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「World of Tanks」、第二次PCメーカー対抗トーナメントが開催
助っ人として参戦したライター自らレポート! “老人戦車隊”かく戦えり!?
2016年9月17日 19:29
Wargaming.netは2016年9月16日、東京ゲームショウの同社メインステージにおいて「World of Tanks」の「第二次PCメーカー対抗トーナメント」を開催した。「World of Tanks」推奨PCを販売しているPCメーカーの担当者や声優、業界関係者等が7人でチームを組み、トーナメント制で「World of Tanks」をプレイする最強ゲーミングPCを決めるというもの。ビジネスデー2日目の開催となったが、対戦の模様は同社のニコ生チャンネルで生放送もされたので観戦された方もいたのではないだろうか。
昨年開催された第一次対抗戦(参考記事)に参加したメーカーは3社と少なかったが、ゲーム自体の盛り上がりと同イベントの盛り上がりを受けて今年は参加を表明したメーカーが7社に増加。参加直前で1社(MSI)が棄権となったため、当日はLEVEL∞(ユニットコム)、G-GEAR(ツクモ)、GALLERIA(サードウェーブデジノス)、Predetor(日本エイサー)、OMENs 7(日本HP)、ALIENWARE(デル)の6チームでのトーナメント戦となった。
優勝したチームは“最強ゲーミングPC”の名乗りをあげるとともに、Wargaming Allianceチーム(つまりWargaming.netのガチ勢)とのエキシビションマッチに参加できるという栄誉が与えられる。さらに、各チームはこのイベントに1品ずつ賞品を供託、それが一般入場デーにおいて抽選会で提供される、という仕掛けだ。
対戦のルールは3ゲーム中の2勝したチームが勝つというシンプルなルール。基本は敵全滅か敵陣地占領で勝利だが、時間切れの場合は残存車両数(同数の場合はHP)の多いチームが勝利となる。今回は1戦目が「ゴーストタウン」、2戦目「ルインベルグ」、3戦目「ステップ」と決まっており、各チームメンバーが使用する車両も予めオーダー表に出しておく形式となった。
さらに使用する車両は前回はTier 8までだったが、今回はTier 10まで全開放。軽・中・重・駆逐戦車は必ず1輌ずつ使うこと、同じ戦車はチーム内で2両まで、カスタマイズは禁止、自動消火装置等のお助け装備はあり……といったレギュレーションに改められた。
今回筆者 加藤勝明はLEVEL∞チームメンバーの助っ人として戦いに参加した。トーナメント参加者がレポートを書く……つまり自分の試合の写真は撮れない、1回戦で敗退しても最後のエキシビションマッチまで帰れない、挙句の果てに編集が「加藤さんの活躍が見たいわけじゃないですから」とド直球な正論を放つ等々、末端ライターであることを思わず再認識させられた形だが、要は勝てばいいのだ。というわけで、当日のバトルの様子をレポートしよう。
1戦目:LEVEL∞ 対 G-GEAR
1戦目は我がLEVEL∞対G-GEAR。LEVEL∞側には、筆者に加えて最近TSYとも呼ばれているライターの高橋敏也氏、KazさんことNVIDIAの高橋一則氏が助っ人として参加した。秋葉原LEVEL∞スタッフがどうにか若手といえなくもないが、どうみても助っ人3人を見るかぎり“老人戦車隊”だ。さらにチームリーダーのイイヤマンレッドはマスクが不調で前方視界が不安……という恐ろしい状況。こんなので勝てるのか!?
対するG-GEARのメンツはいかにも社内で熟練の「WoT」プレーヤーを選抜した雰囲気がプンプン漂う。紅一点声優の山下まみさんを加えたことで、雰囲気からしてLEVEL∞とは対照的だ。
……で、結果だが筆者のチームはG-GEARのチームプレイの前に為す術もなく敗退。事前に「G-GEARはイロモノチームだ」との情報を得ていたものの、フタを空けてみれば、筆者のチームが最大のイロモノだった! イイヤマンレッドのマスクが不調で前が見えなかったとか、LEVEL∞側のボイスチャットが全く使えなかったという言い訳はすまい……。
2戦目:OMENs 7 対 Predetor
2戦目は日本HP対日本エイサーという外資系PCメーカー対決となった。両チームもプレーヤーの平均Tierは3程度と低いとのことだが、1戦目とは違いしっかりと地形を活かした砲撃戦が展開された。第1試合はOMENs 7、第2試合はPredetorが勝ち、勝負は第3試合へ。両者接戦だったが勝ちをもぎとったのは連携と地形の有効活用で1枚上手に回ったPredetorとなった。Predetorのリーダーは「WoT」をやり始めて1カ月程度ということだが、なかなかどうして……(と、LEVEL∞のリーダーに思いを馳せながら)。
4戦目:G-GEAR 対 Predetor
3戦目はMSI棄権のため各チームの代表2名ずつを出してのエキシビジョンマッチとなったが、続く4戦目は1戦目・2戦目で勝ち残ったチーム同士で決勝戦進出をかけたバトルとなった。1回線で筆者のチームを軽くヒネってくれたG-GEARには、ここで勝ってもらわないと非常に困るのだ。
初心者が多いようだが連携がしっかり取れているPredetorチームと、声優というウイークポイントはあるがTierの高いプレーヤーを擁するG-GEARチームの対決だったが、第1試合は遮蔽物の多いマップで睨み合い、時間切れから残存戦力差でG-GEARの勝利。続く第2試合は市街地に早い段階で戦力を集中させたG-GEARが局所的有利から勝利をもぎとった。
5戦目:ALIENWARE 対 GALLERIA
5戦目はデルのALIENWAREと、前回優勝でシード権を獲得しているサードウェーブデジノスのGALLERIAの戦いだ。ALIENWAREは今回「WoT」用にPC本体(ALIENWARE X51)を提供しており、さらにチームメンバーも若手を中心にガチな人選を行なった様子。
対するGALLERIAチームは「WoT」に関しては腕っこきのメンツを揃えているが、声優の吉岡麻耶さんを加えているのである意味ハンデ戦ともいえる。さらにGALLERIAチームはコスプレーヤーまで応援に駆けつけ、まさに王者の風格。アラフィフ3人の“老人戦車隊”+謎の仮面男が主力のLEVEL∞とは大違いではないか……。
で、試合はというとGALLERIAチームが異次元の強さを見せつけた。前試合では睨み合いが続いていたゴーストタウンでも、巧みに回り込んで効果的な射撃をお見舞いし、撃ったら色気を出さずに逃げる。第2試合のルインベルグでは、ALIENWAREチームが終盤立て続けに撃破数を重ねて追いつく様子を見せたが、HPの高い戦車を温存できていたGALLERIAチームが勝利した。
チームメンバーは「WoT」の試合数(時間)で選抜されたとか、リーダーは1カ月でTier 1から10まで800戦ほどやって上げた(北米サーバでの経験はあったようだが)とか……。これは強いはずだ。
なお、第5戦の後、4戦目・5戦目の敗者による3位決定戦が開催。“エイリアン vs プレデター”という異星人対決だったが、動きの連携の良さで上回っていたALIENWAREが勝利し、3位を確定させた。
7戦目(決勝戦):G-GEAR 対 GALLERIA
決勝戦となる7戦目はG-GEAR対GALLERIA。国内ショップブランドPCが真っ向から衝突することになった。どちらも練度の高いTier 10プレーヤーを抱える一方、声優をメンバーに入れている。このバトルを制するのはどちらか?
第1試合の序盤は4戦目を彷彿とさせるものとなった。マップ南東部の高台に陣取り、迎撃体制をとるG-GEARチームに対し、GALLERIAは慎重に建物に隠れながら街中から進撃。
睨み合いになるかと思いきや、ここでもTVP T 50/51による4連射を確実に決めて相手の戦力を確実に奪っていった。高台の上に陣取るG-GEARはGALLERIAチームにダメージを与えてはいるが、削りきれずに戦力を残してしまう。時間切れでGALLERIAの勝利となった。
第2試合もGALLERIAのダメージ分散戦術とTVP T 50/51が勝利に貢献。GALLERIAチームのIS-7と、G-GEARのT110E5という、米ソのTier 10重戦車が打撃戦を繰り広げる傍ら、その後ろからTVP T 50/51が華麗な4連射でダメージを与えるという。まさに決勝戦というに相応しい見応えのある戦いだった。
8戦目:GALLERIA 対 Wargaming Alliance
優勝したGALLERIAチームが最後に挑むのは、Wargaming.net内のガチ勢で編成されたWargaming Allianceチームだ。Wargaming Allianceチームリーダー(Jay Yang氏)が日本語で“ヤサシクシテネ”とお願いするシーンもみられた。
だがそんなお願いなんてブラフに決まってる! 第1試合から流れはWargaming Allianceのものだった。7戦目と違い両者積極的に市街地へとなだれ込み、速攻で砲撃戦が展開される。GALLEIAチームの思考の流れの裏を読むように、Wargaming Allianceが動き勝利。続く第2試合もGALLERIAチームが市街地中央部で戦う一方、マップ全体に展開するWargaming Allianceチームが冷静に包囲戦を展開、そのまま勝利を収めた。
共に忙しい社会人プレーヤーを中心に編成されたチームだが、後半ではプロゲーマーのような見ごたえのあるバトルが展開された。不断の努力によって見事2連覇を勝ち取ったGALLERIAチームには最大限の惨事を贈りたい。優勝後の挨拶で「これでどこの推奨PCを買うのがいいか分かったかと思います」という挑戦的な発言も、勝者なら許される。筆者の色物オッサンチームは初戦で敗退してしまったが、次回の対抗戦ではこの雪辱を果たすべくこれから鍛錬に励みたい(励めるといいな……)。