(2015/10/28 00:00)
前作から3年、「Halo」が帰ってきた! 「Halo 5: Guardians」は2012年11月に発売された「Halo 4」の続編であり、前作で消滅してしまったかと思われたヒロイン「コルタナ」が重要な役割を担うことになる。
コルタナはどうなってしまったのか、マスターチーフは彼女からの声にどう応えるのか? 彼らを取り巻く軍や世界は? ファンが待ち望んだドラマが、Xbox Oneのパワーを得て、ついに動き出すのだ。
「Halo 5: Guardians」は、重厚なストーリーが楽しめる「キャンペーン」、そして激しい戦いが楽しめる「アリーナ」と「ウォーゾーン」というマルチプレイモードがある。本稿は発売前の体験できたキャンペーンを取り上げたい。
謎めいたコルタナの行方。マスターチーフは彼女を追い求める
「Halo 5: Guardians」キャンペーンの最大の特徴は「2つのチームの物語」である。マスターチーフと彼の仲間である「ブルーチーム」、そしてチーフを追う「ファイアチーム オシリス(以下、ファイアチーム)」の2つの物語が展開する。各チームのメンバーはそれぞれ4人。キャンペーンはオンラインマルチプレイに対応しており、4人で進めることが可能だ。もちろん、シングルプレイでもプレイできる。
彼らは共に強い絆で結びつけられたチームだ。マスターチーフはコルタナからの連絡を受け、命令よりコルタナに会うことを優先し「無許可離隊」を決断し、ブルーチームの皆も彼についていき支えることを選ぶ。ファイアチームは、英雄であるマスターチーフを場合によっては“拘束”しなくてはいけないという任務を、苦悩しながらも受領する。プレーヤーは時にはブルーチームとなり、時にはファイアチームとなってゲームを進めていく。
本作の最初の“クライマックス”といえるシーンはいきなりスタート直後に訪れる。スパルタン ロックをリーダーとするファイアチームははるか高空から戦場のど真ん中に突っ込み雪山を駆け下りながら、異星人の軍勢コヴナントを蹴散らしていく。その超人的な運動能力と、熟練した戦いぶりは、プレーヤーに強化された兵士“スパルタン”を強く印象づける。公式のムービーとしても紹介されている。ぜひ見て欲しい。
「Halo 5: Guardians」はXbox Oneのフラグシップとなるゲームである。まずその圧倒的なグラフィックスと、壮大な世界観でプレーヤーの心を強く揺さぶる。SF映画すらここまでのスケール感を出せるだろうかという広大さを感じさせるフィールドは、コヴナント達の古代遺跡から、貧しい植民惑星、謎めいた惑星、超古代文明の施設などそのイメージでプレーヤーを圧倒する。ここまで丁寧に、すさまじい労力をかけて描かれたSF世界は少ないだろう。「俺、今ものすごいゲームプレイしている」と誰もが思う作品となっているのだ。
謎の超古代文明プロメシアン、求心力を失いながら激しい抵抗を続けるコヴナントの残党、人類の軍勢と、エイリアンの同盟軍、様々な勢力がぶつかる戦場、そして徐々に見えてくるプロメシアンが目指すもの。複雑な戦況が、圧倒的なグラフィックスで描かれる。この状況の鍵を握るコルタナと、それを追う2つのチーム……。
世界観や情勢に関しては、本作が「Halo」に触れるのが初めて、という人には多少難しい部分もある。しかし、コルタナとマスターチーフの絆、それを支えていこうというブルーチームのメンバー達。さらに英雄であるマスターチーフを追わなくてはいけないファイアチームの心情が丁寧に描かれていることで、プレーヤーはグッと物語にのめり込んでいくだろう。最大の謎はコルタナにある。彼女は本当に生きているのか、彼女の目的は何なのか……その謎を求め、プレーヤーはゲームを進めていくのである。
フォアランナーとコヴナント2つの文明の武器で戦え!
ゲームの感触を語っていこう。「Halo 5: Guardians」は4人でステージを進めていく。シングルプレイの場合、ブルーチームはマスターチーフ、ファイアチームはスパルタン ロックとなり、他の3人のメンバーはCPUが操作する。これまでのシングルプレイとは異なり、“常に味方がいる”というのはとても心強い。
味方はどちらかというと消極的に戦うスタイルだが、彼らのいるところに敵を誘い込んだりすることでより効率的に戦える。たとえ倒されてしまっても味方が無事な場合は助けてもらえる。仲間の存在がゲームの難易度を下げていると感じた。もっとも、無謀に前に出すぎると、仲間が助けに来ても集中攻撃を食らって倒されてしまうので過信は禁物だ。
今回は体験できなかったが、メンバー4人をすべて人間が操作するCO-OPプレイにも対応している。前に突っ込む仲間をスナイパーライフルで援護したり、グレネードを使うときに声を掛け合ったり協力しながら進められれば面白さが大きく膨らむと感じた。仲間を意識した武器選択や、砲台を複数のプレーヤーが奪って大火力で突き進むなど、想像するだけで楽しい。背面が弱点のハンターなどはプレーヤー同士で連携することで簡単に倒せるのではないだろうか。
“「Halo」ならではの戦い方”を思う存分楽しめるのも本作の大きな魅力だろう。「Halo」の基本的な戦い方は“敵の武器を奪う”である。ガラス状の針を打ち出す「ニードラー」や中距離に強い「コヴナント・カービン」といったコヴナントの武器に加え、今作でもフォアランナーの武器がたくさん登場する。
「Halo」の武器は弾切れしやすく、同じ武器を使い続けるのが難しい。得意な武器を積極的に使うもよし、その場で手に入った武器でがむしゃらに戦うのも楽しいだろう。ちょっと残念だったのがおなじみの接近戦武器「エナジーソード」の入手できる場所が少ないところだ。もう少し多用したかった。他にも「プラズマキャノン」や「ロッドガン」など強力な武器が置いてあることがあり、敵と戦いながらフィールドを探索することでよりうまく立ち回れるだろう。
本作では武器は2つしか持ち歩けないため、「この武器はここで使って、今はショットガンは床に落としてスナイパーライフルを使おう。この武器は弾が少ないからいまは置いておこう」など色々考えるのも楽しい。武器を広い、撃ちきり、新しい武器を使って戦う。特に今作の戦場はコヴナントとフォアランナーが混じり合っているので、2つの勢力の武器を使っていく。グレネードもけちらずバンバン投げる。
さらにたくましい腕で殴りつける近接攻撃、走りながら繰り出すスパルタンチャージ、空中から急降下して放つ「グラウンドパウンド」など派手なアクションの接近戦攻撃は爽快で、弾切れ時などとっさの時にも使える。まだまだムービーのような華麗な立ち回りはできないが、それでも「Halo」ならではのリズムで戦っていけるのは気持ちよかった。
様々なヴィークルも登場。多彩な戦場を仲間と共に戦え
「Halo 5: Guardians」の戦場もこれまで同様多彩である。ビーグルもバイクから戦車、コヴナントやフォアランナーの乗り物、さらにはロボット兵器「マンティス」も登場する。特にマンティスの強力な攻撃は爽快だ。
倒すのが難しく攻撃が強いフォアランナーのナイトすらマンティスや戦車を使えばあしらえる。今作では仲間が車両に乗ってバックアップしてくれるので、かなりの火力となり、強力な敵とも渡り合える。これまでのシリーズ以上の派手な戦いが楽しめるだろう。
2人が戦闘機に乗り、2人が徒歩で進むというシチュエーションもある。マルチプレイではより多彩な戦い方ができそうだ。もちろん敵の兵器を奪うのもイイし、あえて徒歩にこだわるという戦い方もできる。1台の乗り物に乗り込めるだけ乗ってみるというのも楽しそうだ。
本作のキャンペーンモードはボリュームだけみると実はそれほど多くない。特に謎めいたストーリーに引かれ夢中になってプレイすると思ったより早く終わってしまうだろう。しかし本作の本当の楽しみ方は、オンラインマルチプレイにあると思う。仲間の戦い方に合わせてどう戦うか、様々なシチュエーションでのコンビネーションを楽しみ、そしてさらなる上の難易度を試す。繰り返しプレイすることでさらに面白くなると感じた。発売後の展開も楽しみである。
そして今回プレイできなかった「アリーナ」と「ウォーゾーン」がある。筆者はアリーナを先行体験会でプレイしたが、スタンダードな4対4の戦いにのめり込んでしまった。キャラクターの耐久力が高めなため、それほどFPSに熟練してなくても生き残り、戦えるゲームバランスは全世界に多くのプレーヤーがいるシリーズならではのカジュアルさだと感じた。一方未体験の「ウォーゾーン」は最大24人の大規模戦ということで、こちらも自宅でプレイする日が待ち遠しい。発売日が楽しみである。