レビュー
「マリオパーティ スーパースターズ」レビュー
新要素や遊びやすさもマシマシでフルリメイク! ワイワイのんびり楽しめる一方で、ガチ対戦も楽しい!
2021年10月28日 00:00
- 【マリオパーティ スーパースターズ】
- ジャンル:パーティ
- 発売元:任天堂
- 開発元:エヌディーキューブ、任天堂
- プラットフォーム:Nintendo Switch
- 発売日:10月29日
- 価格:
- 6,578円(税込、パッケージ版)
- 6,500円(税込、ダウンロード版)
10月29日に発売されるNintendo Switch用「マリオパーティ スーパースターズ」。本作は、すごろくのようなボードゲームを進みながらコインを集め、集めたコインでスーパースターを購入し、最後に一番多くのスーパースターを持っているプレーヤーが勝利となるパーティゲームだ。ゲームを進める途中で様々なミニゲームが発生し、ミニゲームに勝てばコインをゲットできるようになっている。
本作は、NINTENDO 64で発売された「マリオパーティ」シリーズから5つのマップがリメイク、歴代「マリオパーティ」シリーズから100個ものミニゲームが追加され、オンラインプレイも楽しめるという、まさにマップもミニゲームもスーパースターが勢揃いした“スーパースターズ”な「マリオパーティ」となっている。HD化ではなくフルリメイクされたものなので、映像や演出などは現在の「マリオ」シリーズの新作と全く変わらないレベルのものが楽しめる。
Nintendo Switch本体が1台あれば、最大で4人まで遊ぶことが可能(※TVモード時及びテーブルモード時。携帯モードでは最大1人までとなる)。「マリオパーティ」といえば、とにかくみんなでワイワイと楽しむボードゲーム+ミニゲームという印象が強いと思うが、本作はひとりで遊んでも楽しめるような工夫もされている。オンラインプレイにも対応しているので、「近くに遊べる友達がいない」という人でも手軽に世界中の人と遊べるところも嬉しい点だ。
本稿では、本作がどのようなゲームなのかを紹介していく。なお、発売前のバージョンであるためシングルプレイのみのレビューになる。
ミニゲームが勝利の鍵! キャラ固有サイコロなどはない非常にシンプルなルールに
本作のスゴロクモードは、基本はサイコロを振ってボードゲームマップを進み、停まったマスで起こる様々なイベントによってコインを集めていくのだが、マスのイベントで得られるコインは少な目になっていることが多く、ミニゲームの順位に応じて配布されるコインがプレーヤーの主な収入源となる。
どんなに多くコインを持っていても、スーパースターを購入できなければ勝者にはなれない。スーパースターが購入できるショップは固定ではなく、大抵のマップで何らかの要素によって移動をする。そのため、あと1マスでスーパースターが購入できるはずだったのに、はるか遠くのマスに移動してしまう、なんていうこともしばしばだ。このような運要素があるため、必勝法的なものはなく(ミニゲームに強いと、コインが稼ぎやすい程度のものはある)、大人も子供も同じように楽しむことができるのが本作の特徴といえる。
本作で使用できるキャラクターは10名。マリオやルイージ、ピーチなどおなじみのキャラクターが勢ぞろいしている。「スーパーマリオパーティ」に搭載されていたようなキャラクター固有のサイコロは本作には用意されておらず、キャラクターによって何か性能が変わるようなことはないので好きなキャラクターで楽しもう。
ルールは基本的に、プレーヤーが1人1人、決められた順番通りにサイコロを振っていきながらボードを進むという、「マリオパーティ」の多くで使われているルールになっている。ボードにはコインを手に入れたり、逆に失ったりするコマや、アイテムショップがあって様々な買い物ができる。また、ターン終了時には基本的にミニゲームが発生し、それに勝利すればコインを獲得できるという流れになっている。
ゲーム開始時に、ターン数やボーナススターの有無、ミニゲームの説明の有無、ハンデの有無など、詳細なゲームルールを設定することもできる。ボーナススターの有無やハンデは、本作の戦略性に非常に深く関わる部分なので、設定する際は注意しよう。
ボーナススターとは、設定したターン数の終了時、ランダムに選ばれた要素でスターを得られるシステム。例えば「コインを最も多く集めた人」、「ミニゲームに一番勝った人」などという時もあれば、「ハプニングマスに一番多く停まった人」といった時もあり、最後の瞬間まで誰がボーナススターをもらえるのかわからない。逆転要素となるので盛り上がる一方で、いちばんランダムな要素で勝敗が決まってしまう部分でもあるので、運要素をなるべく排除したい場合はボーナススターの設定を「なし」にするといいだろう。
本作はシリーズファンには非常に馴染みあるベーシックな「マリパ」となっており、全体的に”新要素”という部分はほぼないのだが、だからこそシンプルに楽しめるものとなっている。その分、アイテムショップで何を買うかは、かなり重要だ。高性能なアイテムほど高い、というのはあるが、コインの残数、スターショップまでの距離、スターの購入資金(コイン20枚)、ライバルの状況とあわせて、何が必要かを考えたい。
マップ上にいるクッパの前を通るとランダムで様々なイベントが起こる。大抵はプレーヤーにとって不利になる出来事が多い。また、ボードゲームにはいわゆる「クッパマス」というクッパの絵柄が描かれたマスがあり、起こるイベントはそれぞれで異なっている。どちらにしてもクッパとのイベントは大抵がプレーヤーに不利なものが多いという部分だけ共通しており、特にクッパマスではより理不尽なイベントが発生することが多い。だが、場合によってはクッパマスに停まることで、利益を得られることもある。
ほかにも、前を通ると強制的に指定枚数のコインを取られてしまう「ノコノコバンク」などもある。ノコノコバンクに貯まったコインは、ぴったりノコノコバンクのマスに停まったプレーヤーが全てもらえるのだが、貯まったままゲームが終わってしまうことのほうが多い。
「マリパ」シリーズのファンだからこそ知っておきたい本作のルール、初心者だからこそ押さえておきたいポイントはこれくらいだ。他にもボードマップごとに登場する様々なギミックはあれど、全体的には「全員横並びで、ランダム要素はシステムでオンオフ可能」だと思ってもらえればいい。
ボードゲームを規定数周回するというゲームであるため、ターン数の設定次第ではプレイに時間がかかることもある。しかし、1人プレイ時ならば中断セーブすることも可能なのが嬉しい。広いマップの場合、システム側で推奨されるターン数も大きくなるが、ターン数を短くしても大して問題はないので好きに選ぼう。強いて言うならば、広いマップほどターン数を短くするとスターショップの前を通る機会が減るため、スター0個〜1個での争いになってしまうという程度だ。
人気マップをフルリメイク! 懐かしさもあり新鮮さもあるボードゲームマップを紹介
本作は、NINTENDO 64版の「マリパ」からのリメイクとなり、全部で5つのボードゲームマップが用意されている。
まず1つ目は、初代「マリオパーティ」から「ヨッシーのトロピカルアイランド」。コースとしては短めで、イジワルなマスも少ないため、初心者がまず「マリパ」のシステムに馴染むのに最適だ。また、推奨ターンは15ターンに設定されているが、10ターンほどでもそこそこきっちり勝負がつくマップなので、手軽に少しだけ遊びたい時にもいい。
ヨッシーのトロピカルアイランドは、スイカ島とメロン島のふたつで構成され、橋を渡るにはドッスンに規定数のコインを払う必要がある。
通行料は最初は1コインからだが、次に通る人は、前回払った人よりも多く支払わなければならない。例えばコインだけは多く持っているという場合、わざと多く支払うことで後続のプレーヤーからコインを奪うという方法もある。わざと多く支払う場合、スターを買うためには20コイン必要だということをくれぐれも忘れないでおこう。
誰かがハプニングマスに停まると、クッパとスターショップの位置が入れ替わってしまうこともある。次のターンでスターショップの前を通れるだろうという時にこのイベントが起こってしまうと、失意のどん底に落とされる。このようなスターショップの移動は他のボードゲームマップでも起こるので、様々なパターンを知っておきたい。
2つ目のボードゲームマップは、「マリオパーティ2」から「スペースランド」。難易度は★2となっているが、ヨッシーのトロピカルアイランドに比べて格段にコースが長く、そして様々なマップギミックが備わっている。
このボードの最大の特徴は「ハイパークッパ砲」だ。ボードの中央には数字が書いてあり、その数字はプレーヤーが通るたびにカウントが1ずつ減っていく。そして0になると、右奥にあるクッパの形をしたメカから「ハイパークッパ砲」が発射。その直線上にいるプレーヤーのコインが、全て失われてしまう。
前述のノコノコバンクなどもこのマップから登場するため、いよいよ本格的な対戦マップになるとも言えるだろう。
3つ目のボードゲームマップは、初代「マリオパーティ」から、とてもおいしそうなケーキを舞台とする「ピーチのバースデーケーキ」。マップとしてはスペースランドよりも小さめだが、その分コインが減る赤いマスや、何か特別なことが起こる緑のマスの多さが目立つ。
特にプリン島のルートは、初期状態でクッパがいたり、赤いマスやクッパマスもあるという、かなり危険が多いルートなので、できればこのルートに入らず進みたいところだ。
ルート選択の鍵はマップ上にいるクリボー。各プレーヤーはクリボーの前を通るたびにクッパの元に行く資格があるか否かの審査を受ける。
4つ目のボードゲームマップは「マリオパーティ3」から「グルグルのもり」。奥深くに進むほど森の雰囲気が怪しくなっていき、そして気が付いたらグルグルと同じところを回り続けてしまう、迷いの森が再現されたマップとなっている。
コース上には大きく際立つギミックこそないものの、あちこちに矢印の看板がある。そしてこの矢印はターン毎に進行方向が変わり、矢印が指す方向にしか進めない。スターショップまであと一歩なのに矢印の向きが変わってしまい、全然違う方向に進まされてしまう、というままならなさに歯ぎしりをしながら進んでいくことになる。
なお、このコースはその特性上からも、ターン数を短めに設定すると全員がスター0個のままで終わってしまうこともある。ある程度余裕をもって遊べる時に、おすすめターン数(20ターン)で遊ぶのが良いだろう。とにかくグルグルに悩まされるが、その分ギミック自体はシンプル。アイテムショップで何を購入するのかが、より重要となるマップだ。
5つ目のボードゲームマップは、「マリオパーティ2」から「ホラーランド」。名前の通り、本作では唯一のホラーテイストが漂うマップとなっている。
このマップでは2ターンごとに昼と夜が入れ替わる。道を塞ぐバッタンは夜は眠っていて動いてくれないため、バッタンが塞いでいる方向にいくには昼しかない。
これまでに登場した様々なギミックが融合したようなマップとなっており、ここまでのギミックで得た知識を総動員して戦うようなマップとなっている。昼と夜で発生するイベントが異なることが多いマップのため、その全貌を知ろうとするならば、何回も周回して遊ぶ必要があるだろう。