「ケイデンス・オブ・ハイラル:クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説」レビュー
ケイデンス・オブ・ハイラル:クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説
融合バランスが絶妙! 縦ノリで楽しむ新鮮な“ゼルダ”体験
- ジャンル:
- アクション
- 発売元:
- スパイク・チュンソフト
- 開発元:
- Brace Yourself Games
- プラットフォーム:
- Nintendo Switch
- 価格:
- 2,980円(税込)
- 発売日:
- 2019年6月14日
2019年6月15日 07:57
E3 2019の期間中に配信するというゲーム記者泣かせの戦略を取った「ケイデンス・オブ・ハイラル:クリプト・オブ・ネクロダンサー feat. ゼルダの伝説」(ケイデンス・オブ・ハイラル)。もちろん速攻でダウンロードしました。配信してくれてありがとうございます!
本作最大の特徴は、「ゼルダの伝説」世界で「クリプト・オブ・ネクロダンサー」をプレイさせるということ。「クリプト・オブ・ネクロダンサー」は、1マス区切りのローグライクRPGをベースとし、ダン、ダン、ダン、ダンとリズムに合わせて移動と攻撃を繰り返していくゲームとなっている。1ビート1行動で敵も移動と攻撃を繰り返すので、その動きを見ながら戦略的に行動していくというわけだ。
「ケイデンス・オブ・ハイラル」は、もし「クリプト・オブ・ネクロダンサー」のゲームシステムが「ゼルダの伝説」の世界と融合したら? というファンの間で語られそうな夢物語を本当に実現してしまったタイトルになっている。
実際に本作に触れてみると、その融合バランスが非常にいい。確かに「クリプト・オブ・ネクロダンサー」のゲームシステムなのだが、遊び心地はしっかりと「ゼルダの伝説」になっているのだ。
今回「ケイデンス・オブ・ハイラル」がモデルにした「ゼルダの伝説」は、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」をはじめとしたいわゆる“2Dゼルダ”だ。基本1画面1マップで、画面端に行くと隣のマップへ移動する。マップ内には隠し階段やアイテムが隠されていて、キーアイテムを発見したりダンジョンを攻略しながら、最終的なクリアを目指す。
ゲームの流れそのものは王道の“2Dゼルダ”だが、1ビート1行動のリズミカルなシステムはかなり新鮮だ。しかも「ゼルダの伝説」の代名詞である地上BGMからプレイは始まるので、リズムゲームとしても冒頭からいきなりクライマックスと言っていい。
敵はその場に留まっているものから、剣を構えて直線に突っ込んでくる敵、盾で攻撃を防ぐ敵、叩くと分裂する敵など様々。各敵の行動パターンを覚えつつ、リズムよく立ち回っていかなくてはならない。
非常にいいバランスだなと思うのは、「ゲーム中は常にリズムに合わせて行動する」とは“なっていない”ところ。1マップ内の敵をすべて倒すとBGMが静かになり、行動のリズム縛りが解ける。要は自由行動になるわけだ。
戦闘中はリズム通りに行動しないといけないし、止まっていれば敵はどんどん襲ってくるため、ある意味で操作を急かされるような感じになる。ひと勝負の後に自由行動時間が入ることで、束の間ながら休息になるし、残した謎解きなどにじっくり取り組める。
また特徴的なのは、死が前提となっているつくり。「ケイデンス・オブ・ハイラル」では、ダメージを受けてハートが0になるとミスになり、それまでに集めたルピーやアイテムをすべて失う。ただしハートのうつわや弓、フックショットといった一部のアイテムは持ち越し可能だ。
さらに特定のマップには「シーカーストーン」が設置されている。これに触れておくと、次からその場所で復活できるようになる。何度も死を繰り返しながら徐々に装備を強化していき、少しずつ行動範囲を広げていくのが攻略のセオリーとなるだろう。
行く先々でどんな仕掛けが待っているかはネタバレを含むのでぜひプレイして確かめていただきたいが、カカリコ村やハイラル城、デスマウンテンといった「ゼルダの伝説」おなじみのロケーションが次々と登場する。ロケーションが変わればもちろんBGMも変わるので、また違う雰囲気でプレイできる。
「ゼルダの伝説」では、新たなアイテムを手に入れるたびにできることが増え、行動範囲が広がり、また新たなエリアへ踏み出していく楽しさがある。これがリズミカルなローグライクアクションとなることで、予想以上の相乗効果が生まれている。
文字通りのテンポのよさ、リズムに乗ることが半ば強制される緊張感、その状況下で難関を乗り越えた時の爽快さ。これらがどんどん繰り返されることで、一度始めたら止めどころがわからないくらい、プレイに思わず熱中させられてしまう。
「ゼルダの伝説」か「クリプト・オブ・ネクロダンサー」のどちらかのファンであれば新鮮な体験になるだろうし、両方が好きであればその馴染み方に驚くだろう。もしリズムに乗ることが難しい場合は、BGMと関係なしに一手ずつ進められるモードにも切り替えられる。単なるスピンオフに留まらないくらいの行き届いた良作となっているので、気になる方はぜひチェックしていただきたい。
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