インタビュー

ファンが待ちかねたあの「シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー」について開発者が語る

インターグローブースではプレイアブルも出展

9月21日~24日 開催

会場:幕張メッセ

 インターグローから2018年春の発売が予定されているプレイステーション 4/Nintendo Switch用アクション「シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー」。東京ゲームショウ2017のインターグローブースでは試遊台も置かれており、ビジネスデイの初日からかなりの人が訪れている。今回の東京ゲームショウ2017に合わせて、開発元のウェイフォワードでクリエイティブディレクターを務めるマット・ボゾン氏とエリン・ボゾン氏が来日。2年前の「シャンティ -海賊の呪い-」に引き続きインタビューをしたのでお届けしよう。

ウェイフォワードのマット・ボゾン氏(左)とエリン・ボゾン氏(右)
【シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー アルティメットエディション TGSトレーラー】

3Dモデルで作られた「シャンティ」

――開発の経緯からお聞かせいただけますか?

マット氏:実は7年前からのアイディアで、「盗賊の呪い」を始める前から考えていました。そして2DとHDとをテーマにして作りたかったんです。「シャンティ -海賊の呪い-」の開発途中にKickstarterを始めました。そこでファンの方が「このゲームがほしい」とおっしゃってくれたことで、「海賊の呪い」が終わったすぐあとに開発を始めました。

 実は開発が始まったのが遅かったですが、ビジュアルデザインはプレイステーション 3とWiiで始めました。ゲームエンジンは「ダックテイルズ」と同じです。

――もともと3Dモデルで製作することは決まっていたのですか

マット氏:全部2Dにするのか、キャラクターだけ3Dにするのか、背景だけ3Dにするのか考えていたのですが、やはり「ダックテイルズ」の時と同じように3D環境で作る方が速いと思ったのでそれで作りました。

――今回のストーリーについて教えていただけますか?

マット氏:今回の「シャンティ」はシリーズのリブートとして、新しい冒険が用意されています。シャンティが主人公として悪役から町を守るわけですが、それぞれの章で新しい悪役が出ます。各章は全部つながっていて、最後にリスキー・ブーツが関わっているのですが、詳しくはお楽しみということにしてください。

 ストーリーの中では、シャンティがおじいさんを手伝って「ダイナモ」というマシンを作っています。悪役を倒すと、このダイナモの新しいパーツがもらえますが、最後には大変なことがあって……それもお楽しみということで。

 今回はちょっと珍しくて、リスキー・ブーツモードがあり、悪役を演じることができます。シャンティが善のために使いたいダイナモを悪のために使うことが可能です。友達でプレイできるモードがあるのですが、ボロやスカイ、ロッティトップスでプレイできます。その時はシャンティを手伝って、悪役から町を守ることもできます。

 今作では、さまざまなDLCが出てきますが、それぞれに新しいゲームレベルデザインがあります。新しいレベルや新しい敵、未発表ですが新しい曲もあります。ですのでDLCをインストールすると楽しみが広がります。

――日本版は発売が遅れたことで、北米版で配信されているDLCも同梱されますね。

マット氏:日本語版ではDLCが全部入ります。今の北米・欧州版ではリスキー・ブーツの1つしかできませんが、10月にはフレンズモード、11月にはコスチュームモードが加わります。北米版で配信される最後のDLCまですべて、日本語版では楽しめます。お待たせして申し訳なかったので、日本版では1番いい、最善のバージョンでプレイできますので、楽しめると思いますよ。

――そのあともDLCの配信は続きますか?

マット氏:今はまだわかりません。DLCの量が多いですし、新作も出したいので、チームと会社に確認しないとなんとも言えないですね。

――シャンティはいろいろなものに変身できますよね

マット氏:日本のファンで「海賊の呪い」しか見ていない方には新しく見えるのかもしれませんね。オリジナルゲームでは象、サル、ハーピー、クモ、マーメイドのほか、ティンカーバットという敵キャラにも変身できました。

 ベリーダンスをすることで変身できますが、ほかの特殊能力として回復することができます。踊りが面白いから楽しめますよ。本作では先ほど挙げた生物のほか、全部で10種類用意されています。新しい生物の中にはクモの形をしていながら、頭が女性というものや、ログフィッシュというちょっと気持ち悪い魚と、木の形をした女性に変身できます。変身するクリーチャーの中にはあまり使い道のないものもありますが、ファンが楽しんでくれればと思っています。

 今回はKickstarterのバッカーたちをNPCキャラクターにもしました。キャラクターごとに物語を考えながら、ゲームの雰囲気に合わせてあります。またファンのアイディアを元に、5人くらいの悪役を入れています。スライムガールというキャラクターは「Undertale」のデザイナーであるテミーが作っています。ファンのアイディアからスライムガールが生まれて、テミーがアニメーションを作り上げました。シャンティの攻撃の動きなどは「スカルガールズ」のマリオが作りました。

エリン氏:今までシャンティとリスキー・ブーツの声をクリスティナ・ヴィーという声優が担当していましたが、新しいフレンズモードでは、名前は発表できませんがとても有名な声優さんをアテンドしています。ボロとスカイ、リスキー・ブーツの声を担当してもらいました。録音の時はとても楽しかったですよ。

――トレーラーにくさりにつながれた女性が登場するのですが、あのキャラクターは?

マット氏:大きなマーメイドですね。「ギガマーメイド」と呼んでいるのですが、あれは2Dに見えるようで実は3Dモデルなんです。インティ・クリエイツのイラストレーターであるコーさんが描いているのですが、それを当社のアニメーターがイラストに見えるようにモデリングしました。女性のアニメーターが作っています。くさりにとらわれているように見えるように。悪役がギガマーメイドを取ってしまったという設定です。

 物語は、ニセ人魚を作る工場があって、シャンティは悪役はマーメイドだと思って戦いに行きます。しかしマーメイドは悪役に取られてしまう。マーメイドの方もシャンティと戦いますが、最後にはシャンティが、悪役は誰なのかを見つけます。そして最後にはマーメイドも仲間になります。それと同時にギガマーメイドもサイズが小さくなります。

特別な思い入れで作ったNintendo Switch版

――Nintendo Switch版ではHD振動を生かしたイベントがあるそうですが

マット氏:メインとしては、踊るときにリズムに合わせてHD振動が起きることでしょうか。魔法の攻撃や普通の攻撃などでも起きますし、DLCで登場するキャラクターではまた違った振動になります。アメリカの方でも好評ですね。自分でもとても好きですね。Nintendo Switchは特別バージョンにしたかったので。

 任天堂とは歴史が長くて、ゲームボーイカラーの時からゲームを作っているわけです。新しいコンソールが出ると、ラブレターを書いているように新しいゲームを作ります。本当に任天堂が大好きなんです。

 Nintendo Switchを初めて見たときはなんてハードだと思いましたが、今では3台も持っています。娘は「スプラトゥーン2」を買いましたよ。Joy-conはとてもいいアイディアで、携帯できるし、友達ともプレイできるので、パーティーに持っていったり、昼ご飯の時に「ARMS」を友達とやっていたりします。

 「ARMS」は最近の中で1番良いゲームですね。「ゼルダの伝説」も大好きですが「ARMS」はちょっと違って、ちょっとだけ遊ぶこともできるし、友達ともプレイできる。「ゼルダ」は1人でじっくりとプレイするものですが、「ARMS」は家族と遊べます。

 ちょっとだけ気になったのが、1人1台になるのかなということですね。実際に買ったら自分1人の物にしたかったので(家族用も含め)3台買いました(笑)。

 Nintendo Switchはとてもすごいシステムですし、長く続くハードだと思います。何ができるかまだわかっていませんから。

――プレイする上でオススメのアイテムはありますか

マット氏:シャンティのゲームプレイはそれほど難しくないので、ストーリーが中心となります。ジェムがあれば無敵になれるアイテムや刀を使うアイテム、魔法を使うアイテムを手に入れられます。ただもう少し難しいモードも用意されています。

エリン氏:ハードコアモードがあって、ボスの場所が変わったり、レベルデザインも変えています。敵が登場する場所も違うので、レトロゲームのような難しさですね。時間をかけないとクリアできないという。

 もし早くプレイしたいなら、リスキーモードの方がいいですね。リスキーには海賊の帽子があって、それを使うと飛べます。Twitchにもリスキーモードを使っていかに早くクリアするかという実況プレイが上がっていますね。レビューでもリスキーはとても楽しいといっている人もいます。

マット氏:ジェムを攻撃すると、ハートや魔法など、もっと使えるアイテムにも替えられます。今回盛り込んだ新しい機能ですね。

――プレイアブルを出展されていますが、ユーザーの反応はいかがですか

マット氏:今回は見る機会がなかったのですが、E3やComicon、ロサンゼルスのAnime Expoでは反応を見ましたが、ファンの方はビジュアルに引かれているようですね。

エリン氏:私は実際にプレイしているところを見ましたが、Nintendo Switch版なので手元でプレイしている人が多かったように思います。皆さん楽しんでくれましたし、E3の時は「シャンティ」に詳しい人が遊んでくれたようで、「ロックマン」スタイルのプレイを楽しんでいました。

――ユーザーの比率はどのような感じなのでしょうか?

マット氏:アメリカではSteam、PS4、Wii U、PS Vita、Xbox Oneで出しました。普通なら任天堂ハードの方が多いですが、PCとPS4の方が多かった。これはびっくりしましたね。また驚いたのが、日本でXbox One版が売れたことですね。Xbox Oneのユーザーは、「シャンティ」のファンタ多いのでしょうか(笑)。

 ファンの中ではPS4版がいいと思っている人が多いようです。それはPS4のコントローラーが2Dコントロールに向いているからでしょうね。自分もNintendo Switch版が出るまではPS4でプレイしていました。ただやはりNintendo Switch版のHD振動が素晴らしいと思いますし、楽しいです。踊るときは向いている向きごとに左、右と変わるんですよ。

――最後に日本のファンに一言お願いします。

エリン氏:日本でリリースできること、日本に来られることがとてもうれしいんです。日本のアニメのファンですし、お店に行ったときに「シャンティ」のフィギュアが売り切れていてすごく驚きました。気に入ってくれてありがとうございます、というところでしょうか。自分も日本のファンだからこういうゲームが作れたし、日本にありがとうと言いたいです。

マット氏:最後にいいたいのは、日本のファンが大好きということです。もっと日本のファンの声が聞きたいし、アートももっと見たいし、コスプレももっと見たい。PixivやTwitterなどで検索してますので。日本のコメントがあれば翻訳して見ていますし。もっと声をかけてください。「#Shantae」でつぶやきましょう! 当社のTwitterに声をかけてくれてもいいし、私のでもいいです。全部見ています。リツイートもしますのでぜひお願いします。

――ありがとうございました!