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【特別企画】じわじわ人気上昇中のスマホゲーム「にゃんこ大戦争」の魅力に迫る!

謎の“にゃんこ軍団”が日本列島を征服するお手軽タワーディフェンス

配信中

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

キモカワ系のにゃんこ軍団がくせになる

 にゃんこ軍団が日本を絶賛征服中だ。京都のゲームデベロッパーPONOSがiOSとAndroid向けに配信している横スクロールタイプのタワーディフェンスゲーム「にゃんこ大戦争」が密かな人気を博している。昨年11月15日にApp Storeから配信を開始したiOS版は20万ダウンロードを超えており、12月27日にGoogle Playから配信がスタートしたAndroid版も早くも10万ダウンロードを達成した。

 「謎のにゃんこ軍団が日本列島を血に染める!」というストーリーなので一見にゃんこ軍団と戦うのかと思いきや、プレーヤーが操作するのはにゃんこ軍団側で日本列島を次々に征服していく。ゆるくてかわいいにゃんこ軍団のキャラクターが大好評だが、もともとフィーチャーフォン用のゲームとして作られたものを、スマートフォン用にグレードアップしているので、ボタンを押すだけの簡単操作で遊べる気軽さも人気の秘密だろう。

 そんなゆるいゲームだが、ストラテジーゲームとしての基本はきちんと押さえてあり、かつやり込み要素も豊富だ。基本無料のアイテム課金ゲームだが、課金をしなくても遊べる要素が多く、かつ思わず課金せずにはいられない魅力的なアイテムもそろっている。

 いったい「にゃんこ大戦争」はどのようなゲームなのか。この特別企画ではその魅力をじっくりとお届けしたい。

謎のにゃんこ軍団で日本列島を侵略しまくろう

にゃんこ軍団の進軍を告げるオープニング。最後まで読んでも攻略の手助けにはまったくならないが、たぶん読んでも損はないはずだ

 タワーディフェンス(TD)ゲームは、フィールド上にキャラクターを設置して、次々に襲ってくる敵を撃退するストラテジーゲーム。もともとPCが発祥のジャンルだが、タッチ操作と相性がよく、スマートフォンやタブレットの進化に合わせて次々に名作が生み出されている。「にゃんこ大戦争」はゆるい見た目と、ゆるい難易度で気軽に楽しめる初心者向けTDだ。

 プレーヤーは謎の侵略者“にゃんこ軍団”として、日本列島を侵略していく。ゲームは長崎県から始まり、東に向かって進軍していく。それぞれのマップには拠点となる城があるが、城の上には都道府県にまつわる特産物や観光名所が乗っている。

 例えば香川県では基地の上にうどん、岐阜県だとステージに雪が降って基地の上に合掌造りの家。岡山県なら桃太郎の像、宮城県はもちろん伊達政宗の像と、その県の名前を聞いたときに誰もが想像するものが的確にチョイスされていて、思わずにんまりしてしまう。新しいステージが始まる時には、まずは城のモチーフが何かを見に行かずにいられない。

城の上に乗っているのも模様もファンシーなさくらんぼの山形県
栃木県のモチーフは、駅前にある宇都宮餃子像!
うどん県こと香川県は考える間でもなくうどん
宮城県といえば、伊達政宗像
たこ焼きの刺さった通天閣からワラワラと例のヤツが出てくる大阪府
東京都といえば、やっぱり東京タワー

働きネコをレベルアップしつつ、キャラクターを作りまくろう

画面左下にいる、がんばっている感じのネコが「働きネコ」。レベルが上がるにつれて、レベルアップに必要な金額も高騰していく

 戦闘の手順を簡単に説明しよう。まずは全国マップから攻め込む都道府県を選択する。攻め込むためには「統率力」が必要で、取得経験値の多い県は消費する統率力もたくさん必要だ。統率力は時間で回復していく。

 戦闘画面では左に県の城、右ににゃんこ軍団の城があり、キャラクターはお互いの基地に向かって進んでいき、敵キャラクターや城が攻撃範囲に入ると自動的に攻撃を開始する。城のHPが0になれば陥落して勝利となり、報酬として経験値やお宝が手に入る。

 軍団のキャラクターは日本円で生産するが、このお金を稼いでくれるのが画面左下にいる「働きネコ」だ。ゲームスタートと同時にお金が貯まり始める。この円は働きネコのレベル上げにも使う。働きネコのレベルが低いと、お金が貯まる速度が遅く、上限も低いのでなかなか強いキャラクターを生産できない。

 働きネコのレベルアップをケチっていると、後半資金ショートを起こして押し込まれてしまうので、雑魚が多い前半にレベル上げにいそしんでおく。たまに、前半から強い敵が現れることがあり、こういうステージでは働きネコのレベルを上げつつ、キャラクターも増産するスリリングな戦いが楽しめる。

 お金は、敵を倒したときにも入ってくる。強敵を倒すと一度に何千円も増えるので、逆転のチャンスが生まれる。働きネコの作業効率や、金額の上限はパワーアップ画面から強化することができる。

全国マップからステージを選ぶ。都道府県の名前の下には、必要な統率力と
戦闘画面。左に県の城、右ににゃんこ軍団の城がある
城のHPがなくなれば勝利

にゃんこ砲で一発逆転。それでも足りなければ神さま召喚も!

体の大きな敵は、その巨大さに見合った攻撃力やHPを持っているので現れると非常に厄介だ

 敵のキャラクターはおおむね体のサイズに強さが比例している。巨大なゾウタイプ「パオン」などは、ずっと居座り続けながら鼻を振り下ろす範囲攻撃で味方にダメージを与えてくる嫌な敵だ。中盤以降頻出してくる「ゴリさん」や、顔は可愛いのに攻撃は凶悪な「クマ先生」も要注意だ。また、敵には色が赤い、通称「赤い敵」と呼ばれるものがいる。赤い敵は、「赤い敵にめっぽう強い」と説明書きにある専用の攻撃キャラクターで迎撃する。

 序盤はお金のたまり方が遅いので、キャラクターの生産が追いつかずに城付近まで押し込まれてしまうこともよくある。そんなとき、敵を一掃して逆転のチャンスを作ってくれるのが、城に備えられた高性能なレーザー兵器「にゃんこ砲」だ。

 にゃんこ砲はゲームスタートと同時にチャージに入り、チャージ完了後はいつでも任意のタイミングで発射できる。強力なレーザーが射程内にいるすべての敵にダメージを与え、雑魚なら一撃で倒してしまい、強敵を後退させる。ただし、一度使うと再チャージまでに何分間か必要になる。

 にゃんこ砲でもしのぎきれない敵のラッシュが来たら、最後は神頼みだ。パワーアップ画面のEXキャラクターから「神さま」を購入しておけば、いざというとき神のチカラを使うことができる。使えるチカラは4種類。「神の怒り」はにゃんこ砲の3倍の威力を持った全体攻撃、「神のくしゃみ」は敵キャラを敵の城まで吹き飛ばしてしまう。「いやしの楽園」は、城とキャラクターのHPを全回復させる。「ベビーラッシュ」は、1分間キャラクターを作りまくれる。神のチカラは、課金アイテムの「ネコカン」で購入する。

にゃんこ砲を発射すると、レーザーが地面を横薙ぎにして敵を吹っ飛ばす
神さまを購入すると、戦闘画面の空に怪しい黒い太陽が浮かぶようになる。これにタッチすると
神さま降臨。見た目とBGMに反してしゃべりはフランク。セリフのバリエーションの多さは異常

 チュートリアルも兼ねた九州地方は、適当にキャラクターを生産していてもなんとかなるが、ステージを進めていくと、最初から強敵が現れたり、雑魚がこれでもかと押し寄せてきたりと、それなりに戦略が必要になってくる。

 とはいえ、本作の魅力はあくまでもお手軽さだ。通勤時間に、ちょっとした休憩時間に気軽に侵略できるカジュアルさが魅力だ。キャラクターをマップ上に配置するのではなく、出撃させたいキャラクターのアイコンを押すだけという簡単操作も本作の敷居を下げている。そのためじっくり腰を据えてストラテジーゲームで遊びたいというタイプには物足りなく感じるかもしれない。

 どうしてもクリアできない高難易度のマップに何度も何度も挑むというよりは、無敵のにゃんこ軍団の無双ぶりと病み付きになるへんなビジュアルを楽しみつつ、小さな達成感を積み重ねていくことが楽しいゲームだ。

【敵キャラクター】
「わんこ」
にゃんこをライバル視するシバ犬。どこにでも出てくる雑魚中の雑魚
「例のヤツ」
3人で多段攻撃を仕掛けてくる。大量に群れて襲ってくることも多い
「ゴマさま」
体力、攻撃力ともに高い「赤い敵」。居座られると厄介だ
「ゴリさん」
強力な範囲攻撃が痛い。顔が恐いという理由でニートになったゴリラ
「パオン」
敵キャラの中でも最大級のサイズを誇る。長いリーチを活かした鼻攻撃が特徴
「カ・ンガリュ」
攻撃スピードが速い。カンガルーという理由でライセンス試験に落ちた悲劇のカンガルー

本作最大の魅力! キモカワいいにゃんこ軍団たち

ぞろぞろと進軍していくにゃんこ軍団の威容は限りなくシュール

 にゃんこ軍団という名前なので、キャラクターはすべてネコの顔をしている。しかし、中にはゆるすぎてかなりアイデンティティが揺らぎ気味のものもいる。キャラクターのゆるさは本作最大の魅力だ。キモくてゆるいキャラクターは動きを見ているだけでも楽しく、表情だけみんな同じキャラクターが集団で進軍していく様はシュールの一言。勇ましい進軍マーチのBGMがさらに拍車をかける。

 最初に使えるキャラクターはもっとも基本的な「ネコ」。丸い顔に4本の小さな足がついていて、口で攻撃する、一番ネコっぽいキャラクターだ。次に使えるようになる「タンクネコ」は、円柱状の姿をしており、ヘッドバットで攻撃する。その後もステージを進行していくと、次第に使えるキャラクターの種類が増えていき、最終的には9種類の基本キャラが使えるようになる。

【基本キャラクター】
「ネコ」
最初から使える基本キャラクター。50円とお安く使いやすいが、性能もお値段相応
「タンクネコ」
防御性能に優れたキャラクター。ヘッドバットで攻撃するが攻撃力はほとんどない
「バトルネコ」
斧を持った隻眼のにゃんこ。ネコよりも攻撃力が高く、「赤い敵」に強い。序盤に便利な汎用キャラ
「キモネコ」
長い手足を使って、後衛からの攻撃が得意な遠距離攻撃キャラクター。攻撃力は高いが、移動スピードは遅め
「ウシネコ」
移動スピード、攻撃スピードともに優れている。素早い頭突きは、特に城攻めに絶大な力を発揮する
「ネコノトリ」
範囲攻撃で雑魚を一掃するのに向いている。体力が低いので単体ではすぐに倒される
「ネコフィッシュ」
ギザギザの牙を隠した魚っぽいネコ。バトルネコよりも攻撃力が高く、「赤い敵」に強い
「ネコトカゲ」
トカゲというより恐竜のような二足歩行のネコ。キモネコの上級に当たる遠距離攻撃キャラクター
「巨神ネコ」
某ナウ◯カに出てきそうな巨大な人型キャラクター。攻撃方法は意外と原始的な素殴り

メニューから入るパワーアップ画面では、軍団を強化したり新しいキャラクターを追加することができる

 新しいキャラクターの追加やキャラクターの強化は「パワーアップ」画面で行なう。キャラクターは経験値を使ってレベルを上げていける。レベル10のMAXまで上げるとクラスチェンジして、さらに強力な上位クラスになり見た目も変化する。

 基本キャラクターの他に、課金アイテムのネコカンで入手するEXキャラクターもいる。前述した「神さま」だけは経験値で購入できるが、それ以外はすべてリアルマネーが必要だ。EXキャラクターは、基本キャラクターの上位性能を持つキャラクターで、見た目やアニメーションも凝っている。一度購入してしまえば、それ以降はEXキャラクターも経験値でレベルアップができ、MAXまで上がれば同じようにクラスチェンジする。

 パワーアップ画面では他にも、にゃんこ砲の射程、威力、チャージ時間、働きネコの生産効率、財布の上限、城の強度、キャラクター生産にかかる時間、統率力などを、経験値を消費しながら強化していくことができる。キャラクターの作成時間を左右する「働きネコ仕事効率」や「研究力」などは、MAXまで上げておくと後々の戦闘を楽に進めることができる。

 また、ステージをクリアした時にランダムで手に入る「お宝」を集めると、セット報酬として軍団を強化するアイテムが手に入る。「お宝」には最高、普通、粗悪の3ランクがあり、集めたお宝のレアリティで発動する力の威力に差が出る。100%の力を発揮したければ、お宝を最高レベルで揃える必要がある。

 課金要素にはEXキャラクターの他、統率力の再チャージ時間の短縮や、ステージのコンティニューに使う。またアイテムショップには、キャラクターのスピードアップやお宝をゲットしやすくする「トレジャーレーダー」、スナイパーの掩護射撃など戦闘中の消費アイテムと経験値を販売している。

【クラスチェンジ後のキャラクター】
「ネコビルダー」
「ネコ」の上位クラス。ムキムキの手で殴る。よく見ると、手足が合計6本あるところに突っ込みたくてたまらない
「ネコカベ」
「タンクネコ」の上位クラス。攻撃は相手に向かって倒れていく。相変わらず攻撃力はない
「勇者ネコ」
「バトルネコ」の上位クラス。剣と盾をもった正統派勇者

EXキャラクター「ネコ縛り」。殴られるのが好きな嫌な盾だが、攻守に優れているうえ生産価格もリーズナブルで使いやすい
手持ちのキャラクターが10体を超えたら「キャラクター編成」画面から出撃キャラクターをカスタマイズできるようになる
戦闘で得たお宝の効果は「お宝」画面で確認することができる。最高クラスのお宝を揃えると、効果が100%になる

ゲームをクリアしてからが本当の始まり。2周目以降も新要素がいろいろと登場!

第2章をクリアするともらえるレアキャラ「ネコヴァルキリー」

 ソーシャルゲームがニュースで大きく取り上げられた影響で、スマートフォンの無料ゲームはどれでもゲームを進めるのに大金が必要になると誤解している人もいるが、本作は様々な課金要素はあるものの、課金をしなくても進める難易度なので、まったく無課金でも十分遊ぶことができる。課金要素も、ランダム性のあるガチャはないので、必要なものを必要なぶんだけ購入すれば事足りる。

 1回目の日本占領後にはエンディングがあり一区切りつくが、物足りない人用に難易度が上がった新章や、ハイスコアを競いたいコアユーザー向けのチャレンジモードが遊べるようになる。常に泳ぎ続けていないと死んでしまうマグロのようなユーザーのために、これからも新しい遊び要素が追加されそうな雰囲気もある。カジュアルだが、じんわりと長く遊べるやり込み要素の多さは、家庭用のユーザーが多い日本らしい作りだと言える。

 スマートフォンやタブレット向けのゲームといえば、当初こそカジュアルで単純なものが多かったが、最近は性能の向上に合わせたコアゲームも増えてきている。そんな中で、本作のような基本無料ならではのゆるさを持つゲームを見つけると嬉しくなる。それは本作が単なる単純なゲームではなく、きちんと作りこまれたカジュアルゲームだからだ。見た目通りにあまり頭を悩ますことなく遊べるが、遊んでみると以外に深いやり込み要素に気づく。基本無料だからできるゆるさをぜひ一度体験してもらいたい。

(石井聡)