押し切ることが重要だが、それは相手も同じこと。デモナイズできるようにスピーディーに雑魚敵を倒してグレードアップするのがポイントで、逆に相手にグレードアップをさせないよう立ち回るのも大事になる。数的不利の時など、プレーヤーキャラクタが倒されないよう逃げることも重要だ。
デモナイズするデーモンは、1キャラクターにつき5体をセットできるデッキになっている。強力なデーモンほどデモナイズするためのグレードアップ量が多くなっており、単純に強いデーモンばかりをデッキに入れればいいというものでもない。育成で強くした低グレードのデーモンを組み込んでおいて、早い段階で呼べるようにし、相手プレーヤーを倒してさらにグレードアップしていくようなデモナイズを段階的に組み立てるのも重要なテクニック。
さらに、デーモンには属性もあって、これも大事。デッキ内を同属性で固めるとチェインボーナスが付くが、苦手属性のデーモンが多いデッキに蹂躙される可能性もある。スキルの属性がデーモンの属性と合っているかどうかの相性も大事で、逆に弱点属性のデーモンに対抗するためのスキルを付けておくという考え方もありだ。育成は当然として、デッキ構成やスキルセットが非常に重要になっていく。
このように、シンプルなルールながらかなり奥深い内容となっていて、育成、デッキ構成、スキルの選択とその活用の仕方など、対戦で勝利するために工夫すべきポイントは非常に多い。制作チームの方にお話を伺ったところ、ゆくゆくはこの対戦モードを使った大会なども開催できれば、と考えているそうだ。がっつりやりこんで腕を磨いて頂きたい。
最後に1回あたりのゲームプレイ時間や課金要素について。本作では「討伐」クエストを受ける際に討伐なら3ポイント、「対戦」では2ポイントのBPを消費する。BPは時間経過で増えていくポイントで、これを考慮するとだいたい1回あたり最長で30分~1時間程度プレイできる。なお、レベルアップした場合はBPも全回復するのでこの限りではない。
課金要素には「CP」という課金ポイントがあり、デーモン召喚のゴールドランクの召喚をする際に必要な宝石「サファイア」の代わりにCPでも召喚ができる。また、シングルプレイ時にクエスト失敗時のコンティニューがCP消費で可能なほか、スキル合成の成功率も若干アップ、BPの回復ができる。
これら課金要素についてはリリース後も継続的に調整を重ねていくということだが、基本的な方針として課金はプレイの時間短縮になるものとし、ゲームバランスでは、特に対戦が魅力なゲームとして、課金者に対抗できないようなゲームにならないよう配慮したいということだ。
圧倒的な作り込みと奥深いゲーム性で、スマホゲームアプリのレベルをワンランク高めてくれそうな力作!
“スマホアプリでも本格的なゲーム体験を”をコンセプトに、「ジェットセットラジオ」でコンビを組んだ菊池正義氏と植田隆太氏がそれぞれチーフプロデューサーとアートディレクターとして参加(植田氏は世界観設定やキャラクターデザイン及びゲームのアート面を統括監修する)し、「サカつくシリーズ」、「サムライ&ドラゴンズ」のプロデューサー・山田理一郎氏がディレクターを務めて制作された本作。
スマホのゲームアプリとしては異例とも言える制作期間と開発規模を注ぎこみ、がっつりと作り込まれている。スマホでのゲームプレイにおいてネックになりがちな操作面でも、タッチ操作に適したジャンルをベースにして不満のないものに仕上げているし、グラフィックスの細かさ、モーションの豊かさ、3Dモデリングのあるデーモン100種類以上、スキル150種類以上と、6人同時プレイ可能な対戦と、まさに本格的なゲーム体験が楽しめる。
実際にプレイして得た感触としても非常に充実していて、「本格的とは言ってもスマホのゲームでしょう?」とは言えないものがあった。コアなゲームファンも納得の出来で、本作の登場がスマホゲームアプリのレベルをワンランク引き上げるのでは? という気持ちすらある。iOS端末をお持ちのゲーム好きな方はぜひ、チェックして頂きたい。
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