「ガールズ&パンツァー」好きなら「World of Tanks」に来い!

第9回:5万輌も作られた大ベストセラーよ!「M4シャーマン」を「WoT」で動かす

今回扱う車両:Tier5中戦車「M4 Sherman」

サンダース大学付属高校「M4シャーマン 75mm砲搭載型」。ケイらが搭乗
サンダース大学付属高校「M4A1シャーマン 76mm砲搭載型」。アリサが搭乗したフラッグ車

 アニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)とオンライン戦車アクションゲーム「World of Tanks」(以下、WoT)のコラボ連載。今回はサンダース大学付属高校が使用する戦車「M4シャーマン」をご紹介する。

 サンダース大学付属高校は、TVシリーズで描かれた戦車道の全国大会で大洗女子学園と1回戦で戦ったチーム。アメリカをモチーフにしており、資金豊富で設備も万全。「ガルパン劇場版」では、大洗女子学園の車輌を一時的に預かるというエピソードがあったが、大型輸送機を持っていて保管場所にも困らないからこそ受け入れられたのだろう。

 戦車は大量の「M4シャーマン」を所有しており、圧倒的な物量から優勝候補の一角と目されていた。ただ大会1回戦に出場できるのは最大10輌までという制限があったため、出場したのは「M4シャーマン 75mm砲搭載型」が8輌、「M4A1シャーマン 76mm砲搭載型」が1輌、「シャーマン・ファイアフライ」が1輌となっている。

 秋山優花里の偵察情報によると、サンダース大学付属高校のガレージには、75輌しか生産されなかった「M4A6シャーマン」もあった。「M4シャーマン」には他にも様々なバリエーションがあり、合計で5万輌近くも生産された。余談だが、東京ゲームショウ2016では「M4シャーマン」を題材にしたトークイベントが開かれ、多彩なバリエーションが紹介された。

 第二次世界大戦期のアメリカには、「M4シャーマン」の他にも「M26パーシング」など様々な車輌がある。しかしサンダース大学付属高校にはあえて大量の「M4シャーマン」を運用させることで、史実における「M4シャーマン」の存在感を示すとともに、物量で押すアメリカのイメージを強く見せたかったのだと思う。もっとも、「ガルパン劇場版」では大学選抜チームが大量の次世代主力戦車「M26パーシング」を運用しており、それを見たサンダース大学付属高校の生徒はどんな気分だったのだろうか……とも思う。

 さておき、今回はサンダース大学付属高校の主力戦車、「M4シャーマン」を「WoT」で見ていきたい。「M4A1シャーマン」は「WoT」では「M4シャーマン」と同一車輌(バリエーションの1つとして含む)扱いなので、合わせて見ていくことにする。

【サンダース大学付属高校】
ケイ(隊長、M4シャーマン)
アリサ(副隊長、M4A1シャーマン)

「M4シャーマン」こと「M4 Sherman」を「WoT」で入手

「M4 Sherman」はアメリカのTier5中戦車として登場する

 「M4シャーマン」は、「WoT」ではアメリカのTier5中戦車「M4 Sherman」として登場する。前回紹介した「M3中戦車リー」こと「M3 Lee」に続く中戦車で、入手ルートは1つのみとなる。

【ルート】
[Tier1軽戦車]T1 Cunningham / [Tier1中戦車]T22 Prototype → [Tier2中戦車]T2 Medium → [Tier3中戦車]M2 Medium → [Tier4中戦車]M3 Lee → [Tier5中戦車]M4 Sherman

 「M3 Lee」については前回紹介したとおり、「WoT」においては扱いが特殊な戦車となっており、運用がやや難しい。「M4シャーマン」の戦車砲は1門なので、「WoT」においてもオーソドックスな仕上がりの戦車になっている。とにかく「M3 Lee」を使って経験値を稼ぐしか入手方法はないので、心折れずに「M4 Sherman」に到達できることを願うばかりである。

「M4 Sherman」は「WoT」でも操縦が簡単?

「M4 Sherman」の初期パッケージ。こちらは75mm砲を搭載
「M4 Sherman」の「M4A1(76)Sherman」パッケージ。76mm砲を搭載する
装甲は砲塔部分が厚い。前面も傾斜装甲で数字以上に堅い

 「WoT」の「M4 Sherman」の外見は、車体表面に丸みがある鋳造車体となっていることから、「M4A1シャーマン」のものを採用している。無印の「M4シャーマン」は車体を溶接してあり角ばった部分が多く、見比べるとはっきりした違いがある。

 性能面では、「M3 Lee」と比べて装甲はさほど強化されていない。車体前面は51mm、側面と背面は38mm。前面は傾斜装甲で結構堅いが、それ以外は敵の砲撃を垂直に受けると格下の砲でも貫通される。砲塔部分は64mm、特に正面はさらに厚めの装甲になっているので、地形や障害物を使って砲塔だけ出して撃つのが極めて有効だ。

 最高速は時速48km、視認範囲は370mとかなり優秀。自分から撃つだけでなく、装甲の厚い砲塔だけを覗かせて敵をチラッと見るのにも向いている。

 「ガルパン」に登場する車輌を見ると、「M4シャーマン 75mm砲搭載型」は主砲に「75mm戦車砲 M3 L/40」を搭載している。プレイステーション 4版「WoT」のパッケージと見比べると、75mm砲を搭載するのは初期パッケージの「75mm Gun M3 L/37」のみとなる。これは「M3 Lee」に搭載されたものと同じだが、発射速度が低下しており、Tier5の砲としては物足りない。

 「M4A1シャーマン 76mm砲搭載型」では、主砲に「76.2mm戦車砲 M1 L/52」を搭載。PS4版「WoT」のパッケージには、「M4A1(76)Sherman」があり、主砲は「76mm Gun M1A1」となっている。砲身長もほぼ同じに見えるのと、エンジンも同型となるので、かなり再現性が高い。またこのパッケージは「M4 Sherman」の最終パッケージの1つであり、主砲の貫通力は128mm、ダメージ115と、高い貫通力で着実に敵を削れる砲となっている。

 「ガルパン」での戦いぶりを見ると、いくら撃っても全然当たっていないという感じもするのだが、「WoT」での砲の精度はそこまで悪くない。格別良好というほどでもないが、威力から考えれば、大洗女子学園の戦車が相手なら、75mm砲であっても楽に撃破できたはずだ。

 総合的に言って、これといった問題点はなく、しかし特別に秀でたものもない。砲撃でも偵察でも、何をやってもそれなりにこなせる、とにかくバランスのいい戦車だ。アリサが言う「バカでも乗れるくらい操縦が簡単」なところは、「WoT」でもよく再現されている。もっとも、大洗女子学園の戦車を1輌も撃破できなければ何の意味もないが(サンダース大学付属高校の撃破は全て「シャーマン・ファイアフライ」によるもの)。

鋳造車体でつるっとした見た目が特徴
砲塔は装甲が厚いので、地形を使ってうまく戦いたい

10.5cm榴弾も使用可能! 「IV号戦車」とどこが違う?

「M4A1(105)」パッケージ。主砲の105mm砲は徹甲弾が用意されていない
105mm砲は砲身がぐっと短くなるので見分けがつく
後に開発された「M26パーシング」と戦うのはかなり厳しい……

 「WoT」における「M4 Sherman」にはもう1つ強力な武器がある。最終パッケージとなる「M4A1(105)」に搭載される主砲は、「105mm SPH M4 L/23」。つまり10.5cm砲である。「WoT」で10.5cm砲と言えば、Tier4~5で大人気の10.5cm榴弾である。「105mm SPH M4 L/23」は徹甲弾が使えず、最初から榴弾しか搭載していない。威力はやはり格下なら1発撃破が狙える高火力である。

 高貫通力の76mm砲と、大威力の105mm砲というチョイスが可能なTier5中戦車……と言えば、思い出す戦車が1つある。連載第4回で紹介した「IV号戦車D型改(H型仕様)」こと「Pz.IV H」だ。平均的な車体性能を持つ点も共通しており、使用感はかなり近い。

 2つの戦車の違いとしては、「Pz.IV H」は車体前面の装甲が厚いが砲塔は薄めで、「M4 Sherman」はその逆。走行速度は「M4 Sherman」がやや勝り、砲の連射力では「Pz.IV H」が勝る。単純な撃ち合いになれば「Pz.IV H」が若干有利だが、ハルダウンなどを使えば「M4 Sherman」の分がいい。また「M4 Sherman」の方が砲の仰俯角が優秀だ。総合すると、横方向の動きになる市街地では「Pz.IV H」、上下動のある野戦なら「M4 Sherman」がやや有利といった印象だ。

 「ガルパン」での戦いを考えると、大会1回戦の時点で登場する大洗女子学園の戦車では「IV号戦車D型」の他に、「M3中戦車リー」こと「M3 Lee」、「III号突撃砲F型」こと「StuG III B」および「StuG III G」、「38(t)戦車B/C型」こと「Pz.38(t)」とマッチングする。いずれも同格か格下となるが、相手からの攻撃も貫通される。特に「StuG III」系の攻撃は大ダメージを受ける可能性が高く危険。「敵には三突がいると思うんですけど」というオッドボール三等軍曹の指摘には真摯に耳を傾けるべきだ。

 なお、「M26パーシング」は「WoT」ではTier8に登場するためマッチングしない。もし戦った場合、「M4 Sherman」の攻撃は側面などの弱点を狙わなければ貫通は難しく、相手の攻撃は角度を問わずほぼ貫通してくる。同国の後継車輌だけあって、世代の違いを感じる性能差である。

【「World of Tanks」「M4 Sherman」プレイ映像 - GAME Watch】

「105mm SPH M4 L/23」の単発威力はやはり魅力的
「76mm Gun M1A1」は高い貫通力で安定したダメージを望める

状況に応じてどんな役目も果たせる万能な戦車

ただ撃ち合うばかりが戦車戦ではない。味方のことを考えて動こう

 「M4 Sherman」は、ベストセラー戦車らしい汎用性の高さが最大の魅力だ。砲塔部分の装甲が厚い点も理にかなっており、全身を晒して真正面から撃ち合いさえしなければ、同格相手に後れを取ることは少ない。視界の広さを活かして偵察もできるので、格上の戦場に入れられても仕事ができる。

 10.5cm榴弾による大火力も備えているため、深く考えなくてもそれなりに運用できてしまうところはある。ただ火力ばかり見ないで、他の性能もきちんと理解して運用すれば、より活躍の場面は広がる。自分が何かをするより、状況に応じて味方の役に立つことを考えた時に、最大の力を発揮できる戦車だ。まさに「数は力」を体現する戦車なのである。

 汎用性が高いだけに、アイテムやパーツ、搭乗員スキルは個人の好みで選んでいい。おすすめは、偵察力と生存性の向上。「迷彩ネット」と「双眼鏡」の組み合わせで偵察力を上げておき、「偵察・状況判断力」でさらに偵察力をアップ、「第六感」で生存性も高めれば、格上戦場で仕事ができる。格下に対しては元々の砲撃力で十分対応できるので、隠蔽性を高めて先制攻撃するという意味で、上記のパーツや搭乗員スキルが活きてくる。

最前線で撃ち合う火力と、隠れて偵察できる視界を合わせ持つ。堅い敵は味方に任せて視界を取るのに専念し、自分で倒せる敵は狙っていく。その時々での状況判断が重要になる
パーツは「双眼鏡」が意外と相性がいい。軽戦車が居ない時などにはチームの目になろう
「第六感」スキルは常に重宝する。ただし習得にはしばらく訓練が必要になるので注意

 次回は大会準決勝の対戦相手、プラウダ高校の「T-34/85」を紹介する。アメリカの「M4シャーマン」が5万輌近い大ベストセラーなら、ソ連は「T-34」シリーズ合計で第二次世界大戦終結までに5万7千輌以上、戦後も含めれば8万輌以上生産されたと言われている。プラウダ高校の隊長カチューシャも乗るチームの主力戦車はどんな仕上がりなのか? 次回をお楽しみに。

(石田賀津男)