素晴らしきかな魂アイテム
【魂レビュー】「S.H.Figuarts 毛利 蘭」、かわいらしさとアクションを両立できる“蘭姉ちゃん”だからこそのアクションフィギュア
2019年8月8日 19:32
【ライター:勝田哲也】
超合金と洋ゲーを愛するライター。実は先週「DX超合金VF-31E ジークフリード(チャック・マスタング機)」を購入してるのだが、しっかり遊べてない。こちらも早くレビューしたい(絵:橘 梓乃)
今回取り上げたいのは「S.H.Figuarts 毛利 蘭」。BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部フィギュアブランドで、アニメ「名探偵コナン」のヒロインが立体化されるのだ。「名探偵コナン」は漫画連載が始まったのが1994年、アニメ放映が1996年、20年以上も続く人気コンテンツのキャラクターが、今、アクションフィギュア化されるというのは興味深い。
また、毛利 蘭自身がとてもユニークで、アクションフィギュア向けのキャラクターなのである。彼女は高校生で、主人公コナンの本当の姿である工藤新一と両思いのヒロインであり、コナンに対してはお姉さんのように優しく面倒を見ているが、高い身体能力を持つ空手の達人でもある。その複雑なキャラクター性をアクションフィギュアでどう表現できるか? 「S.H.Figuarts 毛利 蘭」の魅力を紹介していきたい。
あの髪型はどう再現してるの? 色々気になる蘭姉ちゃんのフィギュア
リードでも書いたが、毛利 蘭はとてもユニークなキャラクターと言える。かわいらしく、美人で、やさしく、明るく……という典型的な美少女ヒロインの面を強く持ちながら、空手の達人であり、非常に高度なアクションをこなすこともある。空手の腕を活かした彼女向けの「アクションシーン」が用意されることも多くなった。
それでいながらどこにいるかわからない新一の身を案じるけなげな面、父である小五郎とのやりとりやコナンに対して姉のように接する一面など、様々な側面を持つ印象的なヒロインだ。大きな人気を誇る「名探偵コナン」の欠かせない主要キャラクターである。
その毛利 蘭がS.H.Figuartsブランドでフィギュア化される。その背景には「名探偵コナン」の大きな人気がある。20年以上も続くまさに国民的アニメであり、劇場版作品は大ヒットを記録し毎年興行成績上位、大人から子供まで幅広い世代から支持される人気コンテンツとなっている。「名探偵コナン」はアジア圏を中心に海外でも人気が高く、BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部は、日本のみならず世界のユーザーへ向けて、最新のアクションフィギュアの技術を活かして毛利 蘭を立体化したのである。
「S.H.Figuarts 毛利 蘭」は、細い手足、アニメそのままの表情を表現している。その中で注目なのが“服”の表現だ。高校の制服、短いスカート、柔らかなブレザーと、関節を持たせながらデザイン/シルエットをきちんと再現している。アクションフィギュアは、固定フィギュアと比べるとどうしても関節が目立ってしまうが、アウトラインとプロポーションをできるだけ壊さないようにしているのがわかる。
ブレザーの裾は軟質パーツになっており上半身を曲げても干渉しないようになっている。そしてスカートだ。スカートはいくつかのパーツに分解されている上に重ね合わされており、足を開いてスカートが広がっても切れ目がないようになっている。このため毛利 蘭の特徴の1つである「蹴り」のポーズを取らせてもスカートに切れ目が入らないのだ。
交換用表情パーツは全3種類。こちらも毛利 蘭らしいものが用意されている。「S.H.Figuarts 毛利 蘭」は鋭角的な髪型も表現している。他にも後ろ髪の広がりも見事だ。「S.H.Figuarts 毛利 蘭」は動かして楽しい、遊んで楽しいアイテムとなっているのである。
かわいらしい女の子のポーズと空手アクション、どちらも追求
そしてアクションである。……しかし、困ってしまったのは、毛利 蘭のポーズが浮かばないのだ。筆者はロボットや、ヒーローのフィギュアの撮影やポーズ付けはしている。変身ヒロインなどのフィギュアのポーズも撮ったことはある。
格闘シーンや見得を切るシーン、必殺技の発射ポーズなどそういったポーズ付けのノウハウはあるが、“かわいらしいポーズ”というのは未体験である。「蘭姉ちゃんらしいポーズは一体何だろう?」と言うことを考えてポーズ付けしてみた。
女性らしい姿、ポーズ、となると結構立っているポーズが多いかなと言うのが今回のポーズ付けのチョイスである。余り派手なポーズをとらせずに、かわいらしさを感じさせる角度などに工夫をしてみる。いざやってみると楽しいし、こういう派手ではない方向でのポーズ付けも楽しいな、というのがやってみた実感である。一方、空手のポーズはヒーローらしいノリでやってみた。改めて両方が楽しめる毛利 蘭というキャラクターは、アクションフィギュアという題材にぴったりだと感じた。
アクションフィギュアは原作を超えた遊びが楽しい。異なるヒーローを共闘させてみたり、武器を構えさせたり、他の商品と絡めるのも楽しい。キャラクター性の違うポーズをとらせるのも楽しい。「S.H.Figuarts 毛利 蘭」は学生鞄が欲しいと感じた。他にも本商品の場合は1/12相当の小物なら様々なものが活用できるだろう。
そしてS.H.Figuartsの「名探偵コナン」シリーズは終わらない。次は映画「名探偵コナン ゼロの執行人」でも大きくフォーカスされた安室透をモチーフとした「S.H.Figuarts 安室 透」の発売も予定されている。私立探偵である「安室 透」、黒ずくめの組織のメンバー「バーボン」と、公安警察ゼロ所属の「降谷 零」という“トリプルフェイス”を表情パーツで表現しているファン注目のアイテムだ。今後のシリーズ展開も注目したい。
「S.H.Figuarts 毛利 蘭」は、やはり多彩なキャラクター性を持つ毛利 蘭だからこそ楽しいフィギュアだ。様々なポーズで飾るのも、色んな商品と絡めるのも楽しいだろう。現時点で、毛利 蘭のこれだけ高いクオリティのアクションフィギュアはない。ぜひ手に取って欲しい。
(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996