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「Halo 5: Guardians」マルチプレイβテストインプレッション
新アクション追加で接近戦がよりハードに!
(2014/12/24 19:32)
2015年の発売が予定されているXbox Oneの注目作「Halo 5: Guardians」。12月29日(日本時間の12月30日午前3時)から対戦プレイの新要素を試せるマルチプレイβテストが全世界で実施される予定となっているが、今回、12月20日から2日間にわたって開催されたアーリーアクセスに参加して実際のプレイ感覚を確かめることができたので、そのインプレッションをお届けしよう。
王道的な内容に、立ち回りを広げる新たな選択肢「SPARTAN MOBILITY」がプラス
今回のβテストでプレイできたのは、「スレイヤー」という4対4のチーム戦モード。キル数を競って2チームが対決するこのモードでは、マップ中の各所に武器が配置されており、適宜装備を変更しつつ敵を倒していくという極めてオーソドックスなルールとなっている。
マップはエイリアン基地風の「TRUTH」と、高層ビル上層階風の「EMPIRE」の2種類。いずれも8人での対戦用としては少々手狭なつくりで、ほぼノンストップで撃ち合いや裏の取り合いが発生する構造だ。戦場の中心には定期的にスナイパーライフルやプロフェットベインなどの強力な武器が出現するため、これを巡って激しい駆け引きが発生することもポイントのひとつ。近接戦闘の機会がとても多いため、「Halo 5: Guardians」で導入された新アクションを試すには最適な構成と言えそうだ。
1080p解像度でレンダリングされる映像はさすがのXbox Oneクオリティで、常時60fpsで動作することもありグラフィックス面は文句なし。画面上のUIの構成や基本操作、キャラクターの移動スピードや武器の射撃感などは従来作とほぼ同じで、シリーズのプレーヤーなら全く従来作と同じ感覚でプレイできる。
その上でポイントとなるのが、今作で導入される「SPARTAN MOBILITY」という新要素だ。これは壁によじ登る「CLAMBER」、ダッシュ中にスライディングする「SLIDE」、任意の方向に突発的な短距離移動をする「THRUSTER PACK」といった移動系の新アクションと、ジャンプ中に精密射撃をする「SMART SCOPE」、地面に向かって落下攻撃を加える「GROUND POUND」、高速移動しながらタックルを食らわせる「SPARTAN CHARGE」といった攻撃系の新アクションがワンパッケージとなったものだ。
「SPARTAN MOBILITY」の各アクションはキャラクターの基本動作に組み込まれており、いつでも使用することができる。例えば「SMART SCOPE」は、ジャンプ中に左トリガーを引いてスコープを覗きこむだけで発動だ。すると自動的にスラスターパックが起動して暫くの間空中にとどまることができ、地面に立っている状況に近い感覚で敵を狙える、というわけだ。
追加されたアクションはおおむね近距離戦闘向けだ。しかし、その効果は絶大……というわけでもない。例えば移動系のアクションはいずれも効果距離が短く、例えば「THRUSTER PACK」で高速移動する距離はおよそ3~4メートルくらいの感覚。近距離で敵と相対した瞬間に発動してすばやく背後へ回る、といった使い方がメインになるだろう。基本の動きにプラスアルファとして加えるようなイメージで、相手にちょっとした差をつけることができる。
攻撃系のアクションも、例えば「SPARTAN CHARGE」で詰められる距離はやはり3~4メートルくらい。狙える範囲が狭いため使いドコロは限られるが、時と場合がしっかりハマれば非常に強力である。タックルは近接攻撃と同等の威力があり、決まれば1発で相手のシールドを全部剥ぎ取れるのだ。しかも発動の瞬間に一気に距離が縮まるため、普通に近づいて殴るよりも速く勝負を決められる。奇襲に最適である。
空中から高速落下して衝撃波を起こす「GROUND POUND」に至っては、直撃させれば敵をほぼ即死させるほどの威力(グレネード並!)がある上、仕損じても相手を吹っ飛ばすという効果がある。複数の敵が固まっている場所にうまく命中させられればマルチキルも狙えるほどの強さだ。高低差のある地形では混戦になったら積極的に狙っていくだけの価値がある。今回のβテストで試せる2種類のマップはどちらもあらゆる場所に高低差のある構造となっているので、新アクションを活用するなら立体的に立ちまわることがひとつのカギとなるのは間違いない。
このように「SPARTAN MOBILITY」として追加された各アクションは特定の状況、特定の立ち回りにおいて、通常アクションを超えるアドバンテージをプレーヤーに与える。もちろん、それぞれ使い所が限られているし、近接攻撃やグレネードの投擲といった通常アクションとくらべて単純に強力というわけでもない。連発すると簡単に読まれて対処されるレベルのものでしかないので、これまでどおりの立ち回りをベースに、プラスアルファとしてバランスよく組み込んでいくべき性質のものだ。アクションの操作が難しいことと、狙えるチャンスが一瞬しかないこともあって、「Halo」シリーズの上級者でもかなりの慣れが必要になるだろう。
最後に、少なくとも今回試せた範囲では「Halo 5: Guardians」のマルチプレイはシリーズの伝統を守ることに主眼があるように思える。基本アクションの手触りは従来作とまるで変わらないし、ゲームルールも極めてオーソドックスだ。この手触りを言葉にすると“王道”、“クラシック”、“スタンダード”といったものになる。全Xbox OneユーザーのためのFor Everyoneな作品仕様として、敢えて奇抜さを避けているような印象だ。
ただ、そこにいわゆる“次世代感”は薄い。いつもと変わらない遊び、昔ながらの面白さ。そこにちょっとしたプラスアルファを加えて、本質は変えることなく駆け引きを濃密に。これがまさに本作開発チームの狙いだろう。スタンダードを維持しつつ、どこまで遊びの質を高められるかが「Halo 5: Guardians」の使命だ。12月29日から1月18日にかけて実施されるβテストにて、皆さんもその出来栄えを確かめてみよう。