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【魂レビュー】「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」、強さと怖さ、そして哀しさ……「カッコイイ」と心を動かされるポケモンフィギュア
2019年7月2日 11:02
【ライター:勝田哲也】
超合金と洋ゲーを愛するライター。現在予約を受け付けている「S.H.Figuarts カメックス -Arts Remix-」にも注目して欲しい。こちらも近日、担当者のこだわりポイントをお伝えしたい(絵:橘 梓乃)
今回取り上げるのは「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」である。本商品は2013年に発売された「D-Arts ミュウツー」のリニューアルである。7月12日公開予定の映画「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」に合わせ、さらにシャープに、よりカッコイイフィギュアとなって登場した。
ミュウツーはポケモンファンにとって特別な意味を持つポケモンである。単純にその強さだけでも充分印象的だし、映画「ミュウツーの逆襲」での、強く、怖く、そして哀しさを持ったミュウツーは多くの人に強い印象を残した。「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」はそのミュウツーを手の中で動かし、そして特にその“カッコよさ”を楽しめるフィギュアだ。その魅力に迫っていこう。
強く、恐ろしく、そしてカッコイイミュウツーを手の中で再現できる楽しさ
ミュウツーは、ゲームボーイの「ポケットモンスター赤・緑」から登場するポケモンだ。その強さはゲーム大会で使用禁止になるほど。プレーヤーの心を強く惹きつける存在だ。彼は「いでんしポケモン」であり、遺伝子を組み換えて人工で作り上げられたとされている。
この設定を掘り下げたのが「ポケットモンスター」の劇場アニメ第1弾「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」である。ここでミュウツーは自らの生まれを呪い、人間に復讐するためコピーポケモンを作り出す恐ろしい存在として描かれた。
戦いを望まぬポケモン達に無理矢理戦わせようとするその姿は非常に恐ろしく、そして戦うだけの存在として生み出されたミュウツーの“哀しさ”が映画を見た人達に強い印象を残した。この「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」は日本のみならず海外でも大きなヒットとなり、リメイクである「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」が7月12日に公開予定だ。ミュウツーは様々な意味で「ポケモン」ファンにとって特別な意味を持つ存在なのである。
強く、恐ろしく、哀しく、そして何より“カッコイイ”のがミュウツーなのだ。怖いけど、最強であり、カッコイイ。「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」はそのミュウツーが持つカッコ良さをきちんと再現しているフィギュアだ。やはりその最大の特徴は“目”にある。額に深いしわが浮かび、ぎゅっと寄せられた目、こちらを強くにらむ目は圧力を感じさせる。
この左側を強くにらむ目線を持った頭部は今回にあたりリニューアルされたものだ。頭部は交換が可能で正面を見たものも用意されているので、より多彩なシチュエーションが再現可能になった。面白いのは後頭部の管だろう。ミュウツーの、不思議な生き物っぽさを増してくれるデザインだが、頭の動きに合わせちゃんとこの管は頭部に引き込まれる。上を向く飛行ポーズも再現可能だ。
そして「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」の2つ目の大きな特徴がしっぽである。大きくて長いしっぽはミュウツーのデザインの大きなポイントだが、「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」では10以上の関節でフレキシブルに可動する。ミュウツーはその強力な超能力で常に浮遊しており、自由自在に空中を飛び回る。
しっぽの動きはこのミュウツーの飛翔感を再現できる。しっぽとスタンドを使うことで空を飛ぶ雰囲気で飾ることができる。フィギュアにはスタンドが1つついているが、2つ使うとさらに安定すると感じた。飛翔する雰囲気を再現するのは足の付け根の可動も効果的に働いてる。足の付け根が上下にスライドすることで、飛ぶときの身体にぴったりついた状態と、足を開いて踏ん張るような姿両方を再現できるのである。
「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」は“カッコイイミュウツーを手の中で遊べる楽しさ”が魅力だ。強力で威圧感のあるミュウツーをいかに再現するか、手を動かし、足を調整し、そして目線を活かしてポーズを調整する。力の入った、圧力を感じるようなミュウツーの視線を活かしてポーズをとっていく。しっぽの先まで、可動範囲の多さがこだわりを可能にしてくれる。
エフェクトパーツもセールスポイント。「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」ではエフェクトパーツの彩色をリニューアル。ポケモンのワザ「シャドーボール」をイメージし、恐ろしい雰囲気を持ったパーツとなっている。このパーツを接続できる手のパーツが用意されているので、こちらもカッコ良さを追求したポージングができる。
ミュウツーは様々な立体物が出ているが、「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」はミュウツーのカッコ良さを再現し、ユーザーの心を強く動かす魅力を持ったフィギュアだ。今回は企画担当者インタビューもしてみた。こちらも読んで、本商品の魅力を感じて欲しい。
ミュウツーのカッコ良さを追求! 担当者自身が欲しかった夢を実現
―― ミュウツーのこだわりのポイント、ユーザーに触ってもらって感じてもらいたいところはどこですか?
担当者: 過去に発売した「D-Arts ミュウツー」のリニューアル商品ですので、基本的な造形は変更していません。あくまで私の主観ですが、現存するミュウツーフィギュアで最もカッコいい造形だと思っています。
全体的に曲線的なデザインのポケモンなので、ラインのイメージは損ねないようにしつつも、要所要所で陰影など、立体になることを想定したメリハリを効かせています。アクションができることもさることながら、純粋に「ミュウツーのかっこいいフィギュア」として楽しんでいただける逸品になっています。
―― 映画やゲームのイメージで、個人的に持っているイメージ、その想いをどこに活かしましたか?
担当者: ミュウツーといえば、やはり劇場版「ミュウツーの逆襲」が印象的です。ミュウの遺伝子から人の手によって作られたポケモンという設定、自身の存在意義を問い、作った人間たちに逆襲する……というストーリーは改めて思えばディープなテーマな作品です。
今はミュウツーが登場する作品・タイトル・グッズ等々はたくさんありますが、S.H.Figuartsは、子供のころに「ミュウツーの逆襲」を観た世代の方に向けた商品ですので、パッケージなどの商品写真は影を強めに、クールな印象にしました。
―― リニューアルにあたりこだわった部分はどこですか?
担当者: リニューアルするにあたり、旧商品にはない魅力をぜひ入れたいと思いました。そこで今回は左向きの横目線の頭部を採用しました。このミュウツーは、特に立ち姿がかなりかっこよく決まる造形だと感じていたのですが、これがあると公式のイラストでも印象深い、片手を前に出し横目線で決めるポーズがバシっと決まります。
彩色の試作ができたときは、「欲しかったの、これ……!」と1人で静かにテンションが上がりました! これ以外にも、あれもこれも採用したいネタはあったのですが、まずは、よりたくさんの方にお届けしたい、という思いを第一に優先しまして手に取りやすい価格帯のボリューム感となっています。
―― ファンへのメッセージをお願いします。
担当者: 私個人としても、ミュウツーには非常に思い入れがありますので、かなりファン目線で改めて商品化できて嬉しいです。先日もポケモンセンターで購入していただいている方を見かけ、私と同じように思い入れがある方に手に取っていただけて大変嬉しく思います!
もちろん、「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観てミュウツーを好きになった方にも、ぜひ手にとっていただきたいです。
「S.H.Figuarts ミュウツー -Arts Remix-」は、カッコイイミュウツーをその手にできる楽しいアイテムである。怖いけど憧れを感じさせるポケモンを手の中でよりカッコ良くし、色々な角度から眺めさらなるカッコ良さを追求する。自分の中の想いをたっぷり注ぎ込めるアクションフィギュアだ。
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