レビュー
「ロジクールG PRO Racing Wheel/Pedals」レビュー
2022年9月29日 00:00
続いて「アセットコルサ」で試走。TRUEFORCE対応かどうかで走りが大きく変わる
それではWindowsPCでの動作はどうでしょうか。残念ながら発売前ということもありドライバが認識しませんでした。DDベースのメニュー“COMPATIBILITY”で“G923”を選択すると互換モードになってWindowsPCから認識されます。その状態でTRUEFORCE対応タイトルの「アセットコルサ・コンペティツィオーネ」で走ってみます。
“TRUEFORCE TORQUE”と“FORCE FEED BACK TORQUE”の値が設定できましたので最大値の 11.0N-m に設定してみました。G923だと2.3N-mでしたのでその強大なトルクが腕に襲い掛かってきます!互換モードでも十分楽しい状態になりましたが正式対応するとさらにすごいことになりそうです!
ではTRUEFORCEに対応していないタイトルではどうでしょうか。「アセットコルサ」は残念ながら対応していないのでこちらを使って「マクラーレン・ホンダ MP4/5B」・「鈴鹿サーキット」で走ってみました。対応していないだけあってTRUEFORCEのトルク値は無視されるようです。フォースフィードバックの値は有効で 11.0N-m となっていますがこの状態だとピーキーすぎてすぐにスピンに入ってしまいました。
そこでフォースフィードバックの値を 5.0N-m に戻すとだいぶ走りやすくなりました。この値でもG923の約2倍の値なのでそこそこ強い状態です。「アセットコルサ」はとても息の長いタイトルですのでいつの日かTRUEFORCE対応をはたしていいただきたい、そんな感想となりました。
最後に、超簡単なメンテナンスが可能なペダルのカスタマイズをやってみましょう。アクセルとクラッチペダルはスプリング交換が可能、ブレーキはシリンダー内の緩衝材を交換できます。3ペダルともシリンダーの先はストッパーにかみついているだけですのでドライバーなどいらないツールレス設計になっています。
「ロジクール G PRO Racing Wheel/Pedals」のレビューを終えて
ダイレクトドライブってすごい!これまで感じたことのない感覚が味わえました。何かに例えるなら「パワーステアリングのないクルマ」「極太タイヤのハイグリップレーシングカー」の感覚といえばいいでしょうか。それくらい重いステアリングになりました。筆者はスリックタイヤのフォーミュラカーも運転したことがありますがその感覚にも近い印象です。
素手で握っていると滑ってしまってさらに握力が必要になりました。グリップ力のあるグローブをして11.0N-mを体感するとより楽しくなりましたが今度は親指の付け根が痛くなるほどです。走行後は結構な疲労感が襲い、腕の感覚がおかしくなりなんだか筋トレマシンのようでした。家庭で使われることもあることから小さいお子様が触らないようにしなければならない程力が強いのでご注意ください。
強大なトルクに抗いながら走るのを求めてしまうのには理由がありまして、ステアリングやペダルが重いと正確な操作が可能になるという恩恵があるためです。“重い=ぶれない”になり軽いとその逆で状態を一定の位置にとどめることが難しくなります。狙ったラインを通ってタイムを競ったりサイドバイサイドバトルを繰り広げる時には正確な操作が必要ですから 11.0N-m のトルクはさすがに疲れますが充実感たっぷりで楽しい瞬間を得ることができます!
ダイレクトドライブシステムは確かに素晴らしい体験をもたらしてくれましたが、一つ感じたことがあります。それは車種・タイヤ・天候に限らず力がほぼ同じなところでした。設定値を変えなけれなF1でもアクアでも同じ(ただしプロファイル切り替え機能があります)です。本来ならタイヤの太さ(幅)によってグリップ力が変わるのを基本として車両重量や路面状況(=天候)の要素がからんで重さが変わってきます。
ゲームシステムからその情報がないのでしょうからどういった状況でも同じ力になってしまっていますので、ここはゲーム開発陣とともにこのシステムを有効活用できるパラメーターを用意してもらうともっと完璧なシミュレーションができるはずです。業界全体の底上げにつながるシステムであることは間違いない製品ですから今後のロジクールG PROシリーズの展開に超期待です!
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