コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ

連載第20弾

「コール・オブ・クトゥルフ」で思い出したカタカナ英語問題。「ダイアブロ? デアブロ? ディァブロ?」。僕のカタカナ語が伝わらないのは何故なんだろう?

 日本語という言語が誇る漢字、平仮名、カタカナという3つの文字の中で、「外国人にとって一番学びやすいものはカタカナだろう」と思う日本人が多い。

 外来語も多く、発音が英語に近いから、という理屈だろう。でも逆に、近いからこそ、近いのに微妙に違うからこそ難しいんだ! カタカナ語を喋る時は、ついに英語のままで日本語となっていない発音となってしまうし、字を打つ場合でも難しい。漢字はちゃんと覚えていなくても漢字変換が助けてくれる。でもカタカナ変換機能はないから困るんだよね。

 実は、僕のカタカナ語があまりにも発音がダメで、今年の初めに渋谷のビックカメラでNintendo Switch版「ディアブロIII」の在庫の有無を店員さんに尋ねた時にあまりにも通じなくて久々に焦ったよ。タイトルがどうしても通じず、近くで買い物をしていた別のお客さんに「May I help you?」と助け船を出されてしまった! ありがたかったが、恥ずかしかった! なんてことだ! 僕は元ロックスターの社員なんだけど?

 ちなみに店員さんには「ダイアブロ?」、「デアブロ?」、「ディァブロ?」といったやりとりをお互いに繰り返してから、「ああ、なるほど、『ディアブロ』のことですね」とやっと理解してもらった。

 さらに恥ずかしいながらも、このブログ(ブロッグだと思うけど?)をキックオフ(キクオフだと思うけど?)して以来、担当編集者と一番揉めているのは、カタカナのミスをめぐるものだ。

「“てにをは”は直してあげるけど、タイトルや固有名詞くらいをちゃんと書いて下さい! “ロッス・サントス”ってどこ? ゴド・オヴ・ワォーの主人公はクラトスではなく、クレイトス! しかも『ゴッド・オブ・ウォー』! これは固有名詞!」。

 といったようなやりとりの繰り返し。何回も謝ってきた。アイム・ソーリ。でも今回選んだタイトルは、逆にカタカナがあって助かったものです。

【コール・オブ・クトゥルフ】
このスペルは何? 小説家H.P.ラヴクラフトは、話のホラー内容だけではなく英語という言語に関して相当想像力が暴走するタイプだね

 「コール・オブ・クトゥルフ」。英語では、「Call of Cthulhu」だ。Cthulhuっていう言葉は子供の頃からずっと発音が不明のままこの37歳までやってきた。初めて英語になかなかないC・T・Hで始まるあのスペルと初めて遭遇したのは、子供の頃、ロンドンの人気テーブルトークRPGストアに入っていた時だ。

 僕と兄弟はビデオゲームに触れる前から父にテーブルトークRPGの面白さを伝えてもらっていたんだ。主に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をプレイしてきて、今でも東京都内で不定期的に外国人の友人とプレイしている! とはいえ、みんなそれぞれの仕事・ライブ・家族的なスケジュールや事情があり、なかなか集まれないため、たまにビデオゲームでのテーブルトークRPGでもいいだろう!

【悪夢のシーン】
これは築地の市場の今現状……ではなく、主人公が見る悪夢のシーン

 そのテーブルトークの愛を通して「コール・オブ・クトゥルフ」に引っ掻かれた!しかも「カタカナ」のスペルで人生初めて発音もできた。

【RPG要素】
RPG的な要素はここにある。テーブルトーク版と同じスキルが通用されている

 ところでテーブルトークRPGの代表的なビデオゲームというと、やはり「D&D」
系の代表作として知られる「バルダーズ・ゲート」だろう。忠実に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界観を再現した傑作だ。忠実な再現という点では「コール・オブ・クトゥルフ」も負けていない。

 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の根本は、ゲームのシステムであり、テーブルトーク版「クトゥルフ」は、ゲームよりも世界観や雰囲気である。ファンタジーの「D&D」をプレイするときは、ゴールがアドベンチャーを「勝利」するのに対して、ホラーである「クトゥルフ」のプレイ目的とは、世界観を体験しながら、生き残ることだ!

 元々のゲームシステムは、有名な米国ホラー小説家だあったH.P.ラヴクラフトの小説に基づいたものだ。テーブルトークRPGでは、プレイたちが生き残れるとしても、ほとんどが見てきた恐怖で「正気度スコア」がなくなりゲーム内に気狂ってしまうことだ。ビデオゲームの場合、全体的の雰囲気もバッチリで、“正気度”もシステムとして出てくる。

【正気を失う主人公】
窮屈な場所に入り、恐怖のシーンを見ると、どんどん正気度がなくなり、狂気に捉えられる
ノワールの刑事らしく、アルコールや痛み止め中毒の主人公
ノワール系といっても、主人公は「L.A.ノワール」風ではなく、同じロックスターの「マックス・ペイン」風だ

【ダークウォーター町】
舞台は、おもてなしがウリの「ダークウォーター町」だ! 市民は観光客を歓迎するもなく、世界一のグロゆるキャラが出迎えてくれる

 舞台は、アメリカ禁酒時代で捕鯨業の衰退により苦戦している離れ島だ。いつも暗く、鯨の死骸が多い。火事で亡くなった裕福層の家族のミステリーを解きながら、薬物依存症のある私立探偵主人公が組織犯罪や狂信的なカルトと直面しながら、どんどん自分の目で見ているものを疑い始め、どんどん狂気に堕ちていくストーリーが描かれる。ホラー系の「LAノワール」に近いものだ。手かがりを発見して様々なルートでチャプターを解いていくことができ、自分のキャラクタースキルも好きなふうにパワーアップしていけるし、RPG的の要素も満載。

【刑事プレイからステルスプレイへ】
最初はほとんど刑事プレイであり、少ししたらバットマンのジョーカーでも入っていそうな精神科病院からの脱出時に使うステルスなど新しいゲームスタイルも登場してくる

【悪夢のような絵】
ゲームのミステリーは、悪夢のような絵を描いてた裕福のお嬢様アーティストが急に火事で亡くなった事件から急展開していく

 このゲームに対する批判があるとしたら、ゲームの冒頭のある刑事的のゲームプレイが好きで、ステルスや攻撃といった新しいシステムは別に導入しなくても良かったと思えることだ。

【刑事パートがオススメ】
刑事パートは結構面白かった。まだ1回しかプレイしていないから、どのスキルを取るかによってどのように展開が変わるか見えなかったが、おそらく分岐もあってパズルをクリアするいくつかなパターンもあるように見えた。今回の主人公は、犯罪現場を妄想で再現できるパワーまでも備えている

 たまにゲームは、中途半端な「何でも屋」を目指さずに1個のプレイスタイルに絞ってもらいたい時もある。「GTA」や「Skyrim」のオープンワールド系の悪影響かもしれないね。そういえば、「LAノワール」も面白い新型系の刑事ゲームプレイの上に、中途半端のオープンワールドゲームプレイも突っ込んだね。

 ビデオゲーム版「コール・オブ・クトゥルフ」は十分楽しめた。正直に言ってRPGシステムはそこまで目立たなかったが、他にあまり見ないような世界観の背景に、実に面白いミステリーを素早いペースで解いていくゲームだ。プレイしながら、好きなテーブルトークRPGのカルチャーの新しい一局面も発見できた気もして、いずれテーブルトークバージョンにもプレイしてみたくなった。僕はPSストアで英語版をダウンロードしたが、今年3月に日本語版も発売ちとなって僕と同じくテーブルトークRPGをプレイする上に大人の事情でなかなかメンバーが集まれない人にオススメ。

そしてこのお陰様で子供の頃からずっと抱えてきたミステリーまでもやっと解けた!

Cthulhuの発音。
ク・トゥ・ル・フ

本当に変なスペルだね。