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【必見! エンタメ特報】映画「アングリーバード」 独自設定で盛り上げる!
島のはぐれ者が活躍する痛快奪還劇! ゲーム登場キャラも大勢出演
2016年10月1日 12:00
スマートフォンゲームの黎明期に彗星のように現われた「Angry Birds」。ゲームファンの方にはご存じの方も多いと思うが、太眉の赤い鳥「レッド」ら怒れる鳥たちをスライド操作でひっぱり、体当たりさせることで緑の豚「ピッグ」を建物ごと破壊していく2Dアクションゲームとなっている。
本作は2009年に配信されると、スマートフォンゲームの代名詞のような存在にまで発展。「レッド」たちのクセの強い顔の印象深さも相まって、「Angry Birds Seasons」、「Angry Birds Rio」、「Angry Birds Space」などの特別編が登場、グッズ展開も世界中に広がりを見せた。
最近でもシリーズ展開は留まることを知らず、「Angry Birds 2」をはじめ、女性の鳥「ステラ」が主人公の「Angry Birds Stella」、そしてゲームシステムを根本から変えたRPG「Angry Birds Epic RPG」、レースゲーム「Angry Birds GO!」、3マッチパズル「Angry Birds Fight」あたりは若干迷走気味だが、とにかくピークを過ぎた現在もものすごい勢いでシリーズ作が配信されている。
そこで今回、10月1日に公開となるのが、映画「アングリーバード」だ。映画は3DCGが採用されており、球形だったキャラクターには手足が生えて頭身が高まり、キャラクターごとの特徴も出されている。
そもそもゲームの「Angry Birds」には、「ピッグに奪われたタマゴを怒れる鳥が取り返す」という、「クッパに攫われたピーチ姫を救い出す」くらいわかりやすいストーリーがあるのだが、今回の映画「アングリーバード」ではこの「タマゴをピッグから取り返す」ことをベースとし、ふくらませる形でストーリーが作られている。
主人公の「レッド」は、皮肉屋で文句ばかりの若者で、飛べない鳥たちが暮らす平和な島「バードアイランド」では疎ましく思われている赤い鳥。その斜に構えっぷり、怒ると手がつけられない扱いづらさから友達作りとも無縁だが、本心では周囲に受け入れてほしい寂しさも募らせている。
そんな折、島に突然「友好のため」と言ってピッグたちがやってくる。人を疑うことを知らない島の住人はすっかり歓迎するが、怪しさ満点のピッグたちの狙いは当然タマゴ。ピッグたちはタマゴを奪うため、住民にバレないよう着々と準備を進めていく。
レッドは持ち前の疑り深さ、はぐれ者だからこそわかる客観的視点で、ピッグたちの怪しさに気づく唯一の鳥となる。「あいつらは怪しい!」と宣言しても戯言扱いでまったく相手にされないのが悲しいが、かくしてタマゴが盗まれてしまったあと、レッドが悲しみに暮れる住人たちを奮い立たせ、怒りのパワーでピッグたちの王国ピッグアイランドに殴り込みをかけにいくあたりで映画は最高に盛り上がる。
レッドのパートナーとなるのは、レッドの癇癪が原因で向かうことになったアンガーマネジメント教室で出会うチャックとボム。ゲームでも黄色い鳥、黒い鳥としても登場する彼らはレッド以上にクセのあるキャラクターで、チャックは高速の移動と喋りをせずにはいられない常時躁状態の鳥、ボムは温厚だが驚いたりストレスが溜まると爆発するという厄介すぎるメンバー。
また生徒には巨体のテレンス、先生として白い鳥のマチルダがいるなど、ゲームの登場キャラクターが随所に配置されている。ほかにもステラ、ハル、バブルス、そして課金キャラクターのマイティ・イーグルなど、どの場面に誰が登場したかを見ていくと「Angry Birds」のファンならより楽しめるだろう。
そして最大の見所は、レッド率いる鳥軍団がピッグアイランドに巨大パチンコで乗り込むアクションシーン。ここでようやく原作の再現となるわけだが、ピッグの街はゲームよろしく木、石、鉄などを積んで作られており、鳥の体当たりによる建物のぐらつきや破壊演出はゲーム内の物理演算を踏襲したような動きになっていて、ゲームをプレイしていれば「おっ」と思うものになっている。ゲーム内のあの動きが3DCGで再現されているため迫力が増しているし、上記のゲーム登場メンバーの能力が映画でどう表現されているかもチェックしていくと楽しいだろう。
ストーリー自体はごくごくシンプルなのでわかりやすいが、問題のある人物とレッドを設定することで、レッド自身の成長、欠点が長所に変わる可能性の示唆、はぐれ者が大活躍する痛快さなど、映画ならではのアイディアが多く盛り込まれているのも面白い。ゲームの映画化作品としてはかなり良くできているので、特に「Angry Birds」ファンは必見の映画だ。