「Warhammer Online: Wrath of Heroes」、「The Secret World」プレビュー

EAの2本の新作PC用オンラインゲームを一足先に体験!


4月19日、20日開催

会場:Millbank London



 米Electronic Arts(EA)は、ロンドンで開催した「EA EU Showcase」に2本のオンラインゲームを出展した。1つは英Games WorkshopのボードゲームをベースにしたWindows用MOアクション「Warhammer Online: Wrath of Heroes」。もう1本は神話や呪いが実在し、ゾンビが徘徊する現代を舞台にしたWindows用ホラーMMORPG「The Secret World」だ。

 「Warhammer: Worth of Heroes」は 4月16日から欧米サーバーでのオープンβテストがスタートしている。「The Secret World」は6月19日からクローズドβテスト(CBT)がスタートする予定で、現在はSNSでCBTに向けてのキャンペーンが始まっている。

 EAは「Star Wars: Old Republic」など複数のオンラインゲームを運営しているが、そこに新たなラインナップが加わることになる。このレポートではEAがサービスを予定している2本のオンラインゲームを紹介したい。なお、これらの日本展開は残念ながら予定されていないので注意したい。





■ 3チームで陣地を奪い合うカジュアル対戦ゲーム「Warhammer Online: Wrath of Heroes」

「Warhammer Online: Wrath of Heroes」メインビジュアル
軽いクライアントで、PCを選ばず気軽に遊ぶことができる

 「Warhammer Online: Wrath of Heroes」は、Biowareが初めて手がけるフリー・トゥ・プレイのオンラインゲーム。「Warhammer」は英Games Workshop社が発行している歴史のあるボードゲームで、TRPGとしても根強い人気を誇り、電子ゲームとしてもこれまでストラテジーやMMORPGなど様々なタイトルが作られている。同じくEAがサービスしているWindows用MMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」とは同一の世界観を持つ以外に関連性はないが、開発者の中には「Warhammer Online: Age of Reckoning」を手がけた人材もいるという。

 基本的なゲームの内容は、「League of Legends」(Riot Games)に代表される「AOS」や「DOTA」と呼ばれるオンラインアクションものに近い、1チーム6人の3チームによる陣取り合戦。1度の対戦は15分間。登録すると自動的にマッチングが行なわれる。マッチングの待ち時間には、アイテムショップに行って準備を整えることができるよう、待機画面からショップへ入れるリンクがあるのはフリー・トゥ・プレイのゲームらしい配慮だ。

 マッチングした後は、ゲームをスタートする前にキャラクターを決めるが、キャラクターはリスポーンのタイミングで変更することもできる。使えるのは「Warhammer」に登場する様々な種族や職業。オークやドワーフ、魔法使いにエルフとオーソドックスだが個性的なキャラクターがそろっている。

 戦場は正方形の狭いマップ。外周に3カ所のフラッグがあり、中央には大きな建物がある。外周のフラッグを1つでも獲得すると、中央にある建物の中にアーティファクトが現れる。外のフラッグを別のチームに奪われると、アーティファクトの占有権も失う。お互いにフラッグを取ったり取られたりしながら最終的なポイントで勝敗を決めることになる。

 イベント会場では簡単なチュートリアルをプレイした後、プレス6人のチームでCBTサーバーに登録してマッチングされた相手と戦った。スキルは何種類かの中からあらかじめセットしておいた5種類が使用できる。スキルはツリーになっていて、アンロックしていくことで、キャラクターを強化できる。フリー・トゥ・プレイのゲームだが今のところ課金要素はアバター関連のものが多いようだ。

 スキルには相手をターゲットして放出するものと、サイトを見ながら撃つノンターゲットのものが混在している。といってもアクション性はあまり高くはなく、いかにチームの作戦で相手を出し抜くかという頭脳戦の意味合いが大きそうだ。

 デモプレイでは、筆者たちグリーンチームは、ブルーチームとレッドチームと対戦したが、一丸となって動くレッドチームが勝利した。サイトではクライアントの軽さやカジュアルさを強調している。「Warhammer Online: Age of Reckoning」はオープン時にはポスト「WoW」として大きな注目を浴びたが、その後は低迷した。対人戦に特化したオンラインゲームが人気で、「League of Legends」(Riot Games)が大ヒットを記録している中、本作がどこまで支持を集められるか気になるところだ。


【「Warhammer Online: Wrath of Heroes」トレーラー】

 


個性的な種族の一部分。それぞれ、得意な分野があり、チーム内での役割分担が重要になってくる

■ 神話や伝説が実在する世界が舞台のダークホラーMMORPG「The Secret World」

「The Secret World」は、欧米ではかなり期待度の高い作品だ

 「Secret World」は独Funcomが開発しているWindows用MMORPG。神話や伝説、呪いがすべて実在する現代の世界で、プレーヤーは「イルミナティ」、「テンプラー」、「ドラゴン」という3つの秘密結社のいずれかに所属して、様々な事件に当たっていく。幽霊やゾンビ、悪魔やモンスターが登場するホラー色の強いゲームだ。残念ながら、今のところ日本語でのサービスは予定されていない。

 2012年6月19日からCBTがスタートする予定で、現在はCBTに向けたキャンペーンを兼ねたブラウザゲーム「The Secret War」がネット上で行なわれている。これはマス目に分けた世界地図上の各エリアを3つの秘密結社で奪い合うというもので、ゲームの報酬にはCBT参加権のほか、モントリオールへの招待券や、ゲーム内のNPCに自分の名前を使ってもらえる権利など、オンラインゲームらしい賞品が用意されている。

 イベントの体験プレイでは、邪悪な力に支配され、ゾンビが徘徊する遊園地でブギーマンを倒すというミッションを、開発スタッフを含めた3人のパーティーで体験した。遊園地の周囲を徘徊しているゾンビはおそらくかつては遊園地の客だったのだろう、とてもおしゃれな服を着ているゾンビもいる。しかし顔半分が無残に崩れ、うつろな表情で迫ってこられると非常に怖い。しかもかなりしつこく追いかけてくる。

 そんなゾンビと戦うプレーヤーキャラクターには、レベルと商業という概念はなく、武器と関連付けられたアビリティを習得することでその武器を使った技を繰り出すことができるようになる。武器は近接が刀とハンマー、格闘技、遠距離が銃、そして魔法の3系統に別れている。各系統のベーシックアビリティを習得すると、さらに強力なスキルが仕えるエリートアビリティを覚ることができるようになる。

 戦闘方式は敵をクリックしてターゲットしてから攻撃するタイプ。近くにいればターゲットするだけで敵の方を向いてくれる。どちらかというと、アクションバトルは苦手という人向けのバトルシステムだ。

 覚えたスキルはショートカットに登録して使用する。ショートカットは1セット単位で複数のセットが登録可能なので、状況に合わせてローディングして使用する。スキルは武器と関連づけられているので、例えばハンマー系のスキルをセットすると武器もハンマーにかわる。

 筆者のキャラクターは格闘系の近接攻撃と、ハンマー系の技を使う女キャラクター。格闘系は素早く強力な攻撃を繰り出すアタッカーで、ハンマーの技は相手を惹き付ける盾的なものが多かった。普段は全員がアタッカーとして各自で戦い、強力なボスと戦う時には役割分担をするといった形だ。

 遊園地のミッションは、いくつかの章に分かれている。最初の章では文字通り殺人的な速度で回るメリーゴーランドの横で次々に現われる中ボスを倒すというもの、章の中には戦闘がなく、ただカットシーンを見るだけのものもあり、ストーリー性が強く意識された演出になっていた。最後に巨大なブギーマンを倒すとミッションが終了する。

 この遊園地はオープンフィールドで、ソロでもプレイ可能だそうだ。他にもインスタンスダンジョンや、人が集まる街のようなエリアもあるらしい。まだまだ開発中ということもあり、多少間延びした部分もあったが、珍しい現代が舞台のMMORPGという目新しさで今まであまり体験したことのない感触が味わえた。日本にもぜひ来てほしいものだ。

【スクリーンショット】
個性的な種族の一部分。それぞれ、得意な分野があり、チーム内での役割分担が重要になってくる

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(C)2007-1012,"The Secret World" is a registered trademark of Funcom Gmbh 2012. All Rights reserved. All logos,characters,names and distinctive likeness thereof are intellectual property of Funcom Gmbh unless otherwise note. All other trademarks are the property of their respected owners.
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(2012年 4月 23日)

[Reported by 石井聡]