「GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載」レビュー

GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載

いよいよRTX 40シリーズが手の届きやすい価格に! 「FORSPOKEN」でRTX 4070 Tiのゲーム性能をチェック

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
309,980円(税込)

 これからゲーミングPCを買おうとしている人なら、NVIDIAの最新世代GPU「GeForce RTX 40」シリーズ搭載PCは選択肢のひとつとして気になっているだろう。GeForce RTX 40シリーズは、新しいアーキテクチャを採用したGPUとして約2年ぶりに登場した新製品である。前世代のGeForce RTX 30シリーズと比べて大きく性能が向上しただけでなく、AIによって中間フレームを生成する新機能「DLSS 3」をサポートするなど、まさにヘビーゲーマーの要望に応えてくれる製品だ。

 しかし、当初はウルトラハイエンドの「GeForce RTX 4090」とハイエンドの「GeForce RTX 4080」の2製品のみの発表であり、ハイエンドモデルだけあって性能は非常に高いが価格も高く、予算的に手が出ないという人も多かった。しかし、2023年1月にミドルハイの「GeForce RTX 4070 Ti」が登場し、価格的なハードルが大きく下がった。今回は、その注目のGeForce RTX 4070 Tiをいち早く搭載した「GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載」を試用する機会を得たので、負荷の高い最新ゲームが4Kで快適にプレイできるか検証してみた。

インテルの最新CPU「Core i7-13700F」とNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 4070 Ti」を搭載

 「GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載」(以下XA7C-R47T)は、CPUとして「Core i7-13700F」を、GPUとして「GeForce RTX 4070 Ti」を搭載したミドルレンジ上位モデルであり、コストパフォーマンスが高いことがウリだ。基本スペックから見ていきたい。

【GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載】
Core i7-13700FとGeForce RTX 4070 Tiを搭載したミドルレンジ上位モデル「GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載」

【GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載】
CPU:インテル Core i7-13700F(16コア/24スレッド、2.10GHz~5.20GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti(12GB)
チップセット:インテル B760
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz DIMM(8GB×2)
ストレージ:1TB Gen3 NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:309,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC12058-SN4446.html

 XA7C-R47Tは、CPUとしてインテルの最新CPUである第13世代Coreシリーズの「Core i7-13700F」を搭載している。インテルは最近、世代ごとの性能向上が大きく、第13世代Coreは、前世代の第12世代Coreに比べて、シングルスレッドで15%、マルチスレッドで41%性能が向上している。また、実際のアプリケーションにおいても、ゲームでは最大24%、クリエイターツールでは最大34%の性能向上が見られるとのことだ。

 Core i7-13700Fは、Pコアを8コア、Eコアを8コア搭載した16コアCPUで、同時に最大24スレッドを実行可能だ。基本動作クロックは2.10GHzだが、ターボブーストにより最大5.20GHzまでクロックが向上する。ゲーミングPCに搭載されているCPUの中でも、性能はかなり上位となる。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4070 Tiが採用されている。GeForce RTX 4070 Tiは、開発コードネームAda Lovelaceと呼ばれる最新GPUであり、RTX 40シリーズの中ではミドルハイに位置する製品だ。CUDAコアの数は7680個で、前世代のGeForce RTX 3070 Tiとほぼ同じ消費電力で、約2倍のシェーダー演算性能とレイトレーシング演算性能を実現する。ビデオメモリは12GBである。以下に、GeForce RTX 30シリーズとGeForce RTX 40シリーズのシェーダー演算性能比較グラフを示したので参考にしてほしい(GPUのパフォーマンスはシェーダー演算性能だけで決まるわけではないが、一つの目安となる)。このグラフを見ればわかるように、GeForce RTX 4090と4080の性能差はかなり大きいが、GeForce RTX 4080と4070 Tiの性能差はあまり大きくはない。つまり、GeForce RTX 4070 Tiはその分だけお買い得なのだ(もともとRTX 4070 TiはRTX 4080 12GBバージョンとして発売予定だったという事情がある)。

 また、GPU負荷を下げ、フレームレートを上げるための新技術として従来の「DLSS」をより進化させたAIによるフレーム生成機能「DLSS 3」をサポートしたことで、DLSS 3対応タイトルでは、30シリーズよりさらに一段高いパフォーマンスアップが期待できる。

 ビデオカードの消費電力は285W、電源ユニットは700W以上が必要とされている。補助電源としては、PCIe 8ピンケーブル×2または300W以上のPCIe Gen 5ケーブルの接続が必要だ。

 メインメモリは16GBで、ストレージはPCIe 3.0対応NVMe 1TB SSDを搭載しており、2023年のゲーミングPCとして不満はないスペックだ。

【内部パーツなど】
GeForce RTX 40シリーズとGeForce RTX 30シリーズの性能比較
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4070 Ti」搭載ビデオカードを採用
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
PCIe 3.0対応NVMe SSDにはヒートシンクが装着されている
OSからは24コアCPUのように見えており、最大24スレッドの同時実行が可能

 「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は3481.59MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が2725.93MB/sという非常に高い値が出た。本製品は、NVMe SSDの中でも特に高速なPCIe 3.0対応SSDが採用されているため、ストレージのパフォーマンスが高く、ゲームの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みなども短時間で済む。

【「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

電源ユニットは80PLUS GOLD認証の750W静音電源を採用

 GALLERIAシリーズのデスクトップPCは、デザイン性と使い勝手に優れたオリジナルタワーケースを採用している。このケースは2020年夏に設計が一新されたものだが、すっかりGALLERIAの顔として定着している。

 ケースのサイズは220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)で、カラーはブラックとガンメタリックを基調としている。フロントパネル周囲には、RGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく発光する。フロントパネル周囲の発光は、新しい世界へのゲートを表したものだという。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】
GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 GALLERIAのデスクトップPCでは、フロントパネルの上部が斜め45度にカットされており、その部分にフロントI/Oポートや電源スイッチが配置されていることも特徴だ。斜めになっていることで、USBポートへのコネクタの脱着などがやりやすい。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。背面のI/Oポートも充実しており、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 2.0×2、サウンド入出力端子、2.5G LANポートが用意されている。

 ゲーミングPCらしく、左側のサイドパネルは一部が透明になっており、内部が見えるようになっている。XA7C-R47Tに搭載されているビデオカードにはRGB LEDが搭載されており、電源を入れるとLEDが発光する。

 CPUには、大型ファン採用のCPUクーラーが装着されている。また、リアに140mm静音ファンが1つ、トップに140mm静音ファンが1つ、フロントに140mm静音ファンが1つの合計3つのファンが搭載されており、エアフローもしっかり確保されている。GeForce RTX 4070 Tiでは、700W以上の電源ユニットが必要とされているが、XA7C-R47Tでは、80PLUS GOLD認証の750W静音電源が採用されているので、メモリやHDDなどを増設する場合でも問題はない。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽だ。光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

【本体外観など】
フロントパネルの上面が斜めにカットされており、USBポートなどへのアクセスがしやすい
GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載の右サイドパネル
GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載の左サイドパネル。中を覗ける透明な窓がある
GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載のトップパネル。格子状の⽳が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載のリアパネル
リアパネル部分のI/Oポート
底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている
底面のフィルタはこのように引き出せる

 マザーボードには、拡張スロットとして、PCIe 4.0 x16スロットが1基, PCIe 3.0 x16スロットが1基、PCIe x1スロットが2基の合計4基が用意されている。GeForce RTX 4070 Ti搭載ビデオカードがPCIe 4.0 x16スロットに装着されており、3スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットは1基だ。また、カード長が長いGeForce RTX 4070 Ti搭載ビデオカードを支えるための機構「リジッドカードサポート」が採用されており、マザーボードに負荷がかからないようになっている。

 さらに、6Gbps対応のSATAポートが4基とM.2スロットが3基、マザーボード上に用意されており、M.2スロットのうち2基がPCIe 4.0 x4対応、残り1基がPCIe 4.0 x2対応となっている。

【CPUクーラーと冷却ファンなど】
CPUには大型ファンを搭載したCPUクーラーが装着されている
リアとトップには140mm静音ファンが1つずつ搭載されている
フロントにも140mm静音ファンが1つ搭載されている
ビデオカードを支えるための「リジッドカードサポート」が採用されている

スクエニ最新タイトル「FORSPOKEN」を最高画質で快適にプレイできるか?

 それでは、最新GPUのGeForce RTX 4070 Tiを搭載したXA7C-R47Tのパフォーマンスを検証していきたい。まずは、PC版が2023年1月25日にリリースされたばかりの最新アクションRPG「FORSPOKEN」をプレイしてみた。

 「FORSPOKEN」は、スクウェア・エニックスからPS5とPC向けに発売されたアクションRPGで、開発は「ファイナルファンタジーXV」のスタッフを中心とした「Luminous Productions」が担当する。家庭用ゲーム機では2年間PS5のみで展開される契約になっており、現時点で「FORSPOKEN」をプレイできるのは、PS5とPCのみとなる。「FORSPOKEN」は、オープンワールドタイプのアクションRPGだが、魔法が重要な要素を占めており、美しいグラフィックスと疾走感あふれるアクションが魅力だ。詳しいゲーム内容については、関連記事を参照いただきたい。

 「FORSPOKEN」は、Luminous Productionsが「ファイナルファンタジーXV」のために独自開発したゲームエンジンLuminous Engineを使って開発されたタイトルであり、美しいグラフィックスと高速アクションが魅力だ。しかし、その分、ゲーム機やPCへの負荷も高いタイトルである。

 PC版の推奨動作環境は、CPUがRyzen 5 3600またはCore i7-8700K以上、GPUがRadeon RX 6700 XTまたはGeForce RTX 3070以上であり、かなり高いスペックを要求する。4K推奨環境ではさらに要求スペックが跳ね上がり、CPUがRyzen 5 5800XまたはCore i7-12700K以上、GPUがRadeon RX 6800 XTまたはGeForce RTX 4080以上となる。

 PS5では、いくつかのモードを選べるが、フレームレート重視のパフォーマンスモードにすると、フレームレート60fpsをできるだけ保つように描画する代わりに表示解像度が下げられる。パフォーマンスモードの解像度は通常時で1440p(2,560×1,440ドット)で、シーンによっては720p(1,280×720ドット)まで下がるとしている。さらにフレームレートも固定ではなく可変で30fps程度まで低下することがある。グラフィックスクオリティ重視のクオリティモードやレイトレーシングモードでもアップスケールの4Kとなっており、どのモードでもPS5では4K/60fps動作は実現できないのだ。

 このように「FORSPOKEN」は非常に重いタイトルであり、GeForce RTX 4070 Tiを搭載したXA7C-R47Tのパフォーマンスを知るための試金石になりうる。フレームレートの計測には、「FORSPOKEN」に用意されているベンチマークモードを利用した。まず、フルHD解像度で画質設定プリセットを「最高」に設定し、DLSS無効で計測したところ、平均フレームレートは89fpsとなった。やはり予想通りかなり重いタイトルである。ただし、「VALORANT」や「Apex Legends」、「オーバーウォッチ2」などの対人戦が主体のFPSで有利に立ち回って勝利するためには、120fps以上のフレームレートが欲しくなるが、「FORSPOKEN」はシングルプレイのオフライン専用ゲームなので、そこまで高いフレームレートは必要ない。PS5のパフォーマンスモードでも60fpsを目標とすることからも分かるように、平均60fps程度出ていれば、十分快適にプレイできる。

 「FORSPOKEN」は、NVIDIAのAIを活用した超解像技術「DLSS」にも対応しているので、DLSSを有効(バランス)にしたところ、平均フレームレートは117fpsまで向上した。画質設定プリセットを1段階下げて、「高」にしたところ、DLSS無効時の平均フレームレートは126fps、DLSS有効時の平均フレームレートは158fpsとなった。「FORSPOKEN」は、GeForce RTX 40シリーズでのみ利用可能なDLSS3には対応していないが、従来のRTXシリーズでも利用できるDLSSの効果は大きいといえる。

【「FORSPOKEN」フルHD解像度ベンチマーク】
「FORSPOKEN」のタイトル画面
まずは表示解像度を1,920×1,080ドットに設定し、垂直同期をオフにする
画質設定プリセットを「最高」に設定する
NVIDIA DLSSを「バランス」に設定した状態でも計測を行った
「FORSPOKEN」フルHD解像度ベンチマーク結果

 そこで今度は、4K解像度に設定して同様にベンチマークを行ってみた。画質設定プリセット「最高」/DLSS無効では、平均フレームレートは49fpsしか出なかった。「FORSPOKEN」は、シーンによってかなりフレームレートが変わるのだが、重いシーンでは20fps程度しか出ていなく、さすがに快適にプレイできるとは言いがたい。そこで、DLSSを有効にしたところ、平均フレームレートは58fpsまで向上したが、やはり重いシーンでは30fpsを下回っている。画質設定プリセットを「高」にしたところ、DLSS無効時の平均フレームレートは83fps、DLSS有効時の平均フレームレートは87fpsとなった。

【「FORSPOKEN」4K解像度ベンチマーク】
今度は、表示解像度を3,840×2,160ドットに設定した
画質設定プリセットを「最高」に設定する
NVIDIA DLSSを「バランス」に設定した状態でも計測を行った
「FORSPOKEN」4K解像度ベンチマーク結果

 さらに、「FORSPOKEN」はレイトレーシングにも対応している。ただし、描画の全てにレイトレーシングを利用するわけではなく、影の描写にのみレイトレーシングが使われている。画質設定プリセットを「最高」に設定すると、影の描写に関するレイトレーシングが有効になる(画質設定プリセット「高」では、レイトレーシングは無効になる)。そこで、画質設定プリセット「最高」の状態で、レイトレーシング機能を無効にしてフレームレートを計測してみた。フルHD解像度でDLSS無効時にレイトレーシングを無効にすると平均フレームレートは113fpsになり、レイトレーシング有効時の89fpsに比べて24fpsも向上した。また、レイトレーシング無効+DLSS有効にすると、平均フレームレートは140fpsまで向上した。同様に4K解像度でもベンチマークを行ったところ、レイトレーシング無効+DLSS無効では平均フレームレートが60fpsに、レイトレーシング無効+DLSS有効では平均フレームレートが69fpsまで向上した。

 レイトレーシング有効時と無効時の表現の違いは、下のスクリーンショットに示した通りで、崖の凹みの影の形や濃さ、左奥の岩の明るさなどに違いが出ているが、ゲーム中にはほとんど気がつかない程度の差しかない。レイトレーシングを無効にすることで、4K解像度/最高でもほぼ問題なく遊べるフレームレートが出るようになった。4K解像度/最高でプレイしたいのなら、レイトレーシングを無効にするのもよいだろう。

【「FORSPOKEN」レイトレーシング検証】
レイトレーシングに関する設定は、「レイトレーシングシャドウ」と「レイトレーシング・アンビエントオクルージョン」の2つだ。最高設定ではどちらもONになるが、これをOFFにして計測した
レイトレーシング機能を有効にした状態
レイトレーシング機能を無効にした状態。崖の凹みの影の形や濃さの違い、左奥の岩の明るさの違いに注目
「FORSPOKEN」レイトレーシング検証結果

 以上の結果から、フルHD解像度なら画質設定プリセットを「最高」にして、DLSSを有効にすれば、美麗なグラフィックスと快適なプレイフィールを両立できるといえる。4K解像度でプレイしたいのなら、画質設定プリセットを1段階下げて「高」にし、DLSSを有効にすればよいだろう。4K解像度でも画質設定プリセット「高」/DLSS有効なら、平均フレームレート87fpsを実現しているので、十分快適なプレイが可能だ。本製品なら、PS5では不可能な高解像度・高画質・高フレームレートで「FORSPOKEN」をプレイできるのだ。

 筆者は両方の設定でプレイをしてみたが、平均フレームレートの高いフルHD/最高/DLSS有効のほうが動きが滑らかで快適に感じた。そのため、以下にその設定でのスクリーンショットを紹介する。

 なお、「FORSPOKEN」のフレームレートが、他の最新ゲームと比べても低めなことが気になるが、リリースされたばかりのタイトルなので、最適化が進んでいないためではないかと推察される。その推察を裏付けるかのように、2月8日に「FORSPOKEN」公式Twitterアカウントで、ディレクターの荒牧氏からのコメントが公開された。そのコメントによると「全体的なパフォーマンスの向上」や「グラフィックの一部改善」などのアップデートを検討中とのことであり、今後、ソフトの最適化が進むことで更なるフレームレートや画質の向上が期待できる。現時点では表明はされていないが、DLSS 3への対応も期待したいところだ。

【「FORSPOKEN」フルHD最高設定スクリーンショット】
フレイは攻撃魔法で敵と戦う
魔法パルクールを発動させると靴が光り、超高速で飛ぶように移動できる。移動した後に光る粒子が残るのもカッコイイ
地面から木を生やして敵にダメージを与えるチャージ魔法。気分は「出でよ土爪!」
魔法パルクールでは壁を駆け上って攻撃を躱すこともできる
巨大なドラゴンとも死闘を繰り広げることになる
モーションブラーをかけることで、躍動感や疾走感を高めている
このようにたくさんのパーティクル(粒子)が飛び交うシーンが多く、PCへの負荷も高い
さまざまなキャラクターが登場し、ハリウッド映画のようなストーリーが楽しめる

硬派FPS「Escape from Tarkov」もDLSS有効なら4K/Ultraで快適に遊べる

 次に、リアリスティックなハードコアFPS「Escape from Tarkov」をプレイしてみた。「Escape from Tarkov」は、ロシアのBattlestate Gamesが開発中のFPSで、現在は有料のクローズドβテストが行われている。クローズドα版が公開されたのは2016年12月28日であり、すでにそれから6年以上が経過しているが、現在もなお鋭意開発が進められている大型タイトルである。ゲームエンジンとしてはUnityが採用されており、2022年4月にはDLSSへの対応も行われた。

 「Escape from Tarkov」のジャンルはFPSだが、とことんリアルさを追求していることが特徴であり、ともすれば不親切ともいえる作りとなっている。例えば、一般的なFPSでは、当たり前のように表示される銃器の残弾数やマップ上での自分の位置や方角、相手に与えたダメージやヒットエフェクトなどが、一切表示されない。また、敵を倒したというログなども残らないので、プレイヤーは敵の声や血痕などを手掛かりに、敵を倒したかどうかを判断する必要がある。現実的と言えば現実的だが、非常に難易度の高いゲームであり、チュートリアルなどもないので、かなりハードルが高い。

 さらに厄介なことに、マッチ内で倒されると、その時の武装や見つけたアイテムなどがすべて失われてしまう(お金を使って保険をかけることもできる)。ゲームモードによっては倒されてしまうと一定時間がゲームに参加できなくなるなど、デスペナルティが非常に重い。「Escape from Tarkov」というタイトルからも分かるように、プレイヤーはTarkovから脱出することが目的であり、制限時間内に脱出できないと死亡扱いとなる。グラフィックスもリアルで美しいが、覚悟を持って取り組むべきゲームである。最初は訳も分からず撃たれて倒されるが、繰り返しているうちにだんだん立ち回り方が分かってくる。初めて脱出できたときの喜びは格別だ。まったくジャンルは違うが「トルネコの冒険」のように、プレイヤーとしての経験を積んでいくことが重要であり、そういう自分の成長を楽しめる人にお勧めだ。

 「Escape from Tarkov」は、6年以上にわたるβテスト中にグラフィックスの最適化が進んでいるが、それでもかなり重めのタイトルとなっている。そこで、「FrameView」を利用してフレームレートを計測してみた。利用したマップは「Woods」で、プラクティスモードで計測を行った。

 フルHD解像度で、全体的なグラフィック品質を最高の「Ultra」に設定し、DLSSを無効にした状態では、最高フレームレートが157fps、平均フレームレートが106fps、最低フレームレート(1% LOW FPS)は81fpsという結果になった。フルHD解像度なら、最高画質設定でも十分快適にプレイできるといえる。「Escape from Tarkov」はDLSSにも対応しているので、DLSSを有効(バランス)にしたところ、最高フレームレートが197fps、平均フレームレートが130fps、最低フレームレートが83fpsに向上し、より優位に立ち回りやすくなった。

【「Escape from Tarkov」フルHD解像度ベンチマーク】
「Escape from Tarkov」のタイトル画面。今なおβテスト中であると表示されている
1,920×1,080ドットで、全体的なグラフィック品質を「Ultra」に設定した
NVIDIA DLSSを「balanced」に設定した状態でも計測を行った
ベンチマークで使ったマップは「Woods」である
「Escape from Tarkov」フルHD解像度ベンチマーク結果

 次に、4K解像度でも、同じようにフレームレートを計測してみた。全体的なグラフィックス品質「Ultra」、DLSS無効では、最高フレームレートが81fps、平均フレームレート65fps、最低フレームレート51fpsという結果になった。やはり4K解像度ではかなり負荷が高くなり、GeForce RTX 4070 Tiをもってしても、やや厳しい結果となった。そこで、DLSSを有効にしたところ、最高フレームレートは189fps、平均フレームレートは127fps、最低フレームレートが76fpsと大きくフレームレートが向上した。平均フレームレートは約2倍に向上しており、プレイフィールも格段に良くなった。DLSSを有効にすれば、4K解像度/最高画質でも、相手との立ち回りで不利になるようなことはなくなる。

【「Escape from Tarkov」4K解像度ベンチマーク】
3,840×2,160ドットで、全体的なグラフィック品質を「Ultra」に設定した
NVIDIA DLSSを「balanced」に設定した状態でも計測を行った
「Escape from Tarkov」4K解像度ベンチマーク結果

 ここでは、高いフレームレートで快適にプレイできた、4K解像度/最高画質/DLSS有効でのスクリーンショットを紹介する。

【「Escape from Tarkov」4K最高設定スクリーンショット】
「Escape from Tarkov」では、参加する陣営を「SCAV」または「PMC」から選ぶ
スタート地点もプレイ毎に変わるが、脱出地点はマップ毎に決まっている。脱出地点まで生き残り、脱出することが目的だ。ただし、地図などはないので自分で脱出地点の場所を覚える必要がある
荒れ果てたショッピングモールの中で使えそうな武器やアイテムを探す
ショッピングモールの2Fから入口付近を眺めたところ。HDR的な光の表現も美しい
敵とばったり出くわすこともある
脱出地点の一つ。ここまで来ることができれば一安心だ
レイトレーシング対応ではないが、水たまりの表現も美しい
森林地帯や丘陵地帯が中心のマップもある
遠くのもやがかかったような空気感も美しい

予算30万円でゲーミングPCを買うなら本製品がイチオシ!

 今回、レビューしたGALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載は、インテルの最新CPU「Core i7-13700F」とNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 4070 Ti」を搭載したミドルレンジ上位に位置する製品であり、期待通りのパフォーマンスを見せてくれた。「FORSPOKEN」は非常に重いタイトルだが、DLSSを有効にすればフルHD/最高画質でも平均フレームレート117fpsを達成しており、美しい映像とスムーズな動きで、存分にゲームの世界に浸ることができる。「Escape from Tarkov」もDLSSを有効にすることで、4K/Ultra設定でも平均フレームレート127fpsを実現し、快適にプレイできる。今後は、さらにフレームレート向上効果が大きい「DLSS 3」に対応したゲームソフトが増えてくることが予想される。DLSS 3の利用には、GeForce RTX 40シリーズが必須であるため、GeForce RTX 4070 Tiを搭載した本製品は将来性も抜群だ。

 約31万円という価格は、ミドルレンジとしては高めであるが、それだけの性能を備えた製品であり、コストパフォーマンス的な魅力も高い。特に4K/144Hz対応モニターを持っていて、そのポテンシャルをフルに発揮させたいという人にはおすすめの製品だ。

【GALLERIA XA7C-R47T 第13世代Core搭載】