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PS3/Xbox 360「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」プレイレポート

プレコミュ“プレミアム体験会”で最新Verをプレイ! その独特なプレイ感に驚かされる

開催日:
7月27日
【LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII】

発売日:
11月21日
価格:
各7,770円
CEROレーティング:
C(15才以上対象)

 スクウェア・エニックスは、11月21日に発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用RPG「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」(以下、LRFFXIII)。この最新バージョンを体験プレイできる「プレコミュ」プレミアム体験会が7月27日開催された。この時、取材陣も招待されたユーザーと同じく約1時間プレイさせて頂いたので、その模様をプレイレポートとしてお伝えしよう。なお、ストーリーについては触れず、カスタマイズやバトルシステム、ゲームとしての手触りを中心にお伝えする。

【ライトニング リターンズ FFXIII [Comic-Con Trailer (日本語版)]】
【ライトニング リターンズ FFXIII [Japan Expo Trailer (日本語版)]】

ウェアを切替えつつスピーディーに戦う新バトルシステム

ライトニングを操作し、ウェア切替えで3つのATBゲージを駆使する。独特のバトルは初めてプレイすると驚かされるはず

 プレイ開始直後のオープニングムービーからいろいろと衝撃的な展開が待っていた(OPムービーもこの時が初公開だった)。静かな始まりというよりも、激しくてスピーディーな展開になっている。ちなみにこれはオープニングに限らず、今回プレイしてみて作品全体のテンポがスピーディーというか独特に感じたところがある。演出的な間こそあるものの、前置き無しに話に入っていく展開の速さは独特。イベントの見せ方は、重厚なRPGというよりも、ノリのいいアクションのようなテイストがある。

 オープニング後には、E3プレビュー版プレイ&インタビューでお伝えしたチュートリアル部分に入っていく。そこで基礎操作や独特なバトルシステムを身につけていく。その範囲について、詳しくはE3プレビュー版のプレイレポートでご覧頂きたいが、バトルの特徴である「ライトニング1人で戦うこと」、「ウェア切替えしつつノンストップにライトニングを操作するスピード感」に実際に触れると驚かされるはずだ。

 このバトルシステムは斬新で、文章表現ではなかなか伝わりづらいところがあるので、今後機会があればぜひ自身の手で触ってみてもらいたい。L1/R1でウェアを切り替えつつ3キャラ分のATBゲージを消費し続けるバトルは、上手くなるほどスピードと爽快さが増していく。

 ただし、慣れは必要でこのプレミアム体験会でユーザーがプレイしていた様子を見ても、ATBゲージが尽きてもウェア切替えに意識がまわらず、アビリティを連打して「ブーブー」っという“ATBゲージがありませんよ音”を連発させている人が多かった。おそらくこれは、最初は誰でもなるだろう。だがそれも理解と慣れが進めば、スムーズに操作できるようになっていく。

 画面を見ると、E3プレビュー版と比べてグラフィックスのクオリティがさらに向上し画面が見やすくなったと感じられた。くっきりとしていて、見えにくかった通路やスイッチなども見やすく改善されている。特筆すべきはやはりライティング(光源)やエフェクト類(VFX)の美しさだろう。「FINAL FANTASY XIII」シリーズの色鮮やかさは独特だ。キラキラとしていて艶やかさや透明感があり、他のゲームには見られないような美しさがある。それは今作でもより鮮やかで印象的だ。

【E3プレビュー版の範囲もクオリティアップ】
グラフィックスのクオリティや画面の見せ方もE3プレビュー版よりさらに改善されていた。くっきりとした画面に鮮やかなエフェクトが走る

時間経過のない「箱舟」からホープがナビゲートをしてくれる

 今作の拠点と言える「箱舟」へ。ライトニングをナビゲートしてくれるホープ・エストハイムが待っている。今作でのホープは、プレーヤーのサポート役だ。モンスターの出現や世界の情勢や知識など、活動中のライトニングに逐一通信で情報を入れてくれる。

【時間が経過しない「箱舟」】
今作の拠点となる「箱舟」。ここにはライトニングのサポート役であるホープがいる。ここから転送陣という装置を使ってノウス=パルトゥスへと降り立っていく

光都ルクセリオを探索! NPCが多数行き交い南北に広く街が広がっている

殺人事件が起きている光都ルクセリオ。この事件をライトニングは捜査していく

 箱舟から都市部へ移動してみる。訪れたのは光と祈りの都市「光都ルクセリオ」。宗教色の強い独特な雰囲気を持った都市だ。今作の世界・ノウス=パルトゥスは4つの大きな大陸からなり、それぞれ雰囲気とプレイ感覚が異なる。ルクセリオは、殺人事件を“捜査し追跡する”をテーマにプレイする。

 ルクセリオの街は充分な広さがあった。南北に広場があって通路で繋がっていて、そこかしこに様々な区画があり、治安の良い場所や悪い場所、富裕層のエリアもあれば、スラム的な場所もあるようだ。それらがエリア切替え無しに広く繋がっていた。街中にはたくさんのNPCが行き交っている。本作には時間経過の概念があり、時間帯に合わせてそれらのNPCも行動していくということで、歩き回っている感覚は、オープンワールドRPGのそれに近いものがあった。

 例えば、殺人事件を捜査している「審問官」も、最初は事件現場の同じ場所に立っていたのに、事件を調べているうちに時間が経ったからなのか、その辺を歩き回るようになっていた。「あれどこに行っちゃったんだ?」と探すことになった。これまでのシリーズでは、イベント進行によってNPCのいる場所が変わることは多くあったが、ナチュラルに動きまわるというのはなかったわけで、これも独特に感じられた(ちなみにそのNPCはすぐそばをウロウロしていただけだったようで、すぐに見つかった)。

 クエストにおいてもオープンワールドRPG的な作りを感じさせる。自然に始まるメインクエストがあり、それ以外にNPCから依頼を受けることで始まるサイドクエストがある。サイドクエストをクリアすると、ギルやアイテム、さらにライトニングのステータスアップの報酬が得られる。時間の許す限りサイドクエストもやっていきたいところだが、今作には“世界の終末”という滅びまで制限時間があるわけで、箱舟以外の場所では常に時が流れている。

 サイドクエストばかりやっていると、時間が無くなってしまうのかもしれないという考えが頭をよぎるところだ。だが一方で、今作には“世界の終末の日を当初の約7日間からプレイ次第で延ばせる”という要素もあると伝えられている。特定のサイドクエストをこなすことで世界の終わりの日を延長できるのかもしれない。そのあたりをどう判断するかはプレーヤー次第と言える。初回プレイはプレーヤーごとにまったく違ったものになりそうだ。

【シームレスに様々な区画が広がるルクセリオ】
ルクセリオはかなり広く様々な区画がシームレスに繋がっている。ショップも数多くあり、行き交う人々も多い。中には前作に登場したあんな人の姿も……
【サイドクエストで報酬ゲット】
メインクエスト以外に、たくさんのサイドクエストがある。クリアするとアイテム報酬のほかに、ライトニングのステータスもパワーアップ

ウェア、剣と盾、アクセサリー、デコレーションアイテムと多彩なカスタマイズが可能

装備品をまとめてカスタマイズする「スタイルカスタマイズ」。3種類のウェアをメイン装備にできる
デフォルトのウェアを変えると、エリアやイベントシーンでもそのウェアを着た姿になる。自分好みの姿でプレイ可能だ

 ルクセリオの街をウロウロと探索していくと、様々なショップがそこかしこにあるのが印象的だった。剣や盾の武具を扱うショップ、回復アイテムなどの雑貨を扱うショップ、ウェアとデコレーションを扱うショップなどがあった。デコレーションは、「FINAL FANTASY XIII-2」だとモンスターに装備できた飾りアイテムだ。今作では、ライトニングにプラスアルファの飾りつけができる。デコレーションは強さには関係ないので好きに使える。

 ショップで剣や盾、ウェア、デコレーションを手に入れたところで、それらを装備する「スタイルカスタマイズ」を触ってみた。ライトニングは3種類のウェアを装備でき、1着に4つのアビリティをつけられる(バトル中○△□×ボタンで発動する4つのアクションだ)。アビリティはウェアごとに1個必要で、1つのアビリティを複数のウェアにつけるということはできない。3種類のウェアに同じアビリティをつけるというようなスタイルは難しいのかもしれない。3つそれぞれに違ったアビリティをつけての使い分けが必要になりそうだ。

 ウェアの「カラーカスタマイズ」をしてみる。これは「プレコミュ」プレミアム体験会でお伝えしている通りだが、ウェアの箇所ごとにカラー設定が可能で、色もアナログスティックを操作するだけで自在に作れる。パレットも充実していて、プリセットの列と作った色のカスタムパレットが並んでいて、サクサクと色を変えられた。

 ツールが使いやすくなっているだけに、1カ所触り始めると他も凝りたくなる気持ちが湧いてくる。ちなみにウェアは、デフォルトに設定すると移動やバトル、イベントシーンでもそのウェアを着た姿が表示されるようになる。自分好みにカスタマイズしたウェアでプレイを楽しめる。

 装備欄を見てみると、剣と盾のほかにアクセサリーを2個装備できるようになっていた。当然、従来のRPGでいうところの胴装備にはウェアがあり、さらにデコレーションパーツもあるので装備アイテムの種類は多い。「プレコミュ」プレミアム体験会でも、「昔のRPG作品のように装備をいろいろと考えられるぐらいに装備箇所は多い」と語られていたのだが、まさにそう思える。

 また、装備等のカスタマイズ次第でライトニングの戦闘能力が大幅に変わるのかというところも重要だが、そこは「デバッガーさんがラスボスを50秒で倒してしまった」という開発裏話から、強くする方向でカスタマイズを練る面白みがちゃんとあることがわかる。

【装備項目が豊富でカラー設定も自在】
プレーヤーキャラクターがライトニングだけに絞られているため、カスタマイズ項目とアイテムの種類が豊富なところがポイント。ウェアのカラーカスタマイズも細かく設定できる

いきなり他の大陸に行くことも可能! 自由度と時間の概念が独特なプレイ感を作っている

招待されたユーザーの中にはユスナーンに移動していた人も。行こうとすれば他の大陸にもすぐ行けてしまう

 カスタマイズも一段落したところで、「ルクセリオ以外の場所には行けないのかな?」と考えた。インタビューでも「今作はメインクエストを中断して他の大陸に行ってしまってもいい」という話が出ていて、そのあたりの自由度の高さが特徴だ。それを実際に見てみたくなった。

 いろいろと探索してみると、どうやらルクセリオからは列車で他の大陸に行けるようだ。マップをよく見てみると、北と南に1つずつ駅があり、ライトニングがルクセリオに来た時に使っていた北の駅からは「ユスナーン」へ、南の駅からは「デッド・デューン」や「ウィルダネス」へ行けるようになっていた。

 北の駅はより華やかな経済の中心地へ行くメイン駅、南の駅は辺境の地に行く特殊な駅であまり使われていないという生活感が伺える。この作りのためか、プレイしていた招待者は、ほとんどルクセリオを探索するうちに時間が終わり、たまにユスナーンに移動している人がいるという感じになっていた。

 列車の移動はギルを支払って乗り込めば一瞬で終わる。各大陸に移動すると、そこのメインクエストの冒頭シーンが始まる。ユスナーンは、やはり太守であるスノウにどうやって接するかというものだ。一方、デッド・デューンは砂漠の中に埋もれた遺跡の話、ウィルダネスは広大な未開の地で暮らす人々の存在について話が聞けた。ここから、何か物語が始まっていくのだろう。

 ちなみに、各大陸のメインクエストを同時進行すると次に何をすればいいのかわからなくなってしまいそうだが、それは箱舟に移動した時にホープが詳しくフォローしてくれた。その土地でどんな出来事があったか、次に何をするのかをホープが話してくれる。

自然豊かな大陸「ウィルダネス」に行ってみた。なだらかな丘やうっそうとした森林が広がっていた。だが、モンスターが結構強くて敗北。GPアビリティのエスケープを使うことになった

 他の大陸で気になったのはやはり、まだ詳細の明かされていなかった「ウィルダネス」だ。駅を出ると、自然の土地が彼方まで広がっていて、なだらかな丘、さらにその先には森林があった。マップを見るとやはり広い。従来のRPGでいうところのフィールドエリアという印象だ。

 モンスターと戦ってみたのだが、これがルクセリオあたりのモンスターよりもずっと強かった。いきなりどんな場所にも行けるが、そこにいるモンスターに勝てるかどうかは場所次第なわけだ。このあたりもオープンワールドRPG的なレベルデザイン(難易度設定)と思える。時間経過によってもモンスターの強さは変わっていくということだ。

 バトルに敗北すると、GPアビリティ(戦闘で少しずつ使用ポイントが貯まっていく特殊アビリティ)の1つ「エスケープ」で、バトル前の状態に戻れるようになっていた。消費ポイントは0なので、どんなバトルでもゲームオーバーにはならないのだろう。ただし、世界の時間が1時間経過してしまうそうで、これは痛いペナルティだ。

 エスケープしてバトル前に戻ると箱舟にいるホープから通信が入った。「時間が来てしまったので箱舟に戻って下さい」という話だ。なんと、ここで1日目が終わったのだ。プレイ開始時の世界時計は、世界の終末まであと7日、時刻21時だった。エスケープで1時間消費され、列車移動なども時間経過があったのだろう。世界の終末まで一歩近づいてしまったというわけだ。

 これにはさすがに驚かされた。想像していたよりもずっと、残り時間という概念がのしかかってくる。このペースで終末の日を延長することもできずにいると、案外あっさりと1周目のプレイが終わるのかもしれない。“そういうこともあり得るゲームなのかもしれない”と強く感じた。自由だが残り時間の概念があり、時間経過によって世界が動き、変化していく。いわゆる“攻略”という考え方が通用しないかもしれない。人それぞれに違ったプレイになっていくだろうし、やりこみや繰り返しのプレイも楽しめそうだ。

オリジナリティの高い非常に独特なプレイ感は“未知のもの”と感じさせる

 こうして、約1時間のプレイが終了となった。全編を通して感じたのは、本作が非常に独特なゲームだということ。他に似たゲームが思い当たらないぐらいで、オリジナリティがかなり高い。オープンに近い自由度に対して時間の概念があり、積極的なプレイを求められるところも印象的だ。

 ストーリーテーリング(物語の進め方)のリズムも早めで、ライトニングを中心にしたアドベンチャーのような感触もある(ルクセリオの捜査がそういうテイストを感じさせた)し、アクションゲームのようなテンポ感もあり、カスタマイズや育成などはしっかりRPGらしくなっている。新感覚のゲームだ。それだけに初見の1時間ぐらいだと戸惑いもあるのかもしれない。本作の発売に対して“未知のもの”を待つような、そんな気持ちの生まれたプレイとなった。

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(山村智美)