(2015/10/27 18:00)
昨年12月にDMMゲームズよりサービスされたブラウザ用RPG「V.D. -バニッシュメント・デイ-(以下、V.D.)」。現在も順調にサービスを続けている本作だが、このたび10月27日よりアプリ版としても配信されることとなった。
「V.D.」は、スクウェア・エニックスのタイトル「フロントミッション」のプロデューサーや、「ファイナルファンタジーX」のバトルディレクターなどを務めたジークラフトの土田俊郎氏プロデュースのゲーム。氏が創りだす戦略性に富んだゲームシステムは本作でも健在で、じっくりとゲームを楽しみたいプレーヤー向けのタイトルとなっている。ちなみに、楽曲はスクウェア・エニックスの「パラサイト・イヴ」や「キングダム ハーツ」などで知られる下村陽子氏が担当しており、本作が豪華スタッフの手によるゲームであることがおわかりいただけるであろう。
なお、大事なことなので最初に述べておくと、アプリ版「V.D.」は、ブラウザ版「V.D.」からのデータ引き継ぎが不可能だ。そのため、アプリ版で遊ぼうと思った場合は、誰もがゲームを最初からプレイすることになる。
弊誌ではブラウザ版のレビュー記事も掲載しているが、今回はこのアプリ版のリリースにともない、あらためて本作のシステムをおさらいしつつ、その魅力をお届けしていきたい。なお、別途記事にて「V.D.」開発陣によるインタビューも掲載しているので、そちらもぜひご覧いただきたい。
「V.D. -Vanishment Day- バニッシュメント・デイ」とは?
本作は、ジャンルとしてはRPGに属する。ゲームは戦闘のための準備を行なうホーム画面と、ストーリーを始めとする各種ミッションを遂行するクエストを交互にプレイする形で進行。また、ストーリーは章ごとに分かれており、さらに各章は「節」と、そこに内包される「話」で構成される。この「話」がクエストにあたるが、それ以外にもストーリーとは直接関係のないスペシャルクエストといったものも多数用意されており、現時点ではかなりの数のクエストを楽しむことが可能だ。
ゲームの根幹をなす戦闘部分については、敵味方それぞれの陣地に配置されたキャラクター同士が戦うターン制バトルを採用。敵味方の各陣地に前衛と後衛の概念があるほか、キャラクターごとに設定されたジョブによって相性があるなど、戦略性に富んでいるのが特徴だ。とくに敵味方の戦力差が僅差の場合はよく考えて命令を下さないと敗北する危険も高く、いわゆる「戦う」を連打して勝っていくようなタイプのRPGとは一線を画する。
ゲーム内容そのものはかなりのボリュームとなっているが、通常の1クエストにおけるプレイ時間は比較的短く、それでいて遊びごたえもあるため、忙しいながらもがっつりとRPGを楽しみたい、というプレーヤーにはうってつけのゲームと言えるだろう。スマホアプリならではの、通勤・通学時間のちょっとした合間に区切り良くプレイできる点もうれしいところだ。
キャラクターを集めて戦闘を有利に導く! スカウトサービスも実施中
「V.D.」に登場するキャラクターは、戦闘中のユニットであり、ゲームを進めていく上で欠かすことができないものだ。プレーヤーは最初から数名のキャラクターを所持しているほか、ストーリーを進行させていくことで新たなキャラクターが仲間として加わる場合がある。しかし、クエストによってはそれらのキャラクターでは部隊(パーティ)構成が不十分なこともあるかもしれない。そんなときに役に立つのが「スカウト」だ。
スカウトを実施するには「エージェント」、「軍資金」、「調査ポイント」、「探索ポイント」、「交渉ポイント」の5つを特定数以上所持していなければならない。スカウト画面でこれらのポイントを投入すれば、新たなキャラクターが1人獲得できるという仕組みとなっている。なお、キャラクターには低い順にN、R、R+、SRの4段階でレアリティが分けられていて、高いレアリティほど優秀なキャラクターである傾向にある。投入するポイントを多くすれば高レアリティのキャラクターが獲得できる可能性もアップするので、スカウト実行時にはその点を考慮しておくとよさそうだ。
さらに、キャラクターには前衛での近接攻撃を得意とする「アサルト」、防御力が高い「ヘビーガンナー」、後衛からの狙い撃ち専門「スナイパー」、味方を回復できる「メディック」、援護を得意とする「エンジニア」の5種類のジョブが設定されている。スカウトではジョブの指定こそできないが、軍資金が多めならヘビーガンナー、調査ポイントが多めならスナイパー、といった感じである程度、獲得できるキャラクターのジョブ傾向を絞ることが可能となっている。これらは必要に応じて調整していきたい。
なお、現在「V.D.」では新規プレーヤーを対象とした「ルーキーログインスカウト」というサービスも実施している。これは1日に1回、ログインするだけでポイントを消費せずスカウトができるというものだが、連日ログインしているとレアリティが高いユニットを獲得しやすい日にあたることもある。積極的に利用して、部隊の強化を行なうといいだろう。
サクサク遊べるターン制バトルはタッチ操作でさらに快適に!
本作の売りの1つであるターン制のバトルは、前衛・後衛の概念とユニットの相性、そしてターンごとに一括して命令を与える方式によって高い戦略性を実現しているのが特徴だ。
前衛・後衛については敵味方の陣地とも同じように用意されていて、各ジョブは前後どちらにいるかで攻撃方法が変化する。また、前衛の後ろについたユニットは敵の攻撃を受けないといった特典などもあり、それを利用して敵の攻撃を回避したり、HPを回復させるといったことも可能。ちなみに、前衛・後衛のユニット移動はタッチ&スワイプでサッと行なうことができ、ストレスは全く感じない。このあたりはさすがにアプリ版といったところか。
ユニットの相性も重要だ。これが設定されているのはアサルト、ヘビーガンナー、スナイパーの3ジョブで、相性は「アサルト>ヘビーガンナー>スナイパー>アサルト」という3すくみになっている。攻撃指定はタッチのみで行なうことができ、味方のユニットをタッチしたあと、攻撃したい相手をタッチすれば指定は完了。なお、味方ユニットをタッチした際、敵陣に有利に攻撃できるユニットがいれば「×1.5」の表示が出るので、それを目安に撃破する相手を決めていくのも悪くない。
これらの戦闘行動は、画面右下の「GO」ボタンをタッチすることで敵味方含めて行動順番の早い者から実行していくことになる。なお、GOボタンタッチ後は、すべてのユニットが1回ずつ行動を終えるまでは止まらないため、ボタンをタッチする前にちゃんと指定し終えたかを確認しておきたい。なお、何も指定しなかった場合は状況に応じて適切な行動をとってくれるが、状況に応じた陣形の変更まではしてくれないため、その点だけは注意しよう。
キャラクターはより強力に。武器・防具獲得の幅も広がった!
本作は一般的なRPGと同様に、経験値によるキャラクターの成長要素が用意されている。経験値はクエストクリア時に獲得できるほか、「キャラクター強化」のメニューから不要になったキャラクターを素材とすることで獲得が可能。また、10月1日にブラウザ版「V.D.」アップデートにて導入された、キャラクター強化システムである「覚醒」は、アプリ版においても当然ながら利用できる。とは言え、覚醒を実行するためにはそれなりのレベルや強化用素材、軍資金が必要なので、アプリ版プレーヤーはしばらくお世話になることはないかもしれない。
また、武器や防具についてもブラウザ版「V.D.」のサービス開始当初と比較すると、かなり入手しやすくなったようだ。これまでと同様に「開発」コマンドから「フェロー」と「軍資金」、「調査ポイント」を消費して獲得するほか、ゲーム内イベントに参加することでも獲得可能となっている。具体的な部分では、アプリ版「V.D.」のサービス開始日となる10月27日から実施されるゲーム内イベントにおいては、それに参加して敵を倒すことで入手できる戦績を集めることでそれなりに強力な武器をはじめ、各種アイテムやキャラクターなどが入手できるようになるようだ。こちらはゲームを始めたばかりのプレーヤーでも参加できる内容となっているので、迷わず参加して戦力の充実に励みたい。
クオリティの高さに脱帽! 1度はプレイしてほしい良作
戦略性が高いゲーム作りに定評のある土田俊郎氏と、数々の名曲を生み出した下村陽子氏がタッグを組んでできあがった作品というだけで、往年のゲームファンなら歓喜するであろう本作。もとがブラウザゲームなだけにカジュアルな内容を想像するかもしれないが、実際にプレイをしてみれば、遊びごたえ抜群のゲームだということがわかるはずだ。これまでブラウザ版ということで手を出さなかった人も、このアプリ版「V.D.」配信を機に、本作の世界に触れてみてはいかがだろうか。
なお別記事にて、今回のアプリ版「V.D.」配信タイミングにともない、本作の生みの親である土田俊郎氏をはじめ、ディレクターの赤木亮介氏、プランナーの濱田真衣氏の3名にインタビューを行なっている。アプリ版「V.D.」配信までの経緯や、今後の展開など、貴重なお話を伺えたので、こちらも合わせてご一読いただきたい。
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