インタビュー

ようやく“卒業”できる「仁王」。最後の詰めはこれから!

早矢仕洋介氏「“納得のいく死に方”をお届けします」

「仁王」ディレクター 早矢仕洋介氏
9月15日~18日 開催

会場:幕張メッセ

入場料:一般前売券 1,000円(税込)

一般当日券 1,200円(税込)
小学生以下無料

 コーエーテクモゲームスが発売するプレイステーション 4の大作「仁王」が、10年の時を経て2017年2月9日に発売される。東京ゲームショウ2016の
「仁王」ステージイベントについてはすでにお伝えしたが、改めて本作のディレクターである早矢仕洋介氏に話を聞くことができたので、そのインタビューをお届けしよう。

――10年かかった作品がいよいよ完成に向かっていますね。

早矢仕氏:携わったのは2回目のバージョンからですが、形にはなっていたんですが、「何かおもしろくないよね」と。鯉沼が(注:本作プロデューサーの鯉沼久史氏)作っていた1回目もそうだったんですが、なんかこう、面白さが足りないねという感じだったんです。

 今の「仁王」は、皆さんにお届けする前のプロト版の段階で「こう作っていこう」と、シブサワ・コウも鯉沼も「これは行ける」というような手応えを感じて進めています。それからは開発も順調ですし、社内みんなでこれを面白くしよう、お届けしようと一丸となってやっている感じはしますね。

――できるという手応えを感じたのはいつ頃からですか

早矢仕氏:1年半くらい前ですかね。プロト版が出来上がったときに「これは行けそうだ」となって、シブサワ・コウが「そろそろ発表です」と言ってみたり、去年の「PlayStation Press Conference」で発表させていただいて、そこからα体験版、β体験版とやってきて、ここまで来たなと思っています。

 α体験版、β体験版を出したのは、よりいいゲームにしたいという開発者目線もありますし、10年間、「仁王」というタイトルをゲームファンの皆さんが語り続けてくれていました。これはお届けしなければいけないというのはあったし、待っていただいているお客さんに途中の段階で触れてもらい、ご意見をいただいて一緒に作っていこうというのは、3回目が始動したときにシブサワ・コウや鯉沼と話していたので。そうやって作っていきましょうということで、ここまで来ました。

 「仁王」自体は完全に新規のゲームですので、我々自身もこれでいいのかなと迷うこともあったりしますが、ここはいいけれどここは変えてくれというご意見を率直にいただけているので、よかったと思ってもらった部分と、しっかりとお客さんの意見を聞いて対応していかなければならないという部分がはっきりと見えています。ですので、開発のスタッフは迷わずにこの方向性でやっていこうと、力強く進んでいます。

【スクリーンショット】

――かなり難易度が高いゲームですよね。これは狙って作られたのでしょうか

早矢仕氏:そもそも「仁王」のコンセプトとして、金髪碧眼の人が日本に渡ってきてサムライとして目覚めるというのがあったのですが、サムライの魅力って、刀での戦いだと思うのです。中でもじりじりとした緊張感が魅力だろうと。その緊張感を生むためには“死にゲー”としての、自分がやられてしまうかもしれないという緊迫感はどうしても必要だと思っていました。ですので最初から“死にゲー”というコンセプトにしました。そうでないと、難しいから易しくしてくれという意見が出てしまう。それでは「仁王」としての魅力、サムライゲームとしての魅力がなくなってしまうのではないか。そこはしっかりと、手応えのあるゲームというコンセプトにさせてもらっています。

 「仁王」はアクションRPGですので、自分のレベルを上げたり、いい武器を手に入れることで自分の能力を上げることはできますから、自分の腕だけに頼ったゲームではありません。何回もやられてしまうかもしれませんが、諦めないでチャレンジすれば先に進めると思います。あとはオンラインに対応していますので、オンラインで協力してもらうこともできます。そうやってオンラインの誰かに助けてもらうのも「仁王」の楽しみ方の1つだと思います。難しいと思って尻込みしないでやってもらうと、意外と楽しめると思いますよ。オンラインでは知らない人とのマッチングもできますし、フレンド同士でのプレイも可能です。

【スクリーンショット】

――東京ゲームショウ2016で発表されたプレイアブルで、注目するポイントはありますか?

早矢仕氏:α体験版、β体験版を遊んでいただいている方は、若干ですが意見を反映させている部分もありますし、新しいステージ、新しいボスですので、自分の腕試しみたいな感じで体験してもらいたいですね。今まで体験版で遊んでいただいていない方は、これまでのご意見を反映しているバージョンですので、今回の試遊の時間ではクリアできないと思いますけど、死にゲーってこういうものなんだ、「仁王」ってこういうものなんだというのは感じていただけると思っていますので、是非体験してほしいですね。

――登場キャラクターとして家康とお勝が公表されましたが、ストーリーにどう絡んでくるのでしょうか?

早矢仕氏:10年間変わらないコンセプトに、ウィリアム・アダムスが日本に来てサムライとして目覚めるというものがあります。いろいろな人、武将との出会いがあるんです。それで自分がサムライに目覚めていくという話が根幹にありまして、戦国時代の有名な武将や城、合戦がいっぱい出てきます。そのあたりは今後の情報を楽しみにしてもらいたいですね。

――「血刀塚」には今回「森蘭丸」が配置されていますね

早矢仕氏:これはα体験版、β体験版の時には「シブサワ・コウ」がいたり、ネタになっている感じもしますが……。そこは挑戦してもしなくても、プレーヤーさんの自由になっていて、だからこそチャレンジングなキャラクターが置いてあったりします。腕に自信のあるプレーヤーの方は普通に進めるだけでなく挑戦してもらうと、よりいいアイテムが手に入ることもありますので。ゲームとしての攻略の幅はご用意しています。

――今回のプレイアブルでも、ラスボスよりも森蘭丸に皆さんチャレンジしていました。

早矢仕氏:それも「仁王」の楽しみ方の1つですよね(笑)。

――あとはTGS2016のステージイベントで「セクシーな一反木綿」が紹介されましたが、Team NINJAとしてはほかにもセクシーキャラが用意されているのでしょうか

早矢仕氏:うーん(笑)。「仁王」には「仁王」のコンセプトがあるので、必要以上にそちら(セクシー)に振る気はないです。妖怪の中にはこういうのが一個いてもいいよね、というのが一反木綿だったりしますし。また今回、お勝には武井咲さんをアテンドしてますが、かなりきれいにできていますので、そこはゲーム中も楽しみにしていただきたいですね。今回のトレーラーにも入っていますが。あれはあれで現場が頑張ってくれていまして、すごい大変でした(笑)。あの方の魅力は単純な見た目だけでなく、いろいろな部分があると思うので、どうして魅力的に見えるのだろうというのを話し合いながら作ってここまで来たんです。でも、まだまだ製品まで時間があるので、もっと磨いていかなければという話にはなっています。

【スクリーンショット】

――発売日まではどのように進めていかれるのでしょうか?

早矢仕氏:β体験版でいただいたフィードバックをまずは対応していこうということですね。また本作は死にゲーですが、敵の攻撃力をわっと上げたらおもしろくなるということではありません。プレーヤーの皆さんが納得する難易度というか、納得して死んでもらえるゲームにするには近道がないんですね。AIをしっかり調整したりということが大事ですが、これからその詰めを行なっていく段階ですので、そこは皆さんの期待に応えられるように仕上げていこうと気合いを入れているところです。

――最後に読者の方にメッセージをお願いします。

早矢仕氏:やっと卒業式というか、発売日が決まりましたので、あとは完成してお届けするだけですので、楽しみに待っていてください。情報も随時出しますし、PlayStation祭にも参加しますので、全国の方にプレイアブルを体験していただきたいと思っています。あと、せっかくの卒業式ですので、何か盛り上がれることがないかな、と話しはしています。こちらも楽しみにしてください。