(2013/12/9 16:44)
先日の小笠原プロデューサーのインタビュー終了後、編集長から渡したいものがあるとの連絡があり、徹夜明けの眠い目をこすりながら編集部へ。まだ「バトルフィールド」やっていたかったんですけど……。眠い目が限界になりつつあるとき、編集長が「やってみる?」っと「ROM」を取りだす。そこには、マジックで書かれた「信長の野望・創造」の文字が!
「やります!やります!」
半ばひったくるようにROMを受け取ると、もどかしく思いながら1時間かけて帰宅し自宅のPCに突っ込む! 起動させる!
「ター、タラタタターッ!ターターラーラタタラー」
お馴染みのBGMと共に、キター! ついにキター!! 「ファンのみなさんお先にゴメンナサイね」と思うわけもなく、こうして筆者の「創造」生活がスタートした。
まずは基本の織田信長プレイで、ゲームを味わう
筆者が「信長の野望」シリーズでまずやるのは織田信長でのプレイ。いわゆる主人公プレイである。みなさんもそうでしょ? 信長でプレイをすると、武将も優秀だし、イベントも豊富だしで、作品の基本的な楽しみ方を知るには打って付けであるのだ。
さてさて、シナリオは最初のシナリオである「家督相続」でスタートする。信長の居城は那古野城の一城のみ。清洲城と犬山城は清洲織田家が、そして末森城は弟の信勝が治めている。ゲームを開始するとすぐに「戦国伝」が発生する。「戦国伝」は、大名や武将にちなんだクエストで、条件を満たすことにより戦国物語を読み進めることができるものだ。
もちろん、武将の強化にもつながることもあるので受けない理由は何一つない。ちなみに、織田家最初の戦国伝は、「家中統一」。分裂状態にある尾張を統一することが目的となる。信勝とは同盟状態なので、清洲織田家に集中する。武将が充実しているとはいえ、まずは内政で国を富ませてから進むのが定石。石高や商業、兵舎を成長させ収入と強兵に励み、尾張統一の第1歩を歩みだす。
そのほかにも、大事になるのは国人衆の懐柔だ。国人衆の支持を受けることで、合戦時に援軍として参陣してくれたり、物資の収入を貰えるようになるので、これも積極的に行なう。当然、全ての行動にはお金が必要となるので、国人衆を懐柔しようとしても、あっという間に資金がカツカツになってしまうので、勢力は絞って交渉していくといいだろう。
美濃の斎藤家(すでに濃姫との婚姻は成立しているので、斎藤家とは婚姻関係になっている)とも外交工作をしつつ、清洲と犬山攻略の用意をしていく。
イベント盛りだくさん! これが信長プレイの醍醐味でしょう!
清洲、犬山を攻略するとイベントが次々に起こる。まずは、清洲への本拠地の移動イベント。さらに、多くのシリーズで語られている平手政秀の信長への諫言イベント(若干涙ぐむ可能性あり)。さらには、兄弟の雌雄を決する信勝謀反イベントなど盛りだくさん。初期にこんなにイベントが発生すると、国力が追いつかなくなるのでは? と若干不安にもなったが、初期の信長を彩るイベントなので、難なくクリアし進めることができるだろう。信勝を倒すことができれば、瓶割り柴田といえばこの人、柴田勝家が配下に入るので合戦がぐっと楽になる。
そして、尾張を統一すると起こるのが、桶狭間の戦いだ。信長は大大名・今川義元の侵攻に対して小勢でありながら、勝利を収め、一躍大名として戦国時代に華々しく登場した。美しいムービーシーンで描かれる桶狭間は一見! ただし、少し残念だったのがイベントの進行が少し簡略だったことだ。いくつかの段階を経てイベントは進行するのだが、最終的に義元を倒すことが目的なのだが、あっさりと桶狭間イベントが発生してしまった点。
歴史ファンとしての独り言だが、たとえば、簗田政綱をユニットに組み込んで、義元本陣の場所を探したり、丸根や鷲津に砦を作るなど、もう少し史実で描かれている状況を再現し、信長のひっ迫した状況を感じたかったというのが正直な感想だ。
その後、徳川家康の独立、清洲同盟、岳父斎藤道三の死、浅井長政と市との婚姻など歴史イベントファンお馴染みの「戦国伝」が発生する。「戦国伝」に沿ってプレイしていけば、美濃攻略まで楽に進めることができる。ただし、注意するべき点が1点。武田家との関係と徳川家の動向だ。イベントを見るために少しずつゆっくりと進めたのもあるが、武田家は当然強い!武田家は今川との同盟関係にあるので、気がつくと今川の領地を切り取ろうとする徳川と武田の間で合戦が発生してしまい、なし崩し的に武田との合戦に巻き込まれてしまうので、近畿への侵攻が難しくなってしまう。武田家との外交対策はしっかりとしておきたい。国力を気にせず強国武田に喧嘩を売る家康。……恐るべし。
本気でチャレンジ!剣豪将軍で三好を近畿から追い出す!
さて、信長プレイでだいぶプレイの感覚が解ってきた筆者。このまま信長で進めてもいいのだが、ちょっと趣向を変えて「創造」の歯応え感を感じたいと思い、大名をチェンジしてプレイ。シナリオは家督相続で信長と同様だが、プレイ大名として選んだのは足利13代目の将軍、義輝公! あんまり難しくないんじゃないの? と思われた読者の方にはご容赦を。だって、姉小路とか畠山プレイだと記事にならないで一瞬で終わっちゃいそうじゃないですか!? 今回はしばりプレイでもないし、少し難しめで目標を立てやすいということで足利義輝公を選びました。今回の目的は、史実で三好三人衆と松永久秀により暗殺された義輝公の無念を果たすため、三好勢を近畿地方から追い出すこと。足利幕府の栄光は誰にもやらせはせんのです!
足利家スタート時の持ち城は3つ。義輝の能力もなかなか優秀で、細川藤孝もバランスがとれていて非常に優秀! さらに、スタート直後に南光坊天海の登用にも成功し、前途は明るい! ただ、不安だったのが足利義輝暗殺イベントが発動し、そのままイベント滅亡エンドとかなったらどうしよう、という点だった。しかし、プレイ大名に選んでいると、イベントは発動しない模様。とりあえず、本稿の企画ができることが確定したので、三好家を近畿から追い出し作戦を発動させます!
信長プレイと同様に、内政から着手。足利家はスタート時の所持金銭が少し心もとなく、群雄割拠する近畿ではすぐに軍費が底をついてしまう。幸い、本願寺家や北畠家、六角家と同盟状態なので外交状況を利用しながら進めて行く。まず、1番頼りになる本願寺家との関係を強化し、十分利用……いや、協力していただきましょう。それでは、早速三好家に……ではなく、筒井家を最初のターゲットにする。理由としてはいくつかある。
その1:筒井家は弱小(史実では)なので、すぐ下に位置する領国を三好に獲られるのを防ぐこと
その2:周辺諸国は同盟状態なので、家を発展させるために大和を抑える必要があること
その3:受動的に三好家との前線を作るのではなく、能動的に三好家ののど元にくさびを打ちたかったこと
その4:最大のポイントは、筒井家に仕えるであろう島左近を早々に獲得したいから!
上記の理由から筒井さんには申し訳ないけど、我が将軍家のコヤシとなっていただくことに決定した。順慶さんも、将軍家の言うことなら納得していただけることだろう。
兵力には少し不安があるが、早々に筒井侵攻作戦を発動する。兵は神速を尊ぶのであるから! 大和の国人たちが味方に付くよう懐柔し、侵攻開始!
当然、筒井家も城に取りつかれないよう兵を出してくるが、5,600の我が軍に対して3,000ほどの兵力動員ではなすすべもなく我が軍に下る筒井家。想定よりも早い段階で大和を攻略することができた。筒井家の居城、筒井城は本城である。支城ではなく、国の本城を2か所以上抑えると様々な政策を選択することができるようになるので、図らずも……いや、計画通り早々と政策を実行する。
想定よりも早く三好家と開戦! 第一次大和会戦勃発!
三好家の各城を偵察すると、意外や大和の支城十市城の兵力が少ない。三好の本拠である四国から1番離れたこの城にこれだけの兵力しか置いてないとは! ぬかったな! 三好長慶!! 二条御所をはじめ、3つの拠点から十市城に兵を進める。援軍を送ってくるにしても、きっと時間がかかるはずだ!
すぐそばにある、仇敵・松永久秀の居城・信貴山城から援軍が来るも、難なく撃破するが、三好の各城の様子が。本願寺というくさびがあるにも関わらず、全拠点から大和へと援軍が送りこまれてくる!
ええ。そんなに必死に攻めてくるなんて想定外ですとも。だが、ここで引いたら将軍家の名がすたる! 逆に信貴山城を奪い取って、松永めの首を獲ってくれるわ!
敵増援を撃退してもなかなか信貴山城に取りつくことができず、足利軍の兵力がじわじわと削られていく。完全にじり貧状態だ。とにかく、スキをついて撤兵し、兵力の回復を図りたい。そこで、これまで外交工作をしていた本願寺家に四国と本州の要になる三好家の洲本城に派兵の交渉を行なう。その結果、約7,000の本願寺軍が洲本へ進軍してくれ、信貴山付近に展開していた三好軍は洲本へと兵力を向ける。今だ! とばかりに本軍を撤兵させる。このまま消耗戦に持ち込まれたら、完全に足利軍壊滅に繋がるところでした。その後、近畿の海に消えた本願寺軍のためにも、更なる軍備の拡張が必要だ! ありがとう、本願寺! そして、これからもよろしく!
軍馬と鉄砲を購入しつつ、本願寺家だけでなく、鈴木家との外交工作を行なう。本願寺、鈴木の両家に近畿地方の三好家の城へ派兵してもらいながら、スキをついて大和の三好勢を駆逐するという寸法だ。
外交努力が実り、本願寺家と足利家で婚姻関係を結ぶことに成功する! 本願寺家の当主、証如の娘、露姫の輿入れが実現した! うん! あんまり、好みではないので、義輝公の弟、義昭くんに嫁いでもらおう。これで、本願寺家とは婚姻関係が続く限りの同盟関係を築くことができた!
鈴木家とも同盟が成立し、信貴山への侵攻作戦を再度練り直す。ちょっとしたミスから、十市城は鈴木家に切り取られてしまうが、信貴山の松永久秀はまだ健在! 前回の会戦から2年弱の時間をかけ、軍備増強も完成し信貴山へ第二次侵攻作戦を開始する。
ついに信貴山を奪取!しかし、突如として崩壊する対三好同盟網!
1554年6月、信貴山へと大軍勢を侵攻させる。本願寺家には洲本へ派兵を、鈴木家は十市城に出兵し、三好軍に多方面作戦を強いることに成功!信貴山へ援軍を送ることもままならない三好の状況を外交で作りだした我が軍の外交戦による勝利が生みだした結果だ!ついに信貴山城に取りつくことができ、11月に松永久秀の居城を陥落させる!久秀本人を捕らえることはできなかったが、居城を奪うことで義輝公も少しは胸のすく思いをしていただけただろう。
しかし、ここで想定外の出来事が発生。三好家が信貴山を取り戻すべく攻勢をかけてくることは予想できたが、本願寺家が三好と停戦、さらに鈴木家との同盟が切れ、なぜだか今まで協力してきた我が軍を敵対視してきた! 外交努力がたりなかったから!? もう少し利用したかった三好包囲網は、1年と少しで崩壊してしまった。
何度か三好家の兵を全力で撃退することに成功したが、やはり武将の質で如何ともしがたい状況になりつつある。うーむ、と頭を抱える。しかし、「創造」の神は足利家を見捨ててはいなかった! 最初に落とした筒井城に浪人が登場する。そう! 島左近(清興)その人だ! 「統率88・武力92・知力77」という名将ぶり。うん、やっぱり筒井を開幕で滅ぼしておいてよかった! 兵は多くとも、率いる将が少ない我が軍にとって、島くんの登場は正に渡りに船だ。これで、三好家を近畿から追い出す目途が立ったぞ。あと、鈴木さん。あなたもついでに許しません。絶対に……。
西へばかり目を向けていて気が付かなかったが、ふと東を見ると織田家の勢力が紀伊半島にまで伸びてきている。筆者が足利でプレイしているせいか(将軍足利義輝の暗殺イベントの後、信長は上洛に向け一気に加速するが、イベントが発生しなかったためと考える)、侵攻のスピードは穏やかだが、確実に第六天魔王が迫ってきている。将軍としての威厳を持ち、織田家への外交工作を開始する! まずは、貢物です。とにかく、織田家との早期同盟を結ぶため、そして、近畿介入を少しでも遅らせるためになりふり構わずの外交努力です。土下座外交とも言います。本願寺家、鈴木家が担っていたお仕事を、織田信長さんにお願いをしたいのです。
同時に、毛利家と戦を始めた三好家が、中国地方へと戦力を送っているのを見逃さず、伏見方面にある飯盛山城へと進軍を開始し、すぐさま奪取!攻めるときは後方確認が大事ですよ。我が足利軍は信長との24か月の同盟を結び、後方の安全確認はばっちりです。三好の同盟国になり下がった鈴木家へのけん制のため、織田家には鈴木攻めを依頼し、足利軍は三好勢に襲いかかる! そしてついに1557年6月、三好勢を近畿地方から駆逐することに成功! さらにその余勢をかって、1558年6月には鈴木家も滅亡に追いやることができた。鈴木重秀登場前で助かった……。さて、このまま本当はつづけたいところだが、そうなるとキリが無くなり、一向に原稿を書くことができず、編集長に怒られるので、一旦ここで投了。見事、目標を達成することができました。正直、もう少し難易度が高い大名でも良かったかもしれないが、キレイにオチが付けられたということでよしとしましょう。
この時点でゲーム開始から7年経過しているので全国の様子を見てみるとしよう。まず、東北地方は伊達や最上といった大名を駆逐し、南部氏が覇を唱える状況。関東地方は北条家が完全に掌握。謙信公が率いる長尾(上杉)勢は思ったよりも侵攻が遅く、越後と東北の一部を治めるにとどまる。
武田家は、甲信地方を完全に治め、北陸にも勢力を伸ばすとともに、東海の徳川家を滅ぼす大勢力に。武田、足利と同盟し、進むに進めなくなってしまった織田家は尾張、美濃、紀伊を治めるのにとどまる。中国地方では毛利家が勢力を拡大し、中国地方のほとんどと、四国の西半分、そして九州地方へも勢力を伸ばし始めている。九州では、島津家が九州の南部を勢力下に治めるも、龍造寺、大友が健在で、なおかつ、毛利も侵攻を開始している状況。
勢力の一覧を見てみると、人口・兵数では毛利家がひとつ飛びぬけているが、石高は肥沃な関東を治めた北条家が圧倒的!足利家と比べてみると、人口では毛利家の3分の一程度、石高は北条家の半分以下、兵力においては他の上位勢力にくらべ、大きく水を空けられてしまった。
今後は引き続き、三好家を攻め領土を拡大し、毛利家に尻尾を振り……いや、外交戦を展開しながら、対織田戦へと準備してみようかと思う。
やり込み要素も大充実! シリーズファンは絶対ニヤリの武将名鑑も注目!
さて、ここまで足利家で楽しんだ筆者だが、そのほか大名家でももちろん少しずつ遊んでいる。1582年の真田家は非常に難易度が高く、滅亡を体験し、伊達家では織田家なみのシナリオが用意されており、涙々のイベントが豊富だ。また、武将名鑑では、武将列伝だけでなく、これまでの作品のグラフィックスも楽しめる。これは、過去作品をプレイした人ならば、嬉しい機能だ。筆者は「ああ! そうそう!」とニヤニヤしながら、武将を眺めていた。また、さまざまな実績を達成することで、「里見八犬伝」に登場した人物や坂田金時などの武将が、特典武将として登場するご褒美もあるので、実績解除にも夢中になれそうだ。また、エンディングは平原綾香さんの美声も堪能できる。
信長のプレイ時に感じた若干の物足りなさはやはりあるが、シリーズ集大成の名は伊達ではないと感じた本作。確実に新しい「信長の野望」が始まったと感じることができる作品に仕上がっている。発売されたばかりだが、今後の展開にも非常に期待ができる。シリーズから遠のいている方も、本作は筆者が自信を持ってオススメさせていただこう。
それでは、プレイに戻るのでこれにて「信長の野望・創造」のプレイレポートを終了とさせていただく!
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※「信長の野望・創造」の画面は開発中のものです。