PS3ゲームレビュー

ガンダムブレイカー

マルチプレイが楽しい本作! 互いのガンプラカスタマイズを楽しもう!

マルチプレイが楽しい本作! 互いのガンプラカスタマイズを楽しもう!

本作の醍醐味はなんといってもマルチプレイ。他プレーヤーの仕上げたガンプラを見るのも面白い
4人プレイともなれば、殲滅力アップで、より激しい戦いが楽しめる。撃破された時に助け合えるのもマルチならではだ

 本作には、オフラインで1人でプレイする「シングルプレイ」と、オンラインで最大4人のプレーヤーと一緒に協力できる「マルチプレイ」があるが、どちらでもミッションを進められるし共通している。マルチプレイでミッションをクリアすれば、シングルプレイも同じようにクリア扱いになっていく。ちなみにガンプラパーツ集めにおいては、マルチプレイで多人数で楽しんだほうが、より多くのランナーが手に入りやすい。そうした仕様もあって、どんどんマルチプレイで楽しんだほうが楽しめるゲームだ。

 マルチプレイはルーム制で、1ルームあたり4人のプレーヤーが参加できる。ルームにはルーム名、プレイスタイル、参加できるプレーヤーの階級、パスワード、コメントが設定できるので、ミッションクリアや特定ミッションの周回など、目的別に作れる。

 マルチプレイでは、他のプレーヤーとボイスやテキストでのチャットが可能だ。L2と方向キーでプリセットのラジオチャットを、R2と方向キーであらかじめ設定してあるカスタムのラジオチャットが使える。入室時の挨拶などはラジオチャットでさくさくと気軽にやり取りできる。また、L2+R2で自由入力のフリーチャットも可能で、USB/Bluetoothのキーボードも使用できる。

 ハンガー内では、自分のガンプラ以外に参加プレーヤーのガンプラもズラリと並ぶ。それを見るのもまた面白く、ガンプラの前に行けばどんなガンプラになっているのかチェックすることも可能だ。他のプレーヤーが作ったガンプラは思いがけず奇抜であったり、カラーリングがかっこよかったりで、それに影響されて自分のガンプラをカスタマイズしてみたりと、新鮮な面白さがある。

 ちなみにマルチプレイのハンガー内でも、パーツの組み立て、カスタマイズ、ペイントなどは可能なのだが、その間、他のプレーヤーを待たせる事になりかねない。ルームによるが、極力準備はスピーディーに済ませ、凝ったカスタマイズは後回しにしたいところだ。一応、他のプレーヤーがミッション出撃準備が完了するとアラームが鳴ったりと機能はあるのだが、カスタマイズ画面でチャットが見られないのがちょっと不自由に思えた。

 全員の準備が整ったらいざミッションへ! シングルプレイよりもやはりクリアしやすくて、特に中盤から後半の難易度が一気に上がっていくミッションはマルチプレイでないと辛いところもあるだろう。マルチプレイでは撃破されたプレーヤーに近づいて□ボタンを押せば救出できるなど、助け合いができるのも大きい。ミッション中でもチャット機能が使えるので、助け合ってお礼を言ったりも可能だ。

 なんといってもプレーヤーが4人ともなれば、殲滅力も格段に高い。戦闘の激しさもシングルプレイ時より派手になり、より爽快感のあるプレイが楽しめる。本作はがんがん遊びこんでレアパーツをゲットしていくような、一種の“狩りゲー”ライクな側面があるので、マルチプレイの方が格段に楽しめる。

 ひとつマルチプレイで注意すべきなのは、PGガンダムが待つような“特殊エリアに転送される装置”を使う時。転送は誰かが操作すると全員飛ばされてしまうので、転送装置とセットで出てくる回復ポイントに行くのがまだだったり、ランナー回収が済んでいない人がいないよう、気をつけないといけない。他のプレーヤーの動きに注意しよう。

本作のマルチプレイはルーム制。ハンガーやミッション中にはチャット機能も使用できる

独自の世界観で繰り広げられる新世代ガンプラバトル!! 今後の広がりにも期待

独自の世界観と、ガンプラならではの面白さを見せた本作。1作目としては全体の出来もよく、今後の広がりを期待していきたい

 ガンプラを題材にカスタマイズ、ペイント、そしてミッションと、これまでの「ガンダム」ゲームとは違った世界観を楽しめる良作。新しいアプローチの1作目としては、ゲーム性やバランスも完成度は高いと思えた。ミッションのプレイ感はざっくりとしているところもあるものの、それだけに気軽に遊べる。一方で、カスタマイズ方面は、ディープにレアパーツを求めていくやりこみができる。

 惜しいのはやはり、登場ガンプラの種類が若干物足りないところだろう。主要な作品だけでも、ZZ、V、X、∀あたりが見当たらないのは寂しい。収録されているガンプラにしても、ガンダム系とバリエーション違いが多い。収録ガンプラが多いほど、パーツ集めとカスタマイズが長く楽しめるゲームになってくるわけで、これにおいてはもう少し量が欲しかったという印象だ。とはいえ、1作目からガンプラの全てを網羅できるほどに種類を入れられるわけもなく、このあたりは今後順次増やしてもらえたら嬉しい。

 なお、本作のアップデートが発表されている。約30のミッション、機体も追加される予定となっている。

 ガンプラというテーマはこれまでのガンダムゲームになかった面白みがあるし、世界観も面白い。近いコンセプトを感じさせる新作アニメ「ガンダムビルドファイターズ」も発表され、本作の広がり、シリーズ化も期待したいところ。そうした今後の広がりなど期待値も込めて、ガンダム好き、ガンプラ好きにまずは本作をオススメしていきたい。

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(山村智美)