山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第59回

TVドラマ「FFXIV 光のお父さん」を観て、お父さんゲーマーな友人に「ハードコアゲーマーでいろよ」と伝えた話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

MBS/TBSドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」、第1話がいよいよ放送されました!「バッチリ観たよ!」または「バッチリ録画済みです!」という人も多いのではないでしょうか。

TVドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、「ファイナルファンタジーXIV(以下、『FFXIV』)」での実話ベースなプレーヤーブログを実写TVドラマ化したという、

ゲーム好き&MMORPG経験者&「FF」好き&特に「FFXIV」好き……もろもろ注目のドラマです。

僕もTBSでの第1話放送をリアルタイムで観て、それからすぐさまこのコラムを書いているというところなのですが、

これがとっても良かったんですよ。

物語としては、

仕事やゲームに奮闘する主人公「稲葉光生」が、父である博太郎にオンラインゲーム「FFXIV」をプレゼント。これまで仕事一筋で60歳を超えている父親が、なぜ突然会社を辞めてしまったのか知りたい、父という人間の本当の姿を見てみたいという想いから、正体を隠したままに共に「FFXIV」をプレイしていく……というもの。

ひと昔前だと、父親がゲームってあんまり想像できないものだったのですが、今はだいぶ時代が変わった感じがありますね。

若い人と話すと結構昔のゲーム機で遊んでいる人も多くて、

「なんでそんな君が生まれる前のゲーム知ってるの?」

と聞くと、

「お父さんがやってたんですよー」みたいな話を聞くことがあります。

「元『鉄拳』プレーヤーだった父親にボコボコにされて、いつもドヤ顔されてました(笑)」なんていう友人(女性)もいたり。

そんな元ゲーマーなお父さんもどんどん増えているんでしょうし、そんなお父さん方は、父親定番の夢「いつか子供と一緒にお酒を飲みたい」と同じように、「「いつか子供と一緒にゲームをやりたい」というのが夢だったりするやもしれません。

僕はがっつり独身なので、まだその心境がリアルにはわかりませんが。残念ながら。

この「光のお父さん」のように……とまではいかずとも、親と一緒にゲームしたという経験のある人は昔よりずっと増えたんだと思います。

この「光のお父さん」の話は特にいいですよね。

僕もかつてGAME Watchにて「ファイナルファンタジーXI」の連載をしていた身でして、
(Pommですよ。ヴァナディールの皆様、お久しぶり!)

毎夜、仲間たちといろんなコンテンツに挑んでいましたが、きついシーンを乗り越えてたどり着いた先には、かけがえのない、日常では味わえないような記憶が生まれるんですよね。絆……でしょうか。MMORPGの醍醐味だと思います。

もし、その仲間の1人が父親だったとしたら……

それって、あまりゲームに馴染みのない人からすると、ちょっと変わったエピソードに聞こえるかもしれませんが、そのMMORPGならではの醍醐味を知っている人からすると、羨ましく思えるもので。

もちろん、うまく挫折せずにプレイできていければ……とかいう前提はあるとは思うのですが(それが1番難しいのかもしれないですけど)、もしそうして大きな達成感にまで共にたどり着けたら、それはもう他では味わえない大切な思い出になりそう。

ちなみに、ここ数年に父親になったばかりの僕の友人こと、子供に勧められるまでもなくゲームしまくりそうなゲームおじさんはこの「光のお父さん」の話題でFacebookに

「『僕のお父さんは、齢60を超える廃人だ。』って言われないように自制しなければ……」

なんて自粛気味なことを書いていたので、

「ハードコアゲーマーでいろよ、好きなことをやるのが1番大切だ」

ってコメントしておきました。久々にこのセリフを書きましたが(元ネタを知らないという人はググってみてください)。

上に書いたように、子供と一緒に長丁場な何かにがっつり挑んで乗り越えるなんて、ゲームだからこそできることだと思うんです。

ぜひ、格ゲーで父親の威厳を示したり、MMORPGで一緒に苦難を乗り越えて感動したり、そしていつか子供にゲームの腕で追い抜かれてしみじみしたり、父親ゲームおじさんならではの喜びを味わってもらいたいところです。

さてさて、ドラマ「光のお父さん」の話に戻りますが、

大きな特徴として、実写パートと「FFXIV」のゲーム内パートという、ゲーム画面もふんだんに織り交ぜていくというところがあるのですが、その織り交ぜ具合も自然。

お話の方も、なによりも実話に則した現実のプレーヤー目線なお話ですから、ゲーム好きでなくとも楽しめるぐらいにとっつきがいいのも良かったです。

ちなみに上にも書いたような「親にゲームをやらせてみたものの、あまり遊んでくれなかった」的なあるあるも、ちょっと匂わされている感じで。次週が気になるところ。

普段ほとんどテレビドラマを観なくなってしまった僕ですが、「光のお父さん」は欠かさずに観ようと思っています。

MBS、TBS以外にもネット配信では、Netflix(独占配信)で、4月20日より視聴できるようです。

興味がわいた人はぜひチェックしてみてください。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。