ニュース

「アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~」インプレッション!

スマートフォンでもその中毒性は健在。新たな地で一流の錬金術士を目指せ

7月2日 CBT開始

 コーエーテクモゲームスとNHN PlayArtがタッグを組んだ新作オンラインRPG「アトリエ オンライン ~ブレセイルの錬金術士~」は、ガストブランドが誇る「アトリエ」シリーズをモチーフにしたオンラインRPG。

 これまではコンシューマのスタンドアロンタイトルとして展開してきたシリーズだが、今回は初のオンライン対応。NHN PlayArtの企画、開発、運用のもと、多人数での冒険や調合も楽しめるようになった。

 本作の配信は2018年を予定しており、7月2日からはクローズドβもスタートと、冒険の始まりが刻一刻と迫っている。そんな本作をひと足早く体験する機会が得られたので、プレイフィールを紹介していきたい。

アカデミーを舞台にした新たな冒険!

 本作の舞台となるのは、「ブレセイル島」という地域にあるアカデミー。アカデミーの試験に合格し、錬金術学科の学生となった主人公は、多くの友人、そして講師たちに囲まれながら一流の錬金術士を目指す。

 「アトリエ」シリーズで学園が舞台というと、最初期のマリーやエリー、あるいは「マナケミア」シリーズなども存在するが、いずれにしてもかなり前まで遡らなければならない。作品全体を取り巻く雰囲気に懐かしさを覚える往年のファンもいるだろう。

 オンラインゲームになったと言っても、その根幹は従来のシリーズとなんら変わらない。すなわち、「冒険」、「調合」、「バトル」のサイクルだ。もちろんそれぞれコンシューマのそれとは違い、システムをスマートフォン向けに最適化しているので、ひとつひとつ確認していこう。

ゲーム開始時に性別や名前を決めることになるが、いずれも後で自由に変更できる

 冒険という観点では、ストーリーを進めるうちにさまざまなクエストが提示されるので、これをクリアしていくことでまた新たな物語が解放されていく。クエストにはストーリー進行の鍵となるメインクエストと、それに付随したサイドクエスト、仲間のエピソードを楽しめるキャラクエスト、そしてアイテムの納品やモンスターの討伐といった依頼の4種類がある。メインとサイドのクエストさえこなしていけばストーリーは追いかけられるが、できることの多さも「アトリエ」の魅力。キャラクターも個性的だし、依頼の報酬も魅力的なものが揃っているので定期的にチェックしたい。

 個々のメインクエストに目を向けると、決して難しいことはなく、指定された場所に行く、特定のモンスターを倒すといった内容が多い。このあたりは既存のオンラインRPGを踏襲していると言えよう。

依頼はフィールド上でいつでも受けられる。目当てのモンスターを見つけてから依頼を受諾すると効率よく攻略できる

 冒険の舞台となる各フィールドは広大ではなく、小さなエリアがいくつも連なっている。ストーリーを進めていくとエリアも拡大していくが、要所にはファストトラベル用の石碑が点在する。これはプレーヤー自身が1度調べないと使えないので、新しい土地に行ったら忘れずに探しておきたい。

 また調合用のアイテムを獲得する採集ポイントもさまざま。木や草花はもちろんのこと、釣りをしたり、爆弾で鉱石を破壊したりと多彩な手法がある。本作では新たな素材を入手するだけで調合レシピも手に入るので、エリアごとにくまなく探索するのが得策だ。

時間帯や天候によって、同じ場所でも違った表情を見せる。探索できるポイントもたくさんあるので、ミニマップを見ながら注意しながら進んでいきたい

 調合については、必要な素材さえあればワンタッチでアイテムが完成する手軽なシステム。武器や防具に加えて戦闘時に使う回復アイテム、キャラクターの能力を底上げする料理が作成可能だ。また、素材には特性が付与されており、特性付き素材を錬金時に使用し、完成アイテムに継承させることで、通常より性能を高めることが可能。特性がなくても十分役に立つが、強力なモンスターと戦うときは、特性まで意識して事前の準備を進めるといいだろう。

 もうひとつ調合の際にこだわりたいのが完成したアイテムの品質だ。素材の品質が高いものを使えば完成品の品質も合わせて高くなる。同じ素材を掛け合わせることで品質を上げることもできるので、あらかじめ多めに入手しておくのもひとつのテクニックとなる。

オートで進行するバトルはアイテムが勝利の近道

 本作のバトルは完全にオートで進行し、敵と味方が入り乱れる形で攻撃を行なう。ただし、プレーヤー側のスキルやマニュアルアイテムは任意のタイミングで使用できる。攻撃する順番は画面左に表示されるタイムラインですぐに判別できるので、特に強敵と戦うときは注視しておきたい。

 また、スキルを発動させるとスキル入力受付時間が表示され、この間に続けて別のスキルを使えばChainボーナスが発生する。これを駆使すれば、相手に隙を与えず強力な攻撃を連発できるというわけだ。

マニュアルアイテムは1度使うと、再使用に一定時間必要になる。焦って使ってしまい、逆にピンチになるケースも考えられる

 アイテムに関しては自分の意志で使用できるマニュアルアイテムに加えて、一定確率で自動使用されるオートアイテムも存在する。マニュアルアイテム装備枠は2種類設定が可能で、在庫の数だけ使用可能。オートアイテムは「攻撃」、「回復」、「補助」の3種別の設定が可能で、同様に在庫の数だけ使用できる。

 ただし、アイテムは調合した分しか使用できないため、時には使わずに温存しておくことも考えなければならない。使用したくない場合は作戦で「アイテムを使うな」を設定しておけば、勝手に使われる心配もなくなる。

 キャラクターの育成はモンスターを倒してのレベルアップのほか、料理を食べてのステータス強化、特定のアイテムを使ってのLv上限の解放などがある。パーティは最大で4人が参加でき、仲間はストーリーを進めれば自然と加入してくれる。強力な敵と戦うイベントクエストはまだしも、ストーリーをクリアするだけなら彼らの力だけでも十分渡り合える。

 その一方で、ガチャを用いることでより心強いキャラクターが仲間になることも覚えておきたい。本作のガチャではキャラクターや装備品が手に入り、言うまでもなく強力なものが揃っている。さらに装備品が出現した場合、そのまま受け取るか、素材にして受け取って自分で調合するかを自由選択できるのも特徴だ。

 素材で受け取れば特性を自分好みに入れ替えたり、品質を上げたりとあらゆるアレンジが実現できる。このようなカスタマイズ性も「アトリエ」ならではであり、シリーズファンにとっては馴染みやすいシステムになりそうだ。

装備品を変えるとキャラクターの見た目が劇的に変化する。初期の主人公キャラクターはかなり質素な服装をしているので、できれば早めに変えてあげたいところ

 やることは従来の「アトリエ」シリーズと変わりなく、だからこそファンにとっては気軽に触れられる作品に仕上がっている。スマートフォンアプリにありがちなスタミナの要素も存在せず、コンシューマタイトルに慣れている人でも安心して楽しめるだろう。

 グラフィックスやサウンド、ストーリーといった作品を形成するひとつひとつの要素も牧歌的で「アトリエ」然としている。ただのスピンオフでは終わらない、シリーズの最新作として受け入れられる準備がしっかりとできたタイトルである。