インタビュー
原作ファンに向けた新要素が満載! 「進撃の巨人2」開発者インタビュー
国内ではSteam版が初登場
2017年9月23日 18:20
コーエーテクモゲームスが2018年初頭に発売を予定している、プレイステーション 4/PlayStation Vita/Nintendo Switch/Steam(Windows)用タクティカルハンティングアクション「進撃の巨人2」。東京ゲームショウ2017の同社ブースにて開催されたステージイベントで、ゲーム内容やプラットフォームなどいくつかの要素が発表された。
今回は東京ゲームショウ2017の会場にて、開発者から本作に関するより詳しい話を聞くことができた。お話しいただいたのは、コーエーテクモゲームス代表取締役社長で、本作のプロデューサーを務める鯉沼久史氏と、ディレクターの鈴木英生氏。
簡単操作は残しつつ幅広いアクションの実現を目指す
――立体機動アクションがより多彩になり、巨人の動きが進化して戦闘がより奥深くなったということですが、前作からどのように進化させようと考えたのですか?
鯉沼氏:前作で最も苦労したのは、立体機動アクションの実現化でした。ゲームユーザーよりもアニメファンに向けて作ろうということでしたが、そうなるとアクションゲームが苦手な方も多いと思い、誰でも遊べるアクションゲームにしようと考えました。前作は移動するだけで気持ちいいというものを作ったので、巨人との戦いでは駆け引きより気持ちよく倒せればいいという形で作っています。
ただやり過ぎたところもあって、「もう少し強い巨人が欲しい」、「歯ごたえが欲しい」といった声が寄せられました。そこで今回はリアルな「進撃の巨人」の世界を再現し、現実に近づけようというところを目標に置いて、立体機動の手触りを調整しています。
鈴木氏:操作も一部変わっています。ただ前作を遊んでいただいた方に戸惑いのない形で調整しています。
――操作が増えたり複雑になったりしているのですか?
鈴木氏:シンプルに遊べるという点は前作でも評価された部分ですので、そこはキープしています。ボタンがいろいろ使えるというよりは、巨人と戦う上でこういう時はこの操作が適しているだろうという方向で調整しています。難しくはならないのでご安心ください。
――簡単な操作は活かしたままで、いろいろなことができるようになる、というわけですね。具体的にどういう感じになるのでしょうか?
鈴木氏:画像で見ていただくと少しわかりますが、原作コミックやアニメで出てくるようなアクションについて、プレーヤーの手で操作して出せるというところは目指しています。
――巨人の動きは賢くなるというイメージでいいのでしょうか?
鈴木氏:AIにも手を入れているので、前作より歯ごたえがあるのは間違いないです。ただ、そもそも巨人自体が一直線に突っ走ってくるような挙動で、頭がいいという設定ではないので、そういった巨人ならではの動きは残しつつも、前作より歯ごたえのある形で再現しようと思っています。
鯉沼氏:アニメだとこういう動きで巨人を倒すよね、というものが見えるイメージです。今回は巨人にも様々なリアクションを入れています。前作は巨人がただ居るだけになっていましたが、今回は覗き込む巨人や、四つん這いになるなど、原作でも衝撃的なシーンを再現できるようにしました。強化したというより、巨人をより巨人らしくしたという感じです。
鈴木氏:必然的に、そういうシチュエーションを作ることで戦い方も変わっていくので、前作よりも確実に奥深さが出てきます。
――この画面(右上画像)で、これがプレーヤーだとしたら、絶望的な状況ですよね(笑)。
鈴木氏:ここはまさに巨人に囲まれて覗き込まれている状況ですので、プレーヤーはここからどうするのか、という選択肢を用意しています。
――うまくやれば、ちゃんと後ろに回って首を切ったりもできると。
鯉沼氏:立ち向かうのか、逃げるのかという選択もあります。そこはプレーヤーのスキルの違いによって判断を変えていただければいいと思います。
鈴木氏:得意ではない方にも安全策を用意していますので、それを用いて倒していただけます。
プレーヤーキャラクターを大幅増。エレン以外の巨人は……
――ストーリー展開はどうなりますか?
鯉沼氏:基本はテレビアニメのSeason 2を再現しています。前作もそうですが、アニメのストーリーが終わってもゲーム的に終わりにならないので、ゲームならではのストーリーを入れてゲームとして完結させるようにはしています。
――それまでに関しては、原作の最初から物語をたどっていくのですか?
鈴木氏:ストーリーの導入部分の詳細はまだ明かせませんがSeason 2がメインになるとお考え下さい。
鯉沼氏:Season 1からスタートすると前作と同じ展開になるので、うまく工夫したいと思います。
――登場キャラクターが追加されるということですが、Season 2で登場したキャラクターも出てくるのですか?
鈴木氏:はい、もちろんです。
鯉沼氏:みんな立体機動なのでプレイ感は同じなのですが、それでもキャラクターを増やして欲しいという要望は確かにありました。
――原作のファンの方は、特別に思い入れのあるキャラクターを持っている方が多いですからね。
鈴木氏:そうなんです。今回は可能な限り皆様のご要望にお応えできるよう、キャラクターを選択しています。
――テレビアニメのSeason 2になると、扱いが難しくなるキャラクターもいますよね。例えばベルトルトなどはどうなるのでしょうか。
鈴木氏:そこは今ははっきりとは言えませんが、期待に応えるというところで進めています。
――エレン以外の、巨人に変身するキャラクターも登場しますか?
鈴木氏:もしそのキャラクターがプレーヤーキャラクターとして登場するなら、巨人に関してもサポートすることになろうかと思います。
コミックやアニメでは見られないキャラクターの新たな一面も?
――原作キャラクターと交流できるということですが、どのように交流できるのでしょうか?
鯉沼氏:前作はキャンプがあり、そこで一応会話ができたのですが、どちらかと言うとストーリーを進めるための会話になっていて、交流には至りませんでした。「進撃の巨人」はキャラクターの人気がとても高いですから、いろいろなキャラクターとコミュニケーションが取れるように強化しています。
――サブストーリーが展開するような形ですか?
鈴木氏:原作キャラクターに即したサイドストーリーのようなものを考えています。原作者の諫山先生や講談社の方に監修をお願いしながら進めています。
鯉沼氏:ゲームに収録されるストーリーは全て監修を受けていますので、原作のファンの方々も安心してお待ちいただきたいですね。
――ゲームオリジナルであっても、原作との齟齬などがないような形で入れ込んでいくわけですか。すると原作やアニメでは見られない、キャラクターの新たな姿が見られそうですね。
鯉沼氏:コミックやアニメにはない、ゲームならではのものが入っていますので、ファンの方には楽しみにしていただきたいです。
――特殊なことをすることなく、普通にゲームを進めていくだけで、それらのシーンが見られるのですか?
鈴木氏:少々の寄り道は要るかもしれません。中にはシークレット的なものも用意するつもりです。
鯉沼氏:逆に面倒な方は、交流をスルーしてクリアできるようにはしてあります。ただ、あまりコミュニケーションを取らない人は、ゲームがうまくないとクリアできないかもしれません。
――ゲーム的なメリットもあるわけですか。
鯉沼氏:交流してもらった方が、自分がより強くなるというイメージです。そこは今回のキーになるポイントですね。詳細はまだお話しできませんが。
――リヴァイに話しかけるといろいろ教えてくれて、斬るのが上手になるという展開なんかは面白そうですね。
鈴木氏:そんな展開もあるかもしれません(笑)。
鯉沼氏:ファンの方が楽しめるものにはなっていると思います。
――それ以外にもまだ表に出ていない要素がいくつかあるそうですが。
鯉沼氏:まだ最終決定していない仕様もありますので……。
――そうなんですか。発売まではもう半年ないくらいですよね?
鯉沼氏:半年、あるかないか微妙なタイミングですね。まだ時間はあるので大丈夫です(笑)。
4プラットフォームにマルチ展開。国内では新たにSteamでも配信
――今回はプラットフォームにSteamが含まれました。国内では珍しいですね。
鯉沼氏:今回はワールドワイドで同時発売を目指して作っています。海外では前作もSteamで出していましたから、むしろなぜ国内で出さないのか? という話で。元々マルチプラットフォーム戦略を掲げていますし、Steamユーザーは国内にも増えていると思っていますし、より多くの方々にも遊べる機会をお届けしたいと思っています。
――Steam版は(多のプラットフォームバンと比べ)画質が1番よかったりしますか?
鈴木氏:最先端のグラフィックスカードが搭載されているPCでしたら、いい環境といいグラフィックスでプレイできるような形で実装しようと思っています。画質変更の設定は入れるつもりでいます。
――Nintendo Switch版は今回からの対応ですが、プラットフォーム独自の機能が入る予定はありますか?
鈴木氏:現状ではまだ検討中です。
――では最後に、発売を待っているファンの方にメッセージをお願いします。
鯉沼氏:夏にドイツで開催されたGamescomでタイトル発表をさせていただいて、今回こういった形で国内でも開発状況を説明させていただきました。来年の早い時期に発売したいと思っていますので、今しばらくお待ちいただければと思います。
鈴木氏:今回新たに情報を出させていただきました。開発は試行錯誤しながら試しているところですが、前作をプレイされた方もまた楽しめるものを目指しておりますので、楽しみにお待ちください。
――ありがとうございました。
原作/諫山創「進撃の巨人」(講談社刊)
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