カプコン、PS Vita「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3」体験会を開催
3プラットフォームが対象となる無料大型アップデート「HEROES&HERALDS」を12月19日より配信


12月19日 配信開始

アップデート料金:無料

【ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3】
12月17日 発売予定(PS Vita版)

価格:4,800円(PS Vitaカード版)
   4,300円(PS Vitaダウンロード版)

CEROレーティング:C(15歳以上対象)


プロデューサーの新妻良太氏

 株式会社カプコンは、ファイティングアクション「ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3(以下:UMVC3)」の無料大型アップデート「HEROES&HERALDS」を12月19日より配信すると発表した。価格は無料で、PS3版、Xbox 360版、12月17日発売予定のPlayStation Vita(以下:PS Vita)版すべてが対象になる。今回は、本日カプコン東京支社にて行なわれたプレス向けクローズドイベント「アルティメット体験会」の模様とともにアップデート情報をお届けする。

 開始に先立ち「UMVC3」プロデューサーの新妻良太氏が、12月17日発売予定のPS Vita版「UMVC3」の概要を改めて説明。PS Vita本体と同日発売で、価格はPS Vitaカード版が4,800円、ダウンロード版が4,300円。CEROレーティングはC(15歳以上対象)。発売済みのPS3、Xbox 360と同等のクオリティを実現し、タッチパネルを使った直感的な操作など、さらにPS Vita独自機能を搭載する。PS Vita版は、オリジナルカラー「ゴールドヘラルドカラー」キャラクターが使用できる。また、「near機能」を使い、他プレーヤーと「ヘラルドカラー」、「ゴールドヘラルドカラー」を交換することも可能。

 注目のオンラインモードは、Wi-Fi、アドホック通信によるネットワーク対戦を実現。段位を競うランクマッチ、段位と無関係に純粋に対戦を楽しむプレーヤーマッチ、ネットワーク上でプレーヤーが集まる部屋を作成するロビー、世界中のプレーヤーランキングが閲覧できるリーダーボードと、充実の機能を誇る。リーダーボードは、3G回線でチェックすることも可能となっている。対戦格闘ゲームならではのリプレイ機能も用意されており、世界中の対戦動画がチェックできる。

 一風変わった機能として、PS Vitaのタッチスクリーンを使ってPS3「UVC3」をプレイする「アルティメットコントローラー」が紹介された。PS3、PS Vitaそれぞれ「UMVC3」を起動して接続させると、タッチスクリーンにボタン機能が割り当てられる。タッチスクリーン1~4に必殺技やハイパーコンボが設定可能で、中央のX(エックス)をタッチするとX-ファクターが発動する。格闘ゲームのコマンド入力が難しいと感じていた人には、とてもありがたい機能だ。



【スクリーンショット】
据え置き機とほぼ同等の内容にくわえ、タッチスクリーンなど独自機能に対応。PS Vita版も無料大型アップデートの対象だ

 無料大型アップデート「HEROES&HERALDS」は「ヒーローチーム」、「ヘラルドチーム」、どちらか一方に所属して勢力争いを繰り広げる団体戦モード。ヒーローとして防衛、ヘラルドとして侵略に加担、どちらを選ぶかはプレーヤー次第。オンラインでは戦況が日々刻々と変化。1週間単位で戦績が集計され、所属陣営での活躍に応じて「サポートカード」などの特典が与えられる。新妻氏は「自分が1週間どれだけ活躍するかで、もらえるカードが色々と変わってくる。1週間ガッチリやるとレアなカードが手に入ったりとか。日々やっていると、どっちが優勢とか、そのなかでボクはどれくらいの役割を果たしているかがわかる。日々観察すると、非常に面白いものでないかな、と思っています」と説明。

 本モードの目玉「サポートカード」は、デッキを構築してキャラクターに特殊能力を付加させるというもの。カプコン作品でおなじみのキャラクターが描かれたカードは、キャラクターが消える、常にスーパーアーマー、1キャラで3人分の体力、飛び道具無効などなど、各キャラクターをイメージしたさまざまな能力が設定されている。やりかたは、使用するカード3枚を決めてデッキを構築し、対戦前に選んでセットするだけ。カードにはメインとサブふたつの効果があり、メインに据えたカードはメイン効果、それ以外はサブ効果がそれぞれ自動で発揮される。

 カードのなかには、同じカードを2枚以上デッキに組み込めるものもある。こうしたカードは、メインもしくはサブの効果がさらに増幅される。例としては、攻撃力が上がるカードであれば攻撃力がさらにアップ、ブロッキングが可能になるカードは入力受付フレーム数が増加、ゲージを増やすものであればゲーム開始時のゲージがいきなり3~4本以上といった具合。カードは全部で100種類以上があるといい、それぞれの効果も「これ大丈夫!?」と叫びたくなるくらい尖りまくったものが多々ある。ただし、カードにはS~Cといった“レアリティ”があり、レアリティが高いものは当然入手が難しくなる。新妻氏は「カードの数、セットの仕方によっては無限に近い組み合わせがある。たぶん、ボクらが思いつかないような組み合わせが今後生まれてくるかと思います。ボクらも、それを期待しております」とコメント。

 カードの入手方法は、主にオフラインプレイがメインになるという。オフラインでは、ヒーロー、ヘラルドともに「CITY」と呼ばれるヘックス(6角形)マップのいずれかを指定し、そこでCPUの敵チームと対戦。各マップには自勢力の占有度をあらわすパーセントが表示されており、勝利するごとに少しずつパーセントがアップ。最初は弱い相手しか出てこないが、勝利してパーセントが上がるにつれ“DANGER”と呼ばれる難易度が上昇し、敵もどんどん強くなっていく。カードは対戦で勝つたびに入手できるが、強い敵ほどいいカードが手に入りやすくなる。突発的なイベントで出現するCITYは、通常のそれよりも強敵が出てくるが、そのぶんよりいいカードが手に入るかもしれない、というわけだ。ちなみに、カードのなかには「ある種類のカードが入手しやすくなる」というメイン・サブ効果を持ったものもある。また、既に持っているカードを引いてしまう(俗にいう“ダブる”)こともある。

 オフラインである程度カードを集めたら、次はオンライン対戦。実は、サポートカードのなかにはオンラインでしか入手できないものもあるという。オフラインでコツコツ集めたカードは、オンラインで使ってこそ華。自分が使えるカードは、当然相手も使える。キャラクターとサポートカードが織り成す無限のユニバース。デッキ構築でプレイングを補うか、あるいはプレーヤースキルでデッキ効果を遥かに凌駕してみせるか。どんな戦いが繰り広げられるのか、今から興味津々だ。


無料とは思えないサービス満点のアップデート。カードを集めて組み合わせ、さまざまな特殊能力を発揮させる。ベースとなるキャラクター選定も大切だ

【スクリーンショット】
ヒーロー、ヘラルド、いずれかに属して勢力争いを行なう。余談ながら、カードの絵柄はすべて新規描き下ろしというから驚き。あまりにも魅力的すぎて「これ実物作ってくれませんか!!」とその場で土下座するくらいの勢いでお願いしてみたが、権利関係で難しいことが多くあるようだ

左より。ネオジー氏、番長氏、新妻氏

 プレス体験会では、サンプルデッキを使った対戦デモンストレーションが行なわれた。実演を行なったのは、ディレクターのネオジー氏と、株式会社エイティング(開発協力)ディレクターの番長氏。「HEROES&HERALDS」は人対人の対戦サブモードを持たないため、デモ対戦はトレーニングモードを使って擬似的に行なわれた。

 ネオジー氏が構築したサンプルは、ブロッキングに特化した防御型デッキ。メイン効果に「ブロッキングが成功するたびにHCゲージ増加[Lv.1]、ブロッキング[Lv.2]、サブ2枚で「ブロッキングが成功するたびに一定時間攻撃力一定量アップ[Lv.1]」、「ブロッキングLv.1」、「残り1キャラクターで体力が0にされると1度だけHCゲージを5本消費して体力全回復、攻撃力一定量アップ[Lv.1]」というもの。ちなみに今作では、いわゆる通常ブロッキングのほかに、ダメージを受けている最中にブロッキング入力を行ないダメージを半減させる「ダメージブロッキング」が可能だ。

 番長氏のサンプルデッキは、メイン効果に「対戦開始時のHCゲージストック数が増加[Lv.3]」、「HCゲージ自動増加[Lv.2]」、サブ2枚で「HCゲージ自動増加[Lv.1]」×2、「パートナーの体力回復速度アップ[Lv.2]」×2というもの。ゲーム開始時にHCゲージ4本、さらに自動増加でもりもりHCゲージが増えていくという脅威のデッキ。番長氏によれば、現時点ではもっともHCゲージ自動増加が早いデッキだという。

 対戦は、HCゲージでやりたい放題の番長氏が常にペースを握る展開。ネオジー氏もブロッキングを決めるたびにHCゲージを1本ガツンと増やせるが、自動増加にくわえて通常の攻防でもHCゲージを増やしていく番長氏の勢いが勝っているうちは、どうにもならないといった雰囲気。連続ダメージブロッキングでダメージを減らしたときは「うわ! そこまで耐えるか!」といった衝撃的なシーンもあったが、この試合では勢いをくつがえすことができず、常に優勢を維持した番長氏のHC特化デッキが勝利した。このあとも、ネオジー氏が構築した毒デッキ(特定の攻撃がヒットすると以降HPが少しずつ減少。交代すると治る)など、尖ったサンプルデッキがいくつか紹介された。

 個人的に背筋がゾクゾクしたのは、X-ファクターの使用回数を増やす、あるいは特定条件下で使い放題になるという驚愕のカード類。当然レアリティは高いが、その効果は絶大などという簡単な言葉では言い表せない。これで興奮していたら、そのほかに「特定の攻撃がヒットしたら相手が必ず気絶する」という壮絶な記述を発見し、思わず「これ本当に大丈夫なんスか!?」と開発スタッフ氏をついつい質問責めにしてしまった。冒頭の新妻氏がコメントしているとおり、もしかしたらとんでもないデッキが生み出されるかもしれないが、元々本シリーズは、ゲームバランスに多少目をつぶっても、スピーディで爽快かつド派手、とにかく暴れまわって気持ちいいというのが真骨頂。「HEROES&HERALDS」は、そうした本シリーズの魅力を最大限にエンハンスした究極のモードといっていい。

 個人的には、ブロッキングの概念が入ったことで「とにかく1発差し込む」といった攻防に変化が生じる点に注目したい。筆者のごときへっぽこゲーマーでは話にならなかったが、中~上級者が使いこなすブロッキングのプレッシャーは、攻めてナンボという流れに、なにがしかの楔となるかもしれない。その一方で「すべての攻撃が削りになる」というカードの存在もチラと確認していたため、「まぁでも、やっぱりゴリゴリ攻めていくゲームなのかなぁ」と、ちょっと迷っていたりもする。いずれにせよ、12月19日の配信開始が待ち遠しくて仕方ない。カードの引きはもちろん、対戦相手がどんなデッキを使ってくるのか。本当に、わくわくが止まらない。


【デッキを使った対戦デモンストレーション】
カード選択とデッキ構築の面白さ、楽しさ、そして恐ろしさを教えてくれた対戦デモンストレーション。筆者はネオジー氏の毒デッキと対戦させていただいたが、ブロッキングにいくのが怖くて仕方なかったです……

【番外編:萩原良輔氏vs.椿姫彩菜さん、因縁の対決!】
名物広報の萩原良輔氏と、同社格闘ゲームイベントの常連ことタレントの椿姫彩菜さん。これまでの因縁を精算すべく「H&H」で決着……と思いきや、案の定グダグダな展開に。口の上手い萩原氏に業を煮やした椿姫さん、ついに最終兵器「ふ~ど」氏を投入。世界最大の格闘ゲーム大会「Evo Championship Series 2011」の「スーパーストリートファイターⅣ AE」部門など、数々の大会で優勝するなど格闘ゲーム界きっての猛者として知られる傑物。「UMVC3」はつい最近プレイし始めたというが、当然ながら萩原氏を寄せ付けない圧倒的な展開。負けるや否や、握手とともに「ええい、もってけ!」と勝ったご褒美として特性フィギュアセットをプレゼント。喜ぶおふたりの姿に、荻原氏ニンマリ。2連敗を上手く誤魔化してしまいましたとさ

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(2011年 12月 13日)

[Reported by 豊臣孝和]