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ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー
収容所、秘密基地、月面……ナチスに覆われた世界を戦い抜け!
(2014/6/5 00:00)
収容所、秘密基地、月面……ナチスに覆われた世界を戦い抜け!
ブラスコヴィッチは、ナチスの勢力下にある地域に単身忍び込み、不可能とも言える任務をこなしていく。敵の本拠地・ベルリンにあるアイゼンヴァルト刑務所にたった1人で潜入し、仲間を助け出して生きて帰ってくる。
ブラスコヴィッチはいつも1人で戦況をひっくり返してしまう。ロンドンにある航空機・ロボットの研究施設「ロンドンノーチカ」に潜入し、守備兵達をほぼ一掃し、仲間をヘリの格納庫に迎え入れるという任務すら成功させる。この時はヘリの格納庫に大量にいる兵士と渡り合い、さらに倉庫から地響きを立てて現われる「ヘビーロボット」も倒してしまう。
ある大きな秘密を抱えた人物を救うためにベリカ強制収容所に潜入、巨大ロボットを奪って大暴れ、Uボートの魚雷に潜り込んで1人で制圧……。ブラスコヴィッチの冒険はついには月面までも及ぶ。月面までも支配しているナチスの基地に潜入し、基地が秘める重大な秘密を奪ってくるのだ。宇宙服を着て、月面でレーザー銃を撃ち合うというワクワクするシチュエーションも用意されている。
スーパーマンという言葉すら超越するブラスコヴィッチの活躍は、もし本作が映画やドラマだったらリアリティがないと批判を受けてしまうだろう。基地丸ごと1つをたった1人で、両手にマシンガンを持った男が制圧してしまうのだ。しかしゲームとしては、大いに“アリ”である。プレーヤーの闘争本能が、不可能を可能にするのである。
ブラスコヴィッチはレジスタンスに合流するし、ファーガスやワイアットも助け出す。収容所からも仲間を救い出す。仲間はどんどん増えているはずなのに、死地におもむくのはいつもブラスコヴィッチ1人だ。この荒唐無稽さは「ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー」の味であり、そのものすごく不利な戦いを勝利に導いてしまうのはプレーヤーの“腕”なのだ。
これだけの活躍をしながら、ブラスコヴィッチの表情はいつも沈痛で、吹き替えを担当する中田譲治さんの声もまた粛々と運命を受け入れているかのように落ち着いている。ブラスコヴィッチの独白は、こちらを取り囲むような敵と、圧倒的な火力を持つ巨大ロボと銃撃戦を交わす激しい戦闘シーンとはっきりとしたコントラストをなしていて、作品に独特の味をもたらしている。
本作からは、「できるだけ多彩なシチュエーションで、様々な武器を使いこなし、数で押してくる敵をなぎ倒すその爽快感を味わって欲しい!」という強いスタッフの主張が感じられる。アクションシューティングというゲームジャンルは様々なアプローチの作品が出ているが、本作ははっきりと“撃つ楽しさ”を追求している。ある意味とてもストレートな作品である。シューティングファンにこそ遊んで欲しい作品だ。
あえて気になったところを挙げるとすれば、シューティングの駆け引きに特化しているために、なれないと難易度が高く感じてしまうところと、死角に回り込み遠くから正確にダメージを与えてくる敵の存在だろうか。“FPSのお約束”というべきだが、数で圧倒的に優位に立っているのに、隠れて多方向から攻撃を加えてくる敵はイラっとさせられる。このちょっと意地悪なAIを圧倒的火力でなぎ倒したときの爽快感は本作の魅力であるだろう。
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ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダーは1960年代の仮想世界に基づくフィクションです。各名称、登場人物、団体、場所、事象は架空のもの、またはフィクションに基づく描写によるものです。本作品のストーリーとコンテンツはナチス政権の信念、イデオロギー、事象、行動、党員、行為を解釈、称賛、是認を意図するものではなく、またナチス政権による戦争犯罪や虐殺、その他人道に反する犯罪を矮小化する事を容認するものではありません。