「コットン リブート!」レビュー

コットン リブート!

ワイドでド派手な絶妙アレンジで別世界! ガチプレイのX68000モードも

ジャンル:
  • シューティングゲーム
発売元:
  • BEEP
開発元:
  • ロケットエンジン
プラットフォーム:
  • PS4
  • Nintendo Switch
  • Windows PC
価格:
4,800円(税別)
発売日:
2020年2月25日

 「コットン リブート!」は2月25日発売の横スクロールシューティング。発売は三月うさぎの森のゲーム販売部門「BEEP(ビープ)」、開発についてはロケットエンジンが担当。1991年に稼働開始したアーケードタイトル「コットン」のアレンジ新作バージョンとなる。

 「コットン」は横スクロールのシューティングゲーム。当時は戦闘機が宇宙を飛ぶというゲームが多かったジャンルに、魔法使いの女の子が主人公で、かわいらしく楽しいカットシーンが挿入されるなど筆者の興味を大きく惹いた。アストロシティのレビューでも書いたが、筆者にとってコットンは特別な思い入れのあるタイトルだ。

 そしてさらに「コットン リブート!」は東京ゲームショウ2019の取材で知り、衝撃を受けた。取材で触れた開発中の「コットン リブート!」は、ビジュアルが大幅に進化し、ステージ内の作りが変化するなど、新たな要素が見えつつも、本来のオリジナルコットンらしさも残る、正に「リブート」と言える内容となっていた。これがどのような形で世に出る事になるのか。その後は、開発状況などをチェックし、発売を楽しみにしていたのである。

 あれから1年半、ついに満を持して「コットン リブート!」が発売する。そこで今回は発売前にガッツリプレイする事ができたので、その内容についてご紹介していきたい。

【新しいコットン誕生!】
「コットン リブート!」は文字通り、「コットン」をリブートした新しいけど懐かしいタイトルだ
タイムアタックやオンラインのスコラランキングなども用意されている
システムなども刷新した「アレンジモード」と、オリジナルのシステムで新ステージが楽しめる「X68000モード」の2モードを用意する
【AC/X68/アレンジの違い】
アーケード版ステージ2ボスのスケルトンは腕や顔、本体が全て独立して動く上に、口からは誘導弾を放つ、最初の鬼門とも言える強敵だ
リブートのX68000モードのステージ2ボスのスケルトンは見た目は似ているが、分離攻撃はせず、ゾンビを召喚したり、ビームを発射したり、ゴーストを召喚したりと、かなり様変わりした
リブートのアレンジモードのステージ2ボスのスケルトンもX68000モードと攻撃方法は同じだが、ビジュアルがより派手に演出されている
アーケード版ステージ4ボスのスフィンクスは上下2分割のボスバトルが展開。最初はスフィンクスの顔と戦い、撃破するか一定時間経過すると、腹の獅子の口から小さなドラゴンの顔だけが伸びてきて誘導弾を放ってくる
リブートのX68000モードのステージ4ボスはうねうね動き回るモーラに変貌を遂げた。派手に動き回ったあと、6方向に火の弾を放出する厄介な相手だ
リブートのアレンジモードのステージ4ボスも同じくモーラで行動パターンはX68000モードとほぼ同じだが、クリスタルによる特殊ショットが使える分、ビジュアル的には派手になっている
アーケード版ステージ5ボスの緑色の巨人は口から5方向弾を放つほか、上下から巨大な腕がこちらを薙ぎ払おうとするかなりの強敵だ。基本戦略は左端で腕と弾をかわしつつ、ひたすら連打!
リブートのX68000モードのステージ5ボスは、圧倒的別キャラの不気味な生物サイクロプスになってしまった。こちらはこちらでそこそこデカい本体ながら、華麗にジャンプして攻撃してきたり、口から誘導弾を発射するなど、難度はかなり高い
リブートのアレンジモードのステージ5ボスもサイクロプスだが、鎧を着こんだメカのようなビジュアルになっており、不気味さが多少軽減されている印象だ。ただし行動パターンはほぼ同じで、厄介な相手である事に変わりはない
アーケード版のデモシーン
X68000モードはワイド対応している
アレンジモードの「れっつGO~」のデモシーンは最新の田村英樹氏のビジュアルが堪能できる

オリジナルをベースにした「X68000モード」とド派手になった「アレンジモード」を用意

 オリジナルの「コットン」は1991年に稼働を開始した横スクロールシューティング。開発はサクセスで、アーケード版(AC版)の登場以降は様々な続編や移植作もリリースされている。AC版のコットンを手っ取り早くプレイしたい人は、前述の通り、2020年12月に発売したセガの「アストロシティミニ」でプレイできる。

 今回紹介する「コットン リブート!」は最初に登場したアーケード版コットンをブラッシュアップしたX68000版コットンをベースとし、ワイド画面に対応するなどシステム含めて新たに制作し直され、2021年らしいアレンジが施されたバージョンとなる。イラストやビジュアル面については当時のキャラクターデザイン担当の田村英樹氏が再び降臨。当時のイラストとはちょっとテイストが異なるが、田村氏の進化したビジュアルが楽しめる。

 全体的なストーリー展開や、ステージ構成についてはAC版と同じで全7ステージ。ゲームモードは「X68000モード」と「アレンジモード」の2種類を用意されている。「X68000モード」では当時のコットンのドット絵ビジュアルで全体が構成されているほか、魔法などのゲームシステムも当時のまま、AC版のコットンに比べステージ内の構成や敵キャラなどがアレンジされたモードだ。BGMやゲーム中の音声についても当時のAC版そのままのため、懐かしさと新しさの入り混じった不思議な感覚でゲームが楽しめる。

【2つのモードを搭載】
ドット絵のビジュアルで、アレンジされた新たなコットンが楽しめる「X68000モード」。音声や魔法などシステム面も当時のままのため、アーケード版の感覚で楽しめる
ステージ構成などはそのままに、ビジュアルをブラッシュアップし、とにかくド派手に爽快感を大幅に向上した「アレンジモード」が今回のメインとも言える
2分、または5分の時間内でのスコアを競う「タイムアタック」モードも用意される

 「アレンジモード」では、全てのビジュアルがアニメ調にブラッシュアップされ、新たな魔法の追加やショットの強化、スコア稼ぎの新システムなど、様々な改良が加えられ、完全に別物と言えるカジュアルなシューティングとなった。ビジュアルなどもかなりド派手にアレンジされており、よりプレイしやすいなシューティングに進化を遂げている。

 BGMについては、ステージ毎に異なるアレンジャーを起用した新たなアレンジバージョンが用意され、新作のような感覚で楽しめる。ゲーム中の音声についてもキャラクターたちの声が再集録されるだけでなく、ステージ開始時にコットンとシルクのちょっとした掛け合いが入るなど、かわいさも倍増だ。

 なお、ゲーム中のデモシーンではどちらのモードでも全て新キャストで割り当てられた声優さんによる音声が楽しめる作りになっている。

 オンラインのスコアランキング機能も備え、通常プレイ時のスコアランキングがオンラインで競えるほか、「タイムアタック」で高スコアを狙うといった遊び方もできる。なお、マニュアルも用意され、テキストだけでなく、コットンとシルクの音声による掛け合いでアレンジモードのゲームシステムが理解できるようになっている。ゲーム開始前に見ておきたい。