G-Star 2010レポート
ncsoft、MMORPG「Blade & Soul」体験プレイレポート
多彩なスキルコンボを存分に楽しめるバトルシステムを搭載
韓国ncsoftは、新作のWindows用MMORPG「Blade & Soul(ブレードアンドソウル)」を、11月18日から開催される「G-STAR 2010」に出展する。同社はこれに先駆け、11月16日に各国のプレスを本社に招待し、先行体験会とカンファレンスを開催した。
「Blade & Soul」は、同社が開発中の3DMMORPG。昨年のG-Star 2009には映像出展され、今年はプレイアブルでの出展となった。「マグナカルタ」のグラフィックスデザイナーとして知られるキム・ヒョンテ氏が描くイラストを、Unreal3エンジンを採用した美しい3Dグラフィックスで再現したことで注目された本作は、今回動いているゲーム映像を見ても、十分に次世代を感じさせるクオリティを実現している。またそれだけでなく、他のMMORPGとは異なるいくつかの独自要素についても明らかにされた。
本稿ではゲームプレイの内容をお届けするが、カンファレンスでは開発者向けのインタビューの時間も設けられたので、それについても追ってお伝えする。なお本作の日本でのサービス展開はまだ未定。本稿における用語表記は、ncsoftより提供された日本語資料に合わせている。もし日本でのサービスが決定すれば、おそらくこれとは異なる表記が採用されるはずなので、その点はご了承いただきたい。
■ 4種族・4職業を選んでプレイ
まずキャラクター選択においては、4つの種族と4つの職業、性別を選択できる。種族は人間に近い外見をした「ジン」、比較的巨体で大きな武器を使いこなす「ゴン」、小柄で獣の耳と尾を持つ「リン」、細身で女性だけの種族「クン」の4つから選べる。「ジン」以外の種族も極端に人間離れした外見ではなく(「リン」の耳と尾だけは特徴的だが)、どれも美形にデザインされている。
職業は、片手持ちの剣を扱う「剣士」、籠手を付けた格闘スタイルで戦う「拳士」、巨大な斧を操る「力士」、魔法のような“気”の力を使う「気工士」の4つ。ただし種族によって選べる職業は限定されており、例えば「力士」は「ゴン」でのみ選択できた。
【ジン】 | ||
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最も人間に近い種族「ジン」。「剣士」、「拳士」、「気工士」を選択可能 |
【ゴン】 | ||
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筋肉質な巨体から力強さを感じる「ゴン」。「力士」、「拳士」、「気工士」を選べる |
【リン】 | |
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他の種族にない可愛らしさが特徴の「リン」。「剣士」か「気工士」のどちらかを選べる |
【クン】 | |
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男性が選べず、女性のみの種族となる「クン」。「リン」と同じく「剣士」か「気工士」を選べる |
■ 多彩なコンボスキルと、それを引き立てる独自のターゲッティングシステム
ゲームシステムにおいて本作が最も力を入れていると感じたのは、戦闘で使用するスキルのアクションだ。MMORPGでは、敵をターゲットしておけば自動的に攻撃し、時々スキルを使用して戦闘を有利に進めるといった感じだが、本作では自動的な攻撃は行なわれず、全て自発的にスキルを発動させて戦うことになる。
筆者は「剣士」を使ってプレイしてみた。Rキーで通常攻撃、3回連続で攻撃できる。これで“剣技”が溜まり、それによってFキーで強力な攻撃を放てるようになる。基本的にはRキーを連打しながら、時々Fキーを押してやれば、戦闘は進められる。
また1~5キーにスキルを割り当てて使用できる。「剣士」には防御スキルがあり、使用後2秒間ほどの間に敵が攻撃してくると、その攻撃を回避する。さらにこのスキルで回避した時だけ使用できる攻撃があり、敵にカウンターで大ダメージを与えられる。こういったスキルのコンボは他にもあるそうで、敵の動きに対応して使うスキルや、複数のスキルを連続して入れることで高い効果を発揮するコンボスキルなどもある。ただ強力なスキルをクリックするだけになるゲームとは違い、状況に合わせたスキル戦術を選べるのが本作の戦闘の特徴である。
このシステムは戦闘に奥深さを与えはするが、悪く受け取れば戦闘が複雑になるということでもある。本作ではこの戦闘に集中して楽しめるようにする対策として、敵のターゲット方法に独自の仕組みを取り入れている。一般的なMMORPGでは、マウスなどを使って攻撃する敵を固定するのだが、本作では“前方で近くにいる敵”を自動的にターゲッティングする。ただ攻撃したい敵に近づいていくだけでターゲットが決まるので、ターゲットを選ぶステップを踏むことなく、射程に入ったらスキルを使うだけでいい。直感的でわかりやすい反面、敵味方が密集していると狙ったターゲットを攻撃しづらいというのは痛し痒しではあるが、少なくとも他のゲームとは異なる、コマンド選択式でありながらアクション性の強さが感じられるプレイ感覚を実現している。
本作においてもう1つ特徴的なシステムとして、「脱力システム」がある。敵に攻撃されて体力が0になるとその場に倒れてしまうのだが、行動不能にはならず「脱力状態」に移行する。「脱力状態」では、這いずるようにしてゆっくりと移動ができる。この間は敵に攻撃されないので、安全な場所に逃げられる。その後、瞑想のような「運気調息」を行ない、しばらくするとその場で復活できる。ただし運気調息状態に移行すると、その瞬間から敵に見つかるようになるので、その状態で再び攻撃され倒されると、街に戻るしかなくなる。
操作面では、WASDキーでの移動と、スペースキーでのジャンプが可能。Wキーを連打すると、スタミナを消費しながらダッシュして高速移動できる。さらにこの状態でジャンプすると高く跳躍し、もう1度スペースキーを押すと空中をゆっくりと滑空できる。
■ 武峡世界で繰り広げられるファンタジックなドラマ
本作の主人公は、仙人が住むような空中の島(この世界では地上と同様の一般的な場所だという)で武術を学んでいる。ゲームが始まると、ここでアイテムを拾って装備したり、NPCに話しかけたり、指定されたスキルを使って戦闘訓練をしたりといったチュートリアルが進む。
一通りのチュートリアルが終わると、ストーリー展開が始まる。主人公が教えを請う師匠の前に、過去に弟子入りしていた女性が手下を連れて現われる。彼女らは修行場にいた他の弟子達をことごとく倒し、師匠が持つ刀を奪おうとする。老いて弱々しい見た目の師匠(といっても襲撃者と激しい戦いを繰り広げていた)は刀を奪われまいと、その刀に秘められた力を引き出し、力強く若々しい巨体へと変貌する。一時は襲撃者達を圧倒した師匠だったが、最後の弟子である主人公が人質に取られてしまい、刀を手放す。力を失った師匠は、刀だけでなく命までをも奪われ、主人公も斬られて島から落下してしまう。
海に落ち、海底に沈んだ主人公だったが、女神を思わせるような謎の女性が現われて、主人公を海面へと浮き上がらせる。そこに近隣の漁師の船が通りかかり、引き上げられて一命を取り留める。そして漁師の村で治療を受けた主人公だったが、目を覚ますと漁師町は海賊に攻め入られている真っ最中だった。助けてもらった恩もあり、主人公は海賊と戦う街の人々に力を貸すことになる。
ここからはゲーム本編がスタートとなる。先が楽しみな展開だが、今回のゲーム体験はここまで。武峡ものとあって、最初の島などは中国を感じさせるビジュアルなのだが、漁師町では少し雰囲気が変わる。本作は中国のほかにも、日本を含むアジア各国のエッセンスを取り込んでいるという。日本的な要素がどういった形で取り込まれているのかも楽しみなところだ。
【マルチプレイデモムービー】 |
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今回プレイできた内容とは別物だが、マルチプレイのデモムービーが公開されていたので紹介する。「力士」と「気工士」の視点で戦い方を見られる |
(2010年 11月 18日)