ニュース
アトリエ20周年発表会! 最新作となるシリーズ第20作目が発表! その詳細をレポート
オンラインゲームの初披露や、数々のコラボレーション企画も公開
2017年6月8日 00:00
コーエーテクモゲームスは、ガストブランドから発売されている「アトリエ」シリーズが20周年を迎えたことを受けて、その発表会を6月7日に開催した。これまでのシリーズをゲストと共に振り返ったほか、最新作のアナウンスやスマートフォン向け新作なども発表されたので、その模様を掲載していこう。
1997年5月23日から始まった「アトリエ」シリーズ
当日、司会進行を務めたのは、「ソフィーのアトリエ」にてソフィーの声を担当した相坂優花さん。最初に、コーエーテクモゲームスの代表取締役社長兼ガストブランドブランド長である鯉沼久史さんが登壇し、今年20周年を迎えた「アトリエ」シリーズを、ガストブランドの看板タイトルと位置づけ、“ガスト”を象徴する作品と説明。今年3月に発売された「BLUE REFRECTION」、4月に配信が開始された「拡張少女トライナリー」、そして8月に発売が予定されている「よるのないくに2」などの作品だけでなく、本日はガストらしい新規タイトルも発表するとコメントした。
次に登場したのは、コーエーテクモゲームスガストブランド副ブランド長の菊池啓介さんと、コーエーテクモゲームス「アトリエ」シリーズ ゼネラルプロデューサーの井上忠信さん。それぞれ、20年続いたシリーズ作品への感謝の意を表した後、シリーズ作品への振り返りへと入っていった。
記念すべき1作目である「マリーのアトリエ」が発売されたのは、1997年の5月23日。
この時期のRPGの定番だった“世界を救う”をやらなくても、女の子が成長していくのをうまく表現したい、ということで作ったという。
ここから始まる一連のザールブルグシリーズは、新しい主人公がいろんな経験を重ねて一人前になる過程や、さまざまなエピソード・イベントを楽しめるようなゲームにしようというのがコンセプトだったそうだ。また、2、3作ごとに方向性を見直し新シリーズを生み出してきたのも特徴だったが、「アーランド」シリーズで岸田メルさんを起用したのは非常に好評だったと語った。
菊池さんは、「アーランド」シリーズからプロデューサーとして担当することになったそうだが、岸田メルさんのイラストとゲームシステムのマッチングが非常に秀逸だと思ったと振り返る。そして、ファン目線で作った「アトリエ」シリーズを皆さんに広めたい、そういう思いで作品を創ったそうだ。
そして、この日の司会進行を務める相坂さんがソフィー役を務めたという、「不思議」シリーズの1作目「ソフィーのアトリエ」が2015年11月19日に発売される。この「不思議」シリーズからは、「アトリエ」シリーズを通じて初となる2人のイラストレーターを起用し、“不思議”という単語をキーワードに展開していっていると菊池さん。1作目「ソフィーのアトリエ」は原点回帰をコンセプトに、2作目「フィリスのアトリエ」では“不思議な旅”をテーマとして制作したとのことで、全シリーズを通じて登場人物が1番多かったそうだ。
通算19作目となる最新作は「リディー&スールのアトリエ」
ここで、シリーズ20周年を飾るタイトルとして、通算19作目となる最新作「リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士」が菊池さんから発表された。イラストとキャラクターデザインを担当するNOCOさんとゆーげんさんの2人がステージへと招かれ、あわせて2人いるという主人公のシルエットが初公開された。これは、ゆーげんさんがプロデューサーから無茶振りされて、夜なべして作ったとのこと。先に決定稿となったのはNOCOさんの主人公で、ゆーげんさはユーザーの皆さんに驚きをもって見てもらいたいので、NOCOさん主人公とは色合いなどを変えて作ったそうだ。
今作にかける意気込みを聞かれると、「『不思議』シリーズの最新作ではあるものの、前2作とは違う作りになっているので楽しんでもらえると思う」と菊池さん。リディーとスールが織りなす、不思議な絵画の世界に期待してほしいとのこと。続いて、井上さんは「アトリエ」シリーズをずっと続く作品にしていきたいとコメント。本作品も、今後続々と情報を出していくので期待してくださいと語った。NOCOさんは、「リディー&スールのアトリエ」で3作目なので、責任と情熱をもって日々制作に励んでいますと、その心意気を伝えた。そしてゆーげんさんは、初心を忘れず良いものを作っていくので楽しみに待っていてほしい、と意気込みを明かした。
さらなる新作としてアナウンスされた「アトリエオンライン」
発表が一段落したかと思われたこのタイミングで、相坂さんが「さらなる新作発表があります!」とアナウンスし、そこでステージに招かれたNHN PlayArtのプロデューサーである池田康隆さんから発表されたのが、スマートフォン向けの新作「アトリエオンライン ~ブレセイルの錬金術士~」だった。本作誕生のきっかけは、自身が「マリーのアトリエ」からの熱狂的なファンであり、「アトリエ」シリーズで何かやりたいと思い続けてきたこと。その思いが実り、ついにスマートフォン向け作品という形で発表できるようになったと語ってくれた。コンセプトは“多人数で冒険や調合ができるオンラインRPG”であり、「アトリエ」シリーズの持つ雰囲気なども大事にして制作しているそうだ。
ここで、「アトリエオンライン」のコンポーザーを務める工藤ともりさんとCHiCOさんがゲストとして登場し、その意気込みを語った。現在絶賛作曲中ということだが、ユーザーの皆さんに楽しんでもらえるよう、細部にまでこだわって制作に打ち込んでいるとのこと。これまでとは毛色の違う感じを打ち出したいと思っているそうなので、今冬のサービスインが待ち遠しいところだ。
「アトリエ」20周年スペシャルトークでは、驚きの話題も飛び出す
ここからは、「アーランド」シリーズでイラストを担当したイラストレーターの岸田メルさん、「黄昏」シリーズでイラストを担当したイラストレーターの左さん、そして「不思議」シリーズでイラストを担当しているゆーげんさんとNOCOさんを迎えての、4人のイラストレータによる「アトリエ」20周年スペシャルトークが開催された。
最初に出されたお題は“みなさんにとっての「アトリエ」とは?”。岸田メルさんにとっては、イラストレータとしての転機だったと語った。これを機に仕事のバリエーションが増えたが、「アトリエ」シリーズに戻ってくると実家のような感じがするそうだ。左さんは、このシリーズに参加するというのはイラストレータの憧れだったとコメント。NOCOさんにとって「アトリエ」は夢の世界であり、この場にいるのが今でも不思議との感想だった。ゆーげんさんは、イラストレータとしてやりたい目標はいくつかあったが、そのうちの1つだったと回答。この場で、岸田さんや左さんと会話できていることが、本当に光栄とも付け加えた。
続いての質問は、“「アトリエ」シリーズ制作秘話”。今だから語れる話をと振られた岸田さんは、「メルルのアトリエ」でアイデアが枯渇して大変だったことを暴露。2作目と3作目の間にネタをチャージする時間がなかったので、自分の中にある経験を集めるしかなく大変だったそうだ。左さんも同じだったそうで、このときに言われたのが“1打でグリーンに乗るものの、なかなかカップインしない”パターンのキャラと、“なかなかグリーンに乗らないけれど、オンしてしまえばすぐにカップインできる”パターンのキャラを見極め、体系立てて切り替えると作業が上手くいくというエピソード。これらを含めて、キャラクターデザインという仕事に関して、非常に勉強になったと語った。
ゆーげんさんは、一部の人にだけ受けるようなデザインではなく、多くの人に受け入れてもらうのを目指すことを意識してデザインしたとコメント。NOCOさんは、今作のコンセプトが原点回帰なので芋臭い感じでお願いしますと言われ、勉強してきたことがうまく応用できずに苦しんだことを告白した。また、ファンタジーっぽくなりすぎたり現実に寄りすぎるなどしたときの、ニュアンスの調整が大変だったことも明かした。
この後“ファンの皆さんへのお礼”として、イラスト入りサイン色紙をプレゼントするサプライズなどが飛び出したり、20周年スペシャルライブの話題や各種コラボレーション情報などを発表し、1時間半に及ぶ発表会は幕を閉じた。