先行体験
「デッドライジング デラックスリマスター」プレビュー
良リファインで遊びやすさバツグン! 新鮮に遊べる「デッドラ」に
2024年8月14日 00:00
- 【デッドライジング デラックスリマスター】
- 9月19日 発売予定
- ※パッケージ版は11月発売予定
- 価格:
- 5,990円(通常版)
- 6,990円(デジタル デラックスエディション)
- 6,589円(PS5パッケージ版)
2006年にカプコンから発売されたXbox360用アクションゲーム「デッドライジング」が、リマスター版「デッドライジング デラックスリマスター」として帰ってくる。
発売日は、デジタル版が9月19日、パッケージ版が11月8日。プラットフォームはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)だ。
「デッドライジング」は、暴動が起こったとされるアメリカのコロラド州にあるウィラメッテという街が舞台。主人公は、そこにスクープを求めてやってきたジャーナリストのフランク・ウエストだ。
フランクは、軍の警告を無視して街のショッピングモール「ウィラメッテ・パークビュー・モール」にヘリコプターから飛び降りて突入。72時間後にヘリが迎えに来るまで、この街で起こったことを取材しようというわけだ。
プレーヤーはフランクを操作しながらゾンビがひしめくショッピングモールの中を駆け巡り、大量のゾンビたち正気を失ってしまった人間(サイコパス)たちと戦い、街全体を襲った衝撃の事実へと迫っていく。
今回のリマスター版ではカプコンのゲームエンジン「RE Engine」が採用されており、基本的なゲーム性はそのままに、グラフィックスや操作感が大幅に改良されたことで、より遊びやすくなっている。
今回、発売に先駆けて本作の中で一晩を過ごすことができた。新しく生まれ変わった「デッドライジング」の世界がどうなっているのか、お伝えしたい。
72時間、何をしてもいい自由な世界
まず、「デッドライジング」とはどういうゲームなのか、改めて振り返っておきたい。
本作は、迎えのヘリが来るまでの72時間は基本的に自由にショッピングモール内を散策することができる。何をするも自由だが、物語はCASE FILEと呼ばれるミッションを時間内にクリアすることで進められる。
特徴的なのは、ゲーム内で72時間が経過すると、プレイがどの状態であってもエンディングを迎えること。物語を進めて真実に迫るも、ゾンビたちとともに72時間をショッピングモールのなかで過ごすもプレーヤー次第だ。
また、CASE FILEのほかにショッピングモール内に取り残された生存者を助けに行くこともできる。生存者は、ショッピングモールの従業員である老人オティスが無線で知らせてくれる。
この無線は物語進行中のバトルや、後述するサイコパスとのバトル中でも容赦なく飛んでくる。無線を取ると、そこから要救助の場所や状況などが表示され、生存者を助けるまでの制限時間も表示される。もちろん助けるも助けないもプレーヤー次第であり、どんな人たちを助けていくかで体験できるエピソードが違うのもおもしろい。
オティスが無線で知らせてくれる情報の中には、生存者ではあるものの、精神崩壊しておかしくなってしまった人間も含まれる。サイコパスたちは言葉こそ通じるものの全く話は通じないので、出会ったら倒すか逃げるかの選択を迫られる。戦って倒すことで、サイコパスが使っていた強い武器を手に入れることができる。
デッドライジング内で出てくるゾンビたちは1体1体はそこまで強くないが、5万人超えの街のほとんどの人間がゾンビになってしまっているため、どこに行ってもひしめき合っている。個の暴力というよりの数の暴力によって、フランクや生存者たちに襲い掛かってくる。ゾンビたちは昼間よりも夜の方が凶暴性が増す。また数も増えるので、夜のうちに進めなくてはいけないCASE FILEやサイコパス戦、生存者救出などは昼間よりも難易度が上がる印象だ。
フランクはショッピングモールにある様々なものを武器として使用することができ、ゾンビたちを倒す際に武器に応じたアクションで戦う。ハンマーやチェーンソー、ゴルフクラブにベンチと、手に入れた武器がどんな風にアクションするのか試していくのも楽しい。
フランクはゾンビたちを倒す、生存者救出、CASE FILEやサイコパス撃破などで経験値を得られ、経験値を貯めるとレベルが上がっていく。レベルが上がるとHPや持ち運べる武器が増えたり、できるアクションスキルが増えるなど、様々な効果を得ることができる。またフランクはカメラマンなので、ショッピングモール内で様々な写真を撮ることでも経験値を得られる。
プレーヤーが選んだ選択によって体験できるストーリーが違ったり、72時間の過ごし方で迎えるエンディングが異なるので、何度プレイしても違う体験ができる楽しい作品となっている。
一度クリアすると、クリア時の能力をそのまま引き継いで新しいゲームをプレイすることができるので、前の72時間ではできなかったこともできるようになる。何度遊んでも新しい体験ができる作品となっている。
改良要素多数! 新鮮で爽快な「デッドライジング」に
リマスター版ではこうした体験に変化があるのだろうか。本作で最初にびっくりしたのは、主人公のフランクが日本語で会話してくれることだ。
オリジナルの「デッドライジング」では、音声の言語設定は英語のみで、物語をしっかり理解するには字幕を読み飛ばさないようしっかり読むか、英語を聞き取るかだった。バトル中に無線が入って字幕が出ると、そちらに気を取られてゲームオーバーになってしまうこともしばしばあった。
その点で、本作では音声を日本語にできるので、聞きなれた言語で物語を楽しめるのはとてもいい。字幕を読む必要がない分、バトルにも集中できると感じた。
また、グラフィックスが格段に上がっていることで、ムービーでのフランクの表情やリアクションのリアルさに拍車がかかっている。CASE FILEでの出来事やサイコパスたちと出会いなどで、見ているプレーヤーにフランクの感情がダイレクトに伝わってくる。
登場するキャラクターたちもかなり表情豊かになっており、特にジェシカやイザベラはかわいさや綺麗さに磨きがかかっていると感じた。
またフランクの操作については、従来のコントローラー操作「クラシック」のほかに、銃を構えたまま動くことができたり、プレーヤーがキーの割り当てをできる「スタンダード」も追加された。
そのうえで、全体的に動きがよりスムーズになっており、フランクのアクションがとてもなめらかだ。通常時もサイコパス戦でも操作性は抜群に上がっており、特にサイコパス戦は、オリジナル版で強すぎて辛かったと思うような相手でも対峙しやすくなっていた。プレイしやすさの点でも、しっかりリファインされている。
また本作ではオートセーブが導入されているため、ゲームオーバーになった際の復帰が今まで以上にしやすくなっている。オートセーブは、ショッピングモールのエリアを区切っているドアを潜るごとに実施されるようになっているため、サイコパス戦や生存者たちをセーフルームに連れて行く際に復帰しやすくなっている。サイコパス戦も生存者救出も何度も失敗すると心が折れるので、このセーブ機能はかなりいい。
フランクが撮影する写真も、より繊細な操作ができるようになった。ズームや角度だけでなく、明るさ調整などが可能。また撮影した写真にフィルターを掛け、より印象的な1枚にできるようにもなった。写真は今まで暗い夜は撮りづらかったが、夜のサイコパス戦なども機能の充実で撮りやすくなっている。
今回プレイして感じたのは、今までの「デッドライジング」を楽しんでいたプレーヤーも、新しい体験ができるだろうということ。また、今回「デッドライジング」を初めて触れるプレーヤーであれば、世代のギャップを感じずに本作の世界に入れるのではないかと思う。
「あの名作をもう一度!」という方も、初めてという方も、様々な意味で新鮮で爽快なゾンビアクションゲームを楽しめるはずだ。発売がぜひとも楽しみな1作だ。