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「YAIBA: NINJA GAIDEN Z」稲船氏と早矢仕氏に突撃インタビュー!

「皆が求めているアクションゲーム」に進化!
最新バージョンによるファーストインプレッションもお届け!!

発売日:未定

価格:未定

 コーエーテクモゲームスのTeam NINJAと稲船敬二氏が率いるcomcept、北米の開発会社Spark Unlimitedが共同開発中のアクションゲーム「YAIBA NINJA GAIDEN Z」。今回、E3ビルドより開発度が進んだバージョンをコーエーテクモゲームス市ヶ谷事業所にてプレイさせていただく機会を得た。本稿では最新ビルドのインプレッションをお届けするとともに、comceptのCEO/コンセプターの稲船敬二氏と、Team NINJAプロデューサーの早矢仕洋介氏のインタビューをお届けする。

最新ビルドで「YAIBA」の凄さを再確認 ~E3ビルドの不安を一蹴するすばらしい仕上がり!~

キーアート

 冒頭で触れたとおり、今回の取材では「YAIBA NINJA GAIDEN Z」最新ビルドをプレイさせていただくこととなった。余談ながら、東京ゲームショウ2013に出展されたプレイアブルは、6月のE3に出展された英語版(E3ビルド)と同じもの。後述するが、E3ビルドの時点で抱いていた疑問は、最新ビルドで一気に氷解することになる。

 東京ゲームショウ2013に続き、2度目の邂逅をはたし喜色満面の筆者。プレイに際して気づいたのは、E3ビルドからボタン配置が一部変更されていたこと。このあたり、ゲーム内容はもちろん操作系についても試行錯誤が続いている様子がうかがえる。今後も変更される可能性があるため役割のみ記すと、主人公ヤイバの移動、斬撃、パンチ(つかんだゾンビで攻撃)、フレイル(チェーン)攻撃、ダッシュ/ジャンプ、ガード/カウンター、つかみがメイン。このほか、ステージ間の移動スイッチを探すサイボーグビジョン、演出と実用の両面で欠かせない“処刑ボタン”がある。

 オープニングムービーは、E3ビルド同様にヤイバとリュウ・ハヤブサの一騎討ち。荒々しい風貌そのままに野性味たっぷりの太刀筋で迫るヤイバだが、リュウ・ハヤブサに一閃され左目と左手を失いおびただしい出血と咆哮とともにタイトル画面へと移行。ゲームが始まると、左目と左手が機械化されたヤイバがゾンビが満ちる街へと降り立つ。「えっ、オープニングからスタートまでに何があったの!?」と誰もが疑問に思うだろうが、後述のインタビューによるとプレイを進めていくにつれ少しずつ明らかになっていくという。

 アシスタントらしき女性のアドバイスを受けつつ先に進むと、さっそくゾンビの群れが出現。本作に登場するザコゾンビはアグレッシブの一言で、半身が失われても果敢に迫ってくる凄まじい代物。こちらもインタビューでも触れているが、ゾンビたちの服装はカジュアル、ミリタリールック、マッチョ風など、それぞれ個性付けがなされているのが印象的。同じザコでも突然自分の首をもいで迫ってきたりと、タイプによって変化がつけられているのがいい。

 ゾンビとの戦いは斬撃が基本。ボタンの組み合わせや連打でコンボになり、簡単操作で過激なアクションが炸裂! 剣をひとふりするたび、激しい血飛沫と肉塊が四散する“大人のエンターテイメント”全開状態だ。ガードしてくる若干強めのゾンビには、パンチまたはゾンビをつかんだままフレイルボタンで振り回す「チェーン攻撃」などが有効。ちなみにつかみボタンは、次のエリアに進むためのギミックを作動させる“スイッチ”の役割をかねることがあり、ゴミ箱でうごめくゾンビをつかんで特定の場所に投げると、ロードローラーの運転席に投げ込んだゾンビがそのまま仲間ゾンビを轢いたり、タンクローリーであれば下着屋の看板に突っ込むなど、抱腹絶倒の演出が楽しめる。

 中ボス以上のゾンビ相手には、こちらもガードボタンを駆使しないと勝つのは難しい。このとき、相手の攻撃を寸前でガードすると、一定時間ヤイバ以外の動きがスローになる“ガードカウンター”が発動。タイミングはシビアだが、慣れてきたら狙わない手はない。なお、ボスによってはガード不能攻撃をまぜてくるタイプもいて、必ずしもガードが万能というわけではないようだ。

 一定ダメージを与えたゾンビには、“処刑可能”を意味するインフォメーションが頭上に出現する。このとき、素早く処刑ボタンを押すと処刑アクションが炸裂し、過激な演出とともに1発でトドメが刺せるなど、耐久力があるゾンビ相手には効果テキメン。敵を倒すことで増えていく画面左上のゲージがMAXになると両スティック同時押しで必殺技が発動。一定時間敵の動きが止まり、こちらは一方的に攻撃しまくれる。終了と同時に敵がまとめて倒れる様子は“超キモチイイ!”の一言で、なるべくザコが多いときに狙いたい。

 ゾンビを殲滅したら、視界内にある足場などのスイッチを見つけて、そこを足がかりに次のフィールドへと移動。画面内をざっと見渡すとだいたい「あぁ、あそこかな」と見当がつくのだが、わからないときはサイボーグビジョンボタンでスイッチになっている場所が明るく映り、ひと目でわかるようになっている。E3ビルドはジャンプでフィールドを移動したが、最新ビルドではフレイルを使う場面も見受けられた。このあたりも今後の調整次第で変化していくかもしれない。

【最新ビルド・スクリーンショット】
敵基地内最深部、敵は人型のゾンビだけではない……!? 鋼の装甲をもつ巨大メカへ立ち向かうヤイバ。放たれるミサイルの雨をかいくぐり突進する
巨大メカとの接近戦に挑むヤイバ。火を噴く前面の銃火器だけでなく、前足の動きにも注意が必要だ
後ろ足を上げて、オイルをまき散らす巨大メカ。じつはこのメカは犬の脳みそが移植された実験兵器だったのだ。破天荒な狂気の忍者でありながら犬の小便を浴びせられてしまうという一味違うヒーロー像も本作の魅力のひとつ
炎上する施設から現われた燃え盛る僧侶ゾンビと、それに果敢に飛びかかるヤイバの雄姿。捨て身で戦う勇猛果敢なその姿は、同じ忍者でもリュウハヤブサとは違うアグレッシブな戦闘スタイルだ
火を噴く火炎ゾンビ、それをかわすヤイバ。炎攻撃を受けるとヤイバの体も炎上し、バッドステータスが課せられてしまうので要注意だ
ゾンビの腕を引きちぎり、ヌンチャクにして振り回すヤイバ。なんとも悪趣味な武器システム、しかしその威力は抜群だ。ゾンビの群れは次々に弾け飛んでいく
ワイルドな風貌の大男ゾンビの腕をとるヤイバ。こうなれば逃れる術はない、ヤイバの処刑ショーの始まりだ
ヤイバのサイボーグアームは多彩な攻撃能力をもつ。チェーン攻撃もそのひとつ。投げ技を得意とするような敵には、離れた場所からのチェーン攻撃が有効だ
風船と共に登場したピエロのゾンビ。その風貌とトリッキーな動き、両手に持った血だらけの包丁は、ヤイバに負けず劣らずの狂気を感じさせる
市街地の裏通りでゾンビに囲まれるヤイバ。しかしこのような一般市民のゾンビごときはヤイバの処刑の餌食になるのがオチだ
空中に浮かびながら激情のままに放電する女性ゾンビ。頭部の電極と口から生えた銃口からは、おぞましい人体実験の様子を想起させる
電気型ゾンビの放電を浴びるのは危険だ。ヤイバのサイボーグアームに異常をきたすことも考えられる。ヒット&アウェイの戦い方が有効だ
炎と共に崩れ落ちるビル群、その中を壁走りするヤイバ。アクロバティックな移動アクションも、忍者にとっては日常茶飯事。壁に示された矢印はヤイバのサイボーグビジョンが見せるガイドのようなものだ

ヤイバの視線の先には白く光る突起物、これもサイボーグビジョンによるガイド機能だ。わずかな凹凸をも利用し、超人的な跳躍力で屋上を目指すヤイバ、その先に待ち受けるものとは?

 東京ゲームショウ2013で「YAIBA NINJA GAIDEN Z」を体験されたユーザーの方々も少なくないと思うが、恐らくプレイされた大半の方が「面白いけど、ちょっと厳しいところもあるかな」という印象を抱かれたと思う。恐らくは、誰もがゾンビを斬ったときのダメージ演出について「もうちょっと整理されていれば」と感じられたのではないだろうか。

 E3ビルドの「YAIBA NINJA GAIDEN Z」は、とにかくド派手で気持ちいいのだが、血飛沫やコミック的表現があまりに派手すぎて、主人公のヤイバが隠れてしまいがちなのが難点。ゾンビ密集時には何をやっているか全然わからなくなることもしばしばで、カメラ視点が固定されていることもあり「うーん、気持ちいいけどコレはちょっと……」となってしまった。

 だが、最新ビルドはこの難点をキッチリ修正。気持ちよく立ち回れる一方で、それによる安易さは皆無。ゾンビたちの数や動きにも細かい調整が施され、それでいてケレン味は一切損なわれていない素晴らしいものにブラッシュアップされていた。取材時間の都合で差し替えられたという新ボスこそ拝めなかったものの、E3ビルドからの進化は“思わず頬が緩む”嬉しいクオリティアップ。E3ビルドにはなかった新たなギャグ要素も、B級ホラーファンにはたまらない内容で、ここで詳しくご紹介できないのが悔しいくらい。

 発売日はもちろん、体験版の配信などすべてが未定。こういう状況だからこそ「とにかく早く新しい情報に触れたい! そして紹介したい!」と心底思う。後述のインタビューによれば、稲船氏と早矢仕氏はユーザー向けの情報発信を仕込んでいる最中とのことで、今後の続報にぜひぜひご期待いただきたい。

(豊臣和孝)