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CyberZ、ゲーム実況専用スタジオ「OPENREC STUDIO」開設

趣向を凝らした様々なスタジオと専用設備を用意

4月6日 オープン

 CyberZは、動画クリエイターを対象としたゲーム実況専用スタジオ「OPENREC STUDIO」をオープンさせた。オープンに先駆けて4月6日にはスタジオで発表会が行なわれると共に特別なゲーム実況番組の配信も行なわれた。

 「OPENREC STUDIO」は、「動画クリエイターが毎日通い、配信したくなる」というコンセプトを掲げ、いつでも簡単にゲーム実況動画やイベント企画などを撮影・編集し、ライブ配信できる動画クリエイター向けの施設となる。このスタジオは実況主のための施設となっているが、当面は一般には開放されない。このため場所も非開示となっている。

メインスタジオとなる「FOOL」。間仕切りで2つに分けることも可能。かなりの広さで、グリーンバックで合成などの映像処理を行なうことも可能となっている
大きないすが特徴的な「DEVIL」。ちなみに右側のガラスの向こう側がコントロールルーム
女性らしいスタジオ「LOVERS」
鏡なども設置されている「MAGICIAN」
和室で掘りごたつが用意されている「TEMPERANCE」
コントロールルーム。かなり本格的
喫煙室が用意されている
バーやダーツも用意されており、ざっくばらんにクリエイター間でコミュニケーションを取ることができる

動画実況の生放送を集めたサービス「OPENREC.tv」のサービスも5月中にリリース予定となる

 同社は、スマートフォンゲームに特化したプレイ動画共有サービス「OPENREC」のSDK提供を行なっており、「ウチの姫さまがいちばんカワイイ」などに採用されている。大友真吾取締役によれば、他国に比べゲーム実況に関してはまだまだ発展途上で、スマートフォン市場もまだ大きくなる中で市場を開拓していきたいという意向から、全体の底上げの意味もあってスタジオを設立し認知度向上を図っていきたいと説明した。

 「OPENREC」の優位性については、高画質なプレイ実況画像録画を実現している点と、インカメラで自撮りが可能となっている点を上げている。また、コミュニティサイトのカスタマイズが可能である点などを挙げている。

 スタジオは実況動画を広めるための一種の先行投資にもあたるが、その内容は豪華だ。和室や女性らしいスタジオからラグジュアリーな大きないすが設置されたスタジオなど、特徴的な5つの部屋(スタジオ)が用意されている。さらにはメインスタジオにはグリーンマスクがあって編集も可能な本格的なスタジオとなっている。配信設備も本格的に用意されており利用可能となっている。

 同社としてはOPENRECのSDKをより多くのアプリに導入してもらい、動画サービスの配信と結びつけていきたい意向のようだ。CyberZは、インターネット系の広告配信を行なっていることもあり、広告関連のシステムとの連動も行なわれている。同社のシステムでゲーム、動画配信と広告の効果など、インターネットでの人の動きのデータ化も可能で、ゲームメーカーへのアピールポイントの1つとなる。

「OPENREC」のSDK提供を行なっており、「ウチの姫さまがいちばんカワイイ」などに採用されている。実況動画を盛り上げることで「OPENREC」の採用タイトルを増やしていきたい側面もある

CyberZの山内隆裕代表取締役社長、Aimingの萩原和之取締役COO、グラビアアイドルの倉持由香さんによるトークセッションも行なわれた

 発表会ではゲームの実況配信に関して、CyberZの山内隆裕代表取締役社長、Aimingの萩原和之取締役COO、ゲーム好きなグラビアアイドルとしても有名な倉持由香さんによるトークセッションも行なわれた。

 エンドユーザー側となる倉持さんは、実況配信も家から1人で行なうのではなく、ゲーマー同士が集まり実況するスタイルに変わりつつあると言い、ゲームの実況が増えるにつれてプレーヤーも増える現象が起こりつつあると説明。一方で萩原氏は、東南アジアなどでは年収1千万プロプレーヤーが登場しており、配信で生活できる環境ができあがりつつあるが、日本では動画の収益性が確立されていないため、これから立ち上がって来るのではないかと分析。山内氏はe-Sportsにも期待を寄せており、企業と実況配信者をマッチングする場としてスタジオを活性化していきたいと展望を語った。

 実際にスタジオにはバーが設置されていたりダーツなども置かれており、コミュニケーションを取ることができる。この場でクリエイター達のコミュニケーションから新たなアイディアが生まれ、より面白いサービスへとむつびついて行くことが期待される。

 動画配信に対する期待は萩原氏も示しており、「ゲームをインストールして設定などを行ないプレイするのは大変。動画は面白いところだけを切り出して伝えてくれる不可欠の手段」と説明。また、1度離れたユーザーでもほんの少し動画を見るだけでゲーム内の変化がつかめるため、ユーザーの復帰を促す意味でも注目しているという。

 冒頭に書いたとおり、一般には開放されていないが、今後は解放も考えているという。ただ、専門的なスタジオをただ開放しても利用のハードルは高いため、カフェとの提携など一般の方が利用できるようなサービスを現在考案中だという。また、このスタジオだけでなく他にもスタジオを展開するかどうかについては「e-Sportsの盛り上げはわれわれの責務。『e-Sportsカフェ』のようなものをつくるなど盛り上がりに貢献できれば(山内氏)」と実況動画に今後も本腰を入れて取り組んでいくとコメントした。

CyberZの山内隆裕代表取締役社長。当初はクリエイターにのみ開放されるこのスタジオだが、後々は一般にも開放していきたい意向だという
Aimingの萩原和之取締役COO。「OPENREC」を含め、なんらかの動画中継のSDKの導入には積極的に取り組みたいという萩原氏。懸念点としては、動画中継SDKを搭載するとネタバレを含んだ動画も配信されてしまう可能性をあげた
倉持さんは女性の視点からトークを展開。「複雑な機械なども利用できるので、女性にとってハードルが下がる。女性の生主さんが増えるかも」とコメント

スタジオにはヘッドセット「Razer KRAKEN」が設置されていた

 「OPENREC STUDIO」は、ゲーミングデバイスのメーカーRazerと提携しており、各種デバイスが展示されているのと共に、スタジオ利用者は自由に使用することができる。発表会では実況者用のマイク「」をアピールした。

Razerの実況者用のマイク「Razer Seiren」もスタジオに設置されている

(船津稔)