★ PS3/Xbox 360ゲームレビュー★
充実の対戦モードを搭載!
武器対戦格闘ソウルシリーズの最新作が登場!
「ソウルキャリバーV」
ジャンル:
  • 武器対戦格闘
発売元:
開発元:
プラットフォーム:
  • Xbox 360
  • PS3
価格:
8,380円
発売日:
2012年2月2日
プレイ人数:
1~2人(オフライン時) / 2~6人(オンライン時)
レーティング:
CERO:D (17歳以上対象)

 2月2日、株式会社バンダイナムコゲームスから同社の武器対戦格闘シリーズの最新作となるプレイステーション 3/Xbox 360「ソウルキャリバーV」が発売された。本レビューにはPS3版を使用している。



■ 新キャラクターを追加し、従来のキャラクターもリニューアル!

 あらゆる面で大幅なリニューアルが図られている本作。まずはキャラクターに関してお伝えしたい。使用できるキャラクターはなんと28体!最初から全てのキャラクターが使用できるわけではないが、ゲームを進めることで使用できるキャラクターは増えていく。「ダンピエール」は初回封入特典のダウンロードコードが必要になるが、それ以外のキャラクターはオフラインプレイだけでもアンロックできるようになっている。

【プレイアブルキャラクター一覧】
パトロクロスツヴァイレイシャナツ
エツィオラファエルヴィオラピュラ
ジークフリートヒルダシバアイヴィー
セルバンテスアイオーンティラナイトメア
御剣マキシ吉光ダンピエール
ヴォルドアスタロスαパトロクロスエリュシオン
エッジマスターアルゴルキリクピュラΩ

 パトロクロス、ツヴァイ、レイシャ、ナツといった新キャラクターはもちろんのこと、前作から17年後の世界が舞台となっていることや新システムが導入されたこともあってか、従来のキャラクターもリニューアルされているため、全てが注目のキャラクターといえるだろう。また、本シリーズでは恒例ともいえるゲストキャラクターとして「アサシン クリード」シリーズの主人公「エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ」が参戦している。

今回のゲストキャラクターは「アサシン クリード」シリーズの主人公「エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ」。このゲストキャラクターに加え、新キャラクター、従来のキャラクターを合わせ、トータル28体ものキャラクターが使用可能となっている。さらに後述のクリエイションではオリジナルのキャラクターを作って対戦でき、クリエイション専用の格闘スタイルまでもが用意されている

■ クリティカルゲージを導入!新システムの追加だけでなく、従来のシステムもリニューアル!

本作では新たにクリティカルゲージが追加された。このゲージを使ったアクションはどれも強力なものになっている

 システム面においては、クリティカルゲージ、クリティカルエッジ、クイックムーブといった新システムが追加され、従来のシステムの一部もリニューアルされている。クリティカルゲージに関するシステムが1番の大きな変更点といえるだろう。

 クリティカルゲージはクリティカルエッジやブレイブエッジといったアクションで消費されるゲージで、攻撃する、攻撃を受ける、受け身を取るなどで増加する。なお、ゲージを使ったアクションはA+B+Kのボタン入力をするように統一されている。

 基本操作は、レバー(スティック)、A(縦斬り)、B(横斬り)、K(キック)、G(ガード)。ここについては変わりない。


■ クリティカルエッジ

 クリティカルエッジは、クリティカルゲージを1本消費して繰り出す技。コマンドは全キャラクター共通でA+B+K。威力や発生速度など、性能はキャラクターにより異なるが、一発逆転を狙えるほどの威力を持つ。

 クリティカルエッジが投げタイプのキャラクターも一部いるが、多くのキャラクターは打撃タイプで、その用途は広い。

 例えば、パトロクロスの「プライス・オブ・ジャスティス」は、中段属性のアッパーを放ち、ヒットすれば追撃へと派生するクリティカルエッジで、Bで浮かせた相手に決めることができるし、下段斬りなど隙の大きめな攻撃をガードした場合の確定反撃としても使うことができる。威力は高く、どちらのケースも全体力の半分近くのダメージを相手に与えることができる。

 クリティカルエッジを反撃やコンボとして使えると相手に知らしめておけば、それだけで脅威となる。自分、相手のゲージ残量のチェックは怠らないようにしたい。また、無理に連携に割り込もうとすると、出始めにつぶされたりすることもあるので、無駄打ちしてゲージを消費しないよう心がけるのも重要だ。

ゲージを1本消費するものの、高い威力を誇るクリティカルエッジ。その性能はキャラクターにより様々。打撃だけでなく、投げタイプのクリティカルエッジを使うキャラクターも存在する

■ ブレイブエッジ

 ブレイブエッジは、クリティカルゲージ0.5本を消費し、追加攻撃やガード崩し効果などを持つ高性能な技が繰り出せる。コマンドは共通ではなく、その数や性能はキャラクターにより異なるため、使用キャラクターにどんなブレイブエッジがあるのか確認しておきたい。

 例えばツヴァイにはタービュレントレボルヴァー(AA+B+K)やBV:バックアップヴァンガード(KA+B+K)など8種のブレイブエッジがある。

 中段のAからはA.Aという上段の派生があり、1段目ガード後にしゃがまれてしまうと反撃を受けてしまうが、しゃがんで対応してくる相手には2段目が中段のタービュレントレボルヴァー(AA+B+K)を放てばヒットしてくれる。さらに2段目にはスタン効果があるため、追撃まで決めることができる。

 Kは中段で、派生がなく、ガードされるとA.Aなどで反撃されてしまうが、BV:バックアップヴァンガード(KA+B+K)にすれば反撃しようとする相手に2段目の幻体E.I.N.による攻撃がヒットしてくれる。

 ブレイブエッジは、ダメージアップに繋がるだけでなく、ガードされても不利の少ないタイプを使っていけば、攻め込みたい場面で安全に攻めることもできたりと、使い勝手がいい。ただし、ゲージを消費することを忘れてはならない。

ブレイブエッジの数や性能はキャラクターにより異なる。どんなブレイブエッジがあるのか確認し、状況に合わせて使えるようになっておきたい

■ ガードインパクト

 シリーズを代表するシステムのガードインパクトも変更点が多い。コマンドはA+B+Kで、クリティカルゲージを消費(0.5本)する分、上・中・下段全てを弾き返せるようになった。ただし、ガード不能技、投げ、クリティカルエッジを弾き返すことはできない。技の中には、ガードインパクト属性のある技もあり、こちらはゲージを消費しない。

 同じコマンドで上・中・下段全てを弾き返せるようになり、成功すれば反撃が確定するガードインパクトだが、ゲージを消費するため、使いどころは結構難しい。賛否両論ある仕様変更ではないだろうか。

成功、失敗に関わらず、ガードインパクトをするとゲージは消費されてしまうので、使う場合は反撃を誘って確実に決めたい。固有技の中にはガードインパクト属性を持つものも存在する。クリティカルエッジがガードインパクト属性で、相手の攻撃に合わせることで初めてダメージが与えられるダンピエールのようなキャラクターも

■ クイックムーブ

 自由に移動できる8WAY-RUNに加え、本作ではクイックムーブ(/////のいずれかを同方向に素早く2回入力)が追加された。8WAY-RUNと同様に縦斬りに対して効果を発揮する移動手段で、通常より早く8WAY-RUNへ移行できる。

 クイックムーブは成功すれば空振りした相手に一方的に攻撃を叩き込むことができるが、横斬りや斜めに斬るような縦斬りに対しては弱く、万能な防御手段ではない。使いどころが肝心だ。さらにクイックムーブや8WAY-RUN中に横斬りを食らってしまうとRun Counter扱いとなるため、さらにコンボを食らってしまったりと、それなりにリスクもある。

■ ジャストガード

ゲージ消費がなく、使えれば有利に試合が運べるジャストガード。失敗時のリスクやその難易度から実戦投入はなかなか難しいだろう

 攻撃を受ける瞬間にGを一瞬だけ押して離すとジャストガードとなる。ジャストガードに成功すると通常のガードよりも素早く行動でき、ガード不能技もジャストガードでならガードできる。

 例えば、レイシャのA.A攻撃を受ける場合、通常は初段をガードしたら、次もガードするか、くらうかしかできないが、初段をジャストガードすれば、2段目をしゃがみガードでかわすなんてことができる。ただし、それほど大きな有利が得られるわけではないため、初段をジャストガード後、立ち状態の技で反撃しようとすると2段目をくらってしまうことになる。

 ジャストガードはゲージ消費なく、ガード不能技すらガード可能という高性能だが、問題はそのタイミングのシビアさと入力。狙っても決めることが難しく、一瞬だけ押して離すという入力方法なので失敗すれば攻撃を受けてしまうことも。無理に使おうとはせず、あくまで上級者向けのシステムとして捉えておいた方がいいだろう。

■ その他のシステム

 クリティカルエッジやガードインパクトなど、目立ったシステムを紹介してきたが、その他のシステムを理解しておくことも対戦をする上では重要になる。それらのシステムをいくつか紹介したい。

 受け身、起き上がり、空中制御は被ダメージを減らすために欠かせないシステムだ。

 受け身は攻撃を受けてダウンする寸前にorororGで取ることができ、素早く体勢を立て直すことができる。

 起き上がりはダウン状態からG ororの入力で行なう。A or B or Kでは起き上がり攻撃が繰り出せる。また、orでは横転することができる。ダウン状態のままでいるとガードができず、攻撃を受け続けてしまうことになる。中にはダウン状態であってもフルヒットするクリティカルエッジを持つキャラクターもいるのでダウン状態でい続けるのは危険だ。そのため、とにかく早く起き上がりたくなるかもしれないが、怖いのが起き上がりに攻撃を重ねられるケース。下手に起き上がろうとすると攻撃を重ねられ、続けてコンボ~ダウン状態になってしまうことも。この場合、起き上がるタイミングをずらしたり、重ねてきた攻撃をダウン状態のままあえて受け、安全な状態を確保できてから起き上がるというのも手だ。

 空中制御は浮かされた状態でなどを入力することで、落下方向を変え、多段コンボやリングアウトを回避できるシステム。やるとやらないでは受けるダメージが大きく違ってくるので、きっちりレバーを入力するようにしておきたい。また、自分が使うコンボについても、確実にダメージを取りたいのなら、空中制御でかわされてしまうようなコンボは使わないようにしておくのがいいだろう。

 ステージや壁の把握も重要。リングアウトしてしまっては、どれだけ体力的に勝っていようとそのラウンドは取られてしまう。リングアウトにならない高い壁、リングアウトが狙える低い壁、壊せる壁など、ステージによって様々なものがあるし、一方だけがリングアウトするステージ、ラウンドが変わることで形状の変わるステージなども存在する。中には壁に衝撃を与えることで壁が外側に倒れ、足場になるというユニークなステージもある。形状などの習得に加え、対戦するにあたり習得しておきたいのが、自分が壁を背負っている場合や、相手を壁に追い詰めた際にリングアウトが狙える技だ。これを習得しているかどうかでも勝率は大きく変わってくる。また、壁に相手をヒットさせると、攻撃+壁ヒットのダメージが与えられ、壁にぶつかった相手はスタン状態になるため、壁ならではのコンボを決めることができる。

ダウン状態は無防備で危険なので、なるべく早く起き上がっておきたい。ただし、中には、自らダウン状態となる技を持つキャラクターもいる、ダウン状態では多くの上段・中段攻撃を回避することができるので、うまく使えば空振りに反撃を叩き込める本作には様々な形状、仕掛けのステージが用意されている。リングアウトすれば、1バトル取られてしまうので、どのようなステージなのか把握しておきたい。逆に、低い壁や壁がない状態でリングアウトが狙える技を決められれば、体力に関係なく、1バトル取ることができる



■ 充実のオンライン対戦モード!これまでの対戦ゲームにはなかった新たな試みも!

 本作の対戦に関するモードは非常に充実している。特にオンライン対戦に関するモードは豊富で、他にはない新たなモードも搭載されている。

■ ランクマッチ

 ランクマッチは対戦することで得られるポイントでランクが変動する。強さを競い合う、本気の対戦を求める人向けのモードだ。ランクはE5~A1の計25ランクがあり、E5からスタートし、A1が最高ランクとなる。低ランクでしか試していないが、負けてもポイントは得られる。また、ランクの高い相手と戦った際、負けたにも関わらず、相手より多くポイントがもらえることもあった。

 マッチングの条件として、エリア、ランク、通信状況、希望サイドが設定できる。初期状態では、エリア:その他、ランク:ランクを限定しない、通信状況:アンテナ4本以上、希望サイド:なんでも、となっている。アンテナ4本以上は最も良い通信状況の条件だ。

 発売から約1週間後となる2月10日午前0~1時の間に、初期設定の条件で、5回ほど試した所、全て30~40秒程度でマッチングされた。対戦は大きなラグも感じることなくとても快適であった。オンライン対戦の快適さについて、開発はかなり気を使ったそうだ。

 ここでオンラインランクとは別に用意されたプレーヤーレベルについて簡単に説明しておきたい。プレーヤーレベルは、オン/オフ問わず、プレイすればポイントがたまり、一定以上のポイントをためれば、レベルが上がる。オンラインランクは実力を、プレーヤーレベルはやり込み度を示していると考えればいいだろう。プレーヤーレベルは各種アンロックに関わっており、上げることでキャラクターが使えるようになったり、クリエイション(後述)で使えるパーツなどが増えていく。

■ プレーヤーマッチ

 プレーヤーマッチは、ルームを検索して、誰かが作ったルームに参加したり、新たにルームを作って固定メンバーで対戦を行なうモード。勝敗に関わらず、ランクの変動は一切ない。

 最大6人までがルームに入ることができ、2人が対戦、残りは観戦となる。観戦者はただ試合を見るだけでなく、テキストチャットが可能。対戦を見ながらおしゃべりすることができるわけだ。また、ルーム作成時にボイスチャットを“あり”にしておけば、音声での会話も可能。プライベートスロットを設定しておけば、招待したメンバーだけで対戦することもできる。

 友人や知人との対戦に重宝するプレーヤーマッチ。だが、ルームを検索してみると、誰でも参加できるルームは結構作られており、知らない人と固定メンバーで対戦したい場合にも活用できる。

プレーヤーマッチでは、好きな名前、条件を設定し、ルームを作成できる。最大6人まで入ることができ、対戦している2人以外は観戦することになる

■ グローバルコロッセオ

 新たな試みとして導入されたのがグローバルコロッセオだ。グローバルコロッセオは大人数が1度に会することができるオンラインロビーで、1ロビー50人程度まで入ることができる。ロビー全体でのチャットを楽しんだり、中央のゾーンに行けば、ランダムマッチも可能。月に2回程度、勝利数を競う大会なども開催される。また、ラウンジ(小部屋)を作り、そこに入ったメンバー同士だけでチャットや対戦したり、ロビー内にいるプレーヤーを指定しての対戦もできる。なお、こちらで行なう対戦もランクの変動はない。

 ロビーに入るには、エリアとそのエリア内にあるロビーを選択する必要がある。例えば、東京のロビーに入るなら、アジア→東京と選択するわけだ。日本の地名のついているロビーは、東京・大阪・北海道・宮城・福岡の5つ。2月10日午前0時~1時の間にロビーの利用率を確認した所、東京95%・大阪95%・北海道90%・宮城20%・福岡75%と、なかなかの盛況ぶりであった。

 数人ではあるが利用者に話を聞いた所、“知らない人とチャットができて楽しい”、“強さを競うだけでなく、クリエイションで作ったキャラクターを見せ合うのに使える”、“ポイントを気にせず気軽に対戦できる”と評判は上々。ランクマッチに向けて、練習目的で使うプレーヤーもいるようだ。

 本気で対戦したいならランクマッチ、友人や知人と対戦したいならプレーヤーマッチ、知らない人と気軽な対戦やチャットを楽しみたいならグローバルコロッセオと、目的に応じて様々なモードが用意されているのは、プレーヤーにとって嬉しいところだろう。

スクリーンショットは発売前のものではあるが、実際にアクセスしてみると、ロビーはチャットや対戦で盛り上がっている。ランクを気にせず、気軽に対戦できることもあり、殺伐とはしておらず、明るい雰囲気が感じられる

■ ランキング

 ランキングには、全世界や各エリアでの、ランクマッチ 総合、ランクマッチ 週間、ロビー大会、アーケード、レジェンダリーソウルズのランキングが閲覧できる。ランクマッチ 総合はランクの高さ、ランクマッチ 週間とロビー大会は勝利数、アーケードとレジェンダリーソウルズ(後述)はクリアタイムでランキングされている。なお、ロビー大会については、筆者が確認した時点のランキングのため、別の大会が開催され、勝利数ではないランキングになる可能性は否定できない。

 ランキングでは、トップランキング、フレンドランキング、マイランキングと3つのフィルタが設定できるため、各カテゴリでのトップランカーを閲覧したり、自分が何位にいるのかも簡単に確認することができる。

 眺めているだけでも楽しいが、ランキングにはさらなる使い方がある。ランキングでは、掲載されているプレーヤーのライセンス(メインキャラクター、プレイ時間、勝敗数、称号獲得数などの情報)がチェックでき、さらにリプレイがダウンロード可能。トップランカーのリプレイデータをダウンロードすれば、戦い方の参考になることは間違いない。有用な機能だ。

ランキングでは、全てのランカーのライセンスが閲覧できる。ライセンスでは情報が閲覧できるだけでなく、リプレイデータもダウンロードできる

■ リプレイ

 リプレイは自分の対戦やダウンロードしたリプレイを閲覧、出力するモード。

 自分のリプレイはバトルログという場所に最新の8試合が自動保存される。対戦する度に古いリプレイはなくなっていってしまうが、バトルログにあるリプレイは、最大16件のリプレイが保存できるマイバトルへコピー可能。取っておきたいリプレイはマイバトルにコピーしておこう。また、保存された自分のリプレイの中から、他のプレーヤーがダウンロードできる自分のリプレイをアップロードすることもできる。自信のある対戦だけを他のプレーヤーにダウンロードしてもらうことができるわけだ。

 ダウンロードした他のプレーヤーのリプレイはアザープレイヤーズバトルズという場所に保存する。保存できる件数はマイバトルと同様に16件となっている。

 リプレイ再生には、体力ゲージなどの2D表示のON/OFF、キー入力表示のOFF/1P/2P、次や前のラウンドへのスキップ、最初のラウンドから再生する機能が用意されている。リプレイ再生に十分な機能は揃っているといえるだろう。スロー再生やコマ送り/戻しも欲しい所だが、さすがに求めすぎだろうか。

 PS3版のみの機能となるが、ちょっと面白いのがムービー出力機能。マイバトルにあるリプレイに限定される機能だが、リプレイをMP4(解像度640×368)で出力(HDDに保存)することができる。出力するムービーは、2D表示のON/OFF、キー入力表示のOFF/1P/2P、登場演出のON/OFF、開始バトル(ラウンド)の指定も可能。

 ムービー出力を始めると、リプレイ閲覧と同様にリプレイが再生される。再生された部分だけがムービー化されるため、バトルをスキップしたりすると、バトルがスキップされたムービーになってしまうので注意しておきたい。

自分の対戦リプレイは自動で最新8試合が保存されるので、いちいち保存する手間がない。ムービー出力機能を利用し、自分の対戦の名場面だけをつないだ動画を作ってみるのもいいかもしれない

■ ソウルリンク

 ソウルリンクは、モードではなく、本体機能のフレンド登録とは別に、3人までプレーヤーを登録しておき、いつでも情報を閲覧できる機能。登録したライバルの情報はいつでも確認可能で、メニューでも常にソウルリンクした相手の情報が表示される。

 フレンド、目標とするプレーヤーなどを登録しておけば、いつでも自分と比較できるし、トップランカーを登録しておけば、ライセンスからすぐにリプレイをダウンロードすることもできる。



■ オリジナルキャラクターが作成できるクリエイション、細かな設定で練習できるトレーニングモードなど、オフラインでも遊べる豊富なモードを収録!

 前項ではオンラインの要素を中心に紹介してきたが、「ソウルキャリバーV」の物語が体験できる「Story -1607 A.D.-」、キャラクターのカスタマイズやオリジナルキャラクターが作成できる「クリエイション」、全6ステージを勝ち抜く「アーケード」、高難易度なCPUと対戦する「レジェンダリーソウルズ」、様々な容姿プレーヤーと対戦し、勝利すると称号が獲得できる「クイックバトル」、細かな設定で練習できる「トレーニング」、同士やCPUと対戦する「VS バトル」と、オフラインで遊べるモードも数多く収録されている。この中から筆者がピックアップしたモードをいくつか紹介したい。

対戦がメインの本作ではあるが、1人で遊べるモードも数多く収録されている

■ クリエイション

 オリジナルのキャラクターが作成できる、もはやシリーズに欠かせない存在のクリエイションは本作でさらにパワーアップ!よりカスタマイズ性がアップしている。

 キャラクターを作成する場合、まず保存する枠を決定する。保存しておけるキャラクター枠はなんと50。枠が足りないというプレーヤーはまずいないと言えるほど十分過ぎる数だ。

 枠を決めたら、レギュラーカスタマイズかオリジナルキャラクタークリエイションかを選択する。レギュラーカスタマイズはパトロクロスなど元々用意されているキャラクターをカスタマイズするもので、オリジナルキャラクタークリエイションは全てのパーツを自由に決めてキャラクターを作成するもの。なお、レギュラーカスタマイズの場合、元の衣装をベースに武器や色だけを変更するか、名前と素体以外の全てを自由にカスタマイズするかを選択できる。

オリジナルキャラクタークリエイション専用のスタイルとしてデビル仁流派(鉄拳)が用意されている。鉄拳ファンにはお馴染みの技が満載で、武器を使う他のキャラクターとはまた違った楽しさがある

 オリジナルキャラクタークリエイションでは、最初にスタイルを決定する。スタイルは元々用意されたキャラクターから選択する。スタイルなど全ての要素は後で編集可能なため、作成したキャラクターの見た目はそのままに、別のキャラクターのスタイルで遊べるのが嬉しい。また、注目したいのがオリジナルキャラクタークリエイション専用のスタイルとしてデビル仁流派(鉄拳)が用意されていること。デビル仁流派の場合、武器を用いず、拳で戦う。鉄拳ファンならお馴染みの雷神拳や風神拳といった技で戦うことができる。

 スタイルの次に、性別、身長、体形を決定する。ここで重要になるのが5段階から選択する身長。身長が高いとリーチが伸び、低いと攻撃力が高まるようになっている。つまり、対戦に大きく影響する要素なわけだ。

 例えば、ナツのスタイルで身長の最も高いもの(高とする)、最も低いもの(低とする)を作った場合、Bのダメージは、高が25、低が29となる。また、初期位置からA+Bを出した場合、高はヒットするが、低だと届かない。どの身長がベストなのか、プレイに合わせて調整していくといいだろう。

 次に細かなパーツをカスタマイズする。カスタマイズできる大項目として、素体、装備パーツ、武器・スタイル、色・柄・ステッカーの4つがあるのだが、各項目の中にはさらに細かな項目が用意されている。

 例えば、素体の中には、身長/体格、顔、髪型、まゆげ、声の5項目がある。身長/体格はこれまでに決めた身長や体形に加え、上腕、大胸筋、腰、おなか、ふくらはぎ、胸(女性限定)などの大きさが-20~20までの幅で変更できる。声はサンプルボイスの中から選び、声の高さと太さが-50~50、イヴィル化進行度(特殊なエフェクトがかかる)がなし/軽度/重度と調整できる。

 容姿を決定したら、キャラクター選択や対戦開始時に表示されるサムネイル撮影を行なう。こちらもかなり凝っていて、カメラ目線のON/OFF、ポーズ、背景、バックフレーム、フロントフレーム、カメラの位置やズームを決めて撮影する。最後に名前をつければ、クリエイション完了だ。

 紹介した以外に、ステッカーを貼ったり、各パーツの色を変更したり、ヒットエフェクトの変更なども可能。設定できる項目はあまりにも多く、全ては紹介しきれないが、これほどカスタマイズ性の高いキャラクタークリエイションは他にないのではないかと思えるほどだ。クリエイションするだけでもかなり楽しめるだろう。

自由度の高いクリエイション。驚くほど多くの設定項目が用意されている。自分だけのオリジナルキャラクターを作り、オンライン対戦を楽しもう!

■ トレーニング

 もはや格闘ゲームには欠かすことのできないトレーニングモードは、本作にももちろん収録されている。かなり細かなセッティングが可能で、様々なシチュエーションを想定した練習ができる。

 多くの人がトレーニングで最初にするのは、技表を見て、技を出してみることだろう。技表はエッジ技、縦斬り技、投げ技など、カテゴリ分けされていて見やすいし、各技はコマンドだけでなく、属性までもが記されている。

 ありがたいのが主力技のカテゴリと技の再生機能だ。数多くの技があると、どの技を使うべきか調べるだけで一苦労だし、1度に全ての技を覚えるのも難しい。だが、とりあえずゲーム内でオススメされている主力技を覚えておけばいいというのは楽でいい。また、技の再生機能があるため、自分が正しく技を出せているのか、確認もできる。これだけでも十分ではあるが、入力タイミングが確認できるように技再生時にはコマンド入力履歴まで表示されてくれれば、より良かったのではないだろうか。

 MODE/STATE切替は、練習の目的に応じて最適な環境を簡単に作れる機能。MODEは、FREE/MAIN SKILL/COMBO/COUNTER/SKILL CHECKの5つがある。自由に練習したいならFREE、主力技を練習したいならMAIN SKILL、コンボを練習したいならCOMBOなどと、MODEを決定する。

 例えば、FREEであれば、練習相手のキャラクターを、自分が設定した行動をさせる、CPUに操作させる、レコードしたコマンドを実行させる、もう1つのコントローラーで操作するといったことが可能。設定できる行動の種類もかなり豊富に用意されている。

 初心者にとってありがたいのが、MAIN SKILLとCOMBO。MAIN SKILLでは主力技がどんなものか、どのように使えばいいかがテキストで表示され、実際に操作しながら主力技を学ぶことができる。COMBOは技表の主力技カテゴリに記されている5つのコンボをコマンドを見ながら練習できる。

 STATEは各MODEで状況を変更するもの。例えば、自分の連続攻撃に割り込めるポイントが確認できるCOUNTERであれば、1段目ガード後反撃、2段目ガード後反撃、3段目ガード後反撃の3つのSTATEがある。

 MODE/STATE切替はポーズメニューから実行できるが、MODE切替:SELECT+□、STATE切替:SELECT+△、ウィンドウ切替(MAIN SKILL/COMBO時に表示されるテキストのページ送り):SELECT+○というショートカットキーを利用すれば、すばやく切り替えることができる。

 他にもカウントーヒット、クリティカルゲージといったなくてはならない基本的な設定はもちろんのこと、オンライン対戦を想定した入力を練習できる通信遅延設定なんてものも用意されている。また、R1+L1ではポジションがリセットできるのだが、リセット時にリング際、壁際といった場所まで設定できるようになっている。

 これでもかというほど細かく設定して練習できる本作のトレーニングモード。技、コンボ、確定反撃、割り込まれるポイントを調べたりと、至れり尽くせりのモードに仕上がっている。唯一どうにかしてほしかったのがトレーニングモードの操作変更ができない点。筆者の環境や操作設定の問題でもあろうが、R1にB、L1にKをアサインしているので、B+KやA+B+Kといったコマンドを入力するとポジションリセットになってしまう。このため、トレーニングモードでは通常のプレイとは異なる配置で練習しなくてはならなかった。

トレーニングモードではあらゆるシチュエーションを想定した練習ができる。CPUに特定の行動をとらせたり、コマンドの記録・再生機能も完備している。主力技やコンボも教えてくれるので、初心者でも安心だ


■ 最後に

 前作から約3年半振りの登場となる本作。目的に応じて選択できるオンライン対戦モード、細かく設定し練習できるトレーニングモードを収録し、対戦ゲームとして申し分のないモードが揃っている。28体のキャラクター(+クリエイション専用スタイルが1つ)、カスタマイズ性の高いクリエイションが用意されているので、様々な性能や容姿のキャラクターで遊びたい人も満足できるだろう。

 DLCとしては、2月14日現在、カスタマイズパーツのセットやBGMが販売されている。北米最大の格闘ゲーム大会「Evolution2012」の正式種目に選定されていることもあり、プレーヤーからの意見・要望に応じて、タイトルアップデートも随時行なわれていくことだろう。なお、大会については、「Evolution2012」だけでなく、国内においても「最強日本一決定戦」(詳細はリンク先を参照いただきたい)の開催が決定している。

 シリーズのファン、とにかく対戦したいプレーヤー、豊富なカスタマイズパーツでキャラクターを作りたい方にオススメしたい。


Amazonで購入

(2012年 2月 23日)

[Reported by 木原卓 ]