レビュー
ロジクール「G512 X」ゲーミングキーボードレビュー
ロジクールG史上最高の打鍵感。アナログとメカニカルが共存する「デュアルスワップ」に注目
2026年5月21日 11:00
- 【G512 X 75/98】
- 6月11日 発売予定
- 価格 G512 X 75:32,780円
- G512 X 98:36,080円
- 【Palmrest 75/98】
- 7月16日 発売予定
- 価格 Palmrest 75:6,490円
- Palmrest 98:7,480円
ロジクールは、ゲーミングキーボード「G512 X」シリーズを6月11日に発売する。価格は32,780円より。
ロジクールGのミッドレンジゲーミングキーボードとして、2018年5月に発売された「G512」。途中でキースイッチのリニューアルを挟みながらも、実に8年間にわたって販売されてきたロングセラーモデルで、長年愛用している人もいれば、つい最近買ったよという方もいらっしゃるだろう。
今回発売される「G512 X」は、そんな「G512」の後継モデル……ではあるのだが、名前以外に共通点が見つからないほど、デザインもスペックも大きく進化させてきた。本稿では、まさに“カスタマイズ全振り”のセミオーダーメイド体験ができる「G512 X」のレビューをお届けしていく。
- キー構造:デュアルスワップ(TMRアナログ/メカニカルスイッチ)
- アナログスイッチのキーストローク:4±0.2mm
- アナログスイッチの押下圧:30±10g
- メカニカルスイッチのキーストローク:4±0.4mm(リニア/タクタイル同様)
- メカニカルスイッチの押下圧:40±8g(リニア)/50±10g(タクタイル)
- 接続:USB有線のみ
- ポーリングレート:最大8,000Hz
- 必要システム:PC(Windows 10/macOS 12以上)
- カラー:ブラック/ホワイト
- 重量:850g(G512 X 75)/1,000g(G512 X 98)
- 価格:32,780円(G512 X 75)/36,080円(G512 X 98)
レトロ感を感じるカラーリング。2種類の“珍しい”キーレイアウト
まずは「G512 X」の外観から見ていこう。前モデル「G512」はシンプルでクセのないデザインだったが、今回の「G512 X」はロジクールGの既存ラインナップの中でも尖ったデザインとなり、同じ「G512」を冠しているとは思えないほどのイメージチェンジが行なわれた。なお「G512 X」の登場に伴って、前モデル「G512」は段階的に廃盤となる予定だ。
やはり最初に目を奪われるのは、キーボード前面に搭載された「ライトバー」。後述するが「G512 X」は、RGBライティング機能「LIGHTSYNC」にも力を入れており、光るゲーミングデバイスが好きな方は、注目の製品となっている。
そして「G512 X」の特徴の一つがキーレイアウトだ。2026年現在のゲーミングキーボードは、Fnキーやカーソルキーを省略したコンパクトな「60%」、いわゆる“テンキーレス”と呼ばれる「80%」、“フルサイズ”と呼ばれるテンキー付きの「100%」の3種類が主流となっている。だが「G512 X」はこの3種類のどれでもない。
「G512 X 75」は、Fnキーやカーソルキーも備えた「75%」キーレイアウトのモデル。Fnキーやカーソルキーのない「60%」はゲーム以外だと使いづらさを感じるが、「75%」は日常用途の使い勝手を確保しつつ、コンパクトなサイズ感を実現している。マウスエリアは確保したいけど「60%」だとキーが足りないという方にオススメだ。
「G512 X 98」は、テンキーも備えつつ横幅を抑えた「98%」キーレイアウトのモデル。InsertキーやHome/Endキーなどを省略して、テンキーをなるべく寄せることで「80%」に近いサイズ感を実現している。ゲームと仕事を両立したい方にオススメだ。
「G512 X」はキースイッチのホットスワップに対応しており、付属品として「キーキャッププラー」と「スイッチプラー」が同梱されているのだが、面白いのはこの2つのプラーが「チルトスタンド」も兼ねていること。底面に装着することで8度の傾斜がつくという、遊び心のある仕掛けとなっている。
カラーリングは、パープルがアクセントカラーの「ブラック」、ライトグリーンがアクセントカラーの「ホワイト」の2色で、どちらもどこか懐かしさを感じるレトロな色合いとなっている。なお、カラーを統一するための交換用キーキャップが付属しており、お好みで付け替えられる。
また「G512 X 75/98」はリニア軸とタクタイル軸を選択できるため、カラーとキースイッチの組み合わせで全8モデルがラインナップされる。今回は「G512 X 75(ブラック/リニア軸)」と「G512 X 98(ホワイト/タクタイル軸)」を試用する機会をいただいた。
新機能「デュアルスワップ」に注目! “SAPPリング”で2段階キー入力もやりやすく
次は新機能の「デュアルスワップ」を紹介しよう。先述のように、前モデル「G512」は2018年5月に発売された製品で、今回の「G512 X」が登場するまでの8年の間に、ゲーミングキーボードでは「ラピッドトリガー」という機能が普及した。
そもそも「ラピッドトリガー」とは、押下距離を0.1mm単位で認識できるキースイッチを搭載することで、精密かつ高速なキー入力を可能にする機能。0.1mm押すとオン/0.1mm離すとオフという設定も可能で、特にFPSゲーマーの間で重宝されるようになった。一方で誤爆の可能性も高まるため、全てのキーでラピッドトリガーを有効にしている方は少ないはずだ。
ここに目をつけたロジクールGは新たに「デュアルスワップ」を搭載。これはキースイッチを交換できる「ホットスワップ」を進化させたもので、キーボード上にアナログスイッチとメカニカルスイッチを混載できるようにした。つまりラピッドトリガーを有効にしたいキーだけアナログスイッチにしたり、重要なキーは打鍵感のわかりやすいメカニカルスイッチにできるのだ。
従来の「ホットスワップ」に対応するゲーミングキーボードは、メカニカルスイッチ専用またはアナログスイッチ専用のどちらかがほとんどだ。なぜかというと「デュアルスワップ」はかなりコストのかかる構造で、基板上にアナログスイッチ用のセンサー、メカニカルスイッチ用の接点を両方実装する必要がある。
「G512 X」は、左手寄りの37個のキーとカーソルキーを合わせた全41カ所が、メカニカルスイッチまたはアナログスイッチに換装可能な「デュアルスワップ」に対応する。残りのキーはメカニカルスイッチのみに対応する従来の「ホットスワップ」だ。これは「G512 X 75」および「G512 X 98」で共通の仕様となっている。
だが、付属するアナログスイッチは9個のため、付属品だけでは41カ所全てをアナログスイッチにすることはできない。これはゲーマーを対象に調査したところ、ラピッドトリガーを有効にしているキー数は9個前後が多かったからだという。確かにラピッドトリガーはWASDなどの移動キーが中心だが、中には10個以上使っているという方もいるだろう。
そこでロジクールに聞いたところ、要望が多ければ「G512 X」に付属するアナログスイッチの単品販売を検討するとのこと。また市場に出回っている一部のアナログスイッチとの互換性もあり「動作保証はできない」としつつ、手に入れたアナログスイッチで全41カ所を換装することもできそうだ。ちなみにアナログスイッチはGateron製だったので、換装予定の方は参考にしていただきたい。
さらに「SAPPリング」も見逃せない付属品の一つ。これまでのロジクールGで、アナログスイッチを搭載したゲーミングキーボード「PRO X TKL RAPID」と「G515 RAPID」には、押した深さに応じて2段階のキー入力を設定可能な「マルチポイントアクション」が搭載されていたが、打鍵感は変わらないため「どれくらい押したら2段階目になるか」は感覚に頼るしかなかった。
今回のSAPPリングはシリコン製で、キースイッチとキーキャップの間のクッションとなる。そこに「マルチポイントアクション」を組み合わせることで、いつもの力で押している時は1段階目のキー入力、少し強く押し込むと2段階目のキー入力という形で「どれくらい押したら2段階目になるか」が直感的にわかりやすくなったのだ。
例えば「W」キーにSAPPリング付きのアナログスイッチを装着した場合、いつもの力で押している時は前進、少し強く押し込むとはダッシュという2段階のキー入力を設定できる。2段階目にショートカットを割り当てることで、ゲームにも仕事にも活用できるのがSAPPリングだ。
キーボード前面を彩る「ライトバー」。アクリル製パームレストでより幻想的に
続いてはライティング機能を紹介しよう。「G512 X」はロジクールGのRGBライティング機能「LIGHTSYNC」に対応しているのだが、中でも特徴的なのがキーボード前面に搭載された「ライトバー」だ。
「G512 X 75」は33ゾーン、「G512 X 98」は39ゾーンの「ライトバー」が搭載されており、1ゾーンずつ好きな色に設定したり、流れるようなエフェクトで美しく光らせることもできる。最近のロジクールGは質実剛健なゲーミングデバイスが多く、RGBライティング機能は縮小傾向にあったため、派手に光るデバイスがラインナップされるのは素直に嬉しい。
加えて、よりライティングを際立たせてくれるのが、別売りの「Palmrest 75/98」だ。一般的なパームレストだとせっかくのライトバーが隠れてしまうが、今回の「Palmrest 75/98」は半透明のアクリル製で、いい具合にライトバーの光を反射してくれる。パームレストそのものが光っているように見え、かなりデスクが映えるため、RGBライティング好きにはセットでオススメしたい。
ガスケットマウント、TRUE 8K……。最新ゲーミングキーボードのトレンドも押さえる
ここまで「デュアルスワップ」や「ライトバー」といった特徴を紹介してきたが、このほかにも「G512 X」は2026年現在のゲーミングキーボードのトレンドを全て押さえている。
一つ目のガスケットマウントは、内部のPCB基板やプレートをシリコン製の緩衝材で支えることで、打鍵時の振動を吸収したり、柔らかい打鍵音となる効果がある。Logitech全体では、ビジネス向けのメカニカルキーボード「Alto Keys K98M」、中国専売のゲーミングキーボード「G517」で採用例があるが、日本向けのロジクールGでは初登場となる。
2つ目はポーリングレートの高速化。今回、ロジクールGのゲーミングキーボードとしては初めて、8,000Hzのポーリングレートに対応しただけでなく、アナログスイッチのスキャンから信号の伝送まで全て8,000Hzで行なう「TRUE 8K」を謳っている。
上位グレードの「PRO X TKL RAPID」ですらポーリングレートは1,000Hzのため、まさか「G512 X」で8,000Hzに対応するとは思いもしなかった。「PRO X TKL RAPID」も登場から2年が経ち、少しずつ見劣りする部分も出てきたため、ぜひ「PRO X TKL RAPID 2」の登場に期待したいところだ。
ロジクールG史上最高の打鍵感。パームレストとの併用がオススメ
ここからは実際に「G512 X」を使っていく。今回は本稿の執筆に「G512 X 75(ブラック/リニア軸)」を使ってきたのだが、打鍵感はかなり柔らかく、長時間のタイピングでも疲れにくいように感じた。打鍵音も「コトコト」とした心地良い音で、“コトコト派”の筆者としては刺さるものがある。この辺りはやはりガスケットマウントの効果が大きいのだろう。
キーキャップはデュアルショットPBTで、こちらも打鍵音に一役買っているだけでなく、印字が消えにくいという耐久性も併せ持っている。もちろん好みはあるが、現状のロジクールGのラインナップでは、最も打鍵感が良いと言っても過言ではない。
だが、ノーマルプロファイルかつガスケットマウント、ライトバー搭載ということもあって、キーボード手前側の高さがあるので「パームレスト」はあった方がいいだろう。
また「ラピッドトリガー」や「KEYPRIORITY(SOCD)」といった機能を備えており、ソフトウェアの「G HUB」で細かくカスタマイズできる。多くのゲーマーにとって満足できるゲーミングキーボードとなるだろう。だが、購入前に2つほど知っておきたいポイントがある。
1つ目はUSB有線接続のみであるということ。キーボードは頻繁に動かすものではないため、有線派の方も多いと思うが、中には無線にこだわる方もいらっしゃるだろう。残念ながら「G512 X」は有線接続のみで、持ち運びにはあまり向いていないため注意が必要だ。
2つ目はメカニカルスイッチとアナログスイッチで打鍵感が微妙に異なること。「デュアルスワップ」によって混載するため、どうしても両者の違いが出てしまうのだ。筆者は使っていくうちに慣れたが、気になる場合はゲームの時だけスイッチを入れ替えるなど、工夫を凝らすといいだろう。
新世代のミッドレンジは“長く愛されるゲーミングキーボード”に
ここまで「G512 X」のレビューをお届けしてきた。本製品は「デュアルスワップ」や「ライトバー」をはじめ、ユーザーがカスタマイズできる要素が多く、自分好みのデザインや打鍵感に仕上げられる“セミオーダーメイド”のようなゲーミングキーボードに仕上がっていた。
もちろん、ただカスタマイズできる面白いガジェットではなく「ガスケットマウント」や「高速なポーリングレート」といったトレンドも押さえており、最前線で活躍できるポテンシャルも持っている。新世代のミッドレンジとして、長く愛されるゲーミングキーボードになることだろう。
(C)2026 Logicool. All rights reserved










































































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