★PS3/Xbox 360ゲームレビュー★

日本語版登場、銃と馬を相棒に荒野を駆けろ
去りゆく無法時代に生きた男達への鎮魂歌

「RED DEAD REDEMPTION」

  • ジャンル:アクションゲーム
  • 開発・発売元:Rockstar Games
  • 価格:7,340円
  • プラットフォーム:PS3/Xbox 360
  • 発売日:10月7日発売(発売中)
  • プレイ人数:1人(マルチプレイ最大16人)
  • CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)


 ファン待望の「RED DEAD REDEMPTION(レッド・デッド・リデンプション)」の日本語版が10月7日、米Rockstar Gamesより発売された。本作は“西部劇”を題材にしたアクションゲームで、プレーヤーは3Dグラフィックスで精密に描き出された、1911年のアメリカ中西部の「ニュー・オースティン」、メキシコ北部にある「ヌエーヴォ・パライソ」などを旅することになる。本作のローカライズは英語音声、日本語字幕となっている。

 「RED DEAD REDEMPTION」(以下、「RDR」)は、Rockstarの代表作である「Grand Theft Auto」シリーズで培われた“オープンワールド”タイプのゲーム性をさらに進化させている。フィールドは、地形、生物層、そして当時の風俗を再現し、歩いているだけでこの時代の住人になったような気持ちになれる。

 展開するストーリーは熱く、破天荒だ。Rockstarのゲームらしく、登場人物は奇妙で、展開にもエグいところもあるが、その“味”が、危険に満ち、人の命が軽い当時の時代にマッチしている。現代社会とはモラルも価値観も違う独得な世界を、ここまでリアルに再現した作品はないだろう。「RDR」の世界の住人として生きるという、新しい感触をプレーヤの中にもたらしてくれる作品だ。



■ かつての仲間を追う男ジョン・マーストン。プレーヤーに提示される“西部の掟”

主人公はジョン・マーストン。ギャングから足を洗っていたが、妻と子を人質に取られ、かつての仲間を追う
動植物、地形までもリアルに再現されたニュー・オースティン。建物や人の服装にも細かい時代考証を感じさせる
マップ画面。アメリカ中西部からメキシコ北部まで、広大な地域をカバーしている。

 「RDR」の主人公はジョン・マーストン。彼は元ギャングだったが、足を洗って過去を捨て去り、妻と息子と共に平穏な暮らしをしていた。連邦政府はアメリカに法を浸透させるための手段として、無法者の排除を計画しており、その1つの手段として、ジョンの妻と息子を人質に取り、かつての仲間であり、ニュー・オースティンで暴れ回るギャング、ビル・ウィリアムソンの捕獲を命じた。

 ジョンはビルが占拠している砦へと向かう。ビルを説得しようとするが、嘲笑と共に拒絶され、腹に銃弾を撃ち込まれてしまう。瀕死のジョンは、牧場を経営している女性、ボニー・マクファーレンに助けられる。回復したジョンはビルを引っ張り出すにはこの地方の協力者と戦力が必須だと痛感し、活動を開始する。

 「RDR」の基本的なゲームの流れは「GTA」シリーズと同じだ。広大な3D空間がプレーヤーの前に広がっており、ミッションを提示するNPCがマップに表示されている。プレーヤーはNPCの元へジョンを移動させることで、ミッションが始まり、ストーリーが展開する。マップには「GTA」シリーズでおなじみのナビゲーション機能も搭載されていて、NPCにマーカーを合わせると道順がマップに示される。

 ただし、ここは現代の都市とは違う“西部の荒野”だ。道とはいっても踏み固められたものだけでなく獣道の様な細いものもあり、時にはナビを無視して荒野を突っ切った方が早い場合もある。もちろん、ショートカットを狙いすぎると、崖があって立ち往生しかねない。また、馬という“生き物”を制御するという感触も、「GTA」の車とは違った味わいがある。

 さらに比較すると、「RDR」のフィールドは、「GTA」で都市が情熱を持って描かれていた以上に、スタッフが力をこめて描き出していると感じた。遙か彼方まで広がる荒野、轍によって作られた道、単線の線路には蒸気機関車が煙を吐いて力強く進んでいく。街は開拓時代を色濃く残しながらも、電気が引かれ、自動車も利用されはじめている。一方、鉄道の路線から外れた街は、寂れてゴーストタウンになっていたりする。風雨に浸食された岩の形、時には嵐に変わる天候。狼やクーガーなどが藪に潜み、時には旅人を襲う。鳥が大空を飛び、ウサギや鹿が跳ねる。

 豊かな田園風景や、緑豊かな森林とは違う、人の手が届かない、乾いた殺伐とした風景。荒野には人はほとんど無く、人家も少ない。この世界では、人の命も軽い。盗賊や馬泥棒は撃ち殺されても罪を咎められないし、“自分の名を知らしめる”為だけに決闘を挑んでくるものもいる。「RDR」では荒野を進んでいたり、街にいると、様々なランダムイベントが発生する。強盗に襲われている人がいたり、馬泥棒に馬を捕られたと泣きついてくる人、馬車を取られたという人もいる。

 これらの解決方法は銃に頼ることが多い。輸送中の脱走犯を縛り上げ保安官に引き渡した後、去りゆく背後で保安官が囚人を始末する銃声が聞こえたりして、現代とは違うモラルと命への価値観を考えさせられたりする。「RDR」ではただマップを旅しているだけでも、「西部劇の主人公」気分が味わえる。そしてその舞台は、膨大な資料によって作られた、リアルな世界なのだ。本作ほど実際にその世界に生きているかのような臨場感をもたらす作品は少ないだろう。

 メインとなるストーリーは、Rockstarならではの、骨太で熱く、そしてぶっ飛んだユーモアを感じさせるものになっている。ジョンは最初、自分の素性を明かさない。プレーヤー自身にとってもジョンは謎の男だが、命の恩人のボニーや中心となる街「アルマジロ」のジョンソン保安官との会話で徐々に明らかになってくる。

 また、本作のキャラクター描写としては、ウエスト・ディケンズという「奇跡の薬売り」が素晴らしい。ビルを捕まえるための協力者になってくれるというのだが、薬を売るためのサクラに使われ、「驚くほど目が見える様になるクスリ」を飲んだ後、銃で遠くのものや動くものを撃つはめに。さらに詐欺に怒った男達に追いかけ回されたりもする。金稼ぎのために賭けレースに出場させたりと、ジョンを毎回さんざんなめに合わせるくせに、全然悪びれず、気取った言葉遣いで教養の高さまで自慢する、かなりインパクトのある人物だ。

 しかもディケンズが「戦いに役立つ」と、紹介する人物がまたすごい。“墓暴き”で生計を立てている上、外見がグールのように気持ち悪いセスと、出会うときはいつも酔っぱらっていて、戦いが始まると「援護する」と言って、その場からいなくなってしまうアイリッシュ。この2人は、味方というにはあまりに頼りない。こういう人間達が闊歩しているのが「RDR」の世界なんだと、改めて感じさせる演出が見事だ。

 そしてRockstarのゲームに珍しく「ヒロイン」が強く印象に残るのも「RDR」の特徴といえるだろう。ボニーは農場の末っ子で、兄たちは皆いなくなってしまい、老いを見せ始めた父を支え農場を切り盛りしている。男顔負けの乗馬テクニックと、向こう気の強さ、牛追いなど激しい労働が続く牧場の仕事をこなす強い女性だが、時折わずかに不安や、ジョンへの想いをのぞかせるのが楽しい。しかし、ジョンは妻と子がいて、2人の仲はロマンスには進展しない。ボニーはギャングに人質に取られ、あわや縛り首というところでジョンに助けられても、強がりを言ったりする。切なくてかわいらしいキャラクターだ。

 ストーリーはいくつか大きな区切りがあり、「ニュー・オースティン編」が終わると、「ヌエーヴォ・パライソ編」になる。こちらでは新たに魅力的なキャラクターが多数登場し、また違ったヒロインも出てくる。メキシコ国内は「メキシコ革命」に吹き荒れており、力を持つ者達が不気味な動きをしている。アメリカとはまた違った価値観が支配する世界である。ジョンはどう活躍していくのか、プレーヤーはぐいぐいと物語に引き込まれていくだろう。


ニュー・オースティン編のヒロインであるボニー・マクファーレン、タフなジョンソン保安官、そしてビル・ウィリアムソン
自称科学者のウエスト・ディケンズ、グールのような外見のセス、いつも酔っぱらっているアイリッシュ
ボニーのミッションでは彼女の牧場を手伝う物が多い。牛を追うまさに「カウボーイ」体験もできる
ディケンズのミッションでは、薬の効能を証明するサクラにされたり、丸め込まれてレースに出されたりと、利用されてしまう。さらには、怒った客との戦いにまで巻き込まれる
荒野を歩いていると、ランダムで様々なイベントが発生する。ただ殴り合っている人など、こちらに何も関係のないイベントも多いが、ニュー・オースティン地方の殺伐さを印象づける。一方でキャンプを見かけると、人の温もりを感じる


■ 目に止まらぬ早撃ちを再現した「デッドアイ」、たっぷりやりこめる「チャレンジ」など、特徴的な要素を紹介

画面がセピア色になり、敵がスローモーになるデッドアイ。素早く攻撃をたたき込め
キャンプキットを使うと街や設定したマーカーに移動できる
野生馬を捕まえる。街に持って帰り繋ぐことで自分のものにできる。血統書を買うことで馬が死んでも再び使える

 ゲームの特徴的なシステムをいくつか紹介していきたい。本作の操作法は、「GTA IV」とほとんど同じだが、PS3ではL2、Xbox 360では左トリガーでの照準時、視点移動である右スティックを押し込むことで「デッドアイ」という特殊なアクションが使える。

 このデッドアイが発動すると、画面がセピア色に変化し、スローモーションになる。敵がゆっくり動く間に、こちらは銃弾がたたき込めるというわけだ。ゲームが進むことでレベルが上がり、より正確な射撃ができるようになる。デッドアイを使うと、人質を盾にする悪漢を狙い撃ったり、銃を乱射しながら街を騒がせる一団を一瞬で撃ち倒したり、縛り首にされそうになる人を助けたりと、西部劇の名場面のような活躍ができる。

 また、本作では様々な「消費アイテム」が使える。医者で買える薬は体力を回復させるし、噛みたばこはデッドアイゲージを回復させる。馬のスタミナを回復させるリンゴなどもある。「RDR」では撃たれても続けて攻撃を受けなければ徐々に体力が回復する。さらに薬をいつも持ち歩いていれば、敵に倒される回数はグッと減る。敵と激しい戦いや、長めのミッションの時にはアイテムを多く持っておきたいところだ。

 アイテムの中では「キャンプ」がとても便利だ。街や道から離れた、平らな場所でアイテムの中の「キャンプキット」を使えばキャンプを設営できる。キャンプではセーブができるだけでなく、街や、以前に訪れた場所への移動ができる。「RDR」にはお金を払って任意の場所に移動できる馬車があるのだが、正直、このキャンプを使えばいらなくなってしまう。あまりに便利すぎるため、多用しすぎると「RDR」が持つ“旅の楽しさ”をスポイルしかねないとも感じた。ひたすらミッションだけを進めて早解きをするのではなく、たまにはただひたすら無目的に荒野を突っ走り、ランダムイベントを楽しんで欲しい。

 「馬」を集めるのも大きな楽しさだ。馬は店で「血統書」を買うことで入手できるが、良い性能の馬は売り切れになっている。これらの馬を購入するためには野生の馬を調教し、街に持ち帰って繋ぐ必要がある。調教はまず投げ縄で馬の動きを止めてから、馬にまたがり、ロデオのように暴れる馬から振り落とされないようにバランスを取る。馬は観念すると自分の乗馬として使えるようになるが、何かで死んでしまうと血統書を持っていない限り復活しない。馬の調教は、「じゃじゃ馬ならし」というアルバイトでもでき、成功するとお金を得ることができる。

 ギャンブルやミニゲームも豊富に用意されている。個人的には、指の間にナイフを突き立て、その正確さを競う「フィンガーフィレット」は現実世界では絶対やりたくない危険な遊びだ。ポーカーやブラックジャックなど、酒場でテーブルを囲んで遊ぶゲームは、1つのテーブルをむさ苦しい男達が囲み、賭け事に夢中になる“暗い雰囲気”を良く現わしている。あるミッションでサイコロの数を当てる「ブラフ」というゲームをやるのだが、1対1の勝負の時は、実際に相手の手を読み合うギャンブラーになったかのような気持ちを味わえた。

 「RDR」では“1911年のアメリカ中西部”を思うまま旅することができる。実際の旅では食料や水などの危険、馬の体力や、旅行者自身の疲れ、過酷な気候や人を拒む地形などで相当な苦労があったと思う。ゲームではそのつらさを想起しながらも、テーマパークのように気軽に、快適に旅をすることができる。

 探索する楽しさは「チャレンジ」という要素で一層深まる。チャレンジには採取や狩猟、射撃といった項目があり、「コヨーテを5匹倒せ」などの目標が提示され達成することでレベルアップしていく。提示された目標を満たすために様々なアクションをすることが求められる。目標をクリアしていくことで特別なコスチュームが得られる。

 射撃チャレンジでは「列車に乗って鳥を撃て」というものがある。ニュー・オースティン編のミッションでは列車に関連するものはないが、このチャレンジを満たすために列車に乗ってみた。列車に乗るには駅で止まっている時を狙う以外にも、馬で併走して走り、飛び乗ると言うこともできる。列車に乗っての旅は中々新鮮だった。ちなみに、ヌエーヴォ・パライソ編からは列車に関するミッションも出てくる。このように、自由にアプローチする楽しさを本作は持っている。


チャレンジでは様々な課題が提示される。右は賞金首を捕らえたところ。生きたまま捕らえると賞金が上がるが、街に帰るまで仲間や、横取りを狙う賞金稼ぎに襲われる
フィンガーフィレット、ポーカー、ブラフ。他にも様々なミニゲームが用意されている。特別なコスチュームを着るとポーカーなどでイカサマができる
ニュー・オースティン地方の風景。過酷だが美しさを感じさせる。鉄道の路線から外れてしまったために、ゴーストタウンになってしまったところもある


■ 仲間を得て、敵を追いつめろ! そして舞台はメキシコへ

ボニーが縛り首に! 急いで助け出さなくてはならない
西部劇でおなじみの決闘シーンも。街の無法者が挑んでくる場合もある
新聞もきちんと日本語化されている

 「RDR」の魅力はやはりミッションだ。ニュー・オースティン編のミッションでは、ジョンソン保安官と共にギャングの拠点を襲撃したり、詐欺だと怒り狂う客に追いかけられ、自称科学者のディケンズの馬車で逃げながらの銃撃戦、ボニーの牧場の手伝いなど、様々なシチュエーションが体験できる。鉱山の奥深くに進んでいったり、保安官を事務所から引き離すため馬を盗んだりなど、西部劇の映画の1シーンを演じているような気分になれる。

 「ニュー・オースティン編」のクライマックスは、ビル・ウィリアムソンのいる砦「フォートマーサー」への襲撃だ。ここではジョンソン保安官と保安官助手、ディケンズ、セス、アイリッシュとこれまでのNPCが結集し、砦へと向かう。ならず者達の前で、囮となってしゃべりまくるディケンズのセールストーク、そして引き寄せられたならず者達にガトリングガンの弾丸を浴びせかけるジョンという流れが爽快だ。プレーヤー誰もが思わず力をこめてコントローラーを握ってしまうシーンだろう。

 メインのミッションでは、目的地に移動する間の馬上の会話も面白い。時にはジョンの過去の話だったり、ボニーの家族の話だったりもするし、セスが楽しげに死体に話しかけたりもする。移動の会話だけでもキャラクター性が出ており、様々な事実が明らかになり、時代背景も把握できる。ボニーの父親やジョンソン保安官は自分たちの法を強引に広めようとする連邦政府への不信感を持っている。

 メインミッションはもちろん、サブミッションも面白い。廃屋にたたずむ花嫁衣装を着た老婆の秘密や、「カリフォルニアを目指す」といいながら、何故か荒野を1人さまよう男など、奇妙な味わいのものが多い。また、「水が出るはずの土地を買うのを手伝ってくれ」という男や、「映画産業を興すために土地が必要だ」という男を助けるものもある。これらのミッションはいくつかのチェックポイントで連続して進行していく。ニュー・オースティン編だけで終わらず長く続いていくものもあるので、ぜひ楽しんで欲しい。

 そしてヌエーヴォ・パライソ編だ。ヌエーヴォ・パライソ編では人々から人気の高い反逆者の兵士アブラハム・レイエスと出会う。彼はメキシコに革命を起こし、自分が大統領になることを夢見ている。彼に心酔しているのが、19歳の教師にして革命家の女性ルイーザ・フォーチュナである。彼女もまたメキシコ軍に追われる存在で、ジョンは彼女を助けて奔走する。ジョンに好意を見せ始めるルイーザと、それを敏感に察知するレイエスの関係も面白い。レイエスの目指す革命の顛末がどうなっていくかも注目である。

 筆者は、本作をプレイする前に、英語版をプレイしていたのだが、今回日本語版をプレイしてみて、より細かくストーリーを理解でき、キャラクターへの思い入れも深くなった。ディケンズの持って回った言い回しなどもきちんと翻訳されていて、筆者にとって日本版は本作の魅力を何倍にもふくらませてくれた。日本語版で隅から隅まで本作を楽しんでみたいと思う。


燃えさかる納屋から馬を出したり、鉱山の奥へ向かったりとミッションは様々。また、ミッション以外で、ギャングが占拠している場所で戦う事も可能だ
ニュー・オースティン編のクライマックスとなるミッション「フォート・マーサー襲撃」。これまでの協力者が勢揃いする
「メキシコは詳しい」というアイリッシュと共に川を渡ると、突然襲撃される。アイリッシュは物陰に隠れながら言う、「そういえば俺は、メキシコでは賞金首だったんだ」。……とんでもないとばっちりだ
サブミッションも数多く用意されている。中央は「カリフォルニアに行く」といっておきながらさまよい続ける男。ドンドン言動がおかしくなっていくのがちょっと怖い
左が反逆者の兵士アブラハム・レイエス、中央が19歳の教師にして革命家の女性ルイーザ・フォーチュナ。ヌエーヴォ・パライソでは新たな人達との出会いが待っている
ヌエーヴォ・パライソ地方のスクリーンショット。アメリカとは植物層や地形が違う。また白漆喰で塗り固められた建物もニュー・オースティンではあまり見られなかったものだ


■ 遊びごたえたっぷりなマルチプレイ。対戦のみならず協力プレイも楽しい

対戦モードのスタートは決闘シーンから。気分が高揚する瞬間だ
マルチプレイをスタートするとまず「放浪モード」に入る。そこからさらにメニューを開くと、対戦のルームへと行ける

 「RDR」はマルチプレイにも力が入っている。他のゲームであまりない要素として「放浪モード」がある。このモードはシングルプレイの舞台となる広大なマップ全てが自由に動き回れるフィールドとして用意されており、最大16人のプレーヤーがこのマップを共有できる。

 放浪モードでは撃ち合いをすることもできるが、最大8人まで「民警団」に誘い、いわば“パーティー”を組むこともできる。プレーヤー達で協力してギャングの隠れ家を襲撃することも可能だ。民警団を組むとリーダーのところにワープすることもできる。他のプレーヤーの動きはマップに表示されるので、民警団を組まなくても、協力プレイも可能だ。ギャングの隠れ家を一掃するとボーナスの経験値を得ることができる。また、放浪モードではシングルプレイと同じ「チャレンジ」も用意してあり、クリアすることで強力な武器を入手できる。

 対戦は大別すると「フリーフォーオール」と「ギャング戦」がある。ギャング戦はチーム戦だ。対戦は開始時にプレーヤー達が対峙する決闘シーンからスターとするのが楽しい。対戦メニューとしては銃撃戦を繰り広げる「シュートアウト」、「キャプチャーザバッグ」があり、キャプチャーザバッグはさらに、マップに現われる金塊をできるだけ自分の箱に運ぶ「黄金ダッシュ」、1つのバッグを奪い合う「ゴールドキーパー」、敵地からバッグを運ぶ「バッグ争奪戦」の3種類のルールが用意されている。

 北米版が発売されてもうすぐ5カ月だが、いまでもマルチプレイに参加するプレーヤーの数は多く、放浪モード、対戦モード共に大人数での戦いが体験できた。特に対戦モードでは、マップ上に強力な武器が落ちており、これを拾いパワーアップして戦うというルールが楽しかった。対戦時のミニマップでは、銃を撃ったり、ダッシュすると他のプレーヤーに自分の位置がばれてしまう。そして立ち止まったり通常の移動にするとマーカーは消える。このルールは、1カ所に立ち止まっての狙撃はしにくくなる。

 このためうまいプレーヤーは狙撃ポイントを何カ所か把握し、何人か倒したら移動し、また狙撃をして敵を倒している。また、わざと走って位置を知らせ、敵をおびき寄せる動きをするプレーヤーもいて感心した。対戦でうまくなるには、マップと武器の位置の把握が必要だと感じた。

 対戦や放浪モードで得た経験値でプレーヤーはレベルアップしていく。そうすると武器や外見を選ぶことができるようになる。放浪モードのアバターを選ぶこともできる。アバターは用意されたモデルを選んでいくのだが、ロックされているものは真っ黒なキャラクターとして描かれており、細部はわからない。モデルの中には女性キャラクターもあるようだ。

 海外では9月21日にマルチプレーヤー用のDLC「Liars and Cheats Pack」が発売された。マルチプレイで馬のレースができたり、ポーカーなどのテーブルゲームもプレイ可能になるとのことだ。この他にも西部劇の世界に何故か“ゾンビ”大量に出現するというDLC「Undead Nightmare Pack」なども予定されているという。「Undead Nightmare Pack」は北米では近日登場予定とのことで、「RDR」の世界が一体どうなってしまうのか、注目だ。日本でも10月21日にマルチプレイでの協力プレイが楽しめるDLCの「アウトロー・トゥ・ジ・エンド」が無料で配信されることが発表された。今後の展開にも期待したい。


放浪モードでギャングの隠れ家を襲撃するとボーナス経験値が得られる。この他、チャレンジに挑戦したり、他のプレーヤーと戦ったりと様々なことができる
対戦モードではチームで戦う「チーム戦」と「フリーフォーオール」がある
経験値を得てレベルアップすることでコンテンツがアンロックされ、武器やアバターの選択肢が増えていく

(C) 2005-2010 Rockstar Games, Inc

(2010年 10月 14日)

[Reported by 勝田哲也 ]