PS3ゲームレビュー
ガンダムブレイカー
パーツを組み合わせて自分だけのガンプラ作り! ペイントもガンプラならではの機能が
(2013/7/15 00:00)
パーツを組み合わせて自分だけのガンプラ作り! ペイントもガンプラならではの機能が
登場するガンプラは、もちろん現実に販売されているものだ。1/144スケールの「HG(ハイグレード)」シリーズ、1/100スケールの「MG(マスターグレード)」シリーズ、1/60スケールの「PG(パーフェクトグレード)」があり、ゲーム中にはこのスケールの違いがそのままに再現されている。同じガンダムでもHGとPGのガンダムを比べると、PGはかなり巨大だ。なお、プレーヤーの機体に使えるのはHGとMGまでで、PGは敵ガンプラのボス専用という存在になっている。
ガンプラは、「ヘッド」、「ボディ」、「アーム」、「レッグ」、「バックパック」とパーツにわかれていて、パーツごとに使用可能レベルが設定されている。ミッションをこなすことでOSバージョンが上がり、高レベルのパーツも使えるようになっていく。OSバージョンという仕組みで、プレイを重ねると高性能な機体のパーツが使えるようになっていく仕組みを作っているわけだ。
また、HGとMGでは当然サイズが異なるが、それも組み合わせに制限はなく、OSバージョンさえ足りていれば使える。ガンダムの体にザクの頭を付けたり、サザビーとνガンダムをミックスしてみたり。ガンプラに小さい頃に慣れ親しんだ人は1度はやったことがあるような改造だと思うが、そうした遊びを存分に堪能できるのが本作の大きなポイントだ。
また、機体そのもの以外には、「シールド」、「ウェポン(近接)」、「ウェポン(射撃)」と、装備のパーツがある。武器の種類は以下の通りだ。
【近接武器】 | 【射撃武器】 |
---|---|
サーベル | ライフル |
アックス | ロングライフル |
大剣 | マシンガン |
ムチ | ガトリングガン |
ランス | バズーカ |
格闘 |
こうした武器を上手く扱えるかは、パーツごとの適性で決まってくる。例えば汎用的な機体(ガンダムやジムなど)ならサーベルやライフルを無難に扱えるバランス型になっており、Zガンダムならロングライフルの適性が高かったりと様々。これらは原作のモビルスーツが扱っていた装備をもとに、イメージにあった設定が付けられている。ガンダムを良く知る人なら、「大剣ならアストレイとかストライクだよな」とか、そういった予想から仕上げていける。
ちなみに装備の適性の種類は上記の通りだが、例えばサーベルにも基本となるビームサーベル以外にも二刀流=ツインタイプもあれば、機体ごとの色違いもしっかり抑えている。装備やパーツはそれぞれ、いずれも100種類を越える。
また、装備やパーツによっては、それを象徴するような「EXアクション」も使えるようになる。例えばキュベレイのバックパックをつければ、ビットによる「オールレンジアタック」が使えるし、ガンダムヘビーアームズのパーツなら全砲門一斉射撃の「フルオープンアタック」が使える。EXアクションは1度使うと再使用にはチャージ時間が必要になるが、大ダメージを与えられる必殺技。EXアクションにも数多くの種類があって、特定のEXアクションを実戦で使うと覚えるというものもある。
どんな武器を使いたいか、どんなEXアクションを駆使するか、そして、そもそも自分好みの外観はどんなものにしていくか。これらを考えてカスタマイズしていくことになるのだが、組み合わせにはゲーム性を高めるための制限はある。それが「キャパシティ」だ。パーツや装備ごとにコストがあって、キャパシティを越える装備はできない。
キャパシティの最大量は、「ボディ」、「レッグ」、「バックパック」の3つのパーツで決まり、そのキャパシティを越えないように他のパーツを組み込んでいくことになる。ゲームを進めて行っても、なんでもかんでも強力なものを全部詰め込むのが正解ということにはならない。キャパシティを考慮して、コンセプトを絞ったガンプラを作っていくようになる。なかなかにそのバランスは上手くできていて、自分好みで、かつ、高い性能を実現するための組み合わせ探しが面白い。
ガンプラ作りの仕上げになるのが「ペイント」だ。このペイントが結構凝っているのも、本作の見所と思う。各部パーツにRGBで作った色を塗れるし、作った色の保存や呼び出しも完備。1パーツあたりにだいたい4色を使えるので、結構細かなカラーリングができる。ペイントパターンもノーマルなベタ塗り以外に、ドットや迷彩などの3種類のパターンがある。
さらに、実際のモデラーの方々がやるようなペイントテクニックも施せる。細かな「デカール」貼りに始まり、「光沢処理」、「チッピング(塗装がはげて金属がむき出しになる再現テクニック)」、「エアブラシ(スプレーで塗料を吹き付けることで、細かい陰影をつけるテクニック)」、「汚し処理」、「傷処理」、さらにはジオラマに置く上で欠かせない「足下汚し」もある。これらはすべてパラメーターで最大100まで量を決められるので、まさに自分だけのテイストが出せる。
こういうところが抑えてあるのも、ガンプラを題材にしている本作だからこそ。水陸両用っぽいカラーや、寒冷地仕様っぽいカラー、さらには「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の劇中でギュネイ・ガスがやっていたようなホビーザクっぽい塗装だってできるし、そのシーンにあった「いい趣味してるじゃないか」みたいな会話だって、本作のオンラインマルチで他のプレーヤーとチャットでやり取りできるだろう。
ちなみに創り上げたガンプラの組み合わせを保存して1発で呼び出せる「設計図」機能もあるのだが、設計図を保存するときに公式ポータルサイト「GUNDAM PERFECT GAMES」にアップロードし、公開することもできる。ギャラリーをみると、ユニークなものからかっこいいものまで、オリジナルガンプラがずらっと並ぶ。まるで一昔前の模型店のショーウィンドウみたいだ(昔の模型店では常連のモデラーが作ったプラモを飾っているお店が多くあった)。テーマを決めたコンテストも行なわれているので、そうした楽しみも広がっている。