先行体験
移動が超快適な脱出シューター「EXOBORNE」プレイテストレポート
死ねば全アイテムロスト。ハイリスク・ハイリワードのゲーム内容を紹介
2025年2月15日 14:56
- 【EXOBORNE】
- プレイテスト実施期間:2月12~2月17日
- 2025年 発売予定
- 価格:未定
「Escape from Tarkov」のような脱出シューターのゲーム性に、「エーペックスレジェンズ(Apex Legends)」のようなスピーディーなアクション性が加わったタイトル「EXOBORNE」のプレイテストが2月12日から2月17日まで開催されている。
「EXOBORNE」は、スウェーデンを拠点に活動するゲームスタジオのSharkmobが開発を進めているタクティカル・オープンワールド・エクストラクションシューター。対応プラットフォームはプレイステーション5、Xbox Series X|S、Steam(PC)。パブリッシャーはLevel Infinite。現在はベータフェイズの段階で、2025年内の発売を目指している。
今回はプレイテストで実際にゲームを遊び、そこからわかったゲームの魅力や特徴についてご紹介していく。
大自然の脅威にさらされる架空の街「コルトン」がゲームの舞台
このゲームの最大の特徴ともいえるのが、激しく変化していく気象状況だ。大自然の猛威に晒された近未来の地球が舞台となっており、いきなり霧に包まれた中でスタートするときもあれば、最初は晴天だったのに徐々に霧雨が降り出し、それが雷雨に変わってトルネードまで発生するということもざらにある。そうした短いプレイ時間にも刻々と変化していく世界が、ゲームのプレイにも大きな影響を及ぼすのだ。
実際のゲーム内容を詳しくご紹介する前に、簡単にゲームの世界観についても触れておこう。この世界では、災害ともいえるレベルの激しい気象変化が起こっている。そうした災害に備えるべく、リバース・コーポレーションなる企業が最新のテクノロジーを集結し、STRATOSタワーと呼ばれる建造物を作りあげた。
このSTRATOSタワーの効果は素晴らしかったものの、作業スピードはなかなか追いつかなかった。労働者たちは体にインプラントを埋め込み、「EXO-RIG」という強化装備を身に付けて強制的に労働させられていたのである。そして、その中から「リボーン」と呼ばれる反乱者たちが現れ始める。リバース・コーポレーションは、リボーンたちに対抗すべく、STRATOSタワーを兵器化して彼らに対抗し始めたのだ。
その結果、STRATOSタワーは暴走してしまい次々と機能を停止。タイミングが悪いことに、その直前に未曾有の天変地異が発生して人類は壊滅的なダメージを受けてしまった……というのが大まかなストーリーである。
本作では、アメリカ東海岸にあると言われる架空の街「コルトン」が舞台になっており、ここでは停止したはずのSTRATOSタワーが一部再起動し始めたものの、まだまだ物資が足りない状況だ。プレーヤーはリボーンの1人となり、探索に出かけてさまざまなアイテムを集めていきながら報酬をゲットし、自らを強化してふたたび新たな冒険へと出かけていくことになるのである。
移動面で重要な「グライダー」「グラップリングフック」の使い方を学ぶ
ゲーム開始直後は、キャラクターメイキングとチュートリアルを行なうことになる。
このチュートリアルでは、特に移動面で重要な要素となるグライダーの使い方やグラップリングフックの使い方を覚えることができる。グライダーは高台からの移動や、ちょっとした段差を飛び越えるときに役にたつ移動アビリティだ。ジャンプするように瞬時に出すことができ、このゲームでは頻繁に利用することになる。
もうひとつのグラップリングフックは、ロープを使って高台に登っていくときに利用出来る移動アビリティである。ゲームに登場するマップはかなり高低差があるため、こちらも比較的使用する機会が多いので早めに使い方をマスターしておくといいだろう。
このチュートリアルはかなりよく出来ており、敵との戦闘体験もあれば、最後は端末からヘリを呼び出して脱出するといった、一連のゲームの流れが学べるようになっている。そうしたこともあり、スムーズにゲームの世界にも馴染んでくことができた。
自動マッチングで即席パーティを組んでマップを探索!
チュートリアルが終わると、いよいよ「EXOBORNE」の世界に出かけていくことになる。一般的なゲームでいうところのホーム画面にさまざまなメニューが並んでおり、ここから冒険に出かけていったり、あるいはミッションの確認や持っていくアイテムの設定、装備のカスタマイズなどが行えるようになっている。
ゲームの簡単な流れとしては、このホーム画面で「Activities」を選んでミッションの内容を確認。次に「Loadout」でマップに持っていく武器や防具、回復に必要なアイテムを整えていく。そのまま冒険に出かけるときは、「Deploy」を選んでマップを選択し「Ready」を選ぶことで自動で他のプレーヤーとのマッチングが行われる。
低レベルのマップではそれほどいいアイテムは入手することはできないが、いろいろなところにアイテムが落ちており、それら集めて持ち帰ることが可能だ。マップをある程度探索し追えたら、ふたたび自分の活動拠点に戻るために脱出ポイントを目指す。ここでヘリを呼び出して、それに乗り込むことで探索が終了となる。
ちなみに表示されているミッションは受注してからマップに出かけていくといったスタイルではなく、達成項目のようなものだと思えばいいだろう。例をあげると、最初に挑戦する「Wild Coundtry」というミッションでは、「最初のレイドを完了させる」や活動拠点ともいえる「ホームベースに戻る」など、比較的クリアしやすい目標が用意されていた。この達成条件をクリアするごとに報酬がもらえ、すべての項目を達成すると新たなミッションが現れるといった形式だ。
ひとつの冒険を追えたらミッションで達成した項目や装備の確認などを行い、ふたたび新たな冒険へと出かけていくというのが一連の流れとなっている。また、ゲームを始めたばかりのときはカスタマイズの項目などアクセス出来ない項目もあるが、こちらもゲームを遊ぶことで徐々にアンロックしていくことができるようになっている。
マップ内には敵NPCが多数。PvP要素も
本作では基本的に、自動でほかのプレーヤーとのマッチングが行われ、3人ひと組でパーティーを組んで探索していくことになる。また戦う相手については、いわゆるバトロワのようにすべて他のプレーヤーが操るキャラクターというわけではない。そのほとんどは敵NPCとなるが、偶然居合わせた他プレーヤーと遭遇することもある。
そしてゲーム内のマップには、「EXTRACTION」と呼ばれる脱出ポイントがいくつか用意されている。バトロワとは異なりある程度探索して戻りたくなった場合は、好きなタイミングで帰ることができるところもありがたい。
ゲームを進めるうえでのポイントとなるのは装備品だろう。冒険に持っていく武器や防具、その他のアイテムは「LOADOUT」と呼ばれる画面で設定でき、画面の右側がバックパックの中身を表わしている。ただし容量が決まっているので、何をどれほど持っていくかでプレイ内容が大きく左右される。
たとえば、バックパックに余計な銃を入れてスペースがなくなっていたりすると、ミッションに挑むために必要なアイテムを持っていけなかったりする。「LOADOUT」における荷物の中身は、常に意識しておく必要がありそうだ。
チームメンバーが揃うと、ヘリから飛びおりて探索がスタートする。こちらは好きなポイントで飛び降りていくというわけではなく、タイミングは完全に自動だ。
マップ上には脱出ポイントや仲間の位置を知らせるマークなども常に表示されており、比較的わかりやすくなっていた。最初のミッションでは特別に何かを集めてくるとか、何かを倒すというものではなかったため、ある程度自由に探索することができる。
探索が開始して何よりも感動したのは、移動時のスピード感だ。プレーヤーたちは、後ほど詳しく紹介する「EXO-RIG」と呼ばれる強化装備を身に付けている。これによりダッシュができるほか、先ほども触れた、グライダーやグラップリングフックといった移動アビリティを使うことができる。
たとえば、探索中に少し味方と距離が離れてしまったという場合でもあっても、こうした能力を活用することで比較的すぐに追いつくことができる。このスピード感、疾走感がなんとも素晴らしく、移動すること自体が楽しく感じられた。
またグライダーの面白いところとして、少し強い風が吹いている状態だと、高低差がなくてもすぐに上空に舞い上がれることがある。こちらも移動時にはかなり役に立った。また、このゲームでは探索中、周囲に雷が落雷したり炎と竜巻が合わさったファイアネードが発生したりと、かなり厳しい条件にさらされることがある。
たまたま雷が近くにいた敵に落ちて倒してくれたこともあったのだが、こうした自然の力をうまく利用することも、この世界で生き延びるためには重要な要素となる。
ちなみに、普段は三人称視点でキャラクターを操作するのだが、敵との戦闘で銃を撃つときは一人称視点に切り替わる。序盤にプレイすることになるマップの「メイナード」は棒立ちしているNPCが多いので、射撃の練習に持って来いかもしれない。
もうひとつ重要なポイントとして、誤って仲間を撃ってしまうフレンドリーファイアは発生しなかった。仲間以外のキャラクターは、NPCだろうがほかのプレーヤーが操っていようが、基本は敵対していると思っていい。そのため、見つけたキャラクターを倒すことだけに集中して戦闘できる。その後、最初のミッションでは全員で脱出ポイントにたどり着きヘリに乗り込んで生還することができた。
プレーヤーを強化する3つのタイプの「EXO-RIG」
戦闘や超人的な移動能力を発揮するためにプレーヤーたちが身に付けている装備が、「EXO-RIG」と呼ばれるものだ。こちらはアイアンマンのようなスーツというよりも、パワードスーツのような身体を強化するものとなっている。
「EXO-RIG」自体は、重量別に大きく分けて3つのタイプが用意されている。「LIGHT EXO-RIG」は、機動性が高いのが特徴だ。ソロでマップを漁りたいというときにも活躍するほか、パーティでのプレイ時でも偵察役としても活躍することができる。
「MEDIUM EXO-RIG」は、ある程度危険を回避することができるため、主に戦闘で活躍したい人向けの装備だ。最も重い「HEAVY EXO-RIG」は、物理的なダメージやトルネードのような災害でも耐え抜くことができ、タンクのような近接戦闘向きの装備といえるだろう。こうしたタイプに加えて、低、中、高といったティアも用意されている。特に中~高ティアの「EXO-RIG」は、さまざまなモジュールが追加できるなどカスタマイズ性も向上している。
最初は低レベルの「EXO-RIG」しか所有していない状態だが、ゲームをプレイしていくうちに新たな要素がアンロックされていき、より高いレベルの装備を身に付けていくことができるようになる。こうした装備やカスタマイズで、自分を強くしていくことができるところも本作の魅力だ。
死ねばすべて失う! ハイリスクハイリターンがゲームの醍醐味
マップを探索してアイテムを収集していくタイプのゲームでは、より高いリスクに挑むことでよりいい報酬が得られる場合が多い。この点は本作でも同じだ。ちなみに本作におけるリスクとは、死んでしまったときに所有しているすべてのアイテムを失ってしまうことである。
今回のプレイテストでは、探索中に唯一死んでしまったのが、他のプレーヤーが操るパーティと鉢合わせしてしまったときであった。このゲームではアーマーがダメージを受けて0になるとダウン状態になる。このときに、アイテムを所有していれば、自分で復活することが可能だ。また、仲間に起こしてもらうこともできる。アーマー自体も、アイテムを所有していれば回復することができる。
だが今回の場合は、回復する機会もなくあっという間に倒されてしまった。当然のことながら探索前に持っていったアイテムや、途中で拾い集めたアイテムのすべてを失ってしまった。どれぐらい損失してしまったのかという情報も、倒された後のリザルト画面で確認することができるようになっており、喪失感が増してくるのだ。
探索に持っていかなかったアイテムはそのまま残っているのだが、すべてを持っていってすべてを失くすこともある。そうした場合でもゲームに参加できるように、最低限の装備である「BASELINE EXO-RIG」が配給される。何も所有していなければ、こちらでマップに出かけてふたたび装備を集めていくことになるのだ。
プレーヤーが探索するオープンワールドのコルトンは、大きく分けて3つのマップに分かれている。最初に挑戦できるのは、誰でもアクセス可能な「メイナード」だ。こちらは低リスクで初心者向けのマップといえるだろう。
それ以外にも装備レベルでアクセスが制限されている中リスクの「アグネスビル」やハイリスクの「シンクホール」と呼ばれるマップも用意されている。特に「シンクホール」はリスクも最高だが、その代わり報酬も最高のものを得ることができる。
今回は「メイナード」しか探索することができなかったのだが、このマップの中でもハイリスクなポイントが用意されている。少しゲームに慣れてきたら、そうした場所に挑んでみるというのも良さそうだ。
短い時間でもお互いに協力することで仲間意識が生まれてくる!
今回のプレイテスト全体を通じて感心させられた部分が、チュートリアルを含めてゲームを初めて遊ぶ人への配慮がかなりされているということであった。リスクの取り合いや荷物の管理など、本作はそれなりに考える要素が多いが、最初に挑戦することになるマップもそれほど難易度が高いわけではないため、バトロワのようないきなりハードな戦闘に巻き込まれることは比較的少ない。
またオートマッチングで見知らぬプレーヤーたちと協力し合い冒険していくという部分も、オンラインゲームならではの楽しいところだ。マッチングした海外のプレーヤーの中にはマッチングでいろいろと指示をしてくれたり、あるいは敵が潜んでいる危険なポイントをマーカーで教えてくれることがあったりと、短い冒険の中でも仲間意識が生まれてくるのである。
それに加えて、ゲームをプレイして特に驚かされたのが、やはりなんといっても移動の快適さだ。自動車などの乗り物もあったのだが、それよりもグライダーを使ってある程度自由に空中を移動したほうが自由度が高く、遥かに快適に、そして縦横無尽に動き回ることができる。
またプレイ中、刻々と変化していく気象状況という不確定要素もスリリングな体験を盛り上げるのにひと役買ってくれている。こうした気象は完全にランダムで発生するため、同じマップであってもプレイする度に全く異なる体験ができる。ゲームとしては、徐々に遊び方に慣れていくような作りになっているところも、遊びやすく感じる部分かもしれない。
これらはプレイテストにおけるあくまでも入り口の話しだが、ゲームを遊んでいくことでより良い装備品を身に付けていったり、さらに高いハードルに挑戦できるようになっていたりするなど、懐の深い作りになっているところも魅力である。今回プレイしたのはあくまでもベータ版であるためリリース時には異なる部分も出てくるかもしれないが、少しでも興味を持ったならばぜひとも挑戦してほしい作品だ。