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フルオーケストラでじっくり聴かせた「『信長の野望』30周年記念コンサート」
グレース・マーヤさん、平原綾香さんなど豪華ゲストが魅せた!
(2014/4/2 00:00)
コーエーテクモゲームスは、「信長の野望」30周年記念コンサートを3月29日に横浜みなとみらいホールにて開催した。
「信長の野望」30周年記念コンサートは、パッケージ購入者から抽選で無料招待したイベント。指揮・コンサート用編曲は作曲家の山下康介氏、演奏は神奈川フィルハーモニー管弦楽団。演奏楽曲は以下のとおり。
【第1部】
・「全国版」Overture ~信長の野望~(作曲:菅野よう子)
・「戦国群雄伝」オープニング~群雄決起(作曲:菅野よう子)
・「武将風雲録」狼煙(作曲:菅野よう子)
・「覇王伝」覇王序章(作曲:菅野よう子)
・「天翔記」乱世の鷹(作曲:菅野よう子)
・「三國志」テーマ曲(作曲:菅野よう子)
・「信長の野望 Online」オープニング(作曲:川井憲二)
・「戦国群雄伝」遠い仲間へ(作曲:菅野よう子)
・「蒼き狼と白き牝鹿」夢の旅人(作曲:川上進一郎)
・「下天の華」~Amor(作曲:中村新一郎、歌:グレース・マーヤ)
【第2部】
・「将星録」覚めぬ夢、陽炎(作曲:山下康介)
・「烈風伝」まばゆき明日へ(作曲:山下康介)
・「嵐世記」夕凪ヶ原(作曲:山下康介)
・「蒼天録」繚乱大地-オープニング-(作曲:山下康介)
・「天下創世」正道貫き空-覇者のテーマ(作曲:山下康介)
・「革新」武士の光跡(作曲:山下康介)
・「天道」幾瀬の想い-初期設定(作曲:山下康介)
・「創造」Shine -未来へかざす火のように-(作曲:平原綾香/菅野よう子、歌:平原綾香)
・「創造」雄志の風(作曲:大塚正子)
【アンコール】
・「Jupiter」(作曲:Gustav Holst、歌:平原綾香)
・「創造」甦生(作曲:大塚正子)
・「全国版」Overture ~信長の野望~ Special Edition(作曲:菅野よう子、編曲:山下康介)
ゼネラルプロデューサーである「シブサワ・コウ」ことコーエーテクモゲームスの襟川陽一代表取締役社長は「30周年を迎えることができたのも、ファンの方々の熱い応援と叱咤激励のたまもの。本当にありがとうございます」と感謝を述べるとともに、来場者に「3月30日は、何の日かご存知ですか?」と問いかける。
正解は“「信長の野望」の日”。これは誰かが勝手にそういっているわけではなく、ファンが一般社団法人 日本記念日協会に登録し認定されたもの。初代「信長の野望」は、1983年3月30日発売。「30年間で14作の『信長の野望』を作りました。約300曲の楽曲が散りばめられております」という襟川氏。演奏楽曲は、前半が菅野よう子氏、後半が山下康介氏の楽曲を中心に、関連作品から数曲をセレクトし構成したと説明。
同社のゲームコンサート開催はコーエー時代を含めて初という襟川氏。「生のオーケストラでの演奏です。一生に1回かもしれません。でも40周年ならあるかもしれません(会場笑)」と会場の笑いを誘いつつ「『信長の野望・全国版』の楽曲を依頼した当時、菅野さんはまだ早稲田大学の学生。30年前だから当時の譜面が見つからず、その譜面起こしから全部山下さんにお願いし、本日のコンサートに結びついた」とエピソードを披露。山下氏と菅野氏にあらためて謝意を述べた。
KADOKAWAの常務取締役の浜村弘一氏をゲストに迎えたトークで、30年間にわたり新作を生み出し続ける秘訣をきかれた襟川氏は「まずは、ファンの方々からさまざまな意見、ご要望、お叱りをいただきますので、そうしたお客様サイドのニーズ、現場のプロジェクトチームが『次はこうしたい』というアイデア。もうひとつは、プラットフォームなど新技術の採用。これら3つの要素を融合し進化させてきたのが『信長の野望』の歴史だと思います」と回答。
ここで襟川氏は「幼稚園から小学校までバイオリンを習っており、ずっとクラシック漬けの毎日。大学時代はジャズコーラスバンドに入り、東芝レコードから3枚のアルバムを出した。メンバーとは今でも一緒に練習し、年に3回ライブハウスで演奏している」と、当時の写真などを交えつつ自身の音楽人生を紹介。初代から高く評価され続ける同シリーズの音楽性は、襟川氏の音楽的素養なくして成立しえないものだったといえそうだ。
スペシャルゲストのひとり、グレース・マーヤさんは「下天の華」の主題歌「Amor」を披露。幼少時からクラシックピアノを習っていたグレースさんは、ドイツ音楽大学に留学。帰国後はジャズシンガーに転向し、横浜のジャズバー「BARBARBAR」で演奏していた際に襟川夫妻と縁をもち、後に襟川恵子氏がゼネラルプロデューサーを務めた作品「FabStyle」への出演、さらには「下天の華」主題歌を依頼されたという。
第2部では指揮者の山下氏がトークを披露。これまでシリーズ7作品に携わってきたという山下氏。作曲のこだわりについてきかれると「シミュレーションゲームは(他ジャンルに比べると)音楽が流れている時間が多く、その点を踏まえて作っている」と回答。楽曲の方向性は、開発チームと最初に打ち合わせをしているという。
ここで、尺八奏者の渡辺峨山(わたなべ がざん)氏がステージに呼び込まれる。渡辺氏は「信長の野望」シリーズだけでなく「戦国無双」、「討鬼伝」に参加し、本コンサートでも繊細かつ勇壮な音色で聴衆を魅了。フルオーケストラとの共演についてきかれると「1番の違いは楽譜。尺八はカタカナで、笛は数字。楽譜をいただいたら、それを書き直さなくちゃいけない」と説明。コンサートへの意気込みをきかれると「『信長の野望』に関わって20年以上。その都度、演奏にあたり心がけていることは、信長の勇猛さ、その裏に隠れている優しさも表現したい」とコメントした。
続いて登場したスペシャルゲストは「創造」主題歌「Shine -未来へかざす火のように-」を担当した平原綾香さん。平原さんの起用は、襟川氏の強い要望により実現したもの。クラシックの名曲に詩をつけ新たな魅力を生み出した、アーティストとしての姿勢に共感を覚えたといい「平原さん以外に考えられない」と依頼。
平原さんは「菅野さんのメロディは皆様に愛されていて、それをやらせていただけるのはとても嬉しかった。その一方で、『ちょっと違和感があるな』とファンの方々を悲しませないよう、本当に命がけてやらせていただきました。その意気込みを感じてもらえるとうれしい」とコメント。会場ではオーケストラアレンジの主題歌を初披露。その圧倒的な歌唱に、終了後は盛大な拍手が贈られた。
最後に再度登場した襟川氏は、「信長の野望・創造」プロデューサーの小笠原賢一氏とBGMを手がけた大塚正子氏を招き入れた。小笠原氏は、昨年12月の完成発表会でも披露された山本寛斎氏デザインによる信長の戦闘服を着用して登壇。先日弊誌にも掲載された無料ダウンロードコンテンツ「『信長の野望の日』記念セット」に関する告知を行なった。
無料ダウンロードコンテンツ「『信長の野望の日』記念セット」は、「戦国無双4」コラボ顔グラフィック(10人)、シリーズ作品顔グラフィック(10人)、登録武将用顔グラフィック(10人)、シリーズ作品BGM(30曲)を配信するというもの。それぞれゲーム内で使用が可能となっている。
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