レビュー
「ニーアレプリカント ver1.22474487139...」レビュー
2021年4月22日 00:00
ハートフルな場面もちゃんとあります
ここまでやたらに”荒廃”とか”残酷”とか”重い”とかを強調してきたが、ニーアにはちゃんと心温まる優しい要素もある。
そのひとつが……可愛い羊たちとのふれあいだ。
そしてもうひとつは、イノシシとのふれあい。
他にも、スローライフを満喫する要素がたくさん!
あと、主にカイネを見るのが楽しい。
さすが「ニーア」。動物さんたちもたくさんいるし、人助けをしたらアイテムやお金はたくさんもらえるし、キャラクターは可愛いし、本当に心が温まる。思わず、涙が出ちゃう……。
でもやっぱりイクラだよね~
今回はできるだけ”良いお話し”でまとめようと思ったのだが、素直に白状しよう、無理でした。だって、「レプリカント」のいいところ、そんな綺麗なお話しだけでまとめきれないんだもの! そういうところ全部含めて、「レプリカント」の魅力なんだもの!
こんなにハートフルなのに、常に血がブシャー。どこでも血が流れる。動物の血も、マモノの血も。色々、流れる。
あとは「ニーア」シリーズといえばイクラ弾幕。前回のファーストインプレッションではイクラ分が足りなかった! もっとイクラは盛り盛りでないと! ということで、今回はイクラ分多めでお届けしよう!
「ニーア」といえば、コレ。この大量のイクラ弾幕を避けて、避けて、ガードしたりしながらバトルを進めるのだが、今回のバージョンアップ版では、バトルにも大幅なアップデートがされているのだ。
アクションバトルの醍醐味、パリィ。オートバトルを適用中ではあるが筆者の場合、攻撃は自分でしたい派なので、基本的にオートにしているのはアイテムと防御/回避だけ。大型の敵の場合は攻撃のモーションも大振りなので、アクションバトルがそこまで得意ではない人でも、かなり狙ってパリィを決められる。狙い通りに決まると、凄く爽快。
バトルの手触りはかなり「オートマタ」に近くなっているので、「オートマタ」のプレイ感が好きだった、という人にもぜひ遊んでみてほしい。また、オートバトルも搭載。(難易度EASYのみ)オートバトルの詳しい検証はファーストインプレッションに掲載しているので、ぜひ改めてそちらにも目を通してほしい。
そして「レプリカント」は魔法もカッコいい。
11年前に発売された「レプリカント」よりは大分スタイリッシュになった本作。「PS3の頃のほうが味があったな~」なんていう気持ちももちろんわからなくもない原作好きをこじらせた筆者だが、青年期以降は両手剣、槍、片手剣と3つの武器を持ち替えられるようになり、より戦略性も高いバトルとなったので、ここはひとつ、新生「レプリカント」も遊んでみてほしい。特に片手剣に関しては、もう「少年期しか出番がない」とは言わせない。片手剣は隙が少なく万能タイプで場所を選ばない、両手剣は広範囲を攻撃できるものの隙が大きく、槍は素早い手数で勝負できるが基本は一点突き……といった各武器の特徴は以前よりも大分強化されていて、触っていて非常に楽しい。
”バージョンアップ版”ならではの要素
ここからはファーストインプレッションと内容が更に被るが、改めて今回のバージョンアップ版での変更点について、挙げていこう。
・グラフィックスの向上、3Dモデルデザインの変更
・BGMの新アレンジ
・フルボイス化
・新たなメインストーリーの追加
・オートバトルの搭載(難易度「EASY」のみ)
・バトル調整
・60fps対応
・ロックオン機能の追加
・DLC「15 Nightmares」収録
・ヨルハ部隊の衣装&武器「4 YoRHa」追加
・「オートマタ」楽曲との切り替え機能
DLC「15 Nightmares」については前述の通り。「15 Nightmares」をクリアすることで、コスチューム「傾奇者」「鎧武者」や武器などを入手可能となっている。
また、コスチュームは「オートマタ」のヨルハ部隊風の衣装もあり、主人公を9S風にしたり、カイネを2B風のコスチュームにすることができる。こちらは無料DLCなので、使用したい人はダウンロードしてからプレイしよう。なお、「オートマタ」楽曲切替機能は後から解放される機能で、冒頭から使用できるわけではないので、注意してほしい。
さらに本稿でより深く触れたいのは、新イベントの追加だ。この新イベントは、”イベント”どころか、メインストーリーに新たなマップとボスが追加されているレベルのものとなっている。中でも大きな追加要素としては、設定資料集に掲載されていた「人魚姫」のエピソードが追加された点。
このエピソードの詳細は、設定資料集を読んだ人ならば知っているとは思うが、海岸の街に流れ着いた少女と郵便配達員の物語で、これもまた”ひとつの愛の物語”である。新たなボス”人魚姫”は、やり応えも抜群。ラスボス並みの強さを誇る新ボスの登場に、ぜひ期待してほしい。
だが、追加要素はこれだけと思うなかれ。実は他にも、追加イベントは隠されている。もちろんメインストーリーの大筋を大きく変えてしまうような追加ではないものの、追加イベントに伴う新たなNPCも登場。そのNPCにまつわるイベントはすべて新たに追加されたものなので、改めて旧「レプリカント」ファンにも遊んでほしい内容となっている。元々旧「レプリカント」が好きだったファンならば、新たに追加された様々なイベントも、きっと心に刺さるはずだ。
過去作のHD版? 否、PS4の新作ソフトとして見劣りしない!
新「レプリカント」は”バージョンアップ版”の名の通り、ただのHD化ではないのは既に作品をチェックしている人ならば知っているだろう。実際にグラフィックスの大半はHD化どころではない進化を遂げている。
そしてバトルの手触りなどにも全て調整が入れられたことにより、本作は「PS3のゲームをHD化した」なんて生易しいものではなく、PS4の新作タイトルとして発売されても決して見劣りしないレベルの作品となった。旧「レプリカント」ファンには思い出補正もあると思うが、それ以上に「やはりこのタイトルはいい作品だ」と、しみじみ実感することになるだろう。
最後に少し壊れてしまったものの、本作は「愛」で出来ている、というのは紛れもない事実。ぜひともこの機会に、様々な愛の形に触れてみてほしい。
【4月22日 訂正】 記事掲載当初開発元表記に誤りがありました。ここにお詫びして訂正させていただきます。
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