【第16幕】
Report / manga:ジョン・カミナリ
logo design:フランチェスコ・アッカッターティス

電遊。辞書に載っていない造語である。電気的な遊び。いわゆるテレビゲーム。道。その道を、自分の価値観だけを信じて最後まで歩むのが侍精神である。電遊道は、妥協を許さないサムライゲーマーが歩むべき道。他人に影響されることなく、自分のゲーマーとしての信念を貫き通せばいい。たとえ、ゲームが別の道に進んでも自分の好きな道をずっと信じ続けるのみ。たとえ、“これこそがゲームの未来形だ!”と言われても、自分の好きなゲームライフを思う存分楽しむのみ。

 この連載記事では、毎月1回、僕のゲーマーとしての物語、そしてゲーマーとしての哲学や信念を独特なスタイルで紹介していきたいと思う。日本のゲームに大きく影響を受けた僕のゲーマー人生を、イタリア人としての個性を生かして面白く語りたいと思う。あるときは、話題沸騰中のニュースについて掲載ギリギリのところまで正直な感想を書いたり、またあるときは、今でも心に大切にしまっている過去の作品を振り返ってみたいと思う。

 1番注目して欲しいのは、「イタヲタのレトロなゲームライフ」というコーナー。僕のオタクとしての青春を文章と漫画を交えて懐かしく振り返りたいと思う。連載の途中で新しいコーナーも生まれるのかもしれない。回を追う毎に中身が変わったり増えたりするのかもしれない。とにかく、サプライズたっぷりの連載を目指しているので、末永くこのページの中で付き合って欲しい!

ジョン・カミナリ(芸名)
国籍:イタリア 年齢:35歳
職業:俳優、声優、タレント、テレビゲーム評論家
趣味:テレビゲーム、映画鑑賞、読書(山田悠介)、カラオケ
主な出演作品:銀幕版スシ王子!(ペぺロンチーノ役、デビュー作)、大好き!五つ子(アンソニー・ジャクソン役)、侍戦隊シンケンジャー(リチャード・ブラウン役)、ピラメキーノ(テレビ東京、月曜~金曜 18時30分~19時放送中)
ブログ:ジョン・カミナリの、秘密の撮影日記
Twitter:http://twitter.com/John_Kaminari
 イタリアで6年間テレビゲーム雑誌の編集部員として働いたあと、新しい刺激を求めて2005年に大好きな日本へ。子供の頃から夢見ていた役者の仕事を本格的に始める。堤幸彦監督の「銀幕版スシ王子!」で個性的なマフィアのボス、ぺぺロンチーノを熱演。現在もTVドラマやTVゲームなどで、俳優・声優として活躍中。日本語を勉強し始めたのは23歳のとき。理由は「ファイナルファンタジーVII」や「ゼノギアス」などのRPGの文章を理解するため。好きなジャンルはRPGと音楽ゲーム。「リモココロン」のような個性的なゲームも大歓迎。お気に入りのゲームは「ゲームセンターCX」と「ワンダと巨像」。芸名はイタリア人の友達に、本人が雷のように予想不可能なタイミングで現われるからという理由で付けられた。将来の夢は、「侍戦隊シンケンジャー」に出演した時から大好きになった戦隊モノにまた出演すること



【もくじ】
一刀両断~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~
傑作の如く~期待している新作TOP5~
過去の宝物~こよなく愛した過去の思い出の作品をピックアップ!~
イタヲタのレトロなゲームライフ~ハプニング満載のオタク人生~



■ 一刀両断 ~話題のゲームニュースについて鋭くコメントしちゃうぞ!~

話題のニュースや注目のテーマをピックアップして僕の率直なコメントを載せたいと思う。また、現在のゲームが抱えている問題を解決するアイデアや提案も、このコーナーを通じて考えてみたいと思う。ゲーマーの皆が納得できる未来の為に!

其ノ一:イタリアでも話題沸騰中のPS Vita

僕も整理券をゲット。101人目だった。32ギガのメモリーカードは予約分のみだったので、購入できなかった

 2011年12月17日早朝、僕もヨドバシAKIBAの店頭に並んでいた。やはり、これからのゲーム市場を盛り上げるソニーの新携帯ゲーム機の発売を体験したかった。僕は本体(Wi-Fi版)と一緒に、メモリーカード(16ギガ)と、「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」(真かまいたちの夜)と「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」(アンチャーテッド)のゲームソフトを購入した。「真かまいたちの夜」はチュンソフトのサウンドノベルの大ファンだから、「アンチャーテッド」はPS Vitaの新機能をフル活用する大作だからというのが主な購入の動機だ。

 店を出たところで、取材開始。日本人の購入者にお願いして、購入したものを見せてもらった。もちろん、本体と一緒にゲームソフトが入ったケースも確認できたが、僕が呼び止めた購入者のほとんどは、本体とメモリーカード(32ギガ)だけを購入していた。そのお客さんたちは「これから家に帰って、PS Storeから好きなソフトをダウンロードします」と説明してくれた。

 やはり、PS Vitaの登場でゲームソフトの販売方式が、さらに変わっていくのではないだろうか。ダウンロード版はパッケージ版よりも安く箱がないので、保管場所も省ける。また、パッケージ版に取り扱い説明書が付いていないことを考えると、ダウンロード版を優先させたいというソニーの意図が感じられる。個人的には、本体のカードスロットに取り付けられた、少々取り外しにくい蓋が「メモリーカードを使ったら、もっと簡単よ!」と言わんばかりだ。僕も正直、パッケージ版に取り扱い説明書や特典が付かなくなったら、ダウンロード版のほうがいいかもしれないと思った。

 帰国後、イタリア人ゲーマーの印象はどうなのかと、ローマのゲームショップにも足を運んでみた。数は少なかった(3台)が、ローマにも日本版のPS Vitaは届いていた。しかし、その価格は信じられないものだった。本体(Wi-Fi版)、メモリーカード(16ギガ)、ゲームソフト(2つ)の3点セットで、899ユーロ(約9万円)で販売されていた。

 店長に、「さすがに高すぎるでしょう」と突っ込んでみると、彼は「フェラーリが新車を出すと、本当のファンはお金を惜しまないだろう。どうしても誰よりも早く、試したがるだろう。ちょうどクリスマスだし、自分への最高のご褒美になるだろう」。その話はこじつけだと感じながらも、妙に納得した自分もいた。確かに、2月22日にPS Vitaがイタリアでも発売される。それまで、3カ月ほどの差がある。この3カ月間で、日本版を購入したコアゲーマーは、みんなに自慢できるだろう。その気持ちを味わうためだけに、899ユーロを払った人もいたわけだ。ただ、1つだけ疑問がある。イタリアは今、不景気なのでは?


日本版のPS Vitaを入荷したゲームショップの店内。最近、日本版のソフトやゲーム機を入荷することは少なくなったが、PS Vitaのような新ハードが発売されると、必ず入荷するそうだゲームを遊ぶための必須アイテムであるメモリーカードも入荷。最も売れたソフトは、「アンチャーテッド」だったそうだ店頭には、2月22日に発売されるイタリア版「PS Vita」の予約を受け付けていることを告知するポスターが貼られていた

 2012年1月2日。休みの多い年末年始だからこそ、PS Vitaでゲームすることに集中できた。「真かまいたちの夜」のメインシナリオをクリアし、今、サブシナリオをプレイしている。

 発売前は、ジャイロセンサーによる探索パートが加わることでアドベンチャー要素が濃くなり、“サウンドノベルらしさ”が薄くなるのではないかと心配していた。しかし、ゲームの神髄は昔と変わらなかった。メインシナリオのストーリーは十分に楽しめたし、その後追加される選択肢で、コミカルさ抜群の「BINGO」というサブシナリオに辿り着くことができた。爆笑を誘うシチュエーションが満載で、メインシナリオとはまた違ったストーリーが楽しめるのが、本作の大きな魅力だ。連載記事を書き終えた後も、新しい選択肢を探し続ける。

 「アンチャーテッド」も6時間ほど遊んでみた。背面タッチパッドやタッチスクリーン、ジャイロセンサーなどのPS Vitaのすべての新機能を活用するので、どうしても、その正確さを確認したかった。一言でいうと、素晴らしい。例えば、主人公が岩壁をよじ登る場面では、指で道のりをなぞるとそのまま目的地まで登っていく。この感覚は病みつきになる。

 ちなみに従来の操作方法を好む人は、スティックによる操作もできる。「アンチャーテッド」の最も良いところは、あらゆるプレーヤーに合った操作方法が存在することだと思う。すべてのプレーヤーが、タッチスクリーンを好むとは限らない。例えば、ジャイロセンサーを使った銃撃戦では、照準を定めるために本体を左右に動かすか、それともスティックを使って動かすかという2つの選択肢がいつも用意されているのだ。


PS Storeでは既に幾つかの追加シナリオが配信されている。これからも新シナリオを配信して本作の可能性を広げて欲しい購入を検討中のユーザーは、PS Storeで配信中の体験版をダウンロードするべき。本作の快適な操作方法を十分に体感できる

 PS Vitaは、ソニーがこれまで発売してきたハードの中で、1番良いゲーム機だということをこの2週間で強く感じた。スマートフォンのような直感的な部分も持ち合わせているし、PS3並のグラフィックスクオリティーも実現している。操作方法も多種多様で、インターフェイスも綺麗で読みやすい。欠点を見つけるのは本当に難しい。そして、PSPより重いはずなのに、握ってみると、手の中で消えるかのような感覚を受ける。広告のイメージは大げさではなかった。PS Vitaは本当に透明であるかのようだ。しかし、そのパワフルさは明らか!PS Vitaのこれからに注目!!


(C)2012 Sony Computer Entertainment Inc. All Rights Reserved.
「真かまいたちの夜 11人目の訪問」
(C)2011 CHUNSOFT
「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」
(C)2011 Sony Computer Entertainment America LLC.

□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□チュンソフトのホームページ
http://www.chunsoft.jp/
□「PS Vita」のページ
http://www.jp.playstation.com/psvita/
□「真かまいたちの夜 11人目の訪問」のページ
http://shinkama.chunsoft.jp/
□「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」のページ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/uncharted/psvita/
□関連情報
【2011年12月22日】チュンソフト、PS3/PS Vita「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」
追加ダウンロードコンテンツ第1弾販売開始。ちょっとエッチなサイドシナリオも
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111222_501055.html
【2011年12月17日】PlayStation Vita ハードウェアレポート Part.1
いよいよ発売! 本体各部やメニュー&アプリの動作、ゲームプレイをチェック
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111217_499626.html
【2011年12月17日】「PlayStation Vita」ついに発売!! 同時発売ソフト特集!!
24タイトルを一挙に紹介。あなたはどれを選ぶ?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111217_499609.html




其ノ二:伝統と進化を見事に融合させた「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」

 社会人になると、必然的に長時間ゲームに没頭できる機会が減ってしまう。10時間働いた後、家に帰って、残された自由時間をゲームに費やすことになる。どのゲームにその2時間を捧げるか、僕はいつも自問自答している。もちろん、「ゼルダ」は何があっても、プレイしておきたいタイトルだ。だから、今、仕事の後の自由時間をWiiの新作「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」に捧げているのだ。

 欧米の雑誌では、手間のかかる操作方法などで賛否両論があったようだが、僕は、素晴らしいとしか言いようがない。確かに、10時間の仕事の後に、疲れた体で家に帰ったら、ボタン1つでプレイできるゲームを遊びたい気持ちになるのは自然だが、Wiiリモコンプラスのお陰で実現した、まさに剣を握っているかのようなリアルかつ正確な操作システムは、高く評価するべきだ。

 僕のこれまでのプレイ時間は40時間。ネタばれになるので詳細は伏せるが、新たに導入されたリンクの道具はどれも面白くて、それらを活用してフィールドやダンジョンの中のすべての宝を見つけるのに精いっぱい。特に夢中になったのは、フックビートルという道具だ。辿り着けない場所へ向かって飛ばし、Wiiリモコンを傾けながら操作する感覚が気持ち良すぎる。

 剣を使った新機能も盛り沢山。例えば、ダウジング機能を使えば、遠くにいるターゲットの方角を調べることができる。ターゲットの方角がわかったら、マップに「のろし」という目印を付けることができ、目標地点に水色の光の柱が現われる。あとは、その場所にリンクを向かわせるのみ。親切設計という言葉にぴったり当てはまると思う。

 さらに、ダンジョンやフィールドに設置されている鳥のモニュメントを使ってセーブできるようになったという点も大きな進化だろう。メニューを開いて、どこでもセーブできるほうが時代に合っているのではないかと言う意見もあるだろうが、やはり、それだと「ゼルダ」らしさが失われると思う。危険を感じたら、一旦敵から離れ鳥のモニュメントに向かうという過程が、「ゼルダ」を形作るゲーム性の貴重な要素の1つだと確信している。

 危機的な状況といえば、後半で体験する、リンクを成長させる試練がとても印象に残った。あのパートをプレイして思った。今回の「ゼルダ」は、サバイバルホラーゲーム並にスリル満点だ。冷や汗をかきながら、試練をクリアした。結局、30分ほどかかったが、それが終わった瞬間に、最高の達成感を味わった。本作を購入して、本当によかったと、任天堂に感謝の気持ちでいっぱいになった。

 ストーリーもわかりやすくて、いつもモチベーションが高く保たれる。たとえ、現在の目標を忘れたとしても、案内人役の「ファイ」が常に貴重な情報を提供してくれるので、迷うことはないだろう。ただし、謎解きに関するヒントはそれほど教えてくれないので、最終的にはプレーヤーが、自分で考えて道を切り開かなければならない。どうしても進めなくなった場合は、最終手段としてスカイロフトの剣道場の近くにある不思議な石を調べれば、ヒントを映像つきでわかりやすく教えてくれる。僕は何があっても使わないが……。

 「リンク」や「ゼルダ」はもちろんのこと、サブキャラクターも魅力に溢れている。「リンク」のライバル役として初登場した「バド」というキャラクターは本当に面白い。筋肉質の巨漢という設定なのに、性格は鈍感で泣き虫だ。これから、「ゼルダ」のスピンオフ的な作品で主人公として起用されることを願っている。


敵の武器を構える手を意識しながら、剣の動きや攻撃の向きを瞬時に定めなければならない。これこそが、新しい「ゼルダ」の醍醐味だと思う鳥に乗り、宝が隠された浮遊島を目指し大空を飛行するパートも爽快感抜群だダンジョンの奥に待ち受けるボスを攻略するには、各道具の活用がカギになる

(C)2011 Nintendo

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」のページ
http://www.nintendo.co.jp/wii/souj/
□関連情報
【2011年1月28日】Wiiゲームレビュー「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111226_501851.html




其ノ三:イタリア人も待ち望んでいた「FFXIII-2」がいよいよ発売!

ローマのゲームショップに飾られたポスター
町や会話が戻ってきた。良かったと思う自分もいるが、よく考えれば当たり前の要素だ

 様々な意味でファンの期待を裏切った「FFXIII」の続編が、2月3日にイタリアでも発売されることになった。ローマのゲームショップに飾られたポスターには、イタリアのゲーム雑誌のポジティブなコメントが並んでいる。

「ファンが待ち望んでいた『FF』が帰ってきた!」
「こんなに美しいコクーンは初めてだ」
「『FF』シリーズは、斬新なゲームシステムを迎えた」

 イタリアのゲームサイトのファーストインプレッション記事では、「NPCと会話ができる」、「町が帰ってきた!」のようなコメントが多かったという事実に気がついた。しかし、よく考えてみれば、NPCと会話ができ町が存在するということは、RPGというジャンルでは当たり前の要素と言えるだろう。前作ではその要素が薄かっただけに、その“カムバック”をアピールしたくなるのはわからないでもないが、レースゲームで車を運転できるという要素をアピールするのと同じようなものだろう。

 RPGというジャンルで世界的に確固たる知名度を誇るスクエ二のゲームでは、「NPCと会話ができる」という特徴をキャッチコピーにする必要はないだろう。前作のメインテーマは逃亡だったので、町に立ち止まるということは許されていなかったが、今回はテーマが違うので、NPCとの会話や町での散策がまた楽しめるようになった。

 本当のRPGファンは、「このRPGには町がある!」という理由で新作を購入するはずがない。RPGファンが見ているのは全体だ。バトルシステム、育成システム、サブクエスト、ストーリー、キャラクターデザイン、そのすべてを考慮した上で、新作RPGを購入するか決めるのではないだろうか。

 僕も「FFXIII-2」はすべての面において前作を越えていると思う。ロケーションもバラエティに富んでいるし、バトルシステムや成長システムにも磨きがかかった。個人的に、1つだけ必要ないと思っている要素が「QTE」だ。「QTE」が始まると、どうしてもアニメベースの格闘ゲームで遊んでいるという感覚に陥ってしまう。演出は派手で格好良かったが、僕はいつでも任意にコマンドを選びたいほうなので、どうしても馴染めなかった。

 次の「ファイナルファンタジー」は、やっぱり原点回帰を果たして欲しい。3DS用の「ブレイブリーデフォルト」のような、素朴で温もりのある世界観こそが、「ファイナルファンタジー」というブランドにぴったり当てはまるのではないだろうか。


(C)2011 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「ファイナルファンタジー」シリーズポータルサイト
http://www.finalfantasy.jp/
□「ファイナルファンタジーXIII-2」のページ
http://www.square-enix.co.jp/fabula/ff13-2/
□キャンペーンサイト「JUDGE13」のページ
http://www.ff13-2testplay.com/
□キャンペーンサイト「FINAL FANTASY おさらいXIII」
http://www.square-enix.co.jp/fabula/ff13-2/osarai13/
□関連情報
【2011年12月21日】スクエニ、Xbox 360「ファイナルファンタジーXIII-2」
マイクロソフトとのコラボDLCとしてXbox 360専用武器を配信決定!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111221_500672.html




■ 傑作の如く ~期待している新作TOP5~

僕が期待している発売前後の新作TOP5。さまざまな情報をもとに、各ゲームのシステムやグラフィックスといった要素の中で僕が魅力的に感じたところを紹介していく。必ずしもメジャーなタイトルではなくて、逆に注目して欲しいマイナーな作品をピックアップすることもある。

(C) 2012 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Developed by indieszero Co., Ltd.

1位:シアトリズム ファイナルファンタジー
   プラットフォーム:3DS
   ジャンル:シアターリズムアクション
   発売元:スクウェア・エニックス
   発売日:2月16日
   価格:6,090円
   CEROレーティング:A

 先日配信された体験版を遊びまくった。やはり、indieszeroという開発チームは天才的だ。「ファイナルファンタジー」シリーズの良さが、音楽ゲームに見事に凝縮されている。今回の体験版では、バトルテーマをプレイできたが、製品版ではRPGならではの育成要素なども楽しめるので、発売がさらに待ち遠しくなった!

□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□関連情報
【2011年12月27日】スクエニ、3DS「シアトリズム ファイナルファンタジー」
無料体験版をニンテンドーeショップにて配信開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111227_501945.html




(C)2011 Nintendo / コーエーテクモゲームス

2位:心霊カメラ ~憑いてる手帳~
   プラットフォーム:3DS
   ジャンル:ホラー
   発売元:任天堂
   発売日:1月12日
   価格:3,800円
   CEROレーティング:B
   プレイ人数:1人

 「零 ~zero~」シリーズの開発チームが、AR技術を活用した新感覚のホラーゲームを実現させた。3DS本体を心霊カメラに見立て、同梱のノートのページを映し出すことで現実世界と交差するストーリーが展開される。ポリゴンのキャラクターが、プレーヤーの隣に移るというコンセプトは、前例がないだろう。ゲームの文法を一新する任天堂の試みに脱帽!

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【2011年12月16日】任天堂、3DS「心霊カメラ ~憑いてる手帳~」
ARによる新たなスタイルのホラーゲーム
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111216_499021.html




(C)Sony Computer Entertainment Inc.

3位:GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂
   プラットフォーム:PS Vita
   ジャンル:重力アクション・アドベンチャー
   発売元:SCEJ
   発売日:2月9日
   価格:5,980円(パッケージ版)
      4,900円(ダウンロード版)
   CEROレーティング:C

 「サイレン」の外山圭一郎氏が生み出した新作は、PS Vitaのジャイロセンサーをフルに活用するアクションゲームだ。重力を操作できるようになった魅力的な主人公は、建物の壁を垂直に走ることもできる。落下する位置は、本体を動かして調整するが、もちろん従来のスティックによる操作方法も健在。誰もが納得するだろう。

□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□関連情報
【2011年12月21日】SCEJ、PS Vita「GRAVITY DAZE」体験版を12月27日より配信開始
PS Vitaのモーションセンサー機能を活かした、PS Vitaらしいタイトル
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111221_500637.html




(C)2012 Nintendo Codeveloped by Otodesigners co.,ltd.

4位:キキトリック
   プラットフォーム:Wii
   ジャンル:ききとりゲーム
   発売元:任天堂
   発売日:1月19日
   価格:5,800円
   CEROレーティング:A
   プレイ人数:1~4人

 2011年12月27日に行なわれた、ニンテンドーダイレクトでの岩田社長のプレゼンテーション動画を見て、「キキトリック」の魅力に圧倒された。音をヒントに遊ぶミニゲーム形式のバラエティゲームで、岩田社長の喜んでいる姿を見て、僕も絶対に遊びたいと思った。「メイドインワリオ」や「リズム天国」で体験したような“くだらなさ”がツボになりそう!

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□関連情報
【2011年12月27日】任天堂、岩田聡氏が最新情報をプレゼンする「ニンテンドーダイレクト」
3DS「ファイアーエムブレム 覚醒」が4月19日に発売!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111227_501955.html




(C)2012 CHUNSOFT

5位:極限脱出ADV 善人シボウデス
   プラットフォーム:PS Vita/3DS
   ジャンル:極限脱出アドベンチャー
   発売元:チュンソフト
   発売日:2月16日
   価格:各6,090円(PS Vita/3DS パッケージ版)
      未定(PS Vita ダウンロード版)
   CEROレーティング:C
   プレイ人数:1人

 「真かまいたちの夜」を発売したばかりのチュンソフトが、さらに強烈な内容のアドベンチャーゲームを世に送り出す。早速、体験版を遊んでみた。タッチスクリーンによる操作は快適で、謎解きパートもとても完成度が高く、全体的に良くなった印象を受けた。謎解きパートは、難易度によって内容が変わるようだ。

□チュンソフトのホームページ
http://www.chunsoft.jp/
□関連情報
【2011年12月27日】チュンソフト、PS Vita/3DS「極限脱出ADV 善人シボウデス」
PS Vita用の体験版を12月17日よりPSSにて配信
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111216_499397.html




■ 過去の宝物 ~こよなく愛した過去の思い出の作品をピックアップ!~

ゲームは技術的に進化する。グラフィックスが綺麗になる。ポリゴンの数が増える。ゲーム内の景色が実写と見間違えるほどリアルなものになってきている。しかし、時代が変わっても必ずしも進化しないものもある。それはゲームの面白さだ。昔のゲームはグラフィックスはシンプルだが、面白さでは今のゲームに負けていない。いや、それに勝る特別な何かを持っている作品もあると思う。秋葉原のゲームショップや家庭用ゲーム機のオンラインストアで安く購入できる過去の傑作は山ほどある。このコーナーでは、僕が愛した昔のゲームをピックアップしていきたいと思う。具体的なゲーム内容よりも、僕のその作品に対しての気持ちを伝えることができればと願っている。

【R-TYPE III】

プラットフォーム:スーパーファミコン
ジャンル:シューティング
発売元:アイレムソフトウェアエンジニアリング
発売日:  1993年(SFC版)
配信開始日:2006年12月26日(VC版)
価格:800Wiiポイント(VC版)


従来の「ラウンドフォース」に加え、「シャドーフォース」と「サイクロンフォース」が新たに追加された

 日本の2Dシューティングゲームをプレイした思い出は、常に僕の心の片隅にある。過去の記事にも書いたように、「グラディウス」や「パロディウス」など、KONAMIのシューティングゲームの大ファンだった。KONAMIの作品は、アクション性の高いタイトルが多く、いつもプレーヤーの反射神経を試していた。

 当時、KONAMIの作品と同じぐらい、愛したシューティングゲームシリーズがある。それは、アイレムの「R-TYPE」だ。コンセプトは、KONAMIの作品とは正反対のものだった。「グラディウス」とは異なり、ステージ展開が非常に遅く、自機をパワーアップすればするほど失敗する確率が上がっていた。つまり、作戦を練りながら慎重にプレイしなければならない、とても戦略性の高いシューティングゲームだった。

 個人的には、シリーズの全作品をプレイして欲しいと思っているが、今回ピックアップしたのは、スーパーファミコン用に制作された「R-TYPE III」だ。

 基本的なシステムは、前作とほぼ共通している。自機は、ゲージのエネルギーを溜めることによって、破壊力に優れた「波動砲」を発射することができる。これは、「フォース」という兵器と並び、「R-TYPE」シリーズを世界中で有名にした代表的な特徴だ。「フォース」は、自機の前か後ろに装着できる特殊装置で、敵のショットから自機を守ることもできるという、とても重要な役割を担っていた。

 状況によっては、「フォース」を前から後ろへと動かしたり、あるいは真正面の敵に向かって飛ばすといったアクションもできる。ちなみに、「R-TYPE」で初めて登場した「フォース」という概念は、ライバル社がインスピレーションを受け、他のシューティングゲームでも似たようなものが登場した。アイレムが、その独特なゲーム性を切り開いたパイオニアだったことを、絶対に忘れてはならないだろう。

 「R-TYPE III」では、ゲーム開始時に「ラウンドフォース」、「シャドーフォース」、「サイクロンフォース」の3種類の中からフォースを選択することができる。フォースによって武器の性能や攻撃パターンが違うので、少しずつ新しいスタイルに慣れる必要がある。


ファーストステージは、定番の宇宙を舞台に展開される。最初は無防備な状態だが、特殊な敵を倒すと「フォース」が現われ、取ると使えるようになる敵が真正面から攻撃を仕掛けてくるときは、「フォース」を前に装着するのが得策後ろに「フォース」を装着すると、武器の種類によって後ろの敵を攻撃できることもある。とても頼もしい存在だ

 また、波動砲の攻撃方法として「BEAM」と「HYPER」の2つのモードを切り替えることができる。それぞれ、「BEAM」モードでは障害物を通り抜ける「メガ波動砲」を放つことができ、「HYPER」モードでは「ハイパードライブ」状態になり波動砲を連射できるようになる。ただし、「ハイパードライブ」状態が終わると「HEAT(オーバーヒート状態)」になり、ゲージがしばらく使えなくなるというデメリットもある。


ゲージを2回分溜めると、モードに応じてより強力な波動砲が発射される。溜めるのに時間はかかるが、その破壊力は抜群だ「ハイパードライブ」状態になると波動砲を連射できるが、その後しばらくビームが使用不可能になるので注意が必要「R-TYPE III」のボスは非常に賢い。弱点を見つけるのが勝利への近道だ

 もう1つの見どころは、やはり、スーパーファミコンの特長といえるスプライトの拡大・縮小・回転を可能にした“モード7”によるスペシャルエフェクトだろう。特にファーストステージは、スプライトが拡大したり、回転するモード7パラダイスだ。

 現在では当たり前の演出かもしれないが、当時、ゲームセンターでしか見られなかったこのエフェクトを家庭用ゲーム機で実現させたのは、スーパーファミコンだけだった。多くのショットが重なる時の処理落ちは当時も少し気になったが、あのスペシャルエフェクトを見るためなら我慢できた。


ファーストステージでは、上下の壁が傾いたり回転したりすることもある。ゲーム性をより豊かなものにする個性的な演出だセカンドステージでは、天井から落ちてくる滴をかわしながら進まなければならない。自機の微調整が必要になる為、慣れるまでは、自機の速度が上昇するアイテム「スピードユニット」を取らないほうがいい自機は今、巨大な機械の中に挟まっている。一体どういう状態になっているのか、自分の目で確かめて欲しい!

 冒頭でも触れたように本作は、シューティングゲームというよりも、「タクティクスシューティング」と呼んだほうがいいかもしれない。ボタンを連射するだけでも、なんとかステージを突破できるというようなゲームではないことは確かだ。周囲の状況のあらゆる変化に対応しつつ進んでいく、戦略性の高いプレイを楽しめる。

 フォースの使い方次第で、ほぼ攻略不可能と思っていたあの場面も難なく突破できるようになり、無敵と思い込んでいたあのボスも簡単に倒せるようになる。「R-TYPE」は紛れもなく、頭脳派シューティングゲームというジャンルのリーダーだ。反射神経はもちろんのこと、脳細胞をフルに働かせるシューティングゲームでもある。もし、まだプレイしていないのであれば、是非、全シリーズを遊んでみて欲しい。


【グッジョブ!】【異議あり!】
戦略性が高いたまに処理落ちする
武器が個性的ステージ数が6つしかない
フォースの種類が選べる 
ステージ展開が絶妙 

(C) 1993 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC. All rights reserved.

□アイレムソフトウェアエンジニアリングのホームページ
http://www.irem.co.jp/
□VC版「R-TYPE III」のページ
http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_rt/




■ イタヲタのレトロなゲームライフ ~ハプニング満載のオタク人生~

僕のゲーマーとしての人生を懐かしさたっぷりで語っていきたい。毎回、特定の時代をセレクトして、自分の記憶への冒険をしたいと思う。最終的には1つのストーリーになる。僕というオタクのストーリー。僕という和ゲー好きゲーマーのストーリー。文章だけでなく、クライマックスのシーンをもっとダイレクトに伝える為に漫画も使うことにした。ちなみに漫画は、今イタリアで注目の若手漫画家に描いてもらった。とにかく、日本ではありえないシチュエーションについてたっぷり語っていくので、本当に面白いコーナーになると思うぞ!

今回の時代設定:1997年
イベント:日本の恋愛シミュレーションゲームと出会う!
ハプニング:家に誰もいないと思ったら、実は……

 僕の日本語は、日本文化会館の日本語講座と、日本版のRPGのおかげで上達していた。いつでも、ノートの白紙を初めて出会った漢字の書き練習で埋め尽くしていた。教師に漢字マニアと言われるほど、漢字のことを愛していた。

 僕の最愛のゲームジャンルはRPGだった。「ファイナルファンタジー」がきっかけで、プレイステーションやセガサターンのマイナーなRPG作品も買い集めるようになり、僕の秘密基地の本棚はイタリアでは珍しいゲーム箱でいっぱいになっていった。

 1997年。僕は22歳の誕生日を迎えた。エマちゃんなどのゲーム友達と、ゲームをやりながら過ごしたことをまだよく覚えている。当時の僕の恋人は、日本のゲームだった。

 イタリア人はプレイボーイと言われているが、僕は内気な性格だったので、異性とコミュニケーションをとるのはとても苦手だった。両親は僕のことを心配していたが、いつかゲームをやめて“普通の男性”になり、異性が気になり始めるだろうと願っていた。もちろんそれは、両親にとっての当然の気持ちだろうと僕もよくわかっていた。しかし、ガールフレンドが欲しくても、女性の前では顔が真っ赤になり一言も話せない自分がいた。

 その複雑な頃に、僕を虜にした新しいジャンルのゲームに出会ってしまった。それは恋愛シミュレーションだった。僕の2D美少女との出会いは、プレイステーション用のソフト「ときめきメモリアル」だった。もちろん、欧米版は発売されていないため、このゲームの良さを味わう唯一の手段は、日本語を勉強することだった。

 その頃、僕の漢字の知識は増えていた。ほぼ辞書を引かずに、ヒロインたちのセリフを理解できるようになっていた。スムーズにプレイできたから、日本語を勉強して本当によかったと、何とも言えない達成感を味わっていた。それと同時に、生身の女性と会話ができない自分を呪っていた。

 そして、少しずつ僕のお気に入りジャンルは、RPGから恋愛アドベンチャーへと変わっていった。「ときめきメモリアル」の続編はもちろん、個性的な美少女が登場するあらゆるゲームを積極的に購入するようになった。日本のゲームを扱っていたローマのゲームショップに、わざわざ頼んで仕入れてもらっていた。RPGの要素と恋愛ものを絶妙に融合させたセガサターン用の「サクラ大戦」シリーズも大好きになった。

 最初は純愛系のゲームを中心にプレイしていたが、セガサターン用にアレンジされた、パソコン出身の18禁恋愛シミュレーションにも興味を惹かれるように……。エルフ制作の「同級生」シリーズに出会った時、僕の2D美少女への愛情がさらに募った。妹が寝ていた隣の部屋に怪しい音が漏れないよう、いつもイヤフォンを付けてプレイしていた。

 昼間に遊ぶこともあったが、その場合、ゲームをスタートする前に家に誰もいないことを確認していた。しかし、いくら用心していても、このようなシチュエーションに発展することもあった。


当時夢中になっていた美少女アドベンチャーゲームを集めてみた。やはり、「YU-NO」は僕のハートの中で特別な位置を占めている

 「ときめきメモリアル」から「サクラ大戦」へ。そして、「同級生」から「慟哭」といったデータ・イーストのトラップアドベンチャーへ。23歳まで、家庭用ゲーム機用のあらゆる美少女アドベンチャーゲームをプレイしまくった。難しいセリフを理解するのに四苦八苦したが、その苦労があったからこそ、僕の日本語は確実に上達した。僕の最高の日本語教師は、日本の恋愛アドベンチャーの2D美少女だった。

 その中でも特に愛したのは、セガサターン用の「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」という作品だった。これも、元々PC用の18禁アドベンチャーで、セガサターン版はもちろん、エッチなシーンがカットされていた。とはいえ、魅力的な女性キャラクターとの会話は刺激的すぎていた。

 信じられないことに、「YU-NO」はローマの中心にあった。(前回の話に出た)ゲームポイントという店で偶然発見した。まさか頼まずに、日本のアドベンチャーゲームが入荷されるなんて、ショーウインドーに飾られているソフトを発見した瞬間、自分の目を疑った。「同級生」と同じメーカー、エルフの作品であることがわかった時、さらに盛り上がった。

 「YU-NO」は、今でもすごい価値を持った傑作だと思っている。エロ要素はもちろん売りの1つだったが、ミステリー要素が濃厚なゲームで、チュンソフトのサウンドノベルのように、真相に辿り着くには何回もゲームをクリアしなければならなかった。ストーリーに分岐点が沢山あり、毎回予想不可能な展開を見せていた。分岐点が確認できるシナリオのマップも付いていた。システム的にも非常によくできていた。たとえエロ要素がなくても、普通のアドベンチャーとしても楽しめる作品だった。実は、今も、「YU-NO」のリメイクが制作されることを願っている。

 そして、24歳の誕生日を迎えてから1カ月も経たない内に、奇跡が起きた。僕の人生を変えてくれた3D美少女と出会った。いや。生身の美少女と言ったほうがいいかな。あの日から僕の2D美少女への興味が、次第に減っていった。しかし、あの頃の寂しい自分を癒してくれた、日本の素敵な2D美少女に感謝している。いつまでも、いつまでも。





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(2012年1月13日)

[Reported by ジョン・カミナリ ]