先行体験

「スター・ウォーズ 無法者たち」プレビュー

隅々まで行き渡るSW世界。プレイを彩る「評判」システムなどを体験

【スター・ウォーズ 無法者たち】

8月30日 発売予定

価格:
スタンダードエディション:9,790円
ゴールドエディション:15,400円
アルティメットエディション:18,150円

 8月30日発売予定(アーリーアクセスは8月27日から)の「スター・ウォーズ 無法者たち」。そのオープンワールド要素や、プレイ体験を左右する「評判」システムなどが明らかになった。本稿では、それらをじっくり体験することができたので、ご紹介したい。

 「スター・ウォーズ 無法者たち」は、「ディビジョン」シリーズで知られるMassive EntertainmentとLucasfilmが協力して開発する「スター・ウォーズ」のオープンワールドアクションゲーム。今回のデモでは、6月の「Ubisoft Forward」時点ではプレイできなかった、オープンワールドや街での自由な探索を含む、いくつかのミッションが中心となっていた。本作における「評判」システムの詳細など、実際のプレイの流れに沿って、約3時間に渡ってじっくりプレイできた。

 また取材中、Massive Entertainment「スター・ウォーズ 無法者たち」Creative DirectorのJulian Gerghty氏、LucasfilmのDirectorでFranchise Content & StrategyのSteve Blank氏に話を聞けた。体験と両氏から聞けた情報を交えながら、お届けしていく。

左から、Ubisoft「スター・ウォーズ 無法者たち」Creative DirectorのJulian Gerghty氏、Lucasfilm Director兼Franchise Content & StrategyのSteve Blank氏
体験会場となったのは、アメリカのアナハイムのとある施設。「スター・ウォーズ」に登場しそうなキャンティーナ風のセットに、世界中からのメディアが集められた

スピーダーで疾走! 惑星「トーシャーラ」のサバンナを探索する

【「スター・ウォーズ 無法者たち」オープンワールドを探検】

 まずオープンワールド要素としては、惑星「トーシャーラ」でバイク型のスピーダー(低空で飛ぶ乗り物)を飛ばし、広大なサバンナを探索できた。サバンナには巨大な街「ミロガナ」を中心に、人々が暮らすコミュニティも点在している。

奥に見えるのがミロガナ

 スピーダーを気ままに飛ばしていると、海賊のキャンプに帝国軍から盗まれた物資があり、帝国軍が取り戻しに向かっているとの通信を傍受する。その場所に向かうと、帝国軍のストームトルーパーの輸送船が降り立ち、海賊のキャンプを襲撃する場面に遭遇する。

 付近に近づくと、海賊のキャンプから物資を盗むというミッションが発生。帝国軍と海賊が争っているところに参戦し、いわゆる“漁夫る”ような状態で敵の殲滅と物資の獲得ができた。探索を進めると、こうした突発的なミッションも発生するようだ。

海賊とストームトルーパーの小競り合いが発生する突発イベント。潰し合ってくれるので、美味しく漁夫れた

 またエリアには、犯罪組織の縄張りが広がっていることもあるので気をつけたい。関係性の悪い犯罪組織の縄張りにうっかり入ってしまうと、侵入者として思いっきり追いかけ回される。

 スピーダーで突っ切ればそのままやり過ごすこともできるが、侵入したことでわずかながら評判が下がるので、穏やかに行くなら最初は縄張りを避けて進む方が無難だろう。「評判」システムについては後述するが、関係性を良くしておけば、問題なく通れるようになるようだ。

オープンワールドにも縄張りが存在している
こちらは惑星「キジーミ」の様子。「アシェガ・クラン」が支配している極寒の地だ

多くの選択で体験が変化。複雑に絡み合う「評判」システム

 またトーシャーラでは、本作の序盤におけるストーリーの流れと、プレイ上重要な「評判」システムについても知ることができた。

 主人公のケイ・ヴェスはゲームの序盤でミロガナに行き着き、街を仕切る犯罪組織「パイク・シンジケート」の親玉、ゴラックのもとへたどり着く。新参者に厳しいゴラックには速攻で追い返されてしまうものの、今度はその様子を見ていたダンカに声をかけられる。

【「スター・ウォーズ 無法者たち」序盤のミッション】
ミロガナの街並み
主人公のケイ・ヴェス
ケイの相棒、ニックス
「パイク・シンジケート」の親玉、ゴラック
ケイに声をかけてくるダンカ

 ダンカは自らをブローカーだと名乗り、ケイに「友人が、ゴラックの秘密基地からあるものを盗んでほしいと言っている」と、なんとも怪しい仕事を持ちかける。成り上がりを目指すケイは、もちろん引き受ける。

 またダンカは、惑星には「パイク・シンジケート」のほか、「クリムゾン・ドーン」や「ハット・カルテル」などの犯罪組織があり、裏社会で生き残るには評判が重要であることを教えてくれる。組織はほかにも、「アシェガ・クラン」が登場する。

 ケイの「評判」は犯罪組織ごとに決まっていて、最初はどの組織も「POOR(貧弱)」。縄張りには入れてもらえず、侵入して見つかれば、即追い出されて評判が下がる。評判が1段階上がって「GOOD」になると、見張りの横を通って、縄張りに堂々と入れるようになる。ただし、縄張りにはさらに厳戒態勢を敷いている場所もある。そこでは相変わらず侵入者扱いになる。

評判によって、入れる場所が変わる

 評判を上げるには、ミッションを達成するなどして、各犯罪組織に貢献すればいい。ただし面白いのは、ある組織にとっての利益は、他の組織の不利益でもある場合もあり、その選択をプレーヤー自身の手で決めることができる点だ。

 たとえば上記の「ゴラックの秘密基地からものを盗む」ミッションでは、無事に目標物を持ち帰ると、ダンカは依頼者が「クリムゾン・ドーン」のウーリーラであることを明かし、紹介してくれる。

 ミッション自体は成功しているのだが、会話の中である選択肢が登場する。実はケイは、秘密基地への潜入中に、「パイク・シンジケート」の裏切り者の名前を見つけていた。その名前をウーリーラに話すか、それとも情報を守っておくか、決めるという選択肢だ。

「クリムゾン・ドーン」のウーリーラ
ウーリーラに、「パイク・シンジケート」の裏切り者の名前を明かすかどうかを決められる

 今回のプレイでは、ウーリーラに裏切り者の名前を告げた。どうやらウーリーラは喜んでくれたようで、「クリムゾン・ドーン」からの評判が上がった。もし情報を守ったら、「パイク・シンジケート」の評判が上がったかもしれない。

 ほかにも、情報の書き換えで「クリムゾン・ドーン」を嵌めるか、「パイク・シンジケート」を嵌めるかという選択が出てきたり、ミッションクリアで「アシェガ・クラン」の評判が上がって「クリムゾン・ドーン」の評判が下がることがあったりと、評判に関わる選択肢やミッションが多く登場する。

 プレイした範囲では、選択がどの組織にどのように影響するかは、比較的わかりやすく示されていた。「スター・ウォーズ」の裏社会に生きる悪党らしい選択を、ぜひとも心がけていきたい。

選択によって評判が変化する

 本作はマルチエンディングではないと明かされているので、評判の良い悪いはストーリーそのものには影響しない。しかしながら、縄張りへの入りやすさをはじめ、プレイ体験は大きく変化するようだ。

 Gerghty氏によれば、評判に関わる選択は多くのジレンマを抱えるように、さらに複雑に絡み合うように、あえて設計しているという。すべての評判を最高にしたり、逆に最低にすることもできるが、それは上記の理由で「かなり難しい」とした。

潜入ではアスレチックをこなすことも
ロックの解除を試みるミニゲーム(タイミングに合わせてボタンを押す)、情報を読み解く絵合わせのミニパズルなどをこなすこともある
ひっそりと、しかし大胆にギミックをクリアする必要があることも

遠隔で大活躍! 鍵を握るニックスとの連携

 今回体験したなかでは、捕まったりアラームを鳴らされたら即ミスとなり、チェックポイントからやり直しというミッションが多かった。基本的にブラスターのみを武器とするケイ・ヴェス単独ではどれも厳しい戦いとなるのだが、ここで大活躍してくれるのが、相棒のニックスだ。

 ニックスは四足歩行のかわいらしい小動物で、いつもケイの周りにいる。マスコット的にただいるというわけではなく、離れた敵を襲ったり、注意を引いたり、あるいは持ち物を盗んだりと、実戦においてもとても心強い。

捕まったら即ミスのミッションもあった
ケイ&ニックス
体験会場では、ニックスのぬいぐるみの配布もあった。非常にかわいい
ニックスは、プレイ中になでることができる

 できることはそれだけでなく、遠くのドアを開けたり、アラームをクラッシュさせたり、武器やアイテムを回収したり、爆発物を爆発させたり、できることが数多くある。ケイは物陰に隠れながら、ワンボタンでニックスに指示するだけで仕事をしてくれるので、上手く連携することで驚くほど潜入がスムーズに進む。裏を返せば、ニックスをいかに活かすかが、攻略する上では大事になるだろう。

 またプレイ中には、いくつか成長要素も確認できた。成長要素としては、ブラスターやスピーダーの強化、またケイ自身も冒険のなかでアビリティを獲得していける。ニックスに関しては成長要素はないが、身につけるスカーフのカスタマイズ要素があるそうだ。

 LucasfilmのBlank氏から見ても、ケイとニックスのコンビは特にお気に入りのキャラクターだという。ケイの生い立ちや冒険だったり、ニックスを相棒として、お互いに頼りながら人生の道を切り開いてくところなど、親近感を覚えるキャラクターに仕上がっているからだそうだ。

ニックスに先に敵を襲わせ、ケイ自ら近づいて一発ノックアウトの奇襲を仕掛けたり、監視カメラをオフにしたりできる。とにかくニックスを動かすことで、攻略の糸口が様々に見えてくる
まさに「Good boy」すぎるニックス

「サバック」や「ファジアーレース」も登場。細やかなディテールも見所

 細かな設定が様々にある「スター・ウォーズ」の物語を構築する上では、“信憑性”を何より大事にしているという。LucasfilmのBlank氏は、既存のものを引用する場合は参考資料などを提示し、新規のものを作成する場合にはコンセプト段階から開発チームと議論することで、「スター・ウォーズ」上での“信憑性”を作っていったとした。

 それゆえに、本作では「スター・ウォーズ」作品との引用や関連を様々なところで見ることができる。本作でプレイできるミニゲームも、その代表的なひとつとなっている。

 ミニゲームのなかでも遊びごたえのある「サバック(Sabacc)」は、NPCと4人でプレイするカードゲームとなっている。映画「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」でも登場したゲームで、「スター・ウォーズ 無法者たち」では「Kessel Sabacc」と呼ばれるルールを遊ぶことができる。

【「スター・ウォーズ 無法者たち」サバック】
サバック

 「Kessel Sabacc」は黄色いカード(Sand)と赤いカード(Blood)を1枚ずつ、計2枚の手札で勝負するブラックジャックのようなゲーム。手札を場のカードと交換しながら、Sand-Bloodの数字を0にすることを目指す。整数で0に近いほど強く、0になる状態を「サバック」と呼ぶ。マイナスはブタ。他にも細かなルールがあり、本格的な駆け引きを楽しめる。

 悪党のケイらしいのは、ニックスと連携したイカサマも可能なこと。ここぞというときに、ニックスに相手の手札をのぞかせて、内容を知ることができる。ニックスののぞきっぷりがあからさますぎて思わず笑ってしまうのだが、そのような点も含めてよく作り込んであるミニゲームだ。

ニックスによる、相手の手札を見るイカサマ。モロバレな気がするが大丈夫

 また「スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ」に登場した、競馬のような賭博競技「ファジアーレース」も登場する。今回のプレイでは、掛け金をマシンに投入し、ホログラム上でレースを観戦するような形だった。

 「最後のジェダイ」」では、惑星「カントニカ」の都市カント・バイトにて「ファジアーレース」が開催されていた。「スター・ウォーズ 無法者たち」でも「カントニカ」とカント・バイトが登場するようなので、間近で「ファジアーレース」を見る機会があるかもしれない。

 今回のプレイでは、大まかなゲームの流れから、「スター・ウォーズ」らしい細やかなディテールの一端を見ることができた。収録した映像からもそうした点が確認できるかと思う。ぜひチェックしていただきたい。

【「スター・ウォーズ 無法者たち」ファジアーレース】
ファジアーレース