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「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」プレビュー

バリバリ撃って多数の敵を倒す、シューティングの本質を味わえる作品

6月5日発売予定(PS4/PS3/Xbox 360)



9月4日発売予定(Xbox One)



価格:
7,800円(税抜)(PS4、Xbox One)
6,800円(税抜)(PS3、Xbox 360)


CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)

 ベセスダ・ソフトワークスが、6月5日に発売を予定しているアクションシューティング「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」は、“バリバリ撃ちまくりたい”という人にぴったりの、数多く出てくる敵をなぎ倒す楽しさをたっぷり楽しめる作品だ。

 敵は“鋼鉄のナチス軍”である。本作は謎の超科学でナチス軍がロボットや改造人間を作り上げ、第二次世界大戦を勝利し、全世界にその魔の手を伸ばしているという世界が舞台となっている。主人公BJ ブラスコヴィッチ大尉は強大なナチスに立ち向かっていく。ナチスの異様さ、そして絶望的な状況を、たった1人で打開していくブラスコヴィッチの強さに注目して欲しい。

敵は超科学で武装し、世界征服を成し遂げたナチス! 圧倒的な敵にどう立ち向かう?

激しい空の戦い。味方は次々と落とされていく
敵基地でこちらを出迎える敵の巨大ロボ。絶望的な気持になる
アサルトライフル2丁持ち。圧倒的な火力で突き進む
チャプター2。目の前の暴力に、ブラスコヴィッチは14年の停滞から復活する
デスヘッド。謎の超科学で、ナチスを世界の覇者にした男だ

 「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」は冒頭からものすごく過酷な状況に放り出される。時代は1946年、ブラスコヴィッチはアメリカの兵隊として、空挺部隊と共に「デスヘッド」と呼ばれるヴィルヘルム・ストラッセ親衛隊大将のいる基地を強襲するのだが、その強力な防空部隊の前に輸送機は次々と炎に包まれていく。ゲームは、今にも墜落しそうな輸送機の中からスタートする。

 移動やナイフを使った近接攻撃のチュートリアルを兼ねて行なうのは、機内の消火や、飛行機を軽くするため積み荷を外に捨てること。飛行機のコクピットから見える光景は、ブーメランのようなナチスの全翼型飛行機がこちらの輸送機をばんばん落としているところだ。そして墜落した先でブラスコヴィッチを出迎えるのは鋼鉄でできた犬型ロボットに、天をつくかのように巨大な多脚型のロボット兵器。「なんなんだこいつら、こんな奴らに勝てるわけがない!」と強烈に思わせる演出が連続するのである。

 ナチスの兵士はボディアーマーに身を包み、常に数で圧倒してくる。死角に回り込み撃ってくる傾向があり、ゲームになれていない初期は敵の強さに驚かされるかもしれない。プレーヤーは敵のくる方向を把握し、銃座に固定されているガトリングガンを活用したり、アサルトライフル2丁持ちで、対抗していくこととなる。この最初のチャプターは、塹壕内を移動したり、基地内を進んだり、垂直の壁をロープでよじ登ったりと早い展開で様々な場面が詰まっているのが楽しい。

 敵を撃破しブラスコヴィッチと連合軍は進んでいくが、デスヘッドの罠にはまり捕らわれてしまう。間一髪脱出したブラスコヴィッチだが、脱出の際爆発で飛び散った破片を頭に受け、病院で長い時を過ごすことになる。彼がいた施設は精神病院だったが、ナチスにより閉鎖が決定され、患者全員が始末されそうなとき、ブラスコヴィッチは復活を遂げる。そして唯一の生き残り看護婦のアーニャを助けるが、彼はその時初めて現在は1960年であり、傷を受けてから14年の月日がたっており、世界はすでにナチスによって支配されていることを知る。アメリカも核爆弾を投下され降伏し、今やナチスに対抗する国はいないというのだ。

 それでもブラスコヴィッチは諦めなかった。まだレジスタンスはいるに違いない。彼はアーニャと彼女の家族の支援を受け、レジスタンスが囚われているというアイゼンヴァルト刑務所を目指す。世界を支配する強大なナチスとブラスコヴィッチの戦いは、こうして始まるのだ。

 「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」は“絶望的な状況を覆すブラスコヴィッチの戦い”が描かれる。戦場は常に過酷で、ブラスコヴィッチはほとんどの状況を1人で立ち向かわなくてはならない。敵軍に1人で潜入したり、自軍と共にいてもいつの間にか1人になっていたり「おまえだけが頼りだ」という状況になってしまう演出は、ちょっと過剰さも感じられるが、そのプレッシャーをはねのける楽しさが本作にはある。

 ゲーム的な部分では“FPSの古典的楽しさ”を感じさせるところがある。昨今のFPSの様に“物陰から撃つのが戦いの基本”、“壁の向こうの敵が見える”、“常に頼りになる相棒がいる”といったシステムはなく、プレーヤーは常に敵の銃火に身をさらし、正面から敵を撃破していくというストレートな戦いが中心となる。

 本作では、回復アイテムを取ると体力が上限を越えて増える。例えば上限が100の場合、回復アイテムをとり続けると、120、140と上限を超えて体力は増えるのだが、時間がたつにつれ、100まで徐々に減ってい。しかし、このブースト状態の時こそ突撃のチャンスだ。遠距離から1人1人倒すより、アサルトライフルやショットガンを両手に持ち、敵にガンガン銃弾を浴びせ突き進んでいくというマッチョな戦い方の方が状況を打破しやすかったりする。

 「1人で多数の敵に立ち向かう」、「正面からガンガン撃ち合う」という本作のバランスからは、開発者のアクションシューティングへのこだわりが見てとれる。シューティングはカバーや、バディシステム、ステルスといった要素を取り込み進化したが、こういった“先祖返り”のようなゲームもあるべきではないかと、本作をプレイすることで強く思った。“たっぷり、しっかり戦いたい! 撃ち合いたい!”というプレーヤーに強くオススメしたい作品だ。

【チャプター1】
鋼鉄の猟犬や改造人間などを武器とするナチスに、連合軍は敗退する

【チャプター2】
頭部の傷で植物人間となり、14年間精神病院に入れられていたブラスコヴィッチだが、ナチスが患者を虐殺する現場で覚醒する
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(勝田哲也)